(1)経営成績等の状況の概要
① 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末の流動資産は、前期末に比べ682,969千円増加し2,203,439千円となりました。これは主に現金及び現金同等物が571,691千円増加したことによります。
当連結会計年度末の非流動資産は、前期末に比べ515,514千円増加し1,797,531千円となりました。これは主にオフィス移転に伴い使用権資産が182,856千円、アシロ少短の連結子会社化によりのれんが163,265千円、その他の金融資産(主に敷金及び保証金)が72,294千円増加したことによります。
この結果、当連結会計年度末における資産合計は、4,000,970千円となりました。
(負債)
当連結会計年度末の流動負債は、前期末に比べ400,044千円増加し759,340千円となりました。これは主に仕入債務及びその他の債務が138,011千円、社債の発行や新規の借入れにより社債及び借入金が70,841千円、アシロ少短の連結子会社化により保険契約負債が52,299千円増加したことによります。
当連結会計年度末の非流動負債は、前期末に比べ373,476千円増加し594,269千円となりました。これは主に社債の発行や新規の借入れにより社債及び借入金が228,922千円、オフィス移転に伴いリース負債が119,613千円増加したことによります。
この結果、当連結会計年度末における負債合計は、1,353,609千円となりました。
(資本)
当連結会計年度末における資本合計は、前期末に比べ424,963千円増加し2,647,361千円となりました。これは主に利益剰余金が347,754千円、新株予約権の行使等により資本金が63,995千円、資本剰余金が118,338千円増加した一方、控除要因となる自己株式が99,773千円増加したことによります。
② 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するワクチン接種の普及により経済正常化の流れが進みつつあるものの、再び感染の拡大が懸念される状況下にあることや、世界的な資源価格高騰、ロシアによるウクライナ侵攻などによるインフレ懸念並びに日米の金融政策の違いなどによる円安の進行など、先行き不透明な状況が高まっております。
一方、当社グループを取り巻くインターネット広告市場におきましては、2021年の広告費は2兆7,052億円(前年比21.4%増加)となり、一貫して成長を続けている結果、マスコミ四媒体広告費(新聞、雑誌、ラジオ、テレビメディア広告費の合算)を初めて上回りました。(出所:株式会社電通「2021年日本の広告費」)
このような事業環境のもと、当社グループはリーガルメディア関連事業を中心に事業を展開しており、主に弁護士を顧客とするリーガルメディアや弁護士以外を顧客とする派生メディアを運営しております。また、リーガルメディア関連事業に加えて、弁護士・公認会計士といった士業人材や管理部門人材を対象とする人材紹介サービスを提供するHR事業や、弁護士に依頼する際の費用の一部を補償対象とする弁護士費用保険を販売する保険事業を展開しております。
収益の大部分を占めるリーガルメディアでは、営業活動により新規開拓を推し進めるとともに、契約後の顧客サポートを行うカスタマーサクセス活動の強化により解約率の引き下げ並びに既存顧客からの追加受注に注力するなどした結果、2022年10月における掲載枠数(注1)は1,925枠(前年同月比30.2%増加)、掲載顧客数(注2)は769件(前年同月比29.0%増加)となり、順調に伸長しております。
(注1)掲載枠数とは、掲載延べ数であり、同一顧客が複数の広告枠掲載を行う場合は複数カウントを行っております。
(注2)掲載顧客数とは、広告枠の掲載を行っている顧客の実数であります。
また、派生メディアにおいては、経済正常化に向けた企業の採用意欲の高まり等を受けて、転職メディア「キャリズム」の案件数が増加し、当連結会計年度における問合せ数は33,486件(前年同期比53.5%増加)となり、大幅に増加いたしました。
以上の結果、IFRSに準拠した当連結会計年度の業績は、売上収益は2,201,586千円(前期比41.8%増)、営業利益は483,658千円(同34.0%増)、税引前利益は477,366千円(同34.7%増)、当期利益は330,854千円(同44.6%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は343,624千円(同50.2%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。なお、売上収益はセグメント間取引の相殺消去後の数値であります。
[リーガルメディア関連事業]
リーガルメディアの掲載枠数及び掲載顧客数の増加に伴う掲載料収入等の増加に加えて、派生メディアにおいては上述の背景より転職メディア「キャリズム」の案件数が増加する等した結果、売上収益は2,066,770千円(同38.1%増)、セグメント利益は859,548千円(同36.8%増)となりました。
