3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 また、当社は金融ソリューション事業及びメディア事業から構成されておりますが、金融ソリューション事業の連結売上高、連結営業利益及び全セグメントの資産の金額の合計に占める割合がいずれも90%以上を占めるため、セグメント別の記載を省略しております。

 

①重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりましては、資産及び負債又は損益の状況に影響を与える会計上の見積りは、過去の実績等の連結財務諸表作成時に入手可能な情報に基づき、合理的に判断して行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

 

②会計方針の変更

 当社連結子会社であるJPリースプロダクツ&サービシイズ株式会社におけるオペレーティング・リース事業の売上高及び売上原価の計上基準は、従来、案件の商品出資金完売時に売上高及び売上原価の全額を計上する方法を採用しておりましたが、当連結会計年度より、案件の商品出資金販売額に応じて売上高及び売上原価を計上する方法に変更いたしました。この変更は、近年大型案件の受注が増加していること等に鑑み、より適正な期間損益計算を行うことを目的としたものであります。

 当該会計方針の変更は遡及適用され、前連結会計年度については遡及適用後の連結財務諸表となっております。

 この結果、遡及適用を行う前に比べて、前連結会計年度の売上高は190,748千円、売上原価は21,002千円、営業利益、経常利益及び税金等調整前当期純利益はそれぞれ169,746千円減少し、親会社株主に帰属する当期純利益は117,362千円減少しております。

 また、前連結会計年度の期首の純資産に累積的影響額が反映されたことにより、連結株主資本等変動計算書の利益剰余金の遡及適用後の期首残高は121,456千円増加しております。

 

(2)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の経営成績等の状況の概要は次のとおりであります。

①外部環境

 当連結会計年度(2019年1月1日~2019年12月31日)における世界経済の状況は、米中貿易戦争を背景に先行き不透明感が高まり、国際貿易やグローバルな投資活動に減速感が強まってまいりました。各国中央銀行は景気を下支えするために金融緩和姿勢に転じ、金融市場、為替相場の値動き幅を大きくする要因ともなりました。わが国経済においても、世界景気が全般的に勢いを欠くなかで輸出全体の力強い回復は期待しづらく、消費増税に伴う駆け込み需要の反動や自然災害による個人消費の下振れ等もあり、低成長の状況が続きました。

 

 このような経済情勢の中で、当社グループは、「金融を通じて社会に貢献する企業であり続ける」を経営理念として、主力3事業(オペレーティング・リース事業、環境エネルギー事業及びパーツアウト・コンバージョン事業)を中心に企業価値向上に努めてまいりました。

 

②経営成績の状況

(売上高)

 当連結会計年度における売上高は、16,647百万円(前連結会計年度比10.7%増)となりました。

 金融ソリューション事業の当連結会計年度の売上高は、16,365百万円(前連結会計年度比11.1%増)となりました。

 オペレーティング・リース事業の当連結会計年度の売上高は、15,442百万円(前連結会計年度比15.8%増)となりました。航空業界等の航空機に対する需要の高まりを背景として、航空機を利用する賃借事業者(以下、「賃借人」という。)からの引合いは多く、積極的な航空機オペレーティング・リース案件の組成及び販売に取り組んでまいりました。

 組成面では、新たな組成スキームによる大型組成案件に取り組むなどリーススキーム組成機会の増加に努めた結果、340,880百万円(前連結会計年度比40.8%増)の案件を組成いたしました。

 販売面では、オペレーティング・リース事業の連結子会社2社の営業統合を2019年7月に実施し、営業体制を拡充いたしました。加えて、全国の地方銀行、証券会社、会計事務所、コンサルティング会社等と新たなビジネスマッチング契約を締結することにより、地方の投資家との接点を拡大し、ニーズに合致した商品をご案内しました。しかしながら、大型組成案件は販売開始の遅れに加えて、マーケティングに十分な時間を割いたために、本格的な投資家への販売が第4四半期となった結果、103,616百万円(前連結会計年度比13.9%増)の案件販売にとどまりました。

 

 環境エネルギー事業の当連結会計年度の売上高は、373百万円(前連結会計年度比7.6%減)となりました。利回り追求型商品として、既稼働案件を含めた太陽光発電事業案件の組成及び販売に取り組んでまいりました。

 

 パーツアウト・コンバージョン事業の当連結会計年度の売上高は、旅客機を貨物機に改造するコンバージョン事業での案件獲得に努めましたが、12百万円(前連結会計年度比95.4%減)となりました。

 

 金融ソリューション事業におけるその他事業の当連結会計年度の売上高は、537百万円(前連結会計年度比25.0%減)となりました。

 

 メディア事業の当連結会計年度の売上高は、281百万円(前連結会計年度比8.3%減)となりました。

 

(売上総利益)

