3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①経営成績の状況

 当連結会計年度における経営環境は、COVID-19の全世界における感染拡大の影響により、世界各地で感染対策と経済活動の両立が図られたものの、収束に向かう兆しは見えず、大幅な減速となりました。わが国においては、緊急事態宣言の解除後、一時的に個人消費の回復の兆しが見られたものの、第3波の感染拡大に歯止めがからず、先行きは依然として不透明な状況が続いております。

 このような経済状況の中、旅行業界におきましては、2020年における日本人出国者数が前年同期比84.2%減の317万人となり、訪日外客数は前年同期比87.1%減の411万人と、COVID-19の感染拡大の影響を大きく受けることとなりました(出典:日本政府観光局(JNTO))。

 そのような事業環境のもと、当社グループは、従来より現地体験ツアー専門のOTA(オンライン・トラベル・エージェント)企業として、(1)主に日本人の海外旅行向けのサービスを提供する「海外旅行部門」、(2)訪日旅行者向けのサービスを提供する「インバウンド部門」、(3)グローバルな旅行者向けに世界各地のサービスを提供する「グローバル部門」に組織編成しておりましたが、COVID-19の影響をうけて、2020年5月において、「インバウンド部門」の一部である中華圏事業(中国語サイト)及び「グローバル部門」の一部であるグローバル事業(ベルトラ英語サイト)を閉鎖しております。2020年1月及び2月についてはCOVID-19の影響は出始めていたものの、前年同期を上回る営業収益となっておりましたが、3月以降の全世界的な感染拡大により、予約数も大幅に減少いたしました。緊急事態宣言解除後、国内旅行需要は徐々に回復傾向にあったものの、海外への渡航制限の継続及び感染再拡大の影響などに厳しい状況は続いております。

 この結果、当連結会計年度の営業収益は890,513千円(前年同期比79.5%減)となりました。なお、営業収益を収益区分別にみますと、海外旅行部門が829,352千円(前年同期比79.7%減)、インバウンド部門が32,960千円(前年同期比60.0%減)、グローバル部門が28,200千円(前年同期比84.0%減)となりました。

 利益につきましては、COVID-19の全世界的な感染拡大が顕在化した2020年3月上旬時点で全社的なコスト見直しを行い、広告宣伝費を中心に大幅な削減に加えて、役員報酬の減額、賞与支給の停止、従業員の休業対応による削減などを行いましたが、予約数の減少及び多数のキャンセルにより営業収益の大幅に落ち込んだ結果、営業損失は1,333,676千円(前年同期844,801千円の営業利益)、経常損失は1,250,233千円(前年同期768,789千円の経常利益)、親会社株主に帰属する当期純損失は1,547,255千円(前年同期521,510千円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。

 なお、当社グループは、旅行関連事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。

 

②財政状態の状況

(流動資産)

 当連結会計年度末における流動資産は1,098,057千円と、前連結会計年度末に比べ4,393,325千円減少しました。これは主に、COVID-19の感染拡大の影響による予約数の減少及び多数のキャンセルの発生により、現金及び預金が3,060,705千円、営業未収入金が1,262,084千円減少したことによるものであります。

 

(固定資産)

 当連結会計年度末における固定資産は620,026千円と、前連結会計年度末に比べ313,200千円減少しました。これは主に、繰延税金資産の取崩しにより、投資その他の資産が149,940千円減少したことによるものであります。

 

(流動負債)

 当連結会計年度末における流動負債は1,136,339千円と、前連結会計年度末に比べ3,012,562千円減少しました。これは主に、COVID-19の感染拡大の影響による予約数の減少及び多数のキャンセルの発生により、営業未払金が1,706,057千円、前受金が1,522,958千円減少したことによるものであります。

 

(固定負債)

 当連結会計年度末における固定負債は29,371千円と、前連結会計年度末に比べ120,343千円減少しました。これは主に、長期借入金が124,496千円減少したことによるものであります。

 

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産は552,374千円と、前連結会計年度末に比べ1,573,620千円減少しました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純損失1,547,255千円を計上したことによる利益剰余金の減少によるものであります。

 

③キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)の残高は、前連結会計年度末より3,060,705千円減少し、917,334千円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において営業活動の結果減少した資金は3,244,881千円(前連結会計年度は1,281,998千円の収入)となりました。これは主に、売上債権の減少1,259,617千円などの増加要因と、仕入債務の減少1,701,670千円、前受金の減少1,521,802千円、税金等調整前当期純損失1,438,690千円などの減少要因によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において投資活動の結果減少した資金は213,347千円(前連結会計年度は491,950千円の支出)となりました。これは、固定資産の取得による支出213,347千円の減少要因によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において財務活動の結果増加した資金は417,237千円(前連結会計年度は14,517千円の収入)となりました。これは主に、短期借入金の純増減額611,743千円、株式の発行による収入24,468千円の増加要因と、長期借入金の返済による支出197,996千円などの減少要因によるものであります。

