3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 (経営成績等の状況の概要)

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次の通りであります。

(1) 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における経営環境は、国内外において、新型コロナウイルス感染症拡大を受け、移動の制限や経済活動の制限等が行われたことにより、大幅に景気が下振れし厳しい状況となりました。
 日本のクルーズ旅行市場においては、上期(2019年8月~2020年1月)は、プリンセスクルーズとコスタクルーズの2船が一部時期を除き通年で日本発着クルーズを行い、他の外国客船においても、長期連休などのハイシーズンを目がけたスポット就航が増加していることなどから、気軽に日本から外国船に乗船できる機会が増加し、クルーズ人気が高まりました。当社においても同期間の売上における過去最高を記録しました。しかしながら、下期(2020年2月~7月)に入り、新型コロナウイルス感染症のパンデミックが発生したことにより、世界中のクルーズが軒並み運航中止となり、売上が立たない状況となりました。そんな中、2020年8月以降、MSCクルーズやコスタクルーズがヨーロッパの一部で運航を再開しており、回復の兆しも見えてきております。
 新たにプレミアム・ラグジュアリー客船を運行するオーシャニアクルーズ社、シーボーンクルーズ社、シルバーシークルーズ社とPSA(優先販売代理店)契約を行い、仕入れ条件を改善するとともに、システムでコース情報・在庫情報連携を行うなど当社WEBサイトでの商品ラインナップ拡充を引き続き強化してまいりました。また、当社独自の仕入を活かした格安ツアーとして、アジア(シンガポール発着)、エーゲ海(ベニス発着)、カリブ海(マイアミ発着)クルーズなどの自社企画商品の開発を積極的に行い、上期においては、昨対比で大幅に販売数を増やすことができました。
 API連携、当社WEBサイトのユーザビリティ改善などの取り組みによって、ユーザー数が大幅に増加しております。また、同時にオンライン予約比率も高まってきており、業務効率の改善や成約率の向上に繋がってきております。
 国内旅行事業に関しては、株式会社JTBや株式会社エイチ・アイ・エス等複数の大手旅行会社との提携販売契約を締結し、2020年7月より販売開始を行っております。国内ツアー、ダイナミックパッケージ、バスツアー、ホテル等のお取り扱いをしており、Go To トラベルキャンペーンの登録事業者にも認定されておりますため、すでにご予約をいただいております。
 電力小売事業に関しては、2018年より「ベストワンでんきpowered by HTBエナジー」のブランド名でサービス提供を行っておりますが、2020年7月にオンライン完結型のWEBサイトをリリースしたことにより既にお申し込みをいただいております。
 子会社のえびす旅館においては、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、2020年2月以降、月次の業績は落ち込みましたが、通期での黒字は確保しております。また、2020年4月より休業しておりましたが、同年7月中旬より再開しております。
 以上の結果、当連結会計年度の売上高は1,111,508千円(前年同期比48.9%減)、営業損失は60,451千円(前年同期は134,475千円の営業利益)、経常損失は68,890千円(前年同期は131,263千円の経常利益)、親会社株主に帰属する当期純損失は52,595千円(前年同期は84,203千円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。
なお、当社グループは、全セグメントの売上高の合計額、営業損益の合計額に占める「旅行業」の割合がいずれも90%を超えるため、セグメント情報の記載を省略しております。

 

 

(2)キャッシュ・フローの状況

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動による資金収支は、269,403千円の支出(前連結会計年度は171,599千円の収入)となりました。これは主に、旅行前受金の減少482,123千円、旅行前払金の減少281,906千円、未収入金の減少74,180千円によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動による資金収支は、26,790千円の支出(前連結会計年度は208,290千円の支出)となりました。これは、投資有価証券の償還による収入12,000千円があったものの、固定資産の取得による支出21,290千円、投資有価証券の取得による支出17,500千円があったことによるものであります。 

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動による資金収支は、502,671千円の収入(前連結会計年度は241,120千円の収入)となりました。これは主に、長期借入金返済による支出550,495千円があったものの、長期借入れによる収入1,042,229千円、新株予約権の行使による株式の発行による収入11,293千円があったことによるものであります。

 

以上により当連結会計年度における現金及び現金同等物は前連結会計年度に比べて205,391千円増加し、1,964,653千円となりました。

 

(生産、受注及び販売の状況)

(1) 生産実績及び受注実績

当社グループはオンライン旅行業を営んでおり、生産実績及び受注実績について記載を省略しております。

 

(2) 仕入実績

当連結会計年度における仕入実績は次の通りです。

 

セグメントの名称

仕入高(千円)

前年同期比(%)

旅行業

875,015

50.8

 

(注) 1.金額は、仕入価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績は次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

旅行業

1,111,508

51.1

 

(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は本書提出日現在において、当社が判断したものであります。

 

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者により一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されています。これらの見積りについては継続して評価し、必要に応じて見直しを行っていますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらと異なることがあります。この連結財務諸表の作成にあたる重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況」に記載しております。なお、新型コロナウイルス感染症の今後の広がり方や収束時期等を含む仮定に関する情報につきましては、第5「経理の状況」の1「連結財務諸表」の「追加情報」に記載しております。