なお、リーガルメディアの売上収益は1,469,725千円(同26.6%増)、営業利益は615,751千円(同24.5%増)となりました。また、派生メディアの売上収益は597,045千円(同77.7%増)、営業利益は243,797千円(同81.9%増)となりました。
[HR事業]
前々連結会計年度より事業を開始し、人材紹介サービスの登録者数並びに成約者数が順調に増加したことで、売上収益は105,943千円(同88.8%増)、セグメント利益は7,285千円(前年同期は8,024千円の損失)となりました。なお、当連結会計年度より、従来「リーガルHR事業」としていた報告セグメントについて、公認会計士や税理士等、弁護士以外への人材紹介が本格化し、実際に法務分野以外での入社実績も発生したことから、事業内容をより適切に表示するため、セグメント名称を「HR事業」に変更しております。
[保険事業]
2022年4月28日に株式の追加取得により連結子会社化し、第3四半期より損益計算書の連結を開始した株式会社アシロ少額短期保険(以下「アシロ少短」という。2022年9月1日に株式会社カイラス少額短期保険から社名を変更)にて少額短期保険業を営んでおり、当連結会計年度より「保険事業」として開示しております。売上収益は27,383千円、セグメント損益は62,616千円の損失となりました。
[その他]
現時点では重要性の乏しい新規事業等を報告セグメントに含まれない事業セグメントとして区分し、「その他」として開示しております。売上収益は1,490千円、セグメント損益は29,130千円の損失となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、1,875,533千円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とその要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは511,393千円の資金流入(前年同期は298,506千円の資金流入)となりました。これは主に、増加要因として税引前利益の計上477,366千円、仕入債務及びその他の債務の増加106,693千円、減価償却費及び償却費77,487千円、減少要因として法人所得税の支払額125,904千円、売上債権及びその他の債権の増加96,070千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは268,681千円の資金流出(同11,942千円の資金流出)となりました。これは主に子会社の取得による支出113,518千円、敷金及び保証金の差入による支出71,393千円、有形固定資産の取得による支出61,933千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは328,978千円の資金流入(同459,807千円の資金流入)となりました。これは主に増加要因として社債の発行による収入343,970千円、新株予約権の行使に伴う株式の発行による収入119,979千円、減少要因として自己株式の取得による支出100,588千円、長期借入金の返済による支出62,546千円によるものであります。
(参考情報)
当社グループは、投資家が会計基準の差異にとらわれることなく、当社グループの業績評価を行い、当社グループの企業価値についての純粋な成長を把握するうえで有用な情報を提供することを目的として、EBITDA及び調整後EBITDAを経営成績に関する参考指標として公表することとしました。EBITDAは、営業利益から非資金費用項目(減価償却費及び償却費)等の影響を除外しております。また、調整後EBITDAは、EBITDAからIFRS適用に伴う非資金費用項目(株式報酬費用、使用権資産の償却費等)の影響を除外しております。
EBITDA及び調整後EBITDAの計算式及び算出方法は次のとおりであります。
・EBITDA =営業利益+減価償却費及び償却費-その他の収益 +その他の費用
・調整後EBITDA =EBITDA ±IFRS適用に伴う非資金費用項目
(単位:千円) |
| 前連結会計年度 (自 2020年11月1日 至 2021年10月31日) | 当連結会計年度 (自 2021年11月1日 至 2022年10月31日) |
財務諸表における営業利益 | 360,941 | 483,658 |
+減価償却費及び償却費 | 53,822 | 77,487 |
-その他の収益 | △2,128 | △8,292 |
+その他の費用 | - | 0 |
小計 | 51,694 | 69,195 |
EBITDA | 412,635 | 552,853 |
+有給休暇引当金繰入額 | 1,492 | 7,603 |
+株式報酬費用 | 10,997 | 4,644 |
+敷金の計上額の調整 | 14 | 40 |
