3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績の状況

当連結会計年度(2019年3月1日~2020年2月29日)の連結業績は、営業収益、営業利益が過去最高となりました。経常利益につきましても、当社連結子会社のイオンディライト㈱の子会社で判明した過年度の不正会計処理及び誤謬の修正額を、第1四半期連結会計期間(2019年3月1日~5月31日)に一括計上した影響を除けば、前期と比べ増益となりました。セグメント別営業利益につきましては、利益の柱となっているヘルス&ウエルネス事業、ディベロッパー事業に加え、業績回復が続く国際事業が増益となりました。

なお、新型コロナウイルスの感染拡大により、中国・湖北エリアのショッピングモールの専門店ゾーンの営業休止や同エリアにおける総合スーパーの営業時間短縮等、1月下旬より海外での営業に一部影響が出ていますが、中国子会社の決算期は12月であり、2月業績まで連結業績に取り込む一部の会社を除き、大半の中国子会社の1月以降の業績は当連結会計年度の連結業績に含まれておりません。国内においては、1月下旬から感染予防対策としてマスク等の衛生用品の需要が急増したことに加え、2月下旬には学校への休校要請やテレワークの推進による食品備蓄の動きや、紙製品等の買い急ぎがあり、グループの総合スーパー、スーパーマーケット、ドラッグストアにおいてこれらの商品群の売上が伸長しました。

営業収益は、前期と比べて859億91百万円(1.0%)増加し8兆6,042億7百万円と過去最高となりました。営業原価は、商品機能会社の活用による調達コストの削減に努めたものの、前期と比べて410億39百万円(0.8%)増加し5兆4,687億74百万円となりました。販売費及び一般管理費は、堅実な経費コントロールに努めたものの、キャッシュレス推進施策等に伴う販売促進費の増加、また、前期より適用したIFRS第9号「金融商品」の影響で総合金融事業の在外子会社において貸倒引当金繰入額が増加したこと等により、前期と比べて416億78百万円(1.5%)増加し2兆9,199億2百万円となりました。上記の結果、営業利益は前期と比べて32億73百万円(1.5%)増加し2,155億30百万円と過去最高となりました。

営業外収益は前期より36億66百万円(13.2%)増加し314億14百万円に、営業外費用は在外子会社においてIFRS第16号「リース」を適用しリース利息(支払利息)を計上したこと等により162億28百万円(65.2%)増加し411億15百万円となりました。この結果、経常利益は前期と比べて92億88百万円(4.3%)減少し2,058億28百万円となりました。特別利益及び特別損失では、当期、投資有価証券売却益が98億98百万円増加した他、店舗等固定資産に係る減損損失が前期より44億57百万円減少したこと等により、特別利益は前期より103億56百万円(26.8%)増加し490億25百万円に、特別損失は前期より55億13百万円(6.4%)減少し801億89百万円となりました。また、法人税等が198億97百万円(24.9%)増加し、非支配株主に帰属する当期純利益が165億16百万円(25.6%)減少した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前期と比べ32億円(13.5%)増加し、268億38百万円となりました。

 

(グループ共通戦略)

・  2018年10月に締結した国内6地域におけるSM(スーパーマーケット)事業の経営統合に関する基本合意に基づき、各地域で統合を推進しました。3月、中国・四国地域においてマックスバリュ西日本㈱が㈱マルナカと㈱山陽マルナカを子会社化し新体制がスタートしました。9月、東海・中部地域においてマックスバリュ東海㈱とマックスバリュ中部㈱が合併しました。北海道ではイオン北海道㈱とマックスバリュ北海道㈱が4月に合併契約を締結し、2020年3月に合併しました。また、東北地域においても2020年3月にマックスバリュ東北㈱をイオン㈱の完全子会社とした上で、イオンリテール㈱東北カンパニーと経営統合し、新しくイオン東北㈱としてスタートしました。近畿地域においては、2020年3月に㈱ダイエーと㈱光洋が経営統合しました。九州地域においてもイオン九州㈱、マックスバリュ九州㈱、イオンストア九州㈱が経営統合する予定です。各地域の統合会社は、低価格志向、健康志向、ローカル志向等の食の多様化や時短ニーズの高まり、ボーダーレス化した食の市場を巡る競争の激化、労働環境の変化等に対応し、最も地域に貢献する企業を目指します。

