3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概況

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー

(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 経営成績の状況

 当連結会計年度(2019年7月1日から2020年6月30日まで)におけるわが国経済は、米中貿易摩擦、新型コロナウイルス感染症等のリスクによる不確実性の影響により、先行き不透明な状態で推移いたしました。期初から上半期までは個人消費の拡大や雇用増加による景気回復基調が見られたものの、下半期には新型コロナウイルス感染症拡大の影響により個人消費や設備投資が弱まり全体として厳しい経済状況が続きました。

 当社グループが本社を構える北海道経済においては、緩やかな回復基調は見られたものの他地域と同様に新型コロナウイルス感染症の影響や消費増税による個人消費の減速や設備投資の抑制の動きが見られる中で推移しました。

 通信サービス業界におきましては、技術の進展によりビジネスや個人のデジタル化を更に推し進め、データ通信環境は必須の社会インフラとして確立し、その需要は拡大する一方であります。こうした中、当年度は電気通信事業法の改正等により通信事業者の競争が激化するとともに、先進技術の活用や通信サービスの安定性確保等に注目が集まりました。「新しい生活様式」の普及により在宅勤務者が増加し、住環境での通信サービス供給は全国に広がっております。

 このような市場環境の下、当社グループは、賃貸マンションへのWi-Fi機器設置増加によるレジデンスWi-Fi事業の躍進が、商業施設のイベント自粛等によるフリーWi-Fi事業の足踏みを補填し、昨年度に続き当連結会計年度でも増収増益となりました。事業面においては、ニッチ市場に特化してWi-Fi環境構築先となるロケーション(集合住宅・店舗・商業施設・交通機関等)とつながるパートナー企業との協業により、新規Wi-Fi環境構築時に発生するフロー収益(一時収益)と、各ロケーションからの利用料収入や通信機器レンタル収入等の継続収益(ストック収益)を両面で増加させております。

自社製品開発では『FG Home IoT』事業でスマートロックデバイス「FG Lock」及び居室内センサー「FG Smart Sensor」の開発を継続しております。

 

 この結果、当連結会計年度の業績は、売上高7,424,440千円(前年同期比36.3%増)、営業利益1,234,824千円(前年同期比31.9%増)、経常利益1,215,285千円(前年同期比37.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益722,848千円(前年同期比31.2%増)となり、売上高及び各利益において過去最高値を更新することができました。

 

 セグメント別の業績を示すと次のとおりであります。

(単位:千円)

セグメントの名称

売  上  高(千円)

構成比

(%)

前期比増減率

(%)

第19期

2018年6月期

第20期

2019年6月期

第21期

2020年6月期

レジデンスWi-Fi事業

2,862,151

4,073,063

5,712,026

76.9

40.2

フリーWi-Fi事業

1,115,334

1,373,332

1,712,413

23.1

24.7

その他

-

-

-

-

-

合計

3,977,485

5,446,396

7,424,440

100.0

36.3

 

a. レジデンスWi-Fi事業

 集合住宅向けインターネット接続サービス市場は、高速インターネット環境導入による資産価値の向上や入居率の増加、また在宅勤務者増加による通信サービスの緊急需要を取り込み、発展的に推移しました。

 販売パートナーとの継続的な協業により、大手顧客からの安定的な受注と小規模賃貸集合住宅向けサービスの新規獲得に注力いたしました。加えて、新型コロナウイルス感染症増加による在宅勤務者の急増に対応し、帯域を増やし通信回線品質を強化し、顧客満足度の向上を図りました。壁埋込型のWi-Fi設備を標準設置した入居者無料インターネット接続サービスの充実を継続的に推進しております。毎月の定額利用料としての継続収益(ストック収益)による通信サービスを基本としておりますが、継続収益に加えてサービス開始時の一時収益(フロー収益)をともなう販売が堅調に増加し、売上高は計画値を上回る推移をしております。

 その結果、当セグメント売上高は5,712,026千円(前年同期比40.2%増)、セグメント利益は1,484,675千円(前年同期比24.0%増)となりました。

 

b. フリーWi-Fi事業

 当下半期は新型コロナウイルス感染症の影響により、商業店舗イベントの自粛や、外出・旅行自粛によるバス等の交通機関の稼働本数減少が移動体通信Wi-Fiの通信サービス一時停止に繋がりました。観光施設への導入や通信機器販売の受注は継続しております。

