経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による影響が長期化する中、感染症対策の各種行動制限が段階的に緩和されたことにより、経済活動の正常化が進み、景気は緩やかに持ち直しの動きが見られました。一方、不安定な国際情勢、為替市場の急激な変動等により、依然として先行きは不透明な状況となっております。
印刷業界におきましては、原材料価格の高騰の影響、ペーパーレス化への移行による印刷物の需要の減少等で、引き続き厳しい経営環境となりました。
このような状況の中、当社グループは、CO₂排出量をカーボンオフセットすることができる「カーボンニュートラルプリント」、「カーボンゼロプリント」等、環境配慮型印刷の提供を開始し、当社の印刷物は、十分な付加価値を保持しました。また、引き続き、お客様のニーズに応えるべく、営業力・提案力の強化を図り、新規顧客の開拓と既存顧客の深耕に注力するとともに、生産効率の向上、更なる内製化の推進により、売上の拡大、収益性の改善に取り組んでまいりました。
以上のとおり、経営全般にわたる諸施策の展開に努めた結果、当連結会計年度における売上高は43億1百万円(前期比6.0%増収)となりました。その内訳は製品制作売上高7億13百万円(前期比8.8%減収)、印刷売上高35億55百万円(前期比9.7%増収)、商品売上高31百万円(前期比9.5%減収)となりました。損益面においては、営業利益27百万円(前期は営業損失57百万円)、経常利益89百万円(前期は経常利益17百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益58百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純利益33百万円)となりました。
当連結会計年度末の流動資産は24億41百万円となり、前連結会計年度末に比べて3億55百万円減少しました。これは主に、現金及び預金が5億37百万円、仕掛品が21百万円減少した一方、売掛金が1億52百万円、電子記録債権が37百万円、原材料及び貯蔵品が17百万円増加したことによるものです。有形固定資産の合計は9億38百万円となり、前連結会計年度末に比べて1億6百万円減少しました。これは主に、機械装置及び運搬具(純額)の新規取得14百万円による増加と、減価償却費1億27百万円を計上したことによるものです。無形固定資産の合計は40百万円となり、前連結会計年度末に比べて7百万円減少しました。これは主に、その他に含まれるソフトウエア仮勘定の新規取得3百万円による増加と、減価償却費6百万円及び減損損失5百万円を計上したことによるものです。投資その他の資産は1億65百万円となり、前連結会計年度末に比べて16百万円減少しました。これは主に、繰延税金資産4百万円の減少と、償却費11百万円を計上したことによるものです。前述の結果、固定資産合計は11億45百万円となり、前連結会計年度末に比べて1億30百万円減少しました。以上の結果、資産合計は35億86百万円となり、前連結会計年度末に比べて4億85百万円減少しました。
当連結会計年度末の流動負債は11億53百万円となり、前連結会計年度末に比べて2億48百万円減少しました。これは主に、未払金が5億24百万円減少した一方、1年内返済予定の長期借入金が1億99百万円、支払手形及び買掛金が61百万円増加したことによるものです。固定負債は6億17百万円となり、前連結会計年度末に比べて2億95百万円の減少となりました。これは、長期借入金が2億71百万円、退職給付に係る負債が24百万円減少したことによるものです。前述の結果、負債合計は17億71百万円となり、前連結会計年度末に比べて5億44百万円の減少となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は18億15百万円となり、前連結会計年度末に比べて58百万円増加しました。これは主に、親会社に帰属する当期純利益58百万円による利益剰余金の増加によるものです。
以上の結果、負債純資産合計は35億86百万円となり、前連結会計年度末に比べて4億85百万円の減少となりました。
なお、当社グループは印刷関連事業の単一セグメント事業であります。したがって、セグメント別の業績の記載はしておりません。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、営業活動によるキャッシュ・フローで58百万円増加、投資活動によるキャッシュ・フローで1億24百万円減少、財務活動によるキャッシュ・フローで5億66百万円減少し、資金は6億33百万円減少となり、当連結会計年度末残高は9億82百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度末において営業活動における資金は、58百万円の増加となりました。これは主に税金等調整前当期純利益84百万円、減価償却費の計上1億34百万円、仕入債務の増加額61百万円による資金の増加と、売上債権の増加額1億72百万円、未払金の減少額25百万円、退職給付に係る負債の減少額24百万円の資金の減少によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度末において投資活動における資金は、1億24百万円の減少となりました。これは主に定期預金の預入による支出2億96百万円、有形固定資産の取得による支出24百万円の資金の減少に対して、定期預金の払戻による収入2億円の資金の増加によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度末において財務活動における資金は、5億66百万円の減少となりました。これは自己株式取得による支出4億95百万円と、長期借入金の返済による支出71百万円によるものです。
