3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次の通りであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

 当事業年度におけるわが国経済は、当初は雇用・所得環境は改善傾向にあったものの、年明け以降の新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、感染防止のための緊急事態宣言の発令や各自治体からの要請により、経済活動が停滞し消費マインドが低下した結果、景気下振れのリスクが急速に顕在化いたしました。その後、政府による全国的な緊急事態宣言が5月下旬に解除され、また各種政策の効果等もあり、国内経済活動が徐々に再開してきたものの、先行きは依然として不透明な状況であります。また、海外におきましても同様に新型コロナウイルス感染症の拡大は続いており、収束の見通しが立たない状況の中、世界経済も依然として景気の先行き不透明な状況が続いております。

 当社が属するインターネット広告市場につきましては、2020年にはインターネット広告メディアがテレビメディア広告に匹敵する規模となり、2兆2,290億円(前年比105.9%)と前年に引き続き伸長してまいりました(広告費データは、株式会社電通「2020年 日本の広告費」より引用)。しかし、このような状況下において、インターネット広告市場は新型コロナウイルス感染拡大に伴い政府より発令されました緊急事態宣言以降、外出自粛要請や各業種への営業制限、様々なイベントの中止、求人の抑制等により広告需要が停滞いたしました。その後の緊急事態宣言解除後は、経済活動に徐々に回復の兆しが期待されておりますが、年後半には新型コロナウイルスの感染の再拡大の状況にあり、引き続きインターネット広告市場は厳しい状況で推移いたしております。

 このような環境のもと、当社のインターネット広告事業では、引き続き積極的な人材採用と人材教育に注力することで販売体制の強化を図り、既存のクライアント企業の売上拡大、及び新規クライアント企業の獲得に注力してまいりました。

 

 以上の結果、当事業年度の財政状態及び経営成績は以下の通りとなりました。

 今後も当社は、品質の更なる向上と顧客ニーズに応えることで、既存のクライアント企業との取引の深耕及び新規クライアント企業獲得による企業価値の向上に努めて参ります。

 

イ.財政状態

 当事業年度末における資産の残高は、3,020,572千円となり、前事業年度末に比べ508,444千円増加いたしまし
た。

 当事業年度末における負債の残高は、1,794,203千円となり、前事業年度末に比べ321,196千円増加いたしまし
た。

 当事業年度末における純資産の残高は、1,226,369千円となり、前事業年度末に比べ187,247千円増加いたしま
した。

 

ロ.経営成績

 当事業年度の経営成績は、売上高9,305,952千円(前年同期比18.5%増)、営業利益290,797千円(同11.1%減)、経常利益291,825千円(同12.6%減)、当期純利益212,261千円(同11.3%減)となりました。

 当社は、インターネット広告事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの経営成績の記載を省略しております。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ420,556千円増加し、1,263,417千円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度において営業活動の結果得られた資金は351,147千円(前年同期189,763千円の獲得)となりました。これは主に、税引前当期純利益291,825千円となった一方、売上高増加に伴う売上債権の増加額262,591千円、仕入高の増加に伴う仕入債務の増加額267,715千円及び法人税等の支払額104,730千円があったことによるものであります。

 

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度において投資活動の結果得られた資金は98,778千円(前年同期96,632千円の使用)となりました。これは主に、保証金の回収による収入130,198千円となった一方、ゴルフ会員権の取得による支出14,540千円があったことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度において財務活動の結果使用した資金は29,368千円(前年同期40,623千円の使用)となりました。これは主に、配当金の支払が41,762千円となった一方、株式発行による収入13,350千円があったことによるものであります。

 

③生産、受注及び販売の実績

イ.生産実績

 当社で行う事業は、インターネット広告事業であり、提供するサービスの性格上、生産実績に該当する事項がありませんので、記載を省略しております。

 

ロ.仕入実績

 当事業年度の仕入実績は、次のとおりです。なお、当社はインターネット広告事業の単一セグメントです。

セグメントの名称

当事業年度

(自 2020年1月1日

至 2020年12月31日)

仕入高(千円)

前年同期比(%)

インターネット広告事業

8,074,987

120.7

合計

8,074,987

120.7

 

ハ.受注実績

 当社で行う事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載に馴染まないため、記載を省略しております。

 

ニ.販売実績

 当事業年度の販売実績は、次のとおりです。なお、当社はインターネット広告事業の単一セグメントです。

セグメントの名称

当事業年度

(自 2020年1月1日

至 2020年12月31日)

販売高(千円)

前年同期比(%)

インターネット広告事業

9,305,952

118.5

合計

9,305,952

118.5

(注)1.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

 

相手先

事業年度

(自  2019年1月1日

至  2019年12月31日)

事業年度

(自  2020年1月1日

至  2020年12月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

THECOO株式会社

922,122

11.7

1,973,510

21.2

タンゴヤ株式会社

929,044

11.8

788,507

8.5

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

(a)財政状態の分析

(資産)

 当事業年度末における資産の残高は、3,020,572千円となり、前事業年度末に比べ508,444千円増加いたしました。これは主に現金及び預金が420,556千円、売掛金が261,592千円増加した一方、差入保証金が125,135千円減少ことによるものであります。

