3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1)経営成績等の状況の概要

当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

①財政状態及び経営成績の状況

当事業年度におけるわが国経済は、米中貿易摩擦の影響など世界経済のマイナス要因があったものの、全体としては緩やかな回復を続けました。

当社が展開するサービスを取り巻く環境は、就業人口の減少、営業の働き方改革、雇用の流動化、AI・IoT等をはじめとするデジタル技術の進展などを背景に、労働生産性の向上や営業効率化ニーズの上昇が予想され、電話やメール・web等を活用した営業活動(インサイドセールス)への需要が進むと期待されています。

このような環境の下、当社インサイドセールス事業は、主要サービスであるインサイドセールスアウトソーシングサービスに対する需要が高まり、売上高においては3,262百万円(前年同期比12.0%増)と設立以来最高の数値を達成いたしました。

利益におきましては、上期において前事業年度に東京証券取引所マザーズに上場したことによる管理部門の強化や上場関連費用が販売費及び一般管理費において増加し、下期においてはインサイドセールスアウトソーシングサービスにおける採用強化のために東京都新宿区の「新宿オフィス」及び神奈川県横浜市「横浜みなとみらいオフィス」の2拠点を開設する投資費用が増加しましたが、営業利益は385百万円(前年同期比10.7%増)、経常利益は386百万円(前年同期比16.4%増)、当期純利益は258百万円(前年同期比18.5%増)となりました。

当社はインサイドセールス事業の単一セグメントであるため、サービス別の売上高を示すと次のとおりであります。

当社主要サービス、売上高の8割以上を占めるインサイドセールスアウトソーシングサービスにおきましては、提供するサービスの品質維持・向上に努めたことにより、既存顧客が順調に拡大し、2,862百万円(前年同期比12.8%増)となりました。一方で、新規顧客数の増加により売上高が逓増しやすい傾向にあるインサイドセールスコンサルティングサービスにおきましては、前述のインサイドセールスアウトソーシングサービスの既存顧客売上高増に伴い、前年度並みの85百万円となりました。システムソリューションサービスにおきましては、313百万円(前年同期比8.9%増)となりました。

 

(資産)

当事業年度末における流動資産は1,833百万円となり、前事業年度末に比べ33百万円減少いたしました。これは主に現金及び預金が252百万円の減少、売掛金が202百万円増加したことなどによるものです。

当事業年度末における固定資産は830百万円となり、前事業年度末に比べ307百万円増加いたしました。これは主に有形固定資産が85百万円増加、無形固定資産が176百万円増加したことなどによるものです。

なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 2018年2月16日)等を当事業年度の期首から適用しており、財政状態については遡及処理後の前事業年度末の数値で比較を行っております。

この結果、総資産は2,664百万円となり、前事業年度末に比べ273百万円増加いたしました。

 

(負債)

当事業年度末における流動負債は523百万円となり、前事業年度末に比べ28百万円増加いたしました。これは主に買掛金が33百万円、短期借入金が20百万円及び1年内償還予定の社債が10百万円減少した一方で未払金が11百万円、未払費用が51百万円、未払法人税等が21百万円及び未払消費税等が20百万円増加したことなどによるものです。

当事業年度末における固定負債はなくなり、前事業年度末に比べ22百万円減少いたしました。これは、長期借入金が22百万円減少したことによるものです。

この結果、負債合計は523百万円となり、前事業年度末に比べ6百万円増加いたしました。

 

(純資産)

当事業年度末における純資産は2,140百万円となり、前事業年度末に比べ267百万円増加いたしました。これは主に資本金、資本剰余金がそれぞれ3百万円づつ増加したことに加え、当期純利益を計上したことにより利益剰余金が258百万円増加したことによるものです。

この結果、自己資本比率は80.3%(前事業年度末は78.4%)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

当事業年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、有形固定資産および無形固定資産の取得による支出等があり、税引前当期純利益が382百万円(前年同期比16.6%増)と増加しましたが、前事業年度末に比べ252百万円減少し、当事業年度末には1,037百万円となりました。

当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は231百万円(前期は228百万円の獲得)となりました。これは主に税引前当期純利益が382百万円、減価償却費が89百万円、売上債権の増加額が202百万円及び、法人税等の支払額127百万円等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は434百万円(前期は185百万円の使用)となりました。これは有形固定資産の取得による支出129百万円、無形固定資産の取得による支出273百万円及び敷金の差入による支出46百万円等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は48百万円(前期は454百万円の獲得)となりました。これは主に短期借入の返済による支出20百万円、長期借入金の返済による支出が26百万円、社債の償還による支出が10百万円等によるものであります。

 

③生産、受注及び販売の実績

(a)生産実績

当社は生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。

 

(b)受注実績

当社のサービス提供の実績は、販売実績とほぼ一致しておりますので、受注実績に関しては販売実績の項をご参照ください。

 

(c)販売実績

当事業年度の販売実績は、次のとおりであります。なお、当社はインサイドセールス事業の単一セグメントであるため、サービス別に記載しております。

サービスの名称

当事業年度

(自 2019年1月1日

至 2019年12月31日)