・  7月、内閣府と災害対応に関する連携協定を締結しました。本協定の締結により、当社の店舗駐車場等のスペースを応援部隊の進出拠点として活用していただくことが可能になりました。また、各地域の電力会社と「災害時における相互支援に関する協定」を締結したことにより、大規模災害発生時、イオンは各電力会社に対して支援物資の提供及び復旧拠点設営用のスペースを貸与し、また、各電力会社は自治体からの要請に基づき、イオンが店舗の敷地内に設けた一時避難場所に電力を供給することを可能にしました。9月の「令和元年房総半島台風」においては、イオンモール木更津とイオンモール成田の駐車場を電力の復旧拠点設営用として提供する等、復旧活動を支援しました。

 

・  イオン㈱とウエルシアホールディングス㈱は、フランスのボタニカルビューティケアブランド、YVES ROCHER(以下、イヴ・ロシェ)の独占販売を行う共同出資会社としてイオンレーヴコスメ㈱を8月に設立しました。1959年フランスに創業、60年の歴史を持つイヴ・ロシェは、 約90カ国に6,700以上の店舗を展開する、天然由来の原料にこだわった高品質で毎日使える手ごろな価格帯のブランドです。11月からの首都圏の「ウエルシア」や総合スーパー「イオン」等、約100店舗での販売開始を皮切りに、イオンの店舗網を活かし、2025年度までに全国約2,000店舗での展開を目指します。

・  11月、英国ネットスーパー業界で最も早い成長スピードを誇るOcado Group plcの子会社であるOcado Solutionsと日本国内における独占パートナーシップ契約を締結しました。本提携に基づき、イオンは2023年に中央集約型倉庫を設立することで高度に効率化されたオペレーションを構築するとともに、優れたアプリのインターフェースを介してお客さまの「いつでも、どこでも、何でも」というニーズに応えることができる「次世代ネットスーパー」を目指します。

・  当社はグループ事業構造の改革を方針に掲げ、グループ企業の戦略的整理・統廃合を推進しています。12月、連結子会社であるタルボットジャパン㈱が運営する事業を2020年5月末日をもって終了することを決定しました。また、2020年3月には連結子会社クレアーズ日本㈱が運営する事業の終了を発表し、同じく2020年3月、連結子会社である㈱ツヴァイに対して公開買付が開始され、当該公開買付は4月に成立しております。

・  1月、代表執行役の異動(社長交代)を発表しました。2月に決定した機構改革と合わせて、イオン誕生より51年目となる2020年度のスタートにあたり組織体制の刷新を図り、新しい環境変化に即応した経営スピード、多様性を重視した自律的運営により、グループ総合力の持続的成長を目指します。

 

セグメントごとの業績は次のとおりであります。
 なお、当連結会計年度より報告セグメントとして記載する事業セグメントを変更しており、当連結会計年度の比較・分析は、変更後の区分に基づいております。

 