 

(2) 経営成績の分析

当連結会計年度の売上高は1,111,508千円(前年同期比48.9%減)、営業損失は60,451千円(前年同期は134,475千円の営業利益)、経常損失は68,890千円(前年同期は131,263千円の経常利益)、親会社株主に帰属する当期純損失は52,595千円(前年同期は84,203千円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。

 

(売上高)

当連結会計年度の売上高は1,111,508千円(前年同期比48.9%減)となりました。これはクルーズ旅行売上の減少によるものです。

(売上原価、販売費及び一般管理費、営業利益)

売上原価は875,015千円(前年同期比49.2%減)、販売費及び一般管理費は296,945千円(同6.7%減)となりました。これは主に支払手数料が7,223千円減少し、管理諸費が6,904千円減少したことによります。

この結果、当連結会計年度の営業損失は60,451千円(前年同期は134,475千円の営業利益)となりました。

(営業外収益、営業外費用、経常利益)

営業外収益は11,735千円(前年同期比148.4%増)となりました。これは主に助成金収入が4,000千円増加したことによります。

営業外費用は20,174千円(同154.2%増)となりました。これは主に投資有価証券評価損が8,819千円増加したことによります。

この結果、当連結会計年度の経常損失は68,890千円(前年同期は131,263千円の経常利益)となりました。

(特別利益及び親会社株主に帰属する当期純利益)

当連結会計年度は特別利益及び特別損失の計上はありません。

親会社株主に帰属する当期純損失は52,595千円(前年同期は84,203千円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。これは主に、法人税、住民税及び事業税が46,295千円減少したことによります。

 

 

(3) 財政状態の分析

(資産)

当連結会計年度末の総資産は前連結会計年度末に比べて107,686千円減少し、2,747,610千円となりました。これは主に、現金及び預金が193,322千円増加した一方、旅行前払金が281,906千円、未収入金が72,856千円減少したことによります。

 

(負債)

当連結会計年度末の負債総額は前連結会計年度末に比べて62,994千円減少し、2,078,919千円となりました。これは主に、長期借入金が501,965千円増加した一方、旅行前受金が482,123千円、未払法人税等が32,871千円減少したことによります。

 

(純資産)

当連結会計年度末の純資産は前連結会計年度末に比べて44,691千円減少し、668,690千円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純損失の計上により利益剰余金が52,595千円減少したことによります。

 

(4) キャッシュ・フローの状況の分析

「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載の通り、営業活動によるキャッシュ・フローの支出、投資活動によるキャッシュ・フローの支出、財務活動によるキャッシュ・フローの収入の結果、現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて増加となりました。

当社グループの資本の財源及び資金の流動性について、資金需要の主な要因は、マーケティングにかかる広告費、WEBサービスの開発投資、業容の拡大及び管理体制の充実による人件費の増加をはじめとした販売費および一般管理費であり、自己資金及び金融機関からの借入金により資金調達することとしております。

 

(5) 経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループは、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載の通り、事業環境、法規制等様々なリスク要因が当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。

そのため、当該リスクを分散・低減すべく、市場動向に留意しつつ内部管理体制を強化し、優秀な人材を確保育成することで、顧客のニーズを的確にとらえた商品やサービスを、適時に提供してまいります。

 

(6) 経営戦略の現状と見通し

当社グループの経営理念は「クルーズ旅行・船旅を通じて全てのお客様に初めての感動体験を」であります。

当社グループは現在、クルーズ専門の検索予約サイト「ベストワンクルーズ」の運営を軸として、海外・国内クルーズの乗船券及びパッケージツアーを取扱っておりますが、今後クルーズ旅行の販売・予約経路としてオンラインのシェアが増大していくと予測される中で、更なる情報量、取扱いコース数の充実を図るとともに、ユーザー向け機能の強化などユーザビリティを向上させることで競合優位性を拡大していく必要があります。

また、クルーズ旅行という旅の形態を、現在認知されている一部の旅行者ではなく、より広く多くの旅行者に認知、経験してもらうために、テーマ特化型や、若年層や家族など顧客属性を絞った多サイト展開を行うことや、インバウンドニーズに対応する多言語対応を進めるなどの新たな展開を図る方針です。

また、2020年7月より、国内旅行事業の新規開始とオンライン完結型のWEBサイトをリリースによる電力小売事業の本格的開始を行っております。さらに、M&Aにより参入しました旅館業について、現状はまだ1店舗の小規模事業ですが、今後は多店舗展開を行うことを予定しており、グループ内での事業の多角化を進めることにより、クルーズ事業一本足からの脱却を図ってまいります。

 新型コロナウイルスの感染拡大の影響について、当社は、SARS等の感染症流行の事例を踏まえ、このような状況が2020年度中を通じて継続することを想定しております。また、国連世界観光機関等が実施する旅行需要の回復時期に関する調査を参考に、当社は新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響については遅くとも2021年度中には解消され、当社グループの取扱高も過年度の水準まで回復することを見込んでおります。

 

(7) 経営者の問題認識と今後の方針について

当社グループの経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案し、企業価値を最大限に高めるべく努めております。経営者の問題認識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。