3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、当社はECワンプラットフォーム事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載はしておりません。また、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社が判断したものであります。

 

(1)経営成績等の状況の概要

① 経営成績の状況

当事業年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)におけるわが国経済は、世界的に蔓延している新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、依然として厳しい状況にあります。緊急事態宣言解除後の経済活動再開やGoToトラベル等の経済対策による押し上げ効果があったものの、同感染症の再流行に伴い、景気の回復ペースは鈍化した状況が続いております。

このような経営環境の中、ECマーケットプレイスサービスにおきましては、新型コロナウイルス感染防止の観点から消費動向もオンライン化へとシフトしたことが追い風になり、堅調に推移しました。また、前事業年度までは既存の取扱いブランドの成長に注力しておりましたが、当事業年度からは、新規ブランド獲得に向けた戦略を開始し、既存の取扱いブランドの他プラットフォームへの出店を含めたサイト数の増加を図り、新規のブランド獲得につながりました。

ECマーケティングサービスにおきましても、EC事業に注力される企業から当社サービスへのニーズは高く、既存取引先の他プラットフォームへの出店支援、売上連動の成果報酬型の契約獲得などによる平均単価の上昇や、新規取引先の獲得等につながりました。さらに、カスタマーサポートサービスの充実に取組み、既存取引先との契約継続率についても向上する結果となりました。ECマーケティングサービスの契約継続に伴うストック売上は順調に推移し、ECマーケティングサービス売上高に占めるストック売上高比率は、当事業年度で89.3%となりました。

これらの結果、ECマーケットプレイスサービスの売上高は7,004,998千円(前年比80.4%増)、ECマーケティングサービスの売上高は1,792,171千円(前年比30.0%増)となり当事業年度の売上高は8,797,169千円(前年比67.2%増)、営業利益は526,435千円(前年比209.7%増)、経常利益は547,856千円(前年比176.5%増)、当期純利益は419,757千円(前年比191.7%増)となりました。

 

② 財政状態の状況

(資産)

当事業年度末日における流動資産は4,089,002千円(前事業年度末比2,171,356千円増加)となりました。これは主に、現金及び預金の増加1,751,638千円及びECマーケットプレイスサービスの売上増加による売掛金が216,928千円増加したこと、ECマーケットプレイスサービスの売上増による商品161,014千円の増加によるものであります。固定資産は342,539千円(前事業年度末比184千円減少)となりました。

この結果、総資産は4,431,542千円(前事業年度末比2,171,171千円増加)となりました。

 

(負債)

当事業年度末日における流動負債は1,711,151千円(前事業年度末比577,106千円増加)となりました。これは主に、仕入増に伴い買掛金が393,587千円増加したことと、未払法人税等が132,515千円増加したことによるものであります。固定負債は693,312千円(前事業年度末比256,660千円減少)となりました。これは主に、長期借入金が256,303千円減少したことによるものであります。

この結果、負債合計は2,404,463千円(前事業年度末比320,446千円増加)となりました。

 

(純資産)

当事業年度末日における純資産合計は2,027,078千円(前事業年度末比1,850,725千円増加)となりました。これは主に、公募増資により、資本金及び資本剰余金がそれぞれ715,484千円、当期純利益の計上により、利益剰余金が419,757千円増加したことによるものであります。

 

③ キャッシュ・フローの状況

当事業年度における現金及び現金同等物の期末残高は、営業活動の結果獲得した資金が668,148千円、投資活動の結果使用した資金が25,623千円、財務活動の結果獲得した資金が1,103,112千円であったこと等により、前事業年度に比べ1,745,637千円増加し2,757,340千円となりました。

 当事業年度中における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は、次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果獲得した資金は、668,148千円(前事業年度比433,334千円増加)となりました。主な要因は、売上債権の増加216,928千円、棚卸資産の増加164,129千円があったものの、税引前当期純利益572,209千円を計上し、仕入債務の増加393,587千円等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は、25,623千円(前事業年度比25,037千円増加)となりました。主な要因は、有形固定資産の取得による支出11,149千円、無形固定資産の取得による支出7,870千円等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果得られた資金は、1,103,112千円(前事業年度比756,972千円増加)となりました。主な要因は、長期借入金の返済による支出308,367千円、株式の発行による収入1,430,968千円等によるものであります。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

当社はECワンプラットフォーム事業の単一セグメントであるため、生産、受注及び販売の状況につきましては、サービス別に記載しております。

 

a.生産実績

当社の事業は、提供するサービスの性質上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

 

b.仕入実績

第14期事業年度における仕入実績をサービス別に示すと、次のとおりであります。

 

サービス区分の名称

金額(千円)

前年同期比(%)

ECマーケットプレイスサービス

4,082,730

+110.5

ECマーケティングサービス

合計

4,082,730

+110.5

 

