3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般的に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

 

(1) 経営成績等の状況の概要

 ① 経営成績の状況

当連結会計年度の業績は、売上高は1,047億47百万円(前期比2.1%増)となりました。利益面におきましては、売上原価率が前期比で2.1ポイント改善したことなどで、営業利益は196億12百万円(同1.0%増)、経常利益は203億98百万円(同1.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は142億38百万円(同1.9%減)となりました。

なお、当連結会計年度の海外連結子会社等の財務諸表項目(収益及び費用)の主な為替換算レートは次のとおりです。
 ・米ドル:110.43円(112.16円)
 ・中国元:16.70円(16.62円)
  注:( )内は前年同期の為替換算レート

 

 セグメント別の経営成績等は、次のとおりです。

従来、当社グループの報告セグメントは、「国内ベビー・ママ事業」、「子育て支援事業」、「ヘルスケア・介護事業」、「海外事業」及び「中国事業」の5区分となっておりましたが、当連結会計年度より「海外事業」の名称を変更し、ASEAN・中東諸国を中心にピジョンブランド事業を行う「シンガポール事業」としたうえで、従来、「海外事業」に含まれていた、欧米を中心に展開するランシノブランド事業を「ランシノ事業」として独立させ、計6区分での報告となっております。各区分における概況は以下のとおりです。

なお、以下の前年同期比較については、前連結会計年度の数値を変更後の算定方法に基づき算定した数値を用いて比較しております。

 

「国内ベビー・ママ事業」

当事業の売上高は、355億93百万円(前期比5.2%増)、セグメント利益は、60億96百万円(前期比2.8%増)となりました。事業におきましては、訪日外国人等によるインバウンド需要が続く中、新商品として、2月にデリケートな赤ちゃんのお肌にもやさしい「ピジョン薬用全身泡ソープ(ももの葉)」を発売、3月には対面走行時の押しやすさが進化した新しい「Runfee(ランフィ)」を発売、7月には60年以上にわたる赤ちゃんの哺乳研究から生まれた"赤ちゃんここちリズム"を搭載したさく乳器「母乳アシスト®」シリーズを全面リニューアル、また、8月には耳鼻咽喉科医と共同開発した「ピジョン 電動鼻吸い器」を発売するなど、順調に売上および市場シェアを拡大しております。

 

また、ダイレクト・コミュニケーションの一環であるイベントとして、出産前の方を対象とした「プレママクラス」、母子に寄り添う子育て中の母乳育児をテーマとした医療従事者向けのピジョンセミナーなどを当期において31回開催し、合計で約3,100名の方にご参加いただいております。妊娠・出産・育児シーンの女性を応援するサイト「ピジョンインフォ」におきましても、商品の更新はもちろん、5月にオープンした医療従事者向けのWEBサイトをとおして、医療従事者との取組みを強化するなど、今後もさらにお客様にお使いいただきやすくなるよう、改善を進めてまいります。

 

「子育て支援事業」

当事業の売上高は44億72百万円(前期比40.7%減)となり、セグメント利益は1億69百万円(前期比22.7%減)となりました。なお、2018年3月をもちまして独立行政法人国立病院機構における院内保育の一括受託契約が終了となりましたが、当連結会計年度累計期間において事業所内保育施設を5箇所の新規受託を開始しており、合計76箇所にてサービスを展開しております。今後もサービス内容の質的向上を図りながら、事業を展開してまいります。

 

 

「ヘルスケア・介護事業」

当事業の売上高は、69億86百万円(前期比1.0%減)、セグメント利益は3億53百万円(前期比24.5%減)となりました。10月に開催された国際福祉機器展では、2019年に発売を予定している新商品の展示を行い、お客様や流通より大変ご好評いただいております。更なる小売店および介護施設への営業活動の強化、介護サービスの品質向上など施策実行を徹底してまいります。

 

「中国事業」

当事業の売上高は、、主力商品の哺乳器・乳首、スキンケア商品の販売が好調に推移し、355億81百万円(前期比3.7%増)、セグメント利益は119億72百万円(前期比4.0%増)となりました。特に「薬用スキンケア(ももの葉)シリーズ」や「母乳実感® 哺乳びんmyPrecious」の販売が引き続き好調に推移しており、下期に発売したハンドル付き哺乳器やスチーム消毒器も好評を得ております。また、ますます拡大するEコマースへの取り組み強化を引き続き行うとともに、SNSやインフルエンサーを活用した直接的な消費者とのコミュニケーションの活性化、また店頭販促や病産院活動等のオフライン活動の強化も引き続き実施し、お客様との接点を増やし、事業拡大に向けた取り組みも進めてまいります。

 

「シンガポール事業」

当事業におきましては、売上高は121億33百万円(前期比18.0%増)となりました。セグメント利益は、売上総利益率の改善に加え、販管費の効果的な使用もあり、27億44百万円(前期比10.3%増)となりました。インドネシア等のASEAN地域・中東諸国において、哺乳器・乳首を中心に、順調に売上を拡大しております。引き続き当社ブランドの市場浸透を目指して積極的な営業・マーケティング活動を展開してまいります。