①  GMS事業

GMS(総合スーパー)事業は、営業収益3兆705億21百万円(対前年同期比99.7%)、営業利益は72億23百万円(同62.7%)となりました。

イオンリテール㈱は、当連結会計年度において33店舗の既存店活性化と9店舗の新規出店を実施しました。7月にオープンしたイオンスタイル岡山青江(岡山県)は、「ワンストップ」「ショートタイム」をキーワードに、共働きで忙しいファミリーや単身者の日々の生活をサポートすべく、こだわりの惣菜を対面形式で提供する「リワードキッチン」、中国・四国初出店のインナーカジュアルストア「iC(アイシー)」、気軽に肌と健康状態を確認できる「サルーステーション」を併設した美と健康の専門ショップ「グラムビューティーク」等多彩な専門店を展開しています。また、10月の消費税増税に対応し、9月には家具、家電、リフォーム等の高額商品やビューティケア関連商品等、増税前のお客さまニーズの高い商品を拡販し、増税後の11月には大型販促企画ブラックフライデーを行う等、消費の喚起に注力しました。加えて新しい取り組みとして、2020年3月より、“レジに並ばない”お買物スタイル「どこでもレジ レジゴー(以下、レジゴー)」を本格展開し、2020年度中に東京・千葉・神奈川のイオン、イオンスタイルを中心に約20店舗へ拡大することを2月に発表しました。レジゴーは、お客さま自身が貸出用の専用スマートフォンで商品のバーコードをスキャンし、 専用レジで会計するイオンの新しいお買物スタイルで“レジに並ばない”“レジ待ち時間なし”を可能としています。今後はレコメンド機能を追加し、お買物中のお客さまへのメニュー提案やお買得商品の案内のほか、専用アプリの開発により、さらなるお買物の楽しさと利便性向上に繋げてまいります。

イオン北海道㈱は、「北海道でNo.1の信頼される企業」を掲げ、既存店の収益を拡大するため地方店舗を中心に1年間で約11億円の活性化をおこないました。イオン釧路店(釧路町)やイオン湯川店(函館市)では、地域初出店となるテナントの導入やフードコートの拡大を行い、直営では、地場商品の拡大や簡便・時短、健康志向に対応した食品ゾーンを展開する等、直営と専門店をあわせた館全体での活性化をすることで地域No.1のショッピングセンターとして価値向上に努めてきました。また、お客さまのニーズに対応した商品強化に取り組み、健康志向の高まりに対応するヘルス&ウエルネスの商品群では、衣料の婦人アスレジャーや紳士スポーツインナー、食品の有機野菜・果実、住居余暇のマットレス等の売上高前年比が103.9%と好調に推移しました。

 

②  SM事業

SM事業は、営業収益3兆2,243億63百万円(対前年同期比99.7%)、営業利益は215億7百万円(同85.4%)となりました。

マックスバリュ九州㈱においては、当会計年度において6店舗の新規出店、11店舗の活性化を実施しました。9月には九州北部と山口県でスーパーマーケット事業を展開していた㈱レッドキャベツから店舗を承継し、レッドキャベツみらい長崎ココウォーク店(長崎県)をオープンしました。活性化については、多様化する地域のお客さまニーズの変化への対応を図り、生鮮食品を中心に地域・地場商品の品揃えを拡大し、店内作業の削減や人時不足解消に対応したセミセルフレジ・引き出し式什器の導入等を実施しました。また、ローコストオペレーションへの取り組みとして、旬鮮工房(福岡水産パックセンター)から商品供給する店舗の拡大を進めることにより、品揃えの標準化・差別化・鮮度の向上をはかるとともに、店舗作業の軽減や労働力不足を解消し、店舗収益力の強化に取り組みました。

マックスバリュ東海㈱は、マックスバリュ中部㈱と9月に経営統合したことにより、店舗展開エリアが静岡県、愛知県を中心に7県に拡大しました。統合記念セールでは、記念のオリジナル商品、増量商品、特価商品を重点的に販売する等、統合のメリットを活かした商品展開に取り組みました。また、平日の均一価格セールである火・水曜市や毎月10日のスーパーマックスデー等、かつて両社で実施していた企画の対象店舗を拡大し、得意日の強化に取り組みました。これらの結果、当第4四半期連結会計期間(2019 年12月1日~2020年2月29日)における国内の既存店売上高は前年同期比102.7%と好調に推移しました。また、経営統合後の新店として、11月にマックスバリュ四日市泊店(三重県)、マックスバリュ大津京店(滋賀県)、12月にマックスバリュウェルディ長泉店(静岡県)の3店舗をオープンしました。

 

