当社のコーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方は、株主をはじめ、取引先、顧客、従業員など様々なステークホルダーの期待に応え、社会的責任を果たすことが継続企業としての最重要課題として捉え、グループ全体の経営の効率化及び適時開示と説明責任の充実による企業経営の健全性と透明性の確保にあると考えております。
経営の効率化については、業務執行の迅速化と経営責任体制の明確化を図るため、執行役員制度を採用し、経営環境の変化に迅速に対応する経営体制の強化を図っております。
企業経営の健全性と透明性については、内部監査室、法務部による法令遵守と企業倫理向上の推進、内部監査室や監査役による業務執行プロセスのチェック体制の確立、そして、取締役会における健全・公正な意見及び意思決定過程により構築しております。
適時開示と説明責任の充実については、株主及び投資家へのIR情報の適時、適正な開示とその充実を図ってまいります。また、企業行動規範を制定して、法令遵守と公正な企業活動の実施を宣言し、取締役はその執行状況を相互に監視する体制を整えております。
当社は、監査役制度を採用し、会社の機関として取締役会及び監査役会を設置しており、重要な業務執行の決議、監督並びに監査を実施しております。
(a)取締役会・取締役
取締役会は、社外取締役2名を含む8名の取締役で構成され、議長は代表取締役社長が務めております(構成員の氏名については、後記(2)役員の状況に記載しております。)。取締役会は原則として月1回開催し、重要事項は全て付議され、業績の進捗についても討議し、対策を迅速に行っております。また、相互の経営監視をしております。
業務執行の迅速化及び経営責任の明確化を図るため、執行役員制度によるコーポレート・ガバナンス体制を採り、本報告書提出日現在、執行役員7名を選任しております。
(b)監査役会・監査役
監査役会は、社外監査役2名を含む3名の監査役で構成され、議長は常勤監査役が務めております(構成員の氏名については、後記(2)役員の状況に記載しております。)。取締役会など重要な会議体への出席を含め、取締役の職務の執行を監査し、コンプライアンスの徹底とコーポレート・ガバナンスの充実を図っております。
当社では、社外監査役が取締役会へ出席するなど、外部の目を通して中立的な立場から経営の意思決定と執行を監視しているため、監視機能が十分に働いていると判断しております。
(c)内部監査
内部監査室は法令の遵守状況及び業務活動の効率性などについて、当社各部門に対し内部監査を実施し、業務改善に向け具体的に助言・改善勧告を行っております。
当社は、監査役会設置会社であり、取締役の業務執行に対して、取締役会による監督と監査役による監査という二重のチェック体制を採っております。また、社外取締役及び社外監査役が、取締役会において独立性の高い立場から発言を行い、客観的かつ中立的な立場から監督及び監視を行う一方で、監査役、内部監査室及び会計監査人が業務執行を把握できるよう連携を強化することで、社内外からの経営監視機能が十分に発揮される体制が確保できると判断し、本体制を採用しております。
当社は、内部統制システムの構築及び適切な運用を重要な経営課題の一つであると認識し、それに向けた関連諸規程の整備や社内組織体制の構築等に取り組んでおります。また、監査役は会計監査に立会い、会計方針・会計処理方法の妥当性及び処理の正確性を聴取するとともに、会計監査人との連携を相互にとり、意見交換等を定期的に実施しております。
当社は、会社法及び会社法施行規則に定める「業務の適正を確保するための体制」について、取締役会において決議しております。その概要は以下のとおりであります。
(ロ) 取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
当社は、「文書規程」により、取締役の職務の執行に係る情報(取締役会議事録及び稟議書など)を文書又は電磁的媒体に記録し、保存しております。また常時これらを閲覧できるものとしております。
当社は、子会社を含むグループ全体のリスク管理の基礎として、「リスク管理規程」の定めにより「リスク管理委員会」を設置し、リスクの未然防止、迅速に対応する体制を構築しております。
当社は、原則として取締役会を月1回以上開催し、また、必要に応じて臨時取締役会を開催して、重要な項目について審議し、意思決定を行っております。また、事業部会議、部長会を定期的に開催し、各部門の目標達成に向け、具体策を討議及び立案のうえ実行しております。
