3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社および連結子会社)の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、社会経済活動が大きく制限された影響により、極めて厳しい状況で推移しました。また、2021年1月には2度目の緊急事態宣言が発出されるなど、経済の見通しは依然として、予断を許さない状況にあります。

当社グループを取り巻くガーデン・エクステリア業界におきましても新型コロナウイルス感染症の拡大の影響を受け新設住宅着工戸数は2020年12月まで18カ月連続で前年より減少し、一部住宅設備機器の供給遅れから建物本体工事の遅延や例年開催される展示会やイベント等も中止を余儀なくされました。

このような環境下において、国内では、各工場の最適化や安定供給、生産性向上と工場の増床や設備増強による生産体制強化を図りました。海外では中国の工場が新型コロナウイルス感染症拡大により一時操業停止となったものの感染拡大防止対策の徹底により早々に操業を再開し、通常の生産体制に戻りました。

国内の売上高につきまして、プロユース部門では家と庭をつなぐ中間領域である「5th Room」(五番目の部屋)のコンセプトに基づく基軸商品の「オールグラスポーチ」とその周辺アイテムの売上拡大と新築外構工事におけるファサードエクステリアのデザイン性向上のための様々な顧客サポートを行ったことで、施工現場の停滞などの影響がありましたが、売上高は前連結会計年度と比べ1.2%の減少で抑えることができました。

ホームユース部門においては、新型コロナウイルス感染症の影響による外出自粛に伴い、ガーデニングの需要が高まったことから、販売先である量販店での売上拡大やe-コマースにおけるガーデニング用品の売上拡大により前連結会計年度と比べ18.2%増加しました。

海外の売上高につきましても、新型コロナウイルス感染症の影響によりガーデニングの需要が高まり、特にe-コマースにおけるガーデニング用品の売上高が前連結会計年度と比べ28.2%増加と大幅に伸長しました。さらに、当社子会社が運営するガーデン・エクステリア業界の情報に特化したWebプラットフォーム『GARDEN STORY(ガーデンストーリー)』は、ガーデンニングシーズンの最盛期とコロナ禍の「STAY HOME」による影響が重なった2020年5月に過去最高PV・UU達成以降も、家庭菜園や季節の植物に関わる記事へのアクセスが勢いを持ったまま推移しました。特に検索流入においては対前年比平均900%以上を持続し、多くの方が植物に興味を持ち、“ガーデニングや家庭菜園とともにある暮らし”の定着が表れる結果となりました。このような状況を好機と捉え、当社グループにおきましては、DX(デジタルトランスフォーメーション)への取り組みを一気に加速させ、6月15日よりWebショールームを開設し、さらに、10月22日・23日に自社展示会「タカショーガーデン&エクステリアフェア2020」をリアルとオンラインを融合したハイブリッド型で開催し、今後の新しい生活様式における提案やVR・ARなどを使用した動画ソフトパッケージの提案を行い、営業活動の強化に努めております。

販売費及び一般管理費においては、営業活動の自粛に伴い営業スタイルの変化による営業経費の減少や販促費用の見直し等により販促・広告費が減少しました。今後は更に業務効率の改善を進め、Web受注やRPA、またIoTやICTなどの最先端のIT化を急速に進めることで大幅な経費削減に努めてまいります。また、営業利益においては、自社生産品の販売構成比の増加や生産性向上により原価率が低減したこともあり、前連結会計年度と比べ117.7%増加しました。

なお、有限会社タカショーヨーロッパ及び天津高秀国際工貿有限公司の清算手続きが結了したことから、特別利益に為替換算調整勘定取崩益74,729千円を計上しております。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。

(日本)

日本においては、プロユース部門では家と庭をつなぐ中間領域である「5th Room」(五番目の部屋)のコンセプトに基づく基軸商品の「オールグラスポーチ」とその周辺アイテムの売上拡大と新築外構工事におけるファサードエクステリアのデザイン性向上のため様々な顧客サポートを行ったことで、施工現場の停滞などの影響がありましたが、売上高は前期と比べ微減で抑えることが出来ました。ホームユース部門では、新型コロナウイルス感染症の影響による外出自粛に伴いガーデニング需要が高まったことから前連結会計年度と比べ売上が大幅に増加しました。

その結果、売上高は15,857,181千円(前年同期比2.3%増)となりました。セグメント利益については、自社生産品の販売構成比の増加やEC分野での販売比率が増加したことで売上総利益が改善したことや、販売費及び一般管理費を前連結会計年度と比べ大幅に抑制したことから、809,893千円(前年同期比42.3%増)となりました。

(欧州)