 売上原価は、大型組成案件に伴う航空機オペレーティング・リース事業における原価が増加したことにより4,910百万円(前連結会計年度比42.4%増)となりました。

 この結果、当連結会計年度における売上総利益は、11,736百万円(前連結会計年度比1.3%増)となりました。

 

(営業利益)

 当連結会計年度における営業利益は、8,188百万円(前連結会計年度比6.6%減)となりました。

 販売費及び一般管理費は、人員増による人件費1,721百万円(前連結会計年度比21.8%増)、その他の費用1,826百万円(前連結会計年度比29.8%増)等を計上したことにより、3,548百万円(前連結会計年度比25.8%増)となりました。

 

(経常利益)

 当連結会計年度における経常利益は、7,184百万円(前連結会計年度比0.7%減)となりました。

 営業外収益は、商品出資金売却益610百万円等を計上したことにより、1,000百万円(前連結会計年度比16.5%増)となりました。

 営業外費用は、支払手数料912百万円(前連結会計年度比25.1%増)、為替差損210百万円(前連結会計年度は為替差益)等を計上したことにより、2,004百万円(前連結会計年度比16.1%減)となりました。

 

(親会社株主に帰属する当期純利益)

 当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、4,555百万円(前連結会計年度比9.3%減)となりました。

 法人税、住民税及び事業税は3,843百万円、法人税等調整額が△1,315百万円となりました。

 

当連結会計年度と前連結会計年度との増減額、増減率は下表のとおりです。

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減額

増減率(%)

売上高

15,036

16,647

1,611

10.7

営業利益

8,766

8,188

△577

△6.6

経常利益

7,235

7,184

△51

△0.7

親会社株主に帰属する

当期純利益

5,025

4,555

△469

△9.3

 

(注)当連結会計年度より、オペレーティング・リース事業の売上高及び売上原価の会計処理についての会計方針の変更を行っており、前連結会計年度については会計方針の変更を反映した遡及適用後の数値を記載しております。

 

③財政状態の分析

 当連結会計年度末の財政状態は、前連結会計年度末と比較して総資産が52,102百万円増加し、負債が47,926百万円増加しました。また、純資産は4,176百万円増加いたしました。その結果、当連結会計年度末における自己資本比率は、22.7%となりました。

当連結会計年度における財政状態の状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 2018年2月16日)を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態については遡及処理後の前連結会計年度末の数値で比較・分析を行っております。

 

(総資産)

 当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末と比較して52,102百万円増加の158,879百万円となりました。

 流動資産は、前連結会計年度末と比較して48,797百万円増加の151,167百万円となりました。これは主に、順調な案件組成によって商品出資金が31,309百万円増加したことに加え、現金及び預金が15,947百万円及び未成業務支出金が3,520百万円、それぞれ増加したことによるものであります。

 固定資産は、前連結会計年度末と比較して3,297百万円増加の7,632百万円となりました。これは主に、投資有価証券が2,237百万円、繰延税金資産が1,259百万円、それぞれ増加したことによるものであります。

 

(負債)

 当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末と比較して47,926百万円増加の122,623百万円となりました。

 流動負債は、前連結会計年度末と比較して45,810百万円増加の116,598百万円となりました。これは主に、オペレーティング・リース事業における一時的な立替資金の調達として短期借入金が35,381百万円増加したことに加え、前受収益が9,539百万円増加したことによるものであります。

 固定負債は、前連結会計年度末と比較して2,115百万円増加の6,025百万円となりました。これは主に、長期借入金が2,062百万円増加したことによるものであります。

 

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末と比較して4,176百万円増加の36,256百万円となりました。これは主に、利益剰余金が3,978百万円、その他有価証券評価差額金が131百万円、それぞれ増加したことによるものであります。

 

 

④キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は前連結会計年度末に比べて15,947百万円増加し、36,239百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における営業活動により支出した資金は、前連結会計年度に比べ2,335百万円減少し、20,670百万円となりました。これは、主に税金等調整前当期純利益7,184百万円、前受収益の増加9,539百万円などにより資金を獲得した一方で、商品出資金の増加31,309百万円、未収入金の増加2,525百万円及び売上債権の増加2,223百万円などにより資金を使用したことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における投資活動により使用した資金は、前連結会計年度に比べ78百万円減少し、1,771百万円となりました。これは、主に貸付金の回収による収入1,126百万円により資金を獲得した一方で、投資有価証券の取得による支出2,146百万円及び貸付による支出591百万円などにより資金を使用したことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における財務活動により獲得した資金は、前連結会計年度に比べ5,282百万円増加し、38,983百万円となりました。これは、主に短期借入による収入142,753百万円により資金を獲得した一方で、短期借入金の返済による支出106,355百万円により資金を使用したことによるものであります。

 

⑤組成及び販売の実績

(ⅰ)組成実績

 当社グループにおけるオペレーティング・リース事業及び環境エネルギー事業の当連結会計年度の組成金額は次のとおりであります。

 