販売高(千円)

前年比(%)

インサイドセールスアウトソーシングサービス

2,862,977

12.8

インサイドセールスコンサルティングサービス

85,151

△1.0

システムソリューションサービス

313,982

8.9

合計

3,262,111

12.0

(注)1.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前事業年度

当事業年度

(自 2018年1月1日

至 2018年12月31日)

(自 2019年1月1日

至 2019年12月31日)

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

日本マイクロソフト㈱

361,353

12.4

406,745

12.5

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

(2)経営者の視点による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

①重要な会計方針及び見積り

当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたっては、期末日における資産・負債の数値、及び決算期における収益・費用に影響を与える見積りや判断を行う必要があります。

これら見積りや判断には不確実性が存在するため、見積った数値と実際の結果の間には乖離が生じる可能性があります。なお、当社の財務諸表の作成に際して採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (重要な会計方針)」に記載しております。

 

②経営成績等

(a)財政状態の分析

財政状態の分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

(b)経営成績の分析

(売上高)

当事業年度の売上高は3,262百万円となり、前事業年度に比べ349百万円増加いたしました。これは主に、インサイドセールスアウトソーシングサービス及びシステムソリューションサービスの売上が堅調に推移したことによります。

 

(売上原価、売上総利益)

当事業年度の売上原価は2,265百万円となり、前事業年度に比べ235百万円増加いたしました。これは主に、売上の増加に伴い労務費が186百万円の増加、外注委託費が34百万円の増加等によるものであります。

この結果、当事業年度の売上総利益は996百万円となり、前事業年度に比べ113百万円増加いたしました。

 

(販売費及び一般管理費、営業利益)

当事業年度の販売費及び一般管理費は610百万円となり、前事業年度に比べ76百万円増加いたしました。これは主に、従業員数の増加により人件費が28百万円増加、上場したこと等により業務委託費が20百万円増加したことや「新宿オフィス」、「横浜みなとみらいオフィス」の開設に伴う減価償却費が7百万円増加したこと等によるものであります。

この結果、当事業年度の営業利益は385百万円となり、前事業年度に比べ37百万円増加いたしました。また、当事業年度の売上高営業利益率は11.8%となり、前事業年度と比べ0.2%下がっております。

 

(営業外損益、経常利益)

当事業年度の営業外収益は3百万円となり、前事業年度に比べ0百万円増加となりました。これは主に、助成金や補助金増加によるものであります。

当事業年度の営業外費用は3百万円となり、前事業年度に比べ16百万円減少いたしました。これは主に、前事業年度に行った上場関連費用の減少によるものであります。

この結果、当事業年度の経常利益は386百万円となり、前事業年度に比べ54百万円増加いたしました。

 

(特別損益、当期純利益)

当事業年度の特別利益は発生せず、前事業年度に比べ増減はありません。

当事業年度の特別損失は3百万円となり、前事業年度に比べ0百万円減少いたしました。これは、固定資産除却損が減少したものの減損損失を計上したことによるものであります。

この結果、当事業年度の当期純利益は258百万円となり、前事業年度に比べ40百万円増加いたしました。

 

(c)キャッシュ・フローの分析

キャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

③資本の財源及び資金の流動性

当社の資金需要のうち主なものは、運転資金及びシステム開発等にかかる設備投資によるものであります。当社の運転資金につきましては、自己資金(利益等の内部留保資金)で賄っており、資金の流動性は確保できております。また、自己資金で手当てできない場合は、金融機関からの借り入れによる資金調達となりますが、借入先・借入金額等の条件は所定の手続きにより資金調達を行うことになります。

 

④経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等」をご参照ください。当社では売上高及び営業利益を重要な指標としております。

当事業年度における売上高は前事業年度に比べて349百万円増加し、3,262百万円となりました。また、営業利益は、前事業年度に比べて37百万円増加し、385百万円となりました。引き続きこれらの指標について増加するよう取り組んでまいります。

 

⑤経営成績に重要な影響を与える要因について

当社は、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、事業環境の変化や組織体制の整備等、さまざまなリスク要因が当社の成長や経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。そのため、当社は、常に新技術の動向や市場動向に留意しつつ、内部管理体制を強化し、優秀な人材を確保育成し、顧客ニーズを満たす製品・サービスを提供していくことにより、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因の低減を図ってまいります。

 

⑥経営戦略の現状と見通し

当社は今後も拡大されることが予想されるIT市場において、競争優位性を確保するために、顧客企業に対して高付加価値を提供するサービスの創造に鋭意努めてまいります。また、より強固なポジションを獲得するために、開発体制及び営業体制の強化を重要な経営戦略と認識し、事業の拡大に取り組んでまいります。

 

⑦経営者の問題意識と今後の方針について

当社が今後事業を拡大し、より高品質なサービスを継続提供していくためには、経営者は「2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の様々な課題に対処していく必要があると認識しております。それらの課題に対応するため、経営者は常に市場におけるニーズや事業環境の変化に関する情報の入手及び分析を行い、現在及び将来における事業環境を認識したうえで、当社の経営資源を最適に配分し、最適な解決策を実施していく方針であります。