③  ヘルス&ウエルネス事業

ヘルス&ウエルネス事業は、営業収益8,832億20百万円(対前年同期比111.2%)、営業利益350億29百万円(同133.3%)となりました。

ウエルシアホールディングス㈱及び同社連結子会社は、調剤併設、カウンセリング、深夜営業及び介護を軸とするウエルシアモデルを積極的に推進しました。調剤併設店舗の増加(2020年2月末現在1,442店舗)による調剤売上の伸長等により、既存店の売上高は総じて好調に推移しました。また、人件費を中心としたコストコントロール、健康をキーワードにした商品開発、レジ袋削減に向けた活動等に注力しました。

加えて、都市部における事業基盤を強固なものとするため、同社の連結子会社であるウエルシア薬局㈱を存続会社として、3月に㈱一本堂を、9月に㈱B.B.ONを合併する組織再編を実施し事業の効率化を進めました。店舗展開については、東北・近畿を重点エリアとし同社グループ全体で129店舗の出店を実施した他、6月に子会社化した金光薬品㈱の31店舗を加えたこと等により、当連結会計年度末の店舗数は2,012店舗となりました。

 

④  総合金融事業

総合金融事業は、営業収益4,847億19百万円(対前年同期比111.0%)、営業利益704億64百万円(同99.5%)となりました。

イオンフィナンシャルサービス㈱(以下、AFS)の国内事業では、7月には「イオンカード(トイ・ストーリーデザイン)」、9月には「マルエツカード」、11月には「イオンカード(欅坂46)」2月には「住友不動産 ショッピングシティイオンカード」を発行し、首都圏並びに若年層の会員獲得等、顧客基盤の拡大を図りました。加えて、キャッシュレス推進施策に伴い、7月から9月にかけて行ったキャンペーンで、同期間中に多くの新規会員を獲得することができました。また、イオンカードの請求書発行において、11月引き落とし分よりイオンカードの公式アプリ「イオンウォレット」やウェブサイト「暮らしのマネーサイト」上でご確認いただくWeb明細の基本サービス化を開始しました。これにより、クレジットカードのご利用情報やクーポン情報をお客さまにタイムリーに発信できる等の利便性向上に加え、CO2の削減による環境負荷の軽減を図ります。

AFSグループではこれまで、税制優遇が適用されるNISA、つみたてNISAの取扱いや長期的な資産形成制度のiDeCo、また外貨預金等のご案内によりお客さまの豊かな将来に向けた資産形成をサポートしてきましたが、9月よりイオン銀行店舗全店で資産運用シミュレーションツール「ポートナビ」を導入しました。60パターンを超えるモデルポートフォリオを用意する等、お客さまの資産形成ニーズや将来設計に寄り添った最適なご提案が可能なサービスをイオン銀行店舗全店で開始しました。

AFSの国際事業においては、タイ、マレーシアを中心として中・高所得者向けのクレジットカード発行やローンのご提供を強化し、ロイヤリティ向上をはかる等お客さまのニーズに対応したサービス展開により業容が拡大しました。タイにおいては、9月より、スポーツジム等の利用特典が付いた「東京オリンピックカード(VISA Olympic Themed Card Issued by AEON)」を発行し、健康志向の高い新たな顧客層を獲得しました。また、現地法人Aeon Thana Sinsap (Thailand) plc. において、若年層の利用が多いカフェ等の飲食店における通年のカード利用特典を開始する等、利用促進施策を強化し、堅調にカード取扱高が拡大しました。マレーシアにおいても現地法人Aeon Credit Service(M)BERHADにおいて、現地のイオングループ小売各社との会員共通化をより一層推進し、スマートフォンアプリに電子マネーとポイントカードの両機能を搭載した「イオンメンバーズプラスカード」の利用促進等、イオングループのブランド力を活かした小売と金融による顧客基盤の整備・拡大に取り組みました。

これらの取り組みにより新規会員獲得に伴う取扱高が伸長し増収となりました。一方、国内事業におけるキャッシュレス推進施策に伴う販売促進費の増加に加え、海外事業においても米中貿易摩擦や香港のデモ活動等に起因する経済環境悪化、IFRS第9号「金融商品」を導入したマレーシアにおける正常債権の積み上がりに伴う貸倒引当金繰入額の増加、さらにフィリピンの連結子会社Aeon Credit Service(Philippines)Inc.で判明した過年度における不適切会計の影響等により減益となりました。