 その結果、当セグメント売上高は1,712,413千円(前年同期比24.7%増)、セグメント利益は507,294千円(前年同期比36.5%増)となりました。

 

 c. その他

 当セグメントの売上高はありません(当連結会計年度から新設したセグメントであるため前連結会計年度はありません)。2020年3月に設立した連結子会社である株式会社FG-Lab(エフジーラボ)の不動産賃貸事業をその他セグメントに区分しております。なお、同社は2020年6月末現在賃貸用マンションを建設中であり、当連結会計年度に計上する売上高はありません。

 

② 財政状態の状況

(流動資産)

 当連結会計年度末における流動資産は2,795,737千円となり、前連結会計年度末に比べ、444,659千円増となりました。これは主に現金及び預金の増加356,844千円及び売掛金の増加78,721千円によるものであります。

 

(固定資産)

 当連結会計年度末における固定資産は4,185,330千円となり、前連結会計年度末に比べ、1,229,510千円増となりました。これは主に通信設備の増加1,013,384千円によるものであります。

 

(繰延資産)

 当連結会計年度末における繰延資産は3,378千円となり、前連結会計年度末に比べ、1,582千円減となりました。これは社債発行費の償却によるものであります。

 

(流動負債)

 当連結会計年度末における流動負債は2,248,375千円となり、前連結会計年度末と比べ、541,393千円増となりました。これは主に買掛金の増加114,873千円、短期借入金の増加200,000千円、1年内返済予定の長期借入金の増加189,387千円、未払金の増加26,457千円及び未払法人税等の増加67,445千円によるものであります。

 

(固定負債)

 当連結会計年度末における固定負債は2,025,853千円となり、前連結会計年度末と比べ、402,616千円増となりました。これは主に長期借入金の増加616,665千円、社債の減少220,000千円によるものであります。

 

(純資産の部)

 当連結会計年度末における純資産の部は2,710,216千円となり、前連結会計年度末と比べ、728,577千円増となりました。これは主に利益剰余金の増加722,848千円によるものであります。

 

③ キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は1,415,418千円となり、前連結会計年度末比で356,844千円増加しました。

当連結会計年度の各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において営業活動により得られた資金は1,732,861千円(前連結会計年度は1,345,616千円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益が1,183,598千円及び減価償却費が798,910千円あったことによるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において投資活動により使用した資金は2,071,715千円(前連結会計年度は1,389,763千円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出が2,034,868千円あったことによるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において財務活動により得られた資金は699,639千円(前連結会計年度は15,102千円の使用)となりました。これは主に、長期借入れによる収入が1,400,000千円となった一方、長期借入金の返済による支出が593,948千円、社債償還による支出が280,000千円あったことによるものです。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

 a. 生産実績

 当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

 

 b. 受注実績

 当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、受注から売上までの期間が短いことから、当該記載を省略しております。

 

 c. 販売実績

  当連結会計年度における当社グループの通信関連サービス(レジデンスWi-Fi事業、フリーWi-Fi事業、その他事業)の販売実績をセグメント毎に示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(千円)

前年同期比(%)

レジデンスWi-Fi事業

5,712,026

40.2

フリーWi-Fi事業

1,712,413

24.7

その他

-

-

合計

7,424,440

36.3

(注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2018年7月1日

至 2019年6月30日)

当連結会計年度

(自 2019年7月1日

至 2020年6月30日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

株式会社 USEN

-

-

759,066

10.2

2.前連結会計年度における株式会社 USENの販売実績及び総販売実績に対する割合は100分の10未満であるため記載を省略しております。

3.上記の金額に消費税等は含まれておりません。

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析、検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析、検討内容は次のとおりであります。文中の将来に関する事項は、本報告書提出日現在において判断したものであります。

 

① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析、検討内容

 当連結会計年度の業績は、売上高7,424,440千円(前連結会計年度比36.3%増)となりました。売上原価は3,553,914千円(前連結会計年度比46.0%増)、販売費及び一般管理費は2,635,700千円(前連結会計年度比27.0%増)となり、営業利益1,234,824千円(前連結会計年度比31.9%増)、経常利益1,215,285千円(前連結会計年度比37.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益722,848千円(前連結会計年度比31.2%増)となりました。