-使用権資産償却費の調整 | △32,925 | △46,261 |
-資本取引直接増分費用の調整 | △11,628 | △1,288 |
小計 | △32,050 | △35,262 |
調整後EBITDA | 380,586 | 517,591 |
(注)千円未満は四捨五入して記載しております。
④ 生産、受注及び販売の実績
(生産実績)
当社グループは、生産活動を行っていませんので、生産実績に関する記載はしておりません。
(受注実績)
当社グループは、受注生産を行っていませんので、受注実績に関する記載はしておりません。
(販売実績)
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2021年11月1日 至 2022年10月31日) | 前年同期比(%) |
リーガルメディア関連事業 (千円) | 2,066,770 | 138.1 |
うち、リーガルメディア (千円) | 1,469,725 | 126.6 |
派生メディア (千円) | 597,045 | 177.7 |
HR事業 (千円) | 105,943 | 188.8 |
保険事業 (千円) | 27,383 | - |
その他 (千円) | 1,490 | - |
合計(千円) | 2,201,586 | 141.8 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先 | 前連結会計年度 (自 2020年11月1日 至 2021年10月31日) | 当連結会計年度 (自 2021年11月1日 至 2022年10月31日) | ||
金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
弁護士法人アディーレ法律事務所 | 209,480 | 13.5 | 191,066 | 8.7 |
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に当たり経営者の判断に基づく会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に与える見積りが必要となります。経営者は、これらの見積りを行うに当たり過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積りによる不確実性のため、これらの見積りとは異なる場合があります。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針 4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載しておりますが、連結財務諸表の作成に当たって特に重要と認識しているものは以下のとおりであります。
・のれんの減損テスト
当社グループは、のれんについて、毎期又は減損の兆候が存在する場合には都度、減損テストを実施しております。減損テスト時に見積る資産又は資金生成単位の回収可能価額は、使用価値と処分コスト控除後の公正価値のうち、いずれか高い金額としております。なお、この公正価値は、用いられる評価技法へのインプットに基づき、レベル3に区分されます。
各資金生成単位の状況は以下のとおりであります。
a.リーガルメディア関連事業におけるのれんの減損テスト
リーガルメディア関連事業におけるのれん(1,138,725千円)は、株式会社ASIROが旧 株式会社アシロ(実質的な存続会社)の株式を取得して子会社化し、旧 株式会社アシロを吸収合併したことで生じたものであります。
当該使用価値は、経営者が承認した3年以内の事業計画のうちリーガルメディア関連事業に係る計数を基礎とし(今後の3年間の売上収益の成長率は前連結会計年度においては平均17.6%、当連結会計年度においては平均27.5%と仮定して算出)、その後の永久成長率は0%と仮定して計算した将来キャッシュ・フローの見積額を現在価値に割り引いて算定しております。この事業計画は、運営するメディアサイトの掲載枠数等を計画に基づいて見積り、過去の実績及び外部環境とも整合性を取ったうえで策定しております。また、この事業計画は、主としてリーガルメディアにおいては掲載枠数、派生メディアにおいては問合せ数の影響を受けます。
使用価値の測定で使用した割引率は、前連結会計年度においては12.3%、当連結会計年度においては11.5%であり、これは、税引前加重平均資本コストを基礎に、外部情報及び内部情報を用いて事業に係るリスク等が適切に反映されるよう算定しております。
資金生成単位の使用価値を算定して実施した減損テストにおいて主要な感応度を示す仮定は将来キャッシュ・フローの見積額及び割引率です。
前連結会計年度末において回収可能価額は、のれんが含まれる資金生成単位グループの資産の帳簿価額を4,130百万円上回っておりますが、仮に各期の将来キャッシュ・フローの見積額が78.4%減少した場合、又は割引率が48.0%上昇した場合に回収可能価額と帳簿価額が等しくなる可能性があります。