  (注) 1.金額は、仕入価格によっております。

     2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

   3.第14期事業年度において、仕入実績に著しい変動がありました。これは、主に新型コロナウイルスの影響により、外出自粛や在宅勤務による「巣ごもり消費」が発生したことによるECマーケットプレイスサービスの売上増加のためとなります。

 

c.受注実績

当社では一部個別の受託案件がありますが、受注実績に重要性がないため、記載を省略しております。

 

d.販売実績

第14期事業年度における販売実績をサービス別に示すと、次のとおりであります。

 

 

サービス区分の名称

金額(千円)

前年同期比(%)

ECマーケットプレイスサービス

7,004,998

+80.4

ECマーケティングサービス

1,792,171

+30.0

合計

8,797,169

+67.2

 

  (注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

     2.主な相手先別販売実績及び当該販売実績に対する割合については、その割合が100分の10以上に該当する相手先がないため、記載を省略しております。

   3.第14期事業年度において、販売実績に著しい変動がありました。これは、主に新型コロナウイルスの影響により、外出自粛や在宅勤務による「巣ごもり消費」が発生したためとなります。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。

① 重要な会計方針及び見積り

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積を必要としております。これらの見積については、過去の実績等を勘案して合理的に見積り及び判断を行っておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積とは異なる場合があります。なお、新型コロナウイルス感染症拡大による影響については、当社においてテレワーク体制を整備し、新型コロナウイルス感染症の拡大前と変わらぬ生産性を実現していることから、当期の財務諸表の金額に関わる見積りにおいて、新型コロナウイルス感染症の重要な影響はありません。

当事業年度における当社の財務諸表の作成に係る重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項(重要な会計方針)」に記載のとおりであります。

また、当社の財務諸表作成にあたり、特に重要と判断している会計上の見積りは以下のとおりです。

(繰延税金資産の回収可能性)

繰延税金資産の計上にあたっては、回収可能性を考慮して、繰延税金資産総額から評価性引当額を減額して算定しております。繰延税金資産の回収可能性については、近年の業績推移や当社を取り巻く状況を勘案し、将来の課税所得を合理的に見積り、判断しておりますが、課税所得の将来予測に影響を与える変化が生じた場合には、繰延税金資産の回収可能性が変動することにより、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼすことが考えられます。

 

② 財政状態の分析

財政状態の分析に関する情報については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況」に記載のとおりです。

 

③ 経営成績の分析

(売上高)

ECマーケットプレイスサービスにおきましては、新型コロナウイルス感染防止の観点から消費動向もオンライン化へとシフトしたことが追い風になったことに加え、当事業年度からは、新規ブランド獲得に向けた戦略を新たに開始した結果、売上高7,004,998千円(前事業年度比3,121,920千円増加)となりました。ECマーケティングサービスについても、EC事業に注力される企業から当社サービスへのニーズは高く、既存取引先の他プラットフォームへの出店支援、売上連動の成果報酬型の契約獲得などによる平均単価の上昇や、新規取引先を獲得した結果、売上高1,792,171千円(前事業年度比413,633千円増加)となりました。

 

(売上原価、売上総利益)

売上原価については、ECマーケットプレイスサービスの売上高増加に伴い、ブランドメーカーからの仕入金額が増加しております。売上総利益については、ECマーケットプレイスサービスの売上高増加に加え、利益率の高いECマーケティングサービスの売上高の増加に伴い、売上原価は6,676,513千円(前事業年度比2,877,961千円増加)、売上総利益2,120,655千円(前事業年度比657,593千円増加)となりました。

 

(販売費及び一般管理費、営業利益)

ECマーケットプレイスサービスの売上増加に伴う代金決済代行サービスへの手数料増加等により、販売費及び一般管理費については1,594,220千円(前事業年度比301,160千円増加)となり、その結果、営業利益は526,435千円(前事業年度比356,432千円増加)となりました。

 

(営業外損益、経常利益)

補助金収入35,322千円を含む営業外収益が50,531千円(前事業年度比14,083千円増加)となった一方で、株式公開費用等の計上により営業外費用が29,110千円(前事業年度比20,824千円増加)となりました。その結果、経常利益は547,856千円(前事業年度比349,691千円増加)となりました。

 

(特別損益、当期純利益)

特別利益として保険返戻金による収入24,353千円を計上しており、当事業年度の特別利益は24,353千円(前事業年度比24,353千円増加)となりました。その結果、当期純利益は419,757千円(前事業年度比275,846千円増加)となりました。

 

④ キャッシュ・フローの状況の分析

キャッシュ・フローの状況の分析に関する情報については、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。

 

⑤ 資本の財源及び資金の流動性

当社の事業活動における主な運転資金需要は、ブランドメーカーからの仕入資金、人材獲得のための採用費及び人件費等に伴う運転資金等であります。

当社は、これらの資金需要に機動的に対応するため、内部留保を蓄積すること、並びに金融機関からの借入及び増資により十分な流動性を確保しております。