当社は、「関係会社管理規程」に従い、子会社の管理及び指導を行うとともに、《経営理念》に基づき企業集団の業績向上、事業の発展を目指しております。
また、親会社との関係については、当社の経営に関する事項は社外を含む取締役及び監査役が出席する取締役会にて決議し方針を定め、独立性を担保して業務の適正を確保しております。
監査役は、内部監査室の要員に対し、補助者として監査業務の補助を行うよう命令できるものとしております。
上記の補助する従業員の人事異動・懲戒処分には、監査役会の承認を得るものとしております。
a 取締役は取締役会に監査役の出席を求め、報告しております。
当社では、「公益通報者保護規程」を定め、当社及び子会社の報告者等が不当な取扱いを受けることがない体制を確保しております。
監査役会は、代表取締役社長及び会計監査人とそれぞれ必要に応じて意見交換会を開催しております。
監査役がその職務の執行について、当社に対し前払等の請求をしたときは、当該請求に係る費用または債務が当該監査役の職務の執行に必要でないことを証明した場合を除き、速やかに当該費用または債務を処理しております。
当社は、統括責任者を定め「反社会的勢力対応規程」に基づき、反社会的勢力に対して不当要求に屈しない体制を構築しております。必要に応じて外部関係機関とも連携を図り、有効かつ迅速な対応を行ってまいります。
信頼性のある財務報告を確保するため「内部統制実施基準」を制定し、内部統制システムの整備状況及び運用状況を経営者自らが評価し、不備については適時に是正する体制を構築しております。
リスク管理体制、コンプライアンス体制については、リスク管理委員会を中心に社内の各種法的な問題を把握し、必要の都度、弁護士等の専門家から助言を受け、業務運営の適法性の確保に努めております。
子会社の業務については、関係会社管理規程に従って管理しております。関係会社管理規程は、関係会社に対する全般的な管理方針、管理組織について定めており、関係会社に関する業務の円滑化及び管理の適正化を図り、もって関係会社を指導・育成し、相互の利益の向上に努めております。
また、当社グループの業務執行の状況については、内部監査規程に基づき、内部監査室長が関係会社に対し、定期または臨時に、実地監査を行っております。また、実地監査の結果については、内部監査室長の意見を付して代表取締役社長に報告し、必要があれば関係会社に対して指示または勧告を行っております。
さらに、子会社の業務執行について職務権限規程などの決裁ルールの整備を行うほか、経営の重要な事項に関しては、社内規程に基づき、当社の事前承認または当社への報告を求めるとともに、当社の子会社担当役員及び子会社管理関連部門などが子会社からの事業計画、業務執行状況・財務状況等の報告を定期的に受け、業務の適正を確認しております。
当社は、機動的な資本政策の実施を可能とする目的で、会社法第165条第2項の規定に基づき、取締役会の決議によって市場取引等により自己の株式を取得することができる旨を定款に定めております。
当社は、株主への利益還元の機会を充実させるため、会社法第454条第5項の規定により、取締役会の決議によって毎年3月31日を基準日として中間配当を行うことができる旨を定款に定めております。
当社の取締役(業務執行取締役等であるものを除く。)及び監査役の全ては、会社法第427条第1項及び当社定款に基づき、会社法第423条1項の損害賠償責任を限定する契約を締結しております。当該契約に基づく損害賠償責任の限度額は、いずれも法令が規定する最低責任限度額としております。
当社の取締役は16名以内とする旨定款に定めております。
当社の取締役の選任決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもってこれを行う旨及び選任決議は累積投票によらないものとする旨を定款に定めております。
当社は、会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決議については、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨定款に定めております。これは、株主総会における特別決議の定足数を緩和することにより、株主総会の円滑な運営を行うことを目的とするものであります。