当連結会計年度末において回収可能価額は、のれんが含まれる資金生成単位グループの資産の帳簿価額を6,814百万円上回っておりますが、仮に各期の将来キャッシュ・フローの見積額が80.1%減少した場合、又は割引率が41.8%上昇した場合に回収可能価額と帳簿価額が等しくなる可能性があります。
上記の減損計上の余裕度に関する推定は、各期の将来の見積キャッシュ・フローの減少及び割引率の上昇がそれぞれ単独で発生するとの仮定に基づき記載しております。
減損テストの結果、算定された回収可能価額は帳簿価額を上回っているため、減損損失は計上しておりません。
主要な仮定は不確実な要素の変動によって影響を受けるため、これらの仮定の見直しが必要となった場合には、連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。
b.保険事業におけるのれんの減損テスト
保険事業におけるのれん(163,265千円)は、当社が株式会社アシロ少額短期保険の株式を取得して子会社化したことで、当連結会計年度より生じたものであります。
当該使用価値は、経営者が承認した保険事業に係る10年間の事業計画を基礎とし(今後の10年間の売上収益の成長率は平均24.6%と仮定して算出)、その後の永久成長率は1%と仮定して計算した将来キャッシュ・フローの見積額を現在価値に割り引いて算定しております。この事業計画は、保険契約等数を計画に基づいて見積り、過去の実績及び外部環境とも整合性を取ったうえで策定しております。
使用価値の測定で使用した割引率は、当連結会計年度においては14.1%であり、これは、税引前加重平均資本コストを基礎に、外部情報及び内部情報を用いて事業に係るリスク等が適切に反映されるよう算定しております。
資金生成単位の使用価値を算定して実施した減損テストにおいて主要な感応度を示す仮定は将来キャッシュ・フローの見積額及び割引率です。
当連結会計年度末において回収可能価額は、のれんが含まれる資金生成単位グループの資産の帳簿価額を21百万円上回っておりますが、仮に各期の将来キャッシュ・フローの見積額が5.3%減少した場合、又は割引率が0.6%上昇した場合に回収可能価額と帳簿価額が等しくなる可能性があります。
上記の減損計上の余裕度に関する推定は、各期の将来の見積キャッシュ・フローの減少及び割引率の上昇がそれぞれ単独で発生するとの仮定に基づき記載しております。
減損テストの結果、算定された回収可能価額は帳簿価額を上回っているため、減損損失は計上しておりません。主要な仮定は不確実な要素の変動によって影響を受けるため、これらの仮定の見直しが必要となった場合には、連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。
② 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
ⅰ.財政状態
(単位:千円)
| 前連結会計年度 (2021年10月31日) | 当連結会計年度 (2022年10月31日) | 前年同期比 | ||
増減額 | 増減率(%) | ||||
| 流動資産 | 1,520,469 | 2,203,439 | 682,969 | 44.9 |
| 非流動資産 | 1,282,017 | 1,797,531 | 515,514 | 40.2 |
資産合計 | 2,802,487 | 4,000,970 | 1,198,483 | 42.8 | |
| 流動負債 | 359,295 | 759,340 | 400,044 | 111.3 |
| 非流動負債 | 220,793 | 594,269 | 373,476 | 169.2 |
負債合計 | 580,089 | 1,353,609 | 773,520 | 133.3 | |
資本合計 | 2,222,398 | 2,647,361 | 424,963 | 19.1 |
(資産)
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べて1,198,483千円増加し、4,000,970千円となりました。この主な要因は、当期利益の計上や社債の発行等により現金及び現金同等物が571,691千円、オフィス移転に伴い使用権資産が182,856千円、アシロ少短の連結子会社化によりのれんが163,265千円増加したことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べて773,520千円増加し、1,353,609千円となりました。この主な要因は、社債の発行や新規の借入れにより社債及び借入金が299,763千円、オフィス移転に伴いリース負債が156,417千円、営業活動に伴う仕入債務及びその他の債務が138,011千円増加したことによるものであります。
(資本)
当連結会計年度末における資本合計は、前連結会計年度末に比べて424,963千円増加し、2,647,361千円となりました。この主な要因は、利益剰余金が347,754千円、新株予約権の行使等により資本金が63,995千円、資本剰余金が118,338千円増加した一方、控除要因となる自己株式が99,773千円増加したことによるものであります。