 

「ランシノ事業」

当事業におきましては、売上高は127億53百万円(前年同期比1.8%増)、セグメント利益は15億76百万円(前年同期比1.5%増)となりました。北米ではDMEや病産院等の新規ルートでのさく乳器等の売上が引き続き拡大しています。また、北米のみならず、ヨーロッパやランシノ上海でもさらなる事業拡大に向け、マーケティングの強化、ブランド強化等の取り組みを進めてまいります。

 

「その他」

当事業の売上高は14億2百万円(前期比8.8%増)、セグメント利益は、1億42百万円(前期比12.8%増)となりました。

 

② 財務状態の状況

資産

当連結会計年度末における資産の残高は、860億6百万円となり、前連結会計年度末と比べ15億38百万円の増加となりました。

流動資産は7億47百万円増加、固定資産は7億91百万円増加となりました。

流動資産の増加の主な要因は、現金及び預金3億97百万円受取手形及び売掛金14億36百万円減少したものの、商品及び製品13億円、未収入金が4億99百万円増加したことによるものです。

固定資産の増加の主な要因は、ソフトウエア仮勘定11億99百万円増加したことによるものです。

 

 負債

当連結会計年度末における負債の残高は、194億23百万円となり、前連結会計年度末と比べ22億31百万円減少となりました。流動負債は20億49百万円減少、固定負債は1億82百万円減少となりました。

流動負債の減少の主な要因は、未払金2億21百万円増加したものの、支払手形及び買掛金6億26百万円未払法人税等6億27百万円その他8億90百万円減少したことによるものです。

固定負債の減少の主な要因は、繰延税金負債1億78百万円減少したことによるものです。

 

 

 純資産

当連結会計年度末における純資産の残高は、665億82百万円となり、前連結会計年度末と比べ37億70百万円増加となりました。

その主な要因は、為替換算調整勘定24億円減少したものの、利益剰余金59億74百万円増加したことによるものです。

 

③ キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ3億97百万円減少し、309億49百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果獲得した資金は、136億32百万円(前年同期は170億94百万円の獲得)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益202億62百万円、減価償却費26億38百万円の増加要因に対し、たな卸資産の増加額23億円、法人税等の支払額64億91百万円等の減少要因によるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果支出した資金は、47億4百万円(前年同期は35億86百万円の支出)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出36億86百万円に、無形固定資産の取得による支出17億4百万円によるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果支出した資金は、83億38百万円(前年同期は128億12百万円の支出)となりました。これは主に配当金の支払額82億60百万円によるものです。

 

 ④ 生産、受注及び販売の状況

(生産実績)

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2018年2月1日

至 2019年1月31日)

前年同期比(%)

国内ベビー・ママ事業(百万円)

7,528

109.4

ヘルスケア・介護事業(百万円)

1,507

120.5

中国事業(百万円)

11,721

114.3

シンガポール事業(百万円)

7,282

132.2

ランシノ事業(百万円)

1,201

108.9

その他(百万円)

1,234

110.2

合計(百万円)

30,477

116.7

 

(注) 1.金額は製造原価によっております。

2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(受注状況)

当社グループは、主として見込みにより生産及び商品仕入を行っており、一部受注による商品仕入れを行っておりますが、受注額は僅少です。

 

 

(販売実績)

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2018年2月1日

至 2019年1月31日)

前年同期比(%)

国内ベビー・ママ事業(百万円)

35,593

105.2

子育て支援事業(百万円)

4,472

59.3

ヘルスケア・介護事業(百万円)

6,986

99.0

中国事業(百万円)

35,581

103.7

シンガポール事業(百万円)

12,133

118.0

ランシノ事業(百万円)

12,753

101.8

その他(百万円)

1,402

108.8

内部売上高消去(百万円)

△4,176

合計(百万円)

104,747

102.1

 

(注) 1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりです。

 

相手先

前連結会計年度

(自 2017年2月1日

至 2018年1月31日)

当連結会計年度

(自 2018年2月1日

至 2019年1月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

ピップ株式会社

18,617

18.2

18,937

18.1

 

2.本表の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容等

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は下記のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

なお、重要な会計方針及び見積りにつきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項 3.会計方針に関する事項」に記載しております。

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

(経営成績の分析)

当連結会計年度におけるわが国の当連結会計年度におけるわが国の経済は、相次ぐ自然災害の影響もある中、企業収益や雇用環境の改善を背景に、全体としては緩やかな回復基調が続いております。また、世界経済におきましては、米中間の貿易摩擦の拡大がありましたが、欧州、および米国で緩やかな回復が持続したことに加え、中国経済も堅調に推移しております。

そのような状況の中、当社グループは、「第6次中期経営計画(2018年1月期~2020年1月期)」においてスローガンを“Building our dreams into the future~Global Number Oneの育児用品メーカーになるための橋をかける~”と掲げ、その2年目としてさらなる成長に向けた取り組みを行ってまいりました。また3つの基本戦略を定め、グループ事業の拡大と経営品質の向上を目指しております。