 

(負債)

 当事業年度末における負債の残高は、1,794,203千円となり、前事業年度末に比べ321,196千円増加いたしました。これは主に買掛金が267,715千円、前受金が44,031千円増加したことによるものであります。

 

(純資産)

 当事業年度末における純資産の残高は、1,226,369千円となり、前事業年度末に比べ187,247千円増加いたしました。これは主に当期純利益の計上により利益剰余金が170,352千円増加したことによるものであります。

 

(b)経営成績の分析

(売上高)

 当事業年度における売上高は、9,305,952千円(前年同期比18.5%増)となりました。主な要因は、インターネット広告事業において、人材教育に引き続き注力することで販売体制の強化を図り、既存のクライアント企業の売上拡大、及び新規クライアント企業の獲得に注力してきたことにより、運用型広告サービスの販売が前期に引き続き堅調に推移したことによるものであります。

 

(売上総利益)

 当事業年度における売上原価は、8,074,987千円(前年同期比20.7%増)となりました。主な内訳は、インターネット広告事業における媒体費をはじめとする費用であります。

 以上の結果、売上総利益は、1,230,964千円(前年同期比5.6%増)となりました。

 

(営業利益)

 当事業年度における販売費及び一般管理費は、940,166千円(前年同期比12.1%増)となりました。主な内訳は、給料及び手当463,986千円(前年同期比18.6%増)であります。

 以上の結果、営業利益は、290,797千円(前年同期比11.1%減)となりました。

 

(経常利益)

 当事業年度における営業外収益は、3,544千円(前年同期比53.9%減)となりました。主な内訳は長期間滞留していた前受金の取崩益1,386千円であります。また営業外費用は、2,516千円(前年同期比211.0%増)となりました。主な内訳は、保険解約損1,709千円であります。

 以上の結果、経常利益は291,825千円(前年同期比12.6%減)となりました。

 

(当期純利益)

 当事業年度においては、特別利益及び特別損失は、計上しておりません。

 当事業年度における法人税、住民税及び事業税は、75,323千円(前年同期比24.9%減)、法人税等調整額は4,240千円(前年同期は△5,588千円)となりました。

 以上の結果、当事業年度における当期純利益は、212,261千円(前年同期比11.3%減)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

(a)キャッシュ・フローの状況

 各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

 

(b)資本の財源及び資金の流動性

・資金需要

 当社の運転資金需要のうち主なものは、広告の媒体費の他、人件費、地代家賃等の販売費及び一般管理費の営業費用であります。

 設備投資にかかる資金需要のうち主なものは、オフィスのパソコン等の備品の取得等であります。

・財務政策

 当社の資本の財源及び資金の流動性については、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。現在、金融機関からの借入は行っておらず、設備投資等の調達につきましては、自己資金の利用を原則としております。資金調達を行う場合には、経済情勢や金融環境を踏まえ、当社にとっての最良の方法で行いたいと考えております。

 なお、今後の重要な資本的支出の予定はございません。

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されており、重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。この財務諸表の作成に当たりまして、将来事象の結果に依存するため確定できない金額について、仮定の適切性、情報の適切性及び金額の妥当性に留意しながら会計上の見積りを行っておりますが、実際の結果は、特有の不確実性があるため、見積りと異なることがあります。

 なお、投資有価証券等の減損等の当期の新型コロナウイルス感染症の影響に伴う会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載しておりますが、財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、特に重要と考えるものは以下のとおりであります。

 

(a)固定資産の減損

 当社は、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、将来キャッシュ・フローの見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。

(b)繰延税金資産の回収可能性

 当社は、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。

 

④経営成績に重要な影響を与える要因について

 当社の経営成績に重要な影響を与える要因については、「2 事業等のリスク」に記載のとおり、事業環境、事業内容、法的規制等、様々なリスク要因が当社の経営成績に影響を与える可能性があると認識しております。

 そのため、当社は常に業界動向に留意しつつ、優秀な人材を確保し、内部管理体制を強化し、クライアント企業の市場のニーズに合ったサービスを提供していくことにより、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散・低減し、適切に対応を行って参ります。

 

⑤経営者の問題認識と今後の方針について

 当社では、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき迅速かつ最善の経営方針の立案、施策の実施に努めております。

 インターネット広告事業においては、最新のアドテクノロジーへの対応及びカスタマー行動データ等の活用を推進し、広告効果の最大化を図ると同時に、運用型広告、スマートフォン広告、動画広告等の市場拡大が著しい分野へ素早く対応し、成長分野への取り組みを図ることで、市場における優位性の確立に努めて参ります。

 また、事業規模拡大に応じて適時に人材拡充を進めると同時に、組織体制の整備を進めていくことが重要であると認識しております。

 

⑥経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営上の目標とする経営指標」に記載の通り、売上総利益及び営業系社員の一人当たり売上総利益を経営指標としております。当事業年度における売上総利益は1,230,964千円(前年同期比5.6%増)、営業系社員の一人当たり売上総利益は14,950千円(前年同期比14.2%減)であります。引き続きこれらの指標について、改善、増加するよう取り組んでまいります。