ⅱ.経営成績
(単位:千円)
| 前連結会計年度 (自 2020年11月1日 至 2021年10月31日) | 当連結会計年度 (自 2021年11月1日 至 2022年10月31日) | 前年同期比 | |
増減額 | 増減率 (%) | |||
売上収益 | 1,552,753 | 2,201,586 | 648,832 | 41.8 |
リーガルメディア関連事業 | 1,496,626 | 2,066,770 | 570,143 | 38.1 |
うち、リーガルメディア | 1,160,701 | 1,469,725 | 309,024 | 26.6 |
派生メディア | 335,925 | 597,045 | 261,120 | 77.7 |
HR事業 | 56,127 | 105,943 | 49,816 | 88.8 |
保険事業 | - | 27,383 | 27,383 | - |
その他 | - | 1,490 | 1,490 | - |
売上原価 | 768,385 | 1,147,582 | 379,196 | 49.3 |
売上総利益 | 784,368 | 1,054,004 | 269,636 | 34.4 |
販売費及び一般管理費 | 425,555 | 578,638 | 153,083 | 36.0 |
その他の収益 | 2,128 | 8,292 | 6,164 | 289.7 |
その他の費用 | - | 0 | 0 | - |
営業利益 | 360,941 | 483,658 | 122,717 | 34.0 |
税引前利益 | 354,285 | 477,366 | 123,081 | 34.7 |
当期利益 | 228,779 | 330,854 | 102,075 | 44.6 |
親会社の所有者に帰属する当期利益 | 228,779 | 343,624 | 114,845 | 50.2 |
当連結会計年度における経営成績は、売上収益は2,201,586千円(前期比41.8%増)となりました。
[リーガルメディア関連事業]
リーガルメディアの掲載枠数及び掲載顧客数の増加に伴う掲載料収入等の増加に加えて、派生メディアにおいては上述の背景より転職メディア「キャリズム」の案件数が増加する等した結果、売上収益は2,066,770千円(同38.1%増)、セグメント利益は859,548千円(同36.8%増)となりました。
なお、リーガルメディアの売上収益は1,469,725千円(同26.6%増)、営業利益は615,751千円(同24.5%増)となりました。また、派生メディアの売上収益は597,045千円(同77.7%増)、営業利益は243,797千円(同81.9%増)となりました。
[HR事業]
前々連結会計年度より事業を開始し、人材紹介サービスの登録者数並びに成約者数が順調に増加したことで、売上収益は105,943千円(同88.8%増)、セグメント利益は7,285千円(前年同期は8,024千円の損失)となりました。なお、当連結会計年度より、従来「リーガルHR事業」としていた報告セグメントについて、公認会計士や税理士等、弁護士以外への人材紹介が本格化し、実際に法務分野以外での入社実績も発生したことから、事業内容をより適切に表示するため、セグメント名称を「HR事業」に変更しております。
[保険事業]
2022年4月28日に株式の追加取得により連結子会社化し、第3四半期より損益計算書の連結を開始した株式会社アシロ少額短期保険(以下「アシロ少短」という。2022年9月1日に株式会社カイラス少額短期保険から社名を変更)にて少額短期保険業を営んでおり、当連結会計年度より「保険事業」として開示しております。売上収益は27,383千円、セグメント損益は62,616千円の損失となりました。
[その他]
現時点では重要性の乏しい新規事業等を報告セグメントに含まれない事業セグメントとして区分し、「その他」として開示しております。売上収益は1,490千円、セグメント損益は29,130千円の損失となりました。
売上原価は、379,196千円増加して1,147,582千円(同49.3%増)となりました。売上原価の大半を占める広告媒体費が売上収益の増加に伴って増加した他、社員数の増加に伴って人件費が増加したことによるものであります。その結果、売上総利益は1,054,004千円(同34.4%増)となりました。
販売費及び一般管理費は、153,083千円増加して578,638千円(同36.0%増)となりました。社員数の増加に伴って人件費や採用費が増加した他、株式上場やオフィス移転等に関連する各種費用が発生・増加したことによるものであります。
以上の結果、営業利益は483,658千円(同34.0%増)、税引前利益は477,366千円(同34.7%増)、当期利益は330,854千円(同44.6%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は343,624千円(同50.2%増)となりました。