③生産、受注及び販売の実績
当社グループは、印刷関連事業の単一セグメント事業であり、事業部門は「製品制作」、「印刷」及び「商品」に分かれております。
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績を事業部門ごとに示すと、以下のとおりであります。
事業部門の名称 | 当連結会計年度(千円) | 前年同期比(%) |
製品制作 | 718,827 | △9.0 |
印刷 | 3,536,933 | 7.9 |
合計 | 4,255,761 | 4.6 |
(注)1 金額は販売価格によっております。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績を事業部門ごとに示すと、以下のとおりであります。
事業部門の名称 | 受注高(千円) | 前年同期比(%) | 受注残高(千円) | 前年同期比(%) |
製品制作 | 710,994 | △5.7 | 27,626 | △7.8 |
印刷 | 3,500,086 | 7.0 | 166,649 | △25.1 |
合計 | 4,211,081 | 4.6 | 194,275 | △23.1 |
c.商品仕入実績
当連結会計年度における商品仕入実績を事業部門ごとに示すと、以下のとおりであります。
事業部門の名称 | 当連結会計年度(千円) | 前年同期比(%) |
商品 | 26,539 | △13.5 |
合計 | 26,539 | △13.5 |
d.販売実績
当連結会計年度における販売実績を事業部門ごとに示すと、以下のとおりであります。
事業部門の名称 | 当連結会計年度(千円) | 前年同期比(%) |
製品制作 | 713,333 | △8.8 |
印刷 | 3,555,964 | 9.7 |
商品 | 31,734 | △9.5 |
合計 | 4,301,032 | 6.0 |
(注)主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、以下のとおりであります。
相手先 | 前連結会計年度 | |
販売高(千円) | 割合(%) | |
カルネコ株式会社 | 457,093 | 11.3 |
合計 | 457,093 | 11.3 |
当連結会計年度における外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載を省略しております。
経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項」の(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)に記載しております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営成績の分析
当連結会計年度における経営成績は、新型コロナウイルス感染症の拡大による影響が長期化したものの、社会経済活動の動きに持ち直しの動きが見られたこともあり、昨年度と比較して業績が回復いたしました。
売上高は43億1百万円(当初業績予想〔2022年5月19日公表〕より1億1百万円の増収)となり、その内訳は製品制作売上高7億13百万円、印刷売上高35億55百万円、商品売上高31百万円となりました。
売上原価は34億26百万円、売上総利益は8億74百万円、売上総利益率は20.3%となりました。
販売費及び一般管理費は8億47百万円で、27百万円の営業利益(当初業績予想より7百万円の増益)となり、営業外収益は69百万円、営業外費用は7百万円となり、89百万円の経常利益(当初業績予想より39百万円の増益)となりました。営業外収益の内、雇用調整助成金が22百万円、恒常的な収益として作業くず売却益29百万円が計上されております。
親会社株主に帰属する当期純利益は58百万円となり、当初業績予想より23百万円の増益となりました。
財政状態の分析
当連結会計年度における分析は「経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度における分析は「経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの主な資金需要は、設備投資資金、運転資金、借入金の返済等があり、資金の源泉は、営業活動によるキャッシュ・フローに伴う収入と金融機関からの借入によるものです。運転資金需要のうち主なものは、原材料の仕入のほか、販売費及び一般管理費等であります。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
中期経営計画の1年目である2023年3月期の計画達成状況は以下のとおりであります。
指標 | 2023年3月期 (中期経営計画) | 2023年3月期 (実績) | 2023年3月期 (計画比) |
売上高 | 4,200百万円 | 4,301百万円 | 101百万円増(2.4%増) |
営業利益 | 20百万円 | 27百万円 | 7百万円増(38.5%増) |
営業利益率 | 0.5% | 0.6% | 0.1ポイント増 |
経常利益 | 50百万円 | 89百万円 | 39百万円増(79.8%増) |
経常利益率 | 1.2% | 2.1% | 0.9ポイント増 |