当連結会計年度

(自 2019年1月1日

至 2019年12月31日)

前年同期比(%)

オペレーティング・リース組成金額(千円)

340,880,138

140.8

オペレーティング・リース組成件数(件)

50

98.0

環境エネルギー組成金額(千円)

1,686,240

環境エネルギー組成件数(件)

2

(注)1.金額は、事業開始日時点におけるSPCの金融機関からの借入額と匿名組合出資金の合計額であり、物件価額、専門家費用及び支払手数料の合計額であります。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.外貨建のオペレーティング・リース事業の組成金額の本邦通貨への換算は、組成時の為替レートを採用しております。

 

(ⅱ)販売実績

 当連結会計年度の販売(売上)実績を事業部門別に示すと、次のとおりであります。

事業部門の名称

当連結会計年度

(自 2019年1月1日

至 2019年12月31日)

前年同期比(%)

オペレーティング・リース事業(千円)

15,442,433

115.8

環境エネルギー事業(千円)

373,726

92.4

パーツアウト・コンバージョン事業(千円)

12,316

4.6

メディア事業(千円)

281,578

91.7

その他事業(千円)

537,312

75.0

合計(千円)

16,647,367

110.7

(注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の連結売上高に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2018年1月1日

至 2018年12月31日)

当連結会計年度

(自 2019年1月1日

至 2019年12月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

JPP第1号株式会社

3,306,390

19.9

 JPA第49号株式会社

1,828,453

12.2

23,922

0.1

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.販売実績の連結売上高に対する割合が10%未満の相手先に対しては、原則として記載を省略しております。

4.当連結会計年度より会計方針の変更を行っており、前連結会計年度については当該会計方針の変更を反映した遡及修正後の数値を記載しております。

(3)資本の財源及び資金の流動性

 当社グループは、投資家のニーズに対応して幅広い金融サービスを提供するため、資金調達については安定性の確保とコストの抑制を図るよう努めております。

 

 当社グループは、オペレーティング・リース事業を展開する上で、当該事業に係る出資(匿名組合契約に基づく権利)を、投資家に地位譲渡することを前提に一時的に当該出資金(匿名組合契約に基づく権利)を引き受けます。当社グループは、その引き受けた出資金を「商品出資金」として貸借対照表に計上し、投資家の需要を勘案しながら販売(地位譲渡)しております。

 環境エネルギー事業においては、発電施設の設備や権利を取得するため、事業開始以前に立替金として資金拠出が必要となります。

 また、航空機を対象としたパーツアウト・コンバージョン事業においては、機体や部品の購入資金及び機体の改造費用が必要となります。

 当該出資金(匿名組合契約に基づく権利)を引き受けるための資金及び発電施設の設備・権利を立替取得するための資金並びにパーツアウト・コンバージョン事業における機体や部品の購入及び機体の改造費用に要する資金は、自己資金のほか、金融機関からの借入により資金調達を行っております。

 

 当社グループの資金調達につきましては、金融機関より短期借入金95,813百万円、長期借入金5,938百万円及び総額3,288百万円の私募債の発行により構成されております。その結果、当連結会計年度末の当社グループの借入金及び社債の残高は、105,040百万円となりました。

 

 また、運転資金の流動性の確保及び効率的な調達を行うため、取引銀行64行と極度額146,725百万円の当座貸越契約及びコミットメントライン契約(シンジケート方式含む)を締結しており、当連結会計年度末における未使用借入枠は73,771百万円であり、資金の流動性は十分に確保されております。

 

(4)経営指標の推移

 「(2)経営成績等の状況の概要 ②経営成績の状況」に記載のとおり、当連結会計年度は、「親会社株主に帰属する当期純利益の50%成長」という目標に対して、前連結会計年度比9.3%減となりました。これは、大型組成案件の販売開始の遅れに加えて、マーケティングに十分な時間を割いた結果、本格的な大口投資家への販売が当連結会計年度の第4四半期となったこと、売上原価、販売費及び一般管理費が増加したことなどによるものであります。

 「連結配当性向を中期的に20%以上」という目標につきましては、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載のとおり、当連結会計年度の連結配当性向は14.4%となりました。

 

前々連結会計年度

(2017年12月期)

前連結会計年度

(2018年12月期)

当連結会計年度

(2019年12月期)

次期連結会計年度

(2020年12月期)

(計画)

親会社株主に帰属する

当期純利益 伸長率

96.1%

84.3%

△9.3

38.9%

連結配当性向

11.2%

8.5%

14.4%

15.2%

(注)当連結会計年度より、オペレーティング・リース事業の売上高及び売上原価の会計処理についての会計方針の変更を行っており、前連結会計年度については会計方針の変更を反映した遡及適用後の数値を記載しております。

 

 なお、次期連結会計年度の経営目標は、「親会社株主に帰属する当期純利益の2桁成長」及び「連結配当性向を中期的に20%以上」としております。