4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当社グループを取り巻く世界の経済環境は、新型コロナウイルス感染症を起因とする経済活動制限が緩和される一方で、ロシア・ウクライナ情勢の長期化による資源・エネルギー価格等の高騰に加え、米中対立激化など地政学的リスクの高まり、欧米を中心とする金融不安など先行きに対する不透明感が更に強まっております。日本経済におきましては、新型コロナウイルス感染症の拡大が沈静化する中で、社会経済活動の正常化が進み、個人消費や設備投資は緩やかに持ち直しの動きがみられるものの、エネルギー価格の高騰や物価上昇、世界的な金融引き締め等による海外経済の減速が景気を下押しするリスクとなるなど、予断を許さない状況が続いております。

このような環境の中、当社グループは、2030年のありたい姿として制定した新グループビジョン「私たちが笑顔となり、お客様の困りごとを顧客目線で解決する真のパートナーとなります。」を実現するため、2022年度から3ヵ年の新中期経営計画をスタートいたしました。新中期経営計画では、新たな行動理念として「信頼し、信頼される良い会社」を制定するとともに、特に「信頼」と「納期」を重点テーマとし、グループの総力を結集してこれらに関する戦略を積極的に展開してまいりました。

この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

a. 財政状態

(資産)

当連結会計年度末における資産合計は15,353百万円(前連結会計年度末比1,279百万円の増加)となりました。

主な要因は、商品及び製品(同430百万円の増加)、その他流動資産(同178百万円の増加)、有形固定資産(同239百万円の増加)、投資有価証券(同214百万円の増加)、長期貸付金(同148百万円の増加)によるものであります。

(負債)

当連結会計年度末における負債合計は3,030百万円(前連結会計年度末比179百万円の増加)となりました。

主な要因は、未払法人税等(同77百万円の増加)、未払金(同52百万円の増加)、繰延税金負債(同62百万円の増加)によるものであります。

(純資産)

当連結会計年度末における純資産合計は12,323百万円(前連結会計年度末比1,100百万円の増加)となりました。

主な要因は、利益剰余金(同702百万円の増加)、その他有価証券評価差額金(同157百万円の増加)、為替換算調整勘定(同238百万円の増加)によるものであります。

 

b. 経営成績

当連結会計年度の売上高は10,328百万円(前年同期比15.5%増)、営業利益は889百万円(同11.1%増)、経常利益は1,042百万円(同18.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は826百万円(同42.2%増)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

当連結会計年度にドイツに設立したNKK Switches Europe GmbHが事業を開始したことから、報告セグメント「米国」を「欧米」と変更し、NKK Switches Europe GmbHを「欧米」に含めております。

また、以下の前年同期との比較については、変更後の報告セグメントに基づいております。

(日本)

新型コロナウイルス感染症に係る行動制限が緩和され、社会経済活動の正常化が進む中、インバウンド需要の回復など、景気は緩やかに持ち直しの動きがみられるものの、資源・エネルギー価格の高騰や海外景気の下振れなど、先行き不透明な状況が続いております。こうした中、当社グループの販売強化項目である「特定市場」や「ソリューションビジネスの確立」に取り組むなど積極的な施策を展開してまいりました。この結果、当連結会計年度の外部顧客向売上高は前年同期比3.1%減、グループ間の取引を含んだ売上高は8,829百万円(前年同期比14.4%増)となりました。

(欧米)

インフレ抑制のための金融引き締めを継続する中、米国を発端とする金融不安が台頭するなど景気減速の傾向が見られるものの、底堅い雇用環境等により、個人消費や設備投資は堅調に推移しております。こうした中、当社グループ販売強化項目の一つであるカタログディストリビューターを中心とする「ネットセールス」や「特定市場」に取り組むなど積極的な施策を展開してまいりました。この結果、当連結会計年度の外部顧客向売上高は現地通貨ベースで前年同期比26.7%増、為替の影響も含め4,568百万円(前年同期比52.7%増)となりました。

(アジア)

中国において、2022年12月のゼロコロナ政策解除を機に個人消費などで回復の兆しがみえるものの、台湾をめぐる米中対立激化等の地政学的リスクも懸念され、先行き不透明な状態が続いております。こうした中、当社グループ販売強化項目の一つである「特定市場」に取り組むとともに、新型コロナウイルス感染再拡大により生産活動が制限される場合に備え、在庫水準の増強に取り組むなど積極的な施策を展開してまいりましたが、第1四半期において上海のロックダウンにより販売活動が制限されるなどの影響を受けました。この結果、当連結会計年度の外部顧客向売上高は現地通貨ベースで前年同期比19.4%減、グループ間の取引を含んだ売上高は為替の影響を含め6,142百万円(前年同期比16.3%増)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ27百万円減少し、5,388百万円となりました。

