3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 経営成績の状況

 当連結会計年度におけるわが国の経済は、政府の経済政策や日銀の金融緩和政策等による効果から、企業収益の回復や所得環境の改善の兆しも見え、緩やかな回復基調が持続してまいりました。しかしながら、国際経済における新興国経済の成長鈍化、欧州情勢、米国と中国の経済対立等の景気下振れリスクや北朝鮮の地政学的リスク等を受けて、景気の先行きは依然として不透明な状況で推移いたしました。一方で、世界ではAI・IoTの普及が進み、IoTデバイス数は2017年には約270億個だったものが、2020年には約400億個まで増加すると予想されており(出典:「平成30年版情報通信白書」総務省)、IoTを含めたICT分野への投資は増加すると見込まれております。

 このような経済環境の下で、当社グループは、労働力不足をIoTの活用により解消することを目標とし、その実現に取り組んでまいりました。当社グループが提供するIoTソリューションサービスにおいては、映像配信分野において、ホテルVODのための製品(旧型STB)提供からホテルの省人化やホスピタリティ向上に貢献する製品提供への深化を目指し、クラウド型ホスピタリティサービスの開発を進めてまいりました。また、作業支援分野において民泊におけるチェックイン業務の効率化に寄与する自動チェックインシステムの開発を行い提供を開始いたしました。しかし、映像配信分野における旧型STBの売上の落ち込みや生産遅延に伴う納品遅れによる影響を、新製品・サービスで補てんすることはできませんでした。

 この結果、当連結会計年度の売上高は694,460千円(前年同期比44.8%減)、営業損失は144,783千円(前年同期は251,873千円の営業利益)、経常損失は146,733千円(前年同期は245,273千円の経常利益)、親会社株主に帰属する当期純損失は166,197千円(前年同期は152,296千円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。

 なお、当社グループは「ターミナルソリューション事業」の単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。

 

② 財政状態の状況

(資産)

 当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ269,618千円減少し、1,347,652千円となりました。これは主に、現金及び預金が310,077千円減少した一方で、未収入金が48,866千円増加したことによるものであります。

(流動負債)

 当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ111,129千円減少し、144,236千円となりました。これは主に、未払法人税等が75,495千円減少したことによるものであります。

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べ158,488千円減少し、1,203,416千円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純損失の計上により利益剰余金が166,197千円減少したことによるものであります。

 

③ キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)の残高は、税金等調整前当期純損失が148,992千円(前年同期は245,310千円の税金等調整前当期純利益)発生したこと、法人税等の支払額116,020千円の支出等により、前連結会計年度末に比べ310,077千円減少し、792,559千円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において営業活動の結果支出した資金は259,521千円(前年同期は166,247千円の収入)となりました。これは主に、減価償却費51,453千円の計上、売上債権の減少15,200千円の増加要因があったものの、税金等調整前当期純損失148,992千円及び法人税等の支払額116,020千円の資金の減少要因があったことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において投資活動の結果使用した資金は56,447千円(前年同期は42,179千円の支出)となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出32,979千円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において財務活動の結果獲得した資金は6,487千円(前年同期は660,890千円の収入)となりました。これは主に、株式の発行による収入5,950千円によるものであります。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

a.仕入実績

 当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 なお、当社グループはターミナルソリューション事業の単一セグメントのため、サービス区分を以下のとおり区分して記載しております。

区分

仕入高(千円)

前年同期比(%)

IoTソリューションサービス

259,672

61.3

IT業務支援サービス

(注)1.金額は、仕入価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

b.受注実績

 当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 なお、当社グループはターミナルソリューション事業の単一セグメントのため、サービス区分を以下のとおり区分して記載しております。また、IT業務支援サービスは、サービスの性格上、受注実績になじまないため、当該記載を省略しております。

区分

受注高

(千円)

前年同期比

(%)

受注残高

(千円)

前年同期比

(%)

IoTソリューションサービス

582,428

72.4

172,971

317.7

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

c.販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 なお、当社グループはターミナルソリューション事業の単一セグメントのため、サービス区分を以下のとおり区分して記載しております。

区分

販売高(千円)

前年同期比(%)

IoTソリューションサービス

478,477

48.2

IT業務支援サービス

215,983

81.4

合計

694,460

55.2

(注)1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

加賀電子株式会社

549,946

43.7

203,215

29.3

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績を勘案し合理的に判断しておりますが、実績の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。この財務諸表の作成にあたる重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況」に記載しております。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

(売上高)

 当連結会計年度における売上高は694,460千円(前年同期比44.8%減)となりました。これは主に映像配信分野における旧型STBの売上の落ち込みや生産遅延に伴う納品遅れがあったことによるものであります。

(売上原価)

 当連結会計年度における売上原価は507,730千円(前年同期比28.3%減)となりました。これは主に製品の販売が減少したことによるものであります。

 この結果、売上総利益は186,729千円(前年同期比66.0%減)となりました。

(販売費及び一般管理費)

 当連結会計年度における販売費及び一般管理費は331,512千円(前年同期比11.4%増)となりました。これは主に給料手当等の人件費が増加したことによるものであります。

 この結果、営業損失は144,783千円(前年同期は251,873千円の営業利益)となりました。

(営業外損益)

 当連結会計年度における営業外収益は386千円(前年同期比91.1%減)となりました。これは主に当社製品破損に対する受取補償金の発生によるものであります。また、営業外費用は2,337千円(前年同期比78.7%減)となりました。これは主に為替差損の発生によるものであります。

 この結果、経常損失は146,733千円(前年同期は245,273千円の経常利益)となりました。

(特別損益及び親会社株主に帰属する当期純損益)

 当連結会計年度における特別損失は2,258千円(前年同期は0千円)となりました。これは固定資産除却損や倉庫移転費用の発生によるものであります。

 この結果、親会社株主に帰属する当期純損失は166,197千円(前年同期は152,296千円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。

 

③ 資本の財源及び資金の流動性

 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、仕入活動、製造活動に必要となる運転資金、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要のうち主なものは、設備投資によるものであります。

 当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

 運転資金及び設備投資は自己資金及び金融機関からの借入を基本としております。

 

④ 経営成績に重要な影響を与える要因について

 当社グループは「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、事業環境、事業内容、法的規制等、様々なリスク要因が当社の経営成績に影響を与える可能性があると認識しております。

 そのため、当社グループは常に業界動向に留意しつつ、優秀な人材を確保し顧客のニーズに合った製品・サービスを提供していくことにより、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散・低減し、適切に対応を行ってまいります。