欧州においては、新型コロナウイスル感染症の影響により、日本同様に「STAY HOME」によりガーデニング需要が増加し、売上高は753,973千円(前年同期比71.9%増)となりました。セグメント損失については、ドイツ支店の稼働の遅れにより販管費が嵩んだことで99,428千円(前年同期は329,349千円のセグメント損失)となりました。

(中国)

中国においては、親会社からの商圏の移管を受けたことや、自社生産品への集約が進むことで、売上高は1,058,368千円(前年同期比18.3%増)となりました。セグメント利益については、売上高が増加や製造原価が低減したことから、314,494千円(前年同期比66.9%増)となりました。

(韓国)

韓国においては、ホームセンターへの導入アイテム増加や地域ビルダーとのエクステリア関連商品の販売が順調に推移したことにより、売上高は154,513千円(前年同期比27.8%増)となりました。セグメント損失については、売上高の増加等により損失が縮小し、9,078千円(前年同期は22,340千円のセグメント損失)となりました。

(米国)

米国においては、新型コロナウイルス感染症の影響により、外出自粛が厳しくなったものの、日本同様にガーデニング需要が増加し、TV通販関連による売上が増加したことから、売上高は402,819千円(前年同期比49.8%増)となりました。セグメント利益については、売上高が増加した影響により、23,382千円(前年同期は14,266千円のセグメント損失)となりました。

(その他)

その他の地域においては、インド市場がロックダウンにより低迷するなか、豪州においては、大手ホームセンターとの取引が伸長し、特にe-コマースを中心に売上が増加したことから、売上高は259,478千円(前年同期比85.6%増)となりました。セグメント利益については、売上高が増加したことから、17,478千円(前年同期は11,562千円のセグメント損失)となりました。

 

流動資産は、前連結会計年度末に比べて1,087,666千円増加し、12,187,525千円となりました。主な要因は、現金及び預金が3,942,313千円(前連結会計年度末に比べ1,152,166千円増)、受取手形及び売掛金が2,640,052千円(前連結会計年度末に比べ328,971千円増)、商品及び製品が2,826,455千円(前連結会計年度末に比べ453,411千円減)となったこと等によるものです。

固定資産は、前連結会計年度末に比べて30,817千円減少し、7,503,866千円となりました。主な要因は、有形固定資産が5,556,327千円(前連結会計年度末に比べ127,211千円減)と無形固定資産が414,401千円(前連結会計年度末に比べ83,127千円減)となったこと等によるものです。

この結果、総資産は、前連結会計年度末に比べて1,056,849千円増加し、19,691,391千円となりました。

流動負債は、前連結会計年度末に比べて458,723千円減少し、8,823,985千円となりました。主な要因は、支払手形及び買掛金が3,001,688千円(前連結会計年度末に比べ128,791千円増)、1年以内返済予定長期借入金が356,130千円(前連結会計年度末に比べ190,181千円増)、未払消費税が220,915千円(前連結会計年度末に比べ118,862千円増)、短期借入金が3,943,756千円(前連結会計年度末に比べ948,197千円減)となったこと等によるものです。

固定負債は、前連結会計年度末に比べて692,687千円増加し、1,350,609千円となりました。主な要因は、新型コロナウイルス感染症が業績に与える影響を考慮し、資金の増強を図ったことにより長期借入金が771,899千円(前連結会計年度末に比べ709,282千円増)等によるものです。

この結果、負債合計は前連結会計年度末に比べて233,964千円増加し、10,174,595千円となりました。

純資産合計は、前連結会計年度末に比べて822,885千円増加し、9,516,795千円となりました。主な要因は、利益剰余金が5,427,501千円(前連結会計年度に比べ807,110千円増)となったこと等によるものです。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ1,152,166千円増加し、当連結会計年度末には3,942,313千円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの原因は、次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の営業活動の結果、増加した資金は1,899,580千円(前年同期は987,475千円の増加)となりました。主な要因は、税金等調整前当期純利益が1,218,036千円(前年同期は467,933千円)、売上債権の増減額が320,222千円の減少(前年同期は298,256千円の増加)となったこと等によるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の投資活動の結果、減少した資金は438,181千円(前年同期は783,794千円の減少)となりました。主な要因は、有形固定資産の取得による支出が268,428千円(前年同期は621,033千円の支出)、無形固定資産の取得による支出が170,199千円(前年同期は85,419千円の支出)となったこと等によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の財務活動の結果、減少した資金は307,049千円(前年同期は606,279千円の減少)となりました。主な要因は、新型コロナウィルス感染症が業績に与える影響を考慮し、資金の増強を図ったことによる長期借入れによる純収入899,464千円(前年同期は213,612千円の純支出)と短期借入による純支出941,096千円(前年同期は151,961千円の純支出)等によるものです。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2020年1月21日

