3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1)経営成績等の状況の概要

当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

①財政状態及び経営成績の状況

当事業年度におけるわが国経済は、企業収益や設備投資は堅調に推移し、加えて個人消費において景気回復・持ち直しの動きが続き、景気は緩やかな回復基調で推移しました。一方で、先行きにつきましては、世界経済の不確実性や金融資本市場の変動の影響が懸念され、景気の先行きは依然として不透明な状況が続いております。

当社が展開するサービスを取り巻く環境は、就業人口の減少、営業の働き方改革、雇用の流動化、AI・IoT等をはじめとするデジタル技術の進展などを背景に、労働生産性の向上や営業効率化ニーズの上昇が予想され、電話やメール・web等を活用した営業活動(インサイドセールス)への需要が進むと期待されております。

このような環境の下、当社インサイドセールス事業は、提供するサービスの品質を維持し、既存顧客との継続的な取引を行っており、且つ、労働生産性の向上や営業効率化を検討する新規企業からの引き合いも増えております。さらに、AIを活用したデジタルインサイドセールスを既存の外資系IT企業のみならず、日本のIT企業及びIT業界以外の企業へ積極的に営業活動を進めております。

この結果、売上高は29億12百万円(前年比4.6%増)、営業利益は3億48百万円(前年比18.2%増)、経常利益は3億31百万円(前年比11.6%増)、当期純利益は2億18百万円(前年比10.8%増)となりました。

 

当社はインサイドセールス事業の単一セグメントであるため、サービス別の売上高を示すと次のとおりであります。

 

当社主要サービス、売上高の8割以上を占めるインサイドセールスアウトソーシングサービスにおきましては、提供するサービスの品質維持に努めたことにより、既存顧客が順調に拡大し、25億38百万円(前年同期比3.4%増)となりました。

一方で、新規顧客数の増加により売上高が逓増しやすい傾向にあるインサイドセールスコンサルティングサービスにおきましては、前述のインサイドセールスアウトソーシングサービスの既存顧客売上高増に伴い、前年同期比2.4%減の85百万円となりました。

また、システムソリューションサービスにおきましては、2億88百万円(前年同期比18.2%増)となりました。

 

(資産)

当事業年度末における流動資産は19億22百万円となり、前事業年度末に比べ5億53百万円増加いたしました。これは主に株式の発行等により現金及び預金が4億97百万円、12月の売上が増加したことにより売掛金が75百万円増加したこと等によるものです。

当事業年度末における固定資産は4億67百万円となり、前事業年度末に比べ1億48百万円増加いたしました。これは主に「SAIN」の開発費用等である無形固定資産が1億49百万円増加したこと等によるものです。

この結果、総資産は23億90百万円となり、前事業年度末に比べ7億2百万円増加いたしました。

 

(負債)

当事業年度末における流動負債は4億94百万円となり、前事業年度末に比べ12百万円減少いたしました。これは主に「SAIN」の開発費用等により買掛金が53百万円増加したものの、1年内返済予定の長期借入金が返済により33百万円減少、インセンティブ給与の減少により未払費用が26百万円減少したこと等によるものです。

当事業年度末における固定負債は22百万円となり、前事業年度末に比べ36百万円減少いたしました。これは、長期借入金が返済により26百万円減少、社債が償還により10百万円減少したことによるものです。

この結果、負債合計は5億16百万円となり、前事業年度末に比べ48百万円減少いたしました。

 

(純資産)

当事業年度末における純資産は18億73百万円となり、前事業年度末に比べ7億50百万円増加いたしました。これは主に株式の発行により資本金、資本剰余金がそれぞれ2億67百万円ずつ増加したことに加え、当期純利益を計上したことにより利益剰余金が2億18百万円増加したこと等によるものです。

この結果、自己資本比率は78.4%(前事業年度末は66.5%)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、無形固定資産の取得による支出等があったものの、株式発行による収入及び税引前当期純利益が3億28百万円(前年同期比11.0%増)と増加したこと等により、前事業年度末に比べ4億97百万円増加し、当事業年度末には12億89百万円となりました。

当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は2億28百万円(前期は2億9百万円の獲得)となりました。これは主に税引前当期純利益3億28百万円、減価償却費94百万円、売上債権の増加額75百万円及び法人税等の支払額84百万円等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は1億85百万円(前期は1億25百万円の使用)となりました。これは主に福岡事業所の増床等に伴う有形固定資産の取得による支出が28百万円、「SAIN」の開発費用等の無形固定資産の取得による支出1億48百万円等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果得られた資金は4億54百万円(前期は2百万円の獲得)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出が60百万円、社債の償還による支出が20百万円がありましたが、株式の発行による収入が5億34百万円あったこと等によるものであります。

 

③生産、受注及び販売の実績

(a)生産実績

当社は生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。

 

(b)受注実績

当社のサービス提供の実績は、販売実績とほぼ一致しておりますので、受注実績に関しては販売実績の項をご参照ください。

 

(c)販売実績

当事業年度の販売実績は、次のとおりであります。なお、当社はインサイドセールス事業の単一セグメントであるため、サービス別に記載しております。

サービスの名称

当事業年度

(自 平成30年1月1日

至 平成30年12月31日)

販売高(千円)

前年比(%)