当連結会計年度におけるセグメントの経営成績は、次のとおりであります。なお、売上収益はセグメント間取引の相殺消去後の数値であります。
(単位:千円)
| 前連結会計年度 (自 2020年11月1日 至 2021年10月31日) | 当連結会計年度 (自 2021年11月1日 至 2022年10月31日) | |||
金額 | 構成比(注) (%) | 金額 | 構成比(注) (%) | ||
リーガルメディア関連事業 | 売上収益 | 1,496,626 | 96.4 | 2,066,770 | 93.9 |
セグメント利益 | 628,438 | 174.1 | 859,548 | 177.7 | |
HR事業 | 売上収益 | 56,127 | 3.6 | 105,943 | 4.8 |
セグメント利益 | △8,024 | △2.2 | 7,285 | 1.5 | |
保険事業 | 売上収益 | - | - | 27,383 | 1.2 |
セグメント利益 | - | - | △62,616 | △12.9 | |
その他 | 売上収益 | - | - | 1,490 | 0.1 |
セグメント利益 | - | - | △29,130 | △6.0 | |
調整額 | 売上収益 | - | - | - | - |
セグメント利益 | △259,473 | △71.9 | △291,429 | △60.3 | |
合計 | 売上収益 | 1,552,753 | 100.0 | 2,201,586 | 100.0 |
セグメント利益 | 360,941 | 100.0 | 483,658 | 100.0 |
(注)それぞれ対連結全体の売上収益、対連結全体のセグメント利益に占める比率を記載しております。
リーガルメディア関連事業における売上収益及び営業利益について、リーガルメディアと派生メディアの内訳及びリーガルメディアにおけるストック収益とフロー収益の内訳(注)は次のとおりであります。
(注) リカーリングで発生する月額定額の掲載料収入をストック収益として集計し、ストック収益以外の収益をフロー収益として集計しております。なお、フロー収益は主に初期手数料やアフィリエイト収入、当社が保険代理店となっている保険商品の代理店手数料で構成されております。
(単位:千円)
| 前連結会計年度 (自 2020年11月1日 至 2021年10月31日) | 当連結会計年度 (自 2021年11月1日 至 2022年10月31日) | |||
金額 | 構成比(注) (%) | 金額 | 構成比(注) (%) | ||
リーガルメディア | 売上収益 | 1,160,701 | 74.8 | 1,469,725 | 66.8 |
うち、ストック収益 | 1,108,198 | 71.4 | 1,334,381 | 60.6 | |
うち、フロー収益 | 52,503 | 3.4 | 136,483 | 6.2 | |
営業利益 | 494,381 | 137.0 | 615,751 | 127.3 | |
派生メディア | 売上収益 | 335,925 | 21.6 | 597,045 | 27.1 |
営業利益 | 134,057 | 37.1 | 243,797 | 50.4 | |
合計 | 売上収益 | 1,496,626 | 96.4 | 2,066,770 | 93.9 |
営業利益 | 628,438 | 174.1 | 859,548 | 177.7 |
(注)それぞれ対連結全体の売上収益、対連結全体の営業利益に占める比率を記載しております。
③ キャッシュ・フローの状況の分析
(単位:千円)
| 前連結会計年度 (自 2020年11月1日 至 2021年10月31日) | 当連結会計年度 (自 2021年11月1日 至 2022年10月31日) | 前年同期比 | |
増減額 | ||||
営業活動によるキャッシュ・フロー | 298,506 | 511,393 | 212,887 | |
投資活動によるキャッシュ・フロー | △11,942 | △ 268,681 | △256,739 | |
財務活動によるキャッシュ・フロー | 459,807 | 328,978 | △130,828 | |
現金及び現金同等物の期末残高 | 1,303,843 | 1,875,533 | 571,690 | |
有利子負債(リース負債を除く) | 269,251 | 569,014 | 299,763 | |
| 短期 | 61,541 | 132,382 | 70,841 |
| 長期 | 207,710 | 436,632 | 228,922 |