 

⑤ ディベロッパー事業

ディベロッパー事業は、営業収益3,719億26百万円(対前年同期比103.2%)、営業利益632億79百万円(同113.8%)となりました。

イオンモール㈱は、国内事業においては、エリアで最も支持される地域No.1モールを増やすことにより国内モール市場における競争優位性を高めています。当連結会計年度において、4モールの増床、11モールのリニューアルを実施しました。イオンモール高岡(富山県)は、9月に増床し全体の約50%をリニューアルしたことにより、北陸最大級のモールへと生まれ変わりました。増床棟には、大型ファッション専門店の集積、最新の体験型アミューズメント施設の導入に加え、約900席からなるフードコートを新設し、既存棟と合わせた約1,400席のフードコートとして北陸最大級の規模となりました。新規モールとしては、9月にイオン藤井寺ショッピングセンター(大阪府)をオープンしました。1973年に開業した当モールは2014年に閉店し建て替えを行ったもので、生鮮三品やスイーツ、惣菜等の食物販専門店とフードコートから成るグルメゾーンを中心に、デイリーニーズに特化した専門店65店舗にて再オープンしました。また、図書館の返却ポストや市政インフォメーションを設置する等、地域行政との連携による取り組みも推進しました。

同社の海外事業においては、中国、アセアンともに増収増益となりました。中国では、オープン後3~4年が経過し契約更新や賃料改定のタイミングで旬の専門店への入替を行うリニューアルを迎えるモールが増加しており、当連結会計年度においては5モールをリニューアルしました。また、北京・天津・山東、江蘇・浙江、湖北、広東の4エリアを中心としたドミナント出店の進展に伴い、「イオンモール」のブランド力が向上し集客力が高まることで、優良専門店の誘致や、より有利なリーシング条件での契約が可能となる等、ブランディングメリットの享受が進みました。新規モールとしては、11月に山東省2号店、青島市初出店となるイオンモール青島西海岸新区(山東省青島市)をオープンしました。当モールでは専門店に顔認証レジシステムを導入する等、最先端のデジタル機能を付加しました。ベトナムでは、12月にベトナム5号店、ハノイ市2号店となるイオンモール ハドン(ハノイ市)をオープンしました。当モールは、全220店舗の約40%において、ベトナム初、ハノイ初、ショッピングモール初出店となるブランドを導入しました。グローバルファッションブランドに加えて地元で人気のファッションブランドを展開する他、若手ファッションデザイナーが手がけるブランドによるチャレンジ出店ゾーンを展開しており、ベトナム国内におけるブランド育成支援にも取り組みました。

 

⑥ サービス・専門店事業

サービス・専門店事業は、営業収益7,395億99百万円(対前年同期比96.2%)、営業利益51億24百万円(同25.9%)となりました。

イオンディライト㈱は、更なる成長に向けて、アジアにおいて、安全・安心、人手不足、環境への対応の3つを成長戦略の柱に社会課題を解決する環境価値創造企業を目指しています。安全・安心に対する取り組みでは、現在、世界的に感染が拡大する新型コロナウイルスへの対応として、施設のご利用者と協力会社を含めた従業員の安全を第一に考え、厚生労働省の指針等に準じ感染拡大の防止に向けた対応を強化しています。人手不足に対する取り組みでは、施設管理の省力化等の課題に最適なソリューションを提供するため、オープンネットワークシステムを活用した統合型施設管理サービスを開発し、9月に開業したイオン藤井寺ショッピングセンター(大阪府)にて提供を開始しました。環境に対する取り組みでは、パートナー企業との協業によりブロックチェーン技術を用いた再生可能エネルギーの電力融通の実証事業に参加しています。イオンモール浦和美園(埼玉県)に太陽光発電設備パネルを設置するとともに再生可能エネルギーを識別する端末を同モール、ミニストップ複数店舗や一般家庭に設置し、地域コミュニティの中で電力を融通できる仕組みを構築し、10月より実証を開始しました。