インサイドセールスアウトソーシングサービス

2,538,090

103.4

インサイドセールスコンサルティングサービス

85,994

97.6

システムソリューションサービス

288,663

118.2

合計

2,912,748

104.6

(注)1.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前事業年度

当事業年度

(自 平成29年1月1日

至 平成29年12月31日)

(自 平成30年1月1日

至 平成30年12月31日)

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

日本マイクロソフト㈱

753,511

27.0

361,353

12.4

東日本電信電話㈱

335,745

12.1

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.当事業年度における東日本電信電話㈱の販売実績は総販売実績に対する割合が10%未満であるため記載しておりません。

4.日本マイクロソフト㈱への販売高に関しましては、前事業年度より一部受注が減少しております。

 

 

(2)経営者の視点による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

①重要な会計方針及び見積り

当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたっては、期末日における資産・負債の数値、及び決算期における収益・費用に影響を与える見積りや判断を行う必要があります。

これら見積りや判断には不確実性が存在するため、見積った数値と実際の結果の間には乖離が生じる可能性があります。なお、当社の財務諸表の作成に際して採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (重要な会計方針)」に記載しております。

 

②経営成績等

(a)財政状態の分析

財政状態の分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

(b)経営成績の分析

(売上高)

当事業年度の売上高は29億12百万円となり、前事業年度に比べ1億26百万円増加いたしました。これは主に、インサイドセールスアウトソーシングサービス及びシステムソリューションサービスの売上が堅調に推移したことによります。

 

(売上原価、売上総利益)

当事業年度の売上原価は20億30百万円となり、前事業年度に比べ65百万円増加いたしました。これは主に、無形固定資産に計上した「SAIN」の開発費等の減価償却費が40百万円増加、福岡事業所の増床により地代家賃11百万円の増加等によるものであります。

この結果、当事業年度の売上総利益は8億82百万円となり、前事業年度に比べ61百万円増加いたしました。

 

(販売費及び一般管理費、営業利益)

当事業年度の販売費及び一般管理費は5億33百万円となり、前事業年度に比べ7百万円増加いたしました。これは主に、前事業年度で増加した採用広告費や広告宣伝費は減少したものの、従業員数の増加による人件費の増加や資本金の増加による外形標準課税等が租税公課において2百万円増加したこと等によるものであります。

この結果、当事業年度の営業利益は3億48百万円となり、前事業年度に比べ53百万円増加いたしました。また、当事業年度の売上高営業利益率は12.0%となり、前事業年度と比べ1.4%上がっております。

 

(営業外損益、経常利益)

当事業年度の営業外収益は2百万円となり、前事業年度に比べ2百万円減少となりました。これは主に、キャリア助成促進金2百万円の減少によるものであります。

当事業年度の営業外費用は19百万円となり、前事業年度に比べ16百万円増加いたしました。これは主に、当事業年度に行った上場関連費用16百万円の増加によるものであります。

この結果、当事業年度の経常利益は3億31百万円となり、前事業年度に比べ34百万円増加いたしました。

 

(特別損益、当期純利益)

当事業年度の特別利益は発生せず、前事業年度に比べ増減はありません。

当事業年度の特別損失は3百万円となり、前事業年度に比べ2百万円増加いたしました。これは、固定資産除却損2百万円の増加によるもので、主に福岡増床工事に伴う除却であります。

この結果、当事業年度の当期純利益は2億18百万円となり、前事業年度に比べ21百万円増加いたしました。

 

(c)キャッシュ・フローの分析

キャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

③資本の財源及び資金の流動性

当社の資金需要のうち主なものは、運転資金及びシステム開発等にかかる設備投資によるものであります。当社の運転資金につきましては、自己資金(利益等の内部留保資金)で賄っており、資金の流動性は確保できております。また、自己資金で手当てできない場合は、金融機関からの借り入れによる資金調達となりますが、借入先・借入金額等の条件は所定の手続きにより資金調達を行うことになります。

 

④経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等」をご参照ください。当社では売上高及び営業利益を重要な指標としております。

当事業年度における売上高は前事業年度に比べて1億26百万円増加し、29億12百万円となりました。また、営業利益は、前事業年度に比べて53百万円増加し、3億48百万円となりました。引き続きこれらの指標について増加するよう取り組んでまいります。

 

⑤経営成績に重要な影響を与える要因について

当社は、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、事業環境の変化や組織体制の整備等、さまざまなリスク要因が当社の成長や経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。そのため、当社は、常に新技術の動向や市場動向に留意しつつ、内部管理体制を強化し、優秀な人材を確保育成し、顧客ニーズを満たす製品・サービスを提供していくことにより、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因の低減を図ってまいります。

 

⑥経営戦略の現状と見通し

当社は今後も拡大されることが予想されるIT市場において、競争優位性を確保するために、顧客企業に対して高付加価値を提供するサービスの創造に鋭意努めてまいります。また、より強固なポジションを獲得するために、開発体制及び営業体制の強化を重要な経営戦略と認識し、事業の拡大に取り組んでまいります。

 

⑦経営者の問題意識と今後の方針について

当社が今後事業を拡大し、より高品質なサービスを継続提供していくためには、経営者は「2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の様々な課題に対処していく必要があると認識しております。それらの課題に対応するため、経営者は常に市場におけるニーズや事業環境の変化に関する情報の入手及び分析を行い、現在及び将来における事業環境を認識したうえで、当社の経営資源を最適に配分し、最適な解決策を実施していく方針であります。