 

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果獲得した資金は614百万円(前年同期比222.9%増)となりました。

これは主に、税金等調整前当期純利益1,093百万円、減価償却費336百万円があったものの、棚卸資産の増加463百万円、法人税等の支払額232百万円があったことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は606百万円(前年同期比215.3%増)となりました。

これは主に、有形固定資産の取得による支出496百万円、貸付けによる支出170百万円によるものであります

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は166百万円(前年同期比21.5%増)となりました。

これは主に、配当金の支払額123百万円、リース債務の返済による支出43百万円によるものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

 当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しており、前年同期比は変更後のセグメント区分に基づき算出しております。

a. 生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

金額(千円)

前年同期比(%)

日   本

2,655,093

121.2

欧   米

ア ジ ア

7,572,648

103.4

合   計

10,227,741

107.5

 (注) 金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

 

b. 受注実績

当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

日  本

5,092,189

62.3

2,899,667

73.9

欧  米

5,134,199

131.2

3,031,649

182.1

ア ジ ア

1,043,189

87.6

485,843

105.7

合  計

11,269,578

84.9

6,417,161

106.1

 

c. 販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

金額(千円)

前年同期比(%)

日   本

4,665,028

96.9

欧   米

4,568,313

152.7

ア ジ ア

1,095,302

96.5

合   計

10,328,644

115.5

 (注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。

    2 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

千代田電子機器㈱

1,520,480

17.0

1,680,693

16.3

㈱日本電化工業所

1,148,164

12.8

1,174,371

11.4

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

a. 財政状態の状況

当社グループの当連結会計年度における財政状態の状況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

b. 経営成績等の分析

当社グループの当連結会計年度の経営成績等は以下のとおりであります。

(売上高)

当連結会計年度の売上高は10,328百万円(前年同期比15.5%増)となりました。セグメントごとの売上高の状況及び分析は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 b.経営成績」に記載のとおりであります。

(売上総利益)

当連結会計年度の売上総利益は4,164百万円(前年同期比10.0%増)となりました。また、売上総利益率は原材料価格高騰等の影響を受け、前連結会計年度より2.0ポイント下落し40.3%となりました。

(営業利益)

当連結会計年度の営業利益は889百万円(前年同期比11.1%増)となりました。これは、生産増強の取り組みに加えて、前連結会計年度と比較して為替環境が円安で推移したことなどにより、売上高が増加したことによるものであります。

(経常利益)

当連結会計年度の営業外収益は為替差益の増加等により174百万円(前年同期比76.3%増)となりました。営業外費用は20百万円(同0.5%増)となりました。

以上の結果、当連結会計年度の経常利益は1,042百万円(前年同期比18.7%増)となりました。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

当連結会計年度の特別利益は賃貸不動産売却等による固定資産売却益の計上により57百万円(前年同期は計上なし)、特別損失は6百万円(前年同期比96.9%減)、法人税、住民税及び事業税は293百万円(前年同期比212.3%増)、法人税等調整額は△27百万円(前年同期は法人税等調整額△4百万円)となりました。

以上の結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は826百万円(前年同期比42.2%増)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

a. キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

b. 資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

短期資金につきましては、営業活動により得られたキャッシュ・フロー及び自己資金を基本としており、設備投資や長期運転資金につきましては自己資金を基本としております。

なお、当連結会計年度末における借入金残高はございません。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は5,388百万円となっております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。

この連結財務諸表作成において採用する重要な会計方針及び見積りの方法につきましては、「第5経理の状況 1連結財務諸表 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

④ 経営方針・経営戦略・経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、新グループビジョン「私たちが笑顔となり、お客様の困りごとを顧客目線で解決する真のパートナーとなります。」を実現するため、当連結会計年度より新中期経営計画をスタートさせ、2023年3月期の目標値として、当初は売上高9,000百万円、営業利益200百万円を掲げておりましたが、生産増強の取り組みに加えて、為替環境が円安で推移したことなどにより、売上高10,500百万円、営業利益1,000百万円に目標を変更して活動してまいりました。持続的な成長に向けての投資を一部前倒しで実施したこと等により、当連結会計年度の売上高は10,328百万円(計画比98.4%)、営業利益は889百万円(計画比88.9%)となりました。

当社グループは、2030年のありたい姿として制定したグループビジョンを実現するため、2022年度から3ヵ年の中期経営計画に取り組んでおり、持続的な成長に向け積極的な投資を実施していく予定であります。中期経営計画では、行動理念として制定した「信頼し、信頼される良い会社」を目指す中で、「信頼」と「納期」を重点テーマとし、グループの総力を結集してこれらに関する戦略を重点的に実行してまいります。2024年3月期につきましては、売上高10,500百万円、営業利益600百万円を目指して活動してまいります。