㈱イオンファンタジーは、国内事業において当期の戦略部門と位置付けたメダル部門が、オリジナルキッズマスメダル等の人気機種の導入、店舗別価格体系の見直し効果等により年間を通じて好調に推移しました。同部門と映画関連商材が堅調なプライズ部門の主力2部門が好調に推移したことから、遊戯機械売上が既存店売上高前年同期比で103.2%となりました。また、新たな取り組みとしてガチャ専門店「TOYS SPOT PALO」を15カ所に出店し、同社オリジナルの大型筐体やオリジナルカプセル玩具等の導入により売上が順調に拡大しました。これらの取り組みの結果、国内事業は増収増益となりました。同社の中国事業は、事業改革として取り組んでいるリデンプション方式(ゲーム結果に応じて景品交換可能なポイントを付与)の機械への切り替えやインドアプレイグラウンド施設の活性化、基準を厳格化した出店や不採算店の閉鎖を推進する等の取り組みにより業績は回復基調でしたが、新型コロナウイルスの感染拡大により1月下旬から中国国内全店舗を一時休業しました。同社のアセアン事業は、フィリピン、インドネシア、マレーシアにおいては伝染病の流行や国内デモ、競争環境激化の影響を受けましたが、タイ、ベトナムでは既存店売上の好調に加え、店舗活性化や不採算店舗の閉店等により損益の改善が進みました。

 

⑦ 国際事業 (連結対象期間は主として1月から12月)

国際事業は、営業収益4,392億2百万円(対前年同期比100.4%)、営業利益103億86百万円(同318.7%)となりました。

マレーシアでは、中国の旧正月商戦において衣料における低価格商品の積極投入や年初からの均一価格セールが成功し、同商戦における売上高の増加につながりました。また、11月にはイオンマレーシア(AEON CO.(M)BHD.)での旗艦店であるイオンタマンマルリショッピングセンター(クアラルンプール)を地下鉄マルリ駅と直結にし、増床オープンしました。専門店ゾーンにおいてはお客さまの外食に対するニーズの高まりに対応してレストラン、ファーストフード店舗を大幅に拡大しました。核店舗となるイオンタマンマルリ店はアセアンにおいて初となるイオンスタイル店舗として生まれ変わりました。

ベトナムでは、5号店となるイオンモール ハドン店(ハノイ市)を12月にオープンしました。ハノイ初の展開となる美と健康の専門ショップ「グラムビューティーク」では、商品知識と技術を持つ専門相談員であるスキンアナライザーを配置し、お客さまの健康維持や美容に関するサポートを実施しています。

カンボジアでは1号店であるイオンモール プノンペン(プノンペン市)が7月、2号店であるイオンモール セン ソック シティ(プノンペン市)が6月にそれぞれ周年祭を実施しました。両店とも多くのお客さまにご来店いただき計画を上回る売上となりました。これらの取り組み等により、アセアン事業は当連結会計年度において増収増益となりました。

中国においては、1年で最も売上規模の大きい春節において、需要のピークに合わせた販促を実施したことにより、当該期間において北京イオン(BEIJING AEON CO.,LTD.)と青島イオン(QINGDAO AEON DONGTAI CO.,LTD.)の売上が好調に推移しました。また、イオン湖北(AEON (HUBEI) CO.,LTD.)でのデジタルクーポン企画を皮切りに、スマートフォンにクーポンやセール情報を配信するデジタル販促への切り替えを推進しました。7月にはグループ企業共同で日本フェアを開催し、昨年以上に参加日系メーカーを増やした他、日本大使館の協力で5都道府県の観光案内及び名産品案内コーナーを新設したことで大きく売上が伸長しました。12月のクリスマス商戦ではネット販売で人気のクリスマス用品の品揃えを強化し先行して販売を開始したことに加え、手作り寿司教室等の子供向け集客イベントを実施したことで売上が拡大しました。これらの営業強化策に加え、効率的な経費運用の推進により、中国事業は当連結会計年度において損益改善となりました。

 