至 2021年1月20日)

金額(千円)

前年同期比(%)

日本

3,247,895

98.0

中国

1,266,941

126.6

合計

4,514,836

104.7

 

   (注) 1 金額は、製造原価によっております。

   2 セグメント間取引については、相殺消去しております。

   3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

b.商品仕入実績

当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2020年1月21日

至 2021年1月20日)

金額(千円)

前年同期比(%)

日本

4,340,984

103.5

欧州

136,953

183.6

中国

1,144,632

96.7

韓国

17,916

170.2

米国

25,212

146.3

その他

45,883

256.5

合計

5,711,583

103.9

 

   (注) 1 金額は、実際仕入額によっております。

   2 セグメント間取引については、相殺消去しております。

   3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。 

 

c.受注実績

当社グループは受注生産をおこなっておりません。

 

 

d.販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2020年1月21日

至 2021年1月20日)

金額(千円)

前年同期比(%)

日本

15,857,181

102.3

欧州

753,973

171.9

中国

1,058,368

118.3

韓国

154,513

127.8

米国

402,819

149.8

その他

259,478

185.6

合計

18,486,333

106.5

 

   (注) 1 主な相手先別の販売実績については、当該販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満であ
   るため記載を省略しております。

   2 セグメント間取引については、相殺消去しております。

   3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループは、売上高、売上総利益率や経常利益率を重要な経営指標としております。

当連結会計年度の連結売上高は、新型コロナウイルス感染症の影響により、テレワークや外出自粛を余儀なくされたことから、外構工事の遅延が発生しガーデンエクステリア関連商品の販売が鈍化したものの、自宅での滞在時間が長くなったことによるガーデニング需要の高まりで、量販店向け売上や自社サイトを含むEC分野における売上が増加しました。また、世界的にも日本同様にロックダウンの影響からガーデニング用品の売上がEC分野中心に大幅に増加したことから、18,486,333千円(予算比0.5%増)となりました。売上原価につきましては、為替変動により想定レートから若干乖離したものの、自社生産品の販売構成比の増加およびEC分野での販売構成比の増加等により利益率が改善したことから、10,226,419千円(予算比1.0%増)と微増となりました。

以上の結果、売上総利益は8,259,914千円(予算比0.3%減)となり、売上総利益率が計画より0.2ポイント減少しました。

販売費及び一般管理費につきましては、コロナ禍において営業活動の自粛に伴い営業スタイルの変化による営業経費の減少や販促費用の見直し等により販促・広告費が減少しましたが、今後の更なる業務効率の改善やお客様へのサービス向上を進めるべく、DX(デジタルトランスフォーメーション)化を推進したことにより費用が若干増加したことから7,103,011千円(予算比0.3%増)となりました。

以上の結果、営業利益は1,156,902千円(予算比3.2%減)となりました。

経常利益につきましては、為替変動リスクの対策において為替差損の発生を抑えたことから、経常利益は1,152,417千円(予算比4.8%増)となり、経常利益率が計画より0.2ポイント増加しました。

法人税等(法人税等調整額含む)については、261,403千円(予算比20.7%減)となりました。主な要因は繰越欠損金の使用によるものです。

以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は952,894千円(予算比23.6%増)となりました。

 

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

キャッシュ・フローの状況については「(1)経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。

当社グループの資金需要の主なものは、材料および商品仕入に伴う保有在庫に見合う運転資金ならびに、生産量の増加に伴う建物・機械設備等の設備資金やIT投資に伴う設備資金であり、その調達手段は主として、金融機関からの借入金であります。なお、資金の短期流動性を確保するため、コミットメントライン(シンジケート方式)52億円の融資限度枠を設定しています。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。当社経営陣は、連結財務諸表の作成に際し、決算日における資産・負債、および報告期間における損益に影響を与える事項につき、過去の実績や状況に応じ合理的と判断される範囲で見積りおよび判断を行っております。具体的には、諸引当金やたな卸資産・繰延税金資産および投資の減損等が該当し、実際の結果は見積り特有の不確実性があるためそれらの見積りと相違する場合があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち特に重要なものは以下のとおりです。

・繰延税金資産の評価

将来の課税所得を見積り、回収可能性がある将来減算一時差異についてのみ繰延税金資産として資産計上を行い、回収不能なものについては評価性引当額を計上しております。経営環境等の変化により課税所得の見積り変更が必要となった場合には、繰延税金資産の計上額が変動し、当社及び連結子会社の業績に重要な影響を与える可能性があります。