 

1)Pigeon Wayに基づき、社会の中で「なくてはならない会社」、そして、我々のVision「世界中の赤ちゃんとご家族に最も信頼される育児用品メーカー” Global Number One”」の実現に向け、必要な施策を立案し、実行する。

2)事業収益性・効率性の改善やキャッシュ・フローの最大化により、企業価値のさらなる向上を目指すとともに、中長期的に成長が持続するための組織体制、マネジメントシステム、ガバナンス体制を整備・強化する。

3)第6次中期経営計画の3年間に、重点商品に対する経営資源の優先的投入と戦略的投資を行い、その後のピジョンの二桁成長につながる土台作りを行う。

 

当連結会計年度におきましては、上記事業方針に基づき各事業・機能戦略に取り組んでまいりました結果、売上高は、1,047億47百万円(前期比2.1%増)となりました。利益面におきましては、売上原価率が前期比で約2.1ポイント改善したことなどで、営業利益は196億12百万円(同1.0%増)、経常利益は203億98百万円(同1.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は142億38百万円(同1.9%減)となりました。

 

(経営成績に重要な影響を与える要因)

当社グループが主として事業展開している国内ベビー・ママ事業は出生数の減少により総需要量(数)が低下し、売上高の減少を生じる可能性が考えられます。また、景気悪化に伴う個人消費の冷え込みによる流通在庫圧縮の動きも懸念されます。このような市場環境の下、これまで60年以上にわたる育児研究から生まれた競争優位性を発揮できる新商品の発売、カテゴリー拡大による新規事業の確立に努めてまいります。海外市場におきましては、海外各国における経済、社会情勢の変化、為替変動、新興国の経済成長に伴う原材料需給状況の変化等により売上高、利益額の減少が生じる可能性が考えられます。当社グループの事業成長継続のため、商品供給体制の整備・拡充、および、ブランド力強化と販売活動の一層の拡大が重要と考えております。また、当社グループは、保育、託児、幼児教育事業及び高齢者通所介護(デイサービスセンター)事業を展開し、多くの乳児、幼児及び高齢者をお預かりしております。このような子育て、介護支援サービス事業は予期せぬ事故が発生する可能性があります。これまでには、震災等の自然災害によるものを含めて、業績に影響を与えるような事故等は発生しておりませんが、将来にわたってそのような事態は発生しないとは言い切れず、そのような事態に陥った場合、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
その他の要因につきましては「2 事業等のリスク」をご参照下さい。

 

(資本の財源及び資金の流動性)

当社グループは、主として営業活動から得られるキャッシュ・フローを資金の源泉としております。設備投資並びにM&A等の事業投資等の長期資金需要につきましては、資金需要が発生した時点で、自己資金はもとより、金融機関からの長期借入等、金利コストの最小化を図れるような調達方法を検討し対応しております。また、運転資金需要については、営業活動から得られるキャッシュ・フローを財源としております。

なお、当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

2019年12月期の設備投資資金等の長期資金需要につきましては、自己資金をもって充当する予定であります。

 

 

(経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等)

2020年1月期を最終年度とする第6次中期経営計画にて目標に掲げる主な指標は次のとおりです。なお、2019年4月25日開催の第62期定時株主総会にて決算期を1月31日から12月31日に変更することが承認決議されております。

 

 

 

 前連結会計年度

(2018年1月期)

 当連結会計年度

(2019年1月期)

 中期経営計画目標

(2020年1月期)

売上高(百万円)

102,563

104,747

110,000

営業利益(百万円)

19,412

19,612

20,000

親会社株主に帰属する

当期純利益(百万円)

14,515

14,238

13,800

PVA(百万円)

(Pigeon  Value  Added)

10,533

10,494

10,500

ROIC(%)

22.2

21.2

20.0

 

 

(注)ROICの算定に使用する法人税率は30%としております。

 

(戦略的現状と見通し)

当社グループの当連結会計年度の国内売上高に占める国内ベビー・ママ事業および子育て支援事業の割合は40%強となります。海外事業の比率が高まってはいるものの、今後におきましても、日本国内の出生数の減少によって売上高に影響を与える可能性があります。一方で、高齢社会の進行による介護市場および高齢者向け商品の需要は拡大する可能性があります。また、流通業界の寡占化、ネット通販の拡大など消費行動の変化がより顕著になると思われます。さらに海外への事業展開が拡大している中、グローバルな視点から市場を俯瞰し、全体最適ならびに地域最適の判断、意思決定のスピードアップが求められております。当社グループは市場の変化を先取りし、経営資源を最大限に活かして現在および将来にわたる経営課題を解決し、経営品質のさらなる向上と企業価値の最大化を図る所存でございます。さらに、震災等による社会的インフラや当社グループ事業への影響を鑑み、今後に向けて、引き続き大規模災害に備えた事業継続計画の整備・強化等を図ってまいります。

2019年12月期は、「第6次中期経営計画」の最終年度として、その事業方針および事業戦略に沿った各施策を着実に実行するとともに、確実な目標の達成に向けて取り組んでまいります。