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、1,875,533千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とその要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは511,393千円の資金流入(前年同期は298,506千円の資金流入)となりました。これは主に、増加要因として税引前利益の計上477,366千円、仕入債務及びその他の債務の増加106,693千円、減価償却費及び償却費77,487千円、減少要因として法人所得税の支払額125,904千円、売上債権及びその他の債権の増加96,070千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは268,681千円の資金流出(同11,942千円の資金流出)となりました。これは主に子会社の取得による支出113,518千円、敷金及び保証金の差入による支出71,393千円、有形固定資産の取得による支出61,933千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは328,978千円の資金流入(同459,807千円の資金流入)となりました。これは主に増加要因として社債の発行による収入343,970千円、新株予約権の行使に伴う株式の発行による収入119,979千円、減少要因として自己株式の取得による支出100,588千円、長期借入金の返済による支出62,546千円によるものであります。
④ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの資金需要のうち主なものは、当社が運営する各種メディアサイトに関する広告費用等の営業費用であります。これらの資金需要につきましては、営業活動によるキャッシュ・フローにより大部分の運転資金の確保が可能であり、必要に応じて金融機関からの借入等を行う方針であります。
⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因について
「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
⑥ 経営者の問題認識と今後の課題について
「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」及び「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
⑦ 経営目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の進捗について
当社グループは、経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標として、売上収益の継続的かつ累積的な増加を実現するため、リーガルメディアの有料広告の掲載枠数を主要な経営指標と位置づけております。下表のとおり掲載枠数は継続的に増加しており、当連結会計年度(2022年10月期)末時点における掲載枠数は、営業活動及びフォロー活動の強化により前年同月期比30.2%増となっており、売上収益の継続的かつ累積的な増加に向けた事業展開も順調に推移しているものと認識しております。
リーガルメディアの主要サイト(弁護士ナビシリーズ9サイトと「あなたの弁護士」)合計の掲載枠数
(単位:件)
| 2018年10月期 | 2019年10月期 | 2020年10月期 | 2021年10月期 | 2022年10月期 |
掲載枠数(期末時点) | 1,031 | 1,199 | 1,276 | 1,478 | 1,925 |
(参考情報)会計基準の差を考慮した過年度業績の推移
当社グループは2020年10月31日に終了する連結会計年度から国際会計基準(IFRS)を初めて適用しており、IFRSへの移行日は2018年11月1日であります。一方で2018年10月期以前の数値は日本基準によるため、過年度業績の比較の際には会計基準の差を考慮する必要があります。日本基準とIFRSの主要な差異であるのれんの償却について調整を行った売上収益・調整後営業利益・調整後営業利益率の過年度推移は以下のとおりであります。
(単位:千円・%)
| 日本基準 | 国際会計基準 | |||
2018年10月期 (注)3 -単体- | 2019年10月期
-単体- | 2020年10月期
-連結- | 2021年10月期
-連結- | 2022年10月期
-連結- | |
売上収益 | 831,693 | 1,156,730 | 1,478,705 | 1,552,753 | 2,201,586 |
調整後営業利益 | 144,479 | 254,530 | 332,673 | 360,941 | 483,658 |
調整後営業利益率 | 17.4 | 22.0 | 22.5 | 23.2 | 22.0 |
(注)1.2020年10月期より連結財務諸表を作成しております。
(注)2.2019年10月期以降は、IFRSによる数値を記載しており、連結損益計算書と一致しております。
(注)3.営業利益について、のれんの償却額を加算調整しております。