 

④生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当社グループは、生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。

 

b.受注実績

 当社グループは、概ね受注から役務提供までの期間が短いため、受注実績に関する記載を省略しております。

 

c.販売実績

 当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。なお、当社グループは旅行関連事業の単一セグメントであるため、収益区分別に記載しております。

収益区分

当連結会計年度

(自 2020年1月1日

  至 2020年12月31日)

営業収益(千円)

前年同期比(%)

海外旅行部門

829,352

20.3

インバウンド部門

32,960

40.0

グローバル部門

28,200

16.0

合計

890,513

20.5

 (注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2.主要な販売先については、総販売実績に対する割合が100分の10以上に該当する相手がいないため、記載を省略しております。

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりましては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としておりますが、見積りによる不確実性があるため、実際の結果は、これらの見積りとは異なる場合があります。なお、当社グループの連結財務諸表の作成にあたって重要となる会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)及び(追加情報)」に記載しております。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

(営業収益)

 営業収益は、890,513千円(前年同期比79.5%減)となりました。主な要因は、COVID-19の影響に伴う営業収益の減少によるものであります。

 なお、営業収益を収益区分別にみますと、海外旅行部門が829,352千円(前年同期比79.7%減)、インバウンド部門が32,960千円(前年同期比60.0%減)、グローバル部門が28,200千円(前年同期比84.0%減)となりました。

 

(営業費用及び営業損益)

 営業費用は、2,224,189千円(前年同期比36.6%減)となりました。主な要因は、COVID-19の全世界的な感染拡大が顕在化した2020年3月上旬の時点で全社的なコスト見直しを行い、広告宣伝費を中心に大幅な削減に加えて役員報酬の減額、賞与支給の停止、従業員の休業対応による削減などのコストコントロールを実行したことによるものであります。これらの結果、営業損失は1,333,676千円(前年同期844,801千円の営業利益)となりました。

 

(営業外収益、営業外費用及び経常損益)

 営業外収益は112,991千円(前年同期比4,401.9%増)、営業外費用は29,549千円(前年同期比62.4%減)となりました。これは主に、休業対応に伴う助成金収入の増加によるものであります。これらの結果、経常損失は1,250,233千円(前年同期768,789千円の経常利益)となりました。

 

(親会社株主に帰属する当期純損益)

 法人税等合計は、繰延税金資産の取崩等により法人税等調整額156,531千円を計上した結果、126,149千円(前年同期比6.9%減)となりました。これらの結果、親会社株主に帰属する当期純損失は1,547,255千円(前年同期521,510千円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。

 

③当社グループの資本の財源及び資金の流動性

 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、広告宣伝費や人件費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は基幹システムの開発・改良等によるものであります。

 当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。当連結会計年度末における現金及び預金および純資産は、前連結会計年度末より大幅に減少しておりますが、こうした状況の中、COVID-19収束後の市場回復期における事業成長のための投資を維持しながら、財務基盤の健全化を図る目的で、2021年1月に第三者割当増資を実施し、1,508,800千円を調達することで資本を増強いたしました。また、主要取引銀行と総額16億円の当座貸越契約の継続を行っておりますが、引続き、主要取引銀行との関係を維持しつつ、継続的に支援いただくための協議を行い、財務基盤の安定化に努めてまいります。

 なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は760,899千円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は917,334千円となっております。

 

④経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」で述べましたとおり、当社グループでは、営業収益成長率並びに営業収益営業利益率を重要な指標としております。当連結会計年度における営業収益成長率はマイナス79.5%であり、営業損失の計上となりました。

 引き続きこれらの指標の改善について取り組んでまいります。

⑤当社グループの経営成績等に重要な影響を与える要因

 経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」で述べましたとおり、COVID-19の感染拡大の影響、人為災害、テロ、戦争等や、技術革新、システム障害、為替変動等が、経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。

 従いまして、当社グループは常に市場動向や各国の政情等に留意しつつ、内部管理体制を強化するとともに優秀な人材を確保し、顧客のニーズに合ったサービスを展開していくことにより、上記のような経営成績に重要な影響を与えるリスクを低減してまいります。

 

⑥経営者の問題意識と今後の方針について

 経営者の問題意識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。