 

a. 売上高

 売上高は7,424,440千円(前連結会計年度比36.3%増)となりました。これは主に小規模賃貸向けの新規サービス導入と継続サービス提供数が増加していることや新規パートナーの開拓による販路の拡大により、レジデンスWi-Fi事業の売上が堅調に伸張したことによるものであります。

 

b. 売上原価、売上総利益

 売上原価は3,553,914千円(前連結会計年度比46.0%増)となりました。これは主に、売上増加に伴う通信設備の減価償却費及び通信費の増加によるものであります。この結果、売上総利益3,870,525千円(前連結会計年度比28.5%増)となりました。

 

c. 販売費及び一般管理費、営業利益

 販売費及び一般管理費は2,635,700千円(前連結会計年度比27.0%増)となりました。これは主に、事業規模拡大に伴い、人件費及び販売手数料等が伸張したことによるものであります。この結果、営業利益1,234,824千円(前連結会計年度比31.9%増)となりました。

 

d. 営業外収益、営業外費用及び経常利益

営業外収益及び営業外費用につきましては、重要な発生はありません。この結果、経常利益1,215,285千円

(前連結会計年度比37.0%増)となりました。

 

e. 親会社株主に帰属する当期純利益

税金等調整前当期純利益は1,183,598千円(前連結会計年度比35.4%増)となり、法人税、住民税及び事業税並びに法人税等調整額の計上により、親会社株主に帰属する当期純利益は722,848千円(前連結会計年度比31.2%増)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

a. キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容

 当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概況 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

b. 資金需要

 当社グループの運転資金需要の主要なものは、売上高増加による仕入債務の支払いと売上債権の回収のサイトの差から発生するもの、たな卸資産の増加によるもの、及び有形固定資産である通信設備機器の取得に係る支払であります。その他、業容の拡大及び管理体制の充実による人件費の増加をはじめとした販売費及び一般管理費も資金需要増加要因の一つであります。

 

c. 財務政策

 当社グループにおける増加運転資金につきましては、自己資金及び金融機関からの借入金により資金を調達することとしております。

 

③ 重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積もりには不確実性が伴うため、実際の結果は、これらの見積りとは異なる場合があります。

 新型コロナウイルス感染症の影響は軽微であるため、当社グループの重要な会計方針及び見積りには含めておりません。

 この連結財務諸表の作成にあたる重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表」の「注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

 

④ 経営成績に重要な影響を与える要因について

 当社グループは、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、事業環境、事業内容、法的規制等様々なリスク要因が当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。

 そのため、当該リスクを分散・低減すべく、市場動向に留意しつつ、内部管理体制を強化し、優秀な人材を確保育成し、ユーザーのニーズを的確に捉え最適な製品やサービスを最適なタイミングで提供してまいります。

 

⑤ 経営戦略の現状と見通し

 当社グループは、ニッチな市場を自ら創出し、市場占有率を高めることによってプライスメーカーとなるという経営方針の下、レジデンスWi-Fi事業、フリーWi-Fi事業を中心に事業拡大に取り組んでまいりました。

 当社グループ事業の継続的な発展を実現するため、今後も垂直統合型のビジネスモデルにより、パートナー企業を含めた営業体制を強化するとともに、サービス運用及び顧客サポートからのフィードバック情報に基づいた 新商品・新サービスの開発による差別化・高付加価値化の推進、Wi-Fiを活用した広告サービスの機能追加とマーケティングを強化し、さらなる拡販による事業拡大を図ってまいります。

 これらの経営戦略方針の下、持続的な成長を目指すとともに、当社グループが成長・発展を指向する過程で、通信Wi-Fi市場の発展に寄与したいと考えております。

 

⑥ 経営者の問題認識と今後の方針について

 当社グループが今後の業容を拡大し、よりよいサービスを継続的に提供していくためには、経営者は「第2事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の様々な課題に対処していくことが必要であると認識しております。それらの課題に対応するために、経営者は常に各種ニーズや事業環境の変化に関する情報の入手及び分析を行い、現在及び将来における事業環境を確認し、その間の課題を認識すると同時に最適な解決策を実施していく方針であります。