なお、上記の金額及びこれ以降に記載している営業収益、仕入高等には消費税等は含まれておりません。

 

 

(販売の状況)

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

GMS事業

3,070,521

99.7

SM事業

3,224,363

99.7

ヘルス&ウエルネス事業

883,220

111.2

総合金融事業

484,719

111.0

ディベロッパー事業

371,926

103.2

サービス・専門店事業

739,599

96.2

国際事業

439,202

100.4

その他事業

52,623

102.6

調整額

△661,968

合計

8,604,207

101.0

 

(注) SM事業の営業収益には、コンビニエンスストアの加盟店の売上高(当連結会計年度410,031百万円)は含んでおりません。

 

(2) 財政状態の状況

当連結会計年度末の総資産は、前期末より1兆173億5百万円増加し、11兆626億85百万円(前期比110.1%)となりました。前期末からの増加の主な要因は、流動資産では主に金融子会社等を中心に、現金及び預金が3,696億8百万円、受取手形及び売掛金が1,650億87百万円、銀行業における貸出金が839億66百万円それぞれ増加したことに加え、固定資産では新規SCのオープンの影響及び在外子会社においてIFRS第16号を適用した影響等により有形固定資産が3,034億48百万円増加したこと等によるものです。

 

 セグメントごとの資産は次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

GMS事業

1,428,143

100.7

SM事業

1,189,877

103.6

ヘルス&ウエルネス事業

436,870

115.9

総合金融事業

5,813,931

112.2

ディベロッパー事業

1,593,193

114.0

サービス・専門店事業

393,273

100.6

国際事業

445,947

139.9

その他事業

56,175

109.3

調整額

△294,726

合計

11,062,685

110.1

 

 
 負債は、前期末より1兆433億91百万円増加し、9兆2,134億7百万円(前期比112.8%)となりました。前期末からの増加の主な要因は、銀行業における預金が3,412億66百万円、社債(1年内償還予定の社債を含む)が2,691億73百万円それぞれ増加したことに加え、在外子会社においてIFRS第16号を適用したこと等によりリース債務(流動及び固定負債)が2,868億91百万円増加したこと等によるものです。
 純資産は、前期末より260億86百万円減少し、1兆8,492億78百万円(前期比98.6%)となりました。

 

 

(3) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、前期末より3,266億92百万円増加し、1兆1,411億71百万円(前期比140.1%)となりました。

 

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果、増加した資金は6,246億60百万円(前期比132.9%)となりました。前期に比べ1,547億85百万円増加した主な要因は、銀行業における預金の増減額が944億96百万円減少し資金が減少した一方で、仕入債務の増減額が 1,456億7百万円増加するとともに、その他の資産・負債の増減額が765億49百万円増加し資金が増加したこと等によるものです。
 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果、減少した資金は3,414億92百万円(前年同期比51.6%)となりました。前期に比べ3,209億23百万円支出が減少した主な要因は、銀行業における有価証券の売却及び償還による収入が1,824億59百万円減少した一方で、銀行業における有価証券の取得による支出が3,936億36百万円減少するとともに固定資産の取得による支出が518億87百万円減少したこと等によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果、増加した資金は511億64百万円(前年同期比35.6%)となりました。前期に比べ926億28百万円収入が減少した主な要因は、社債の発行による収入が2,644億87百万円増加した一方で、短期借入金及びコマーシャル・ペーパーの増減額が1,262億43百万円減少し資金が減少するとともに、長期借入れによる収入が1,090億77百万円減少し、社債の償還による支出が996億63百万円増加したこと等によるものです。

 

(4) 資本の財源及び資金の流動性

(資金需要)

当社グループの資金需要の主なものは、商品の仕入の他、人件費、地代家賃等の販売費及び一般管理費の営業費用であります。また、設備投資にかかる資金需要の主なものは、新規出店に伴う有形固定資産の取得等であります。

 

(財務政策)

当社グループの事業活動に必要な資金については、営業キャッシュ・フローによることを基本とし、金融機関からの借入れ、社債やコマーシャル・ペーパーの発行等、資金調達の多様化を図っております。