3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要
  当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー

 (以下「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。

 

 ①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大により経済活動が停滞し、依然として収束の目途が立たない状況から事業継続及び雇用の不安感は高まり、景気の先行き不透明感は一層強まりました。
 当社グループの属するネイル業界におきましても、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による外出自粛ムードの高まりや、2度にわたり発出された緊急事態宣言による臨時休業・営業時間短縮の影響を受け、一段と厳しい経営環境で推移しました。
 このような環境の中、当社グループは、2020年4月から5月の緊急事態宣言発出中はネイルサロン「ファストネイル」全店舗の臨時休業を実施しました。お客様と従業員の安全と健康を第一に、店舗に飛沫防止シールドを設置し、スタッフは施術前後の手指消毒を徹底するなど感染予防対策を講じた上で、6月以降は全店舗で営業を再開しました。2021年1月から3月の2度目の緊急事態宣言発出中は、一部店舗では商業施設の営業時間に合わせて時短営業を行いましたが、過半の店舗は通常営業を継続しました。
 店舗展開では、コロナ禍で厳しい状況下ではあるものの、将来の業績拡大と従業員の雇用維持を見据え、九州初出店となるファストネイル福岡パルコ店など直営5店舗を新規出店しました。また、「ファストネイル・ロコ」モデルのフランチャイズ展開を開始し、フランチャイズ1店舗を新規出店しました。
 商品展開では、D2Cブランド「CONST」を立ち上げ、商品第1弾としてネイルセラムの販売を開始し、ECサイトを開設しました。
 連結業績では、売上収益は、店舗の臨時休業で2ヶ月近くサービスの提供機会を喪失し、営業再開後もネイル需要の繁忙期である夏季及び年末年始に感染再拡大が発生した影響により、前連結会計年度比で減収となりました。損益は、雇用調整助成金等の活用に加え、採用計画の見直しや賃料減額交渉などのコスト削減に取り組んだものの、売上収益の減少を補うことができず、前連結会計年度比で減益となりました。
 これらの結果、当連結会計年度における当社グループの業績は、売上収益は1,616百万円(前連結会計年度比33.1%減)、営業損失は313百万円(前連結会計年度は営業利益173百万円)、親会社の所有者に帰属する当期損失は217百万円(前連結会計年度は親会社の所有者に帰属する当期利益113百万円)となりました。

 

セグメント別の業績は次のとおりであります。

(a)ネイル事業

(店舗数)

 

ブランド名

地域

2020年3月31日

新規出店

統合・閉店

2021年3月31日

 

ファストネイル

関東エリア

36(1)

3

39(1)

 

 

東海エリア

6

1

7

 

 

関西エリア

5

△1

4

 

 

中国エリア

2

2

 

 

九州エリア

1

1

 

 

49(1)

5

△1

53(1)

 

ファストネイル・プラス

関東エリア

3

3

 

ファストネイル・ロコ

関東エリア

3

3

 

 

関西エリア

1(1)

1(1)

 

 

3

1(1)

4(1)

 

合計

 

55(1)

6(1)

△1

60(2)

 

 (注)( )内はフランチャイズ店舗であり内数であります。

 

<参考> ネイリスト育成サロン数

 

サロン名

2020年3月31日

増減

2021年3月31日

 

NAIL FLAPS(ネイルフラップス)

1

1

 

 

(新規出店・閉店)

 

内容

 

2020

ファストネイル 神戸三宮店(兵庫県神戸市中央区)を閉店

 

 

ファストネイル 福岡パルコ店(福岡県福岡市中央区)を新規出店

 

 

ファストネイル アスナル金山店(愛知県名古屋市中区)を新規出店

 

 

 

ファストネイル セレオ国分寺店(東京都国分寺市)を新規出店

 

 

11

ファストネイル グランエミオ所沢店(埼玉県所沢市)を新規出店

 

2021

ファストネイル 府中ル・シーニュ店(東京都府中市)を新規出店

 

 

ファストネイル ロコ つかしん店(兵庫県尼崎市)を新規出店

 

 

(業績)

(単位:百万円)

 

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減

 

売上収益

2,392

1,608

△784

 

セグメント利益(△は損失)

169

△309

△478

 

 

(b)メディア事業

(業績)

(単位:百万円)

 

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減

 

売上収益

26

9

△17

 

セグメント利益(△は損失)

4

△5

△8

 

 

 ②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ84百万円増加し、365百万円となりました。
 各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。


(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果使用した資金は80百万円(前連結会計年度は363百万円の収入)となりました。これは主に、税引前損失318百万円、減価償却費及び償却費を252百万円それぞれ計上したことなどによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は49百万円(前連結会計年度比2百万円の支出減)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出を37百万円計上したことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果得られた資金は213百万円(前連結会計年度は177百万円の支出)となりました。これは主に、短期借入金の増加額300百万円を計上した一方で、リース負債の返済による支出210百万円をそれぞれ計上したことなどによるものであります。

 

  ③生産、受注及び販売の実績

  a. 生産実績

  当社グループで行う事業は提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略し

ております。

 

   b. 仕入実績

  当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

仕入高(千円)

前期比(%)

ネイル事業

85,015

59.5

メディア事業

合計

85,015

59.5

 

(注) 1.金額は、仕入価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 c. 販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

売上収益(千円)

前期比(%)

ネイル事業

1,608,154

67.2

メディア事業

9,236

35.2

調整

△1,385

合計

1,616,004

66.9

 

(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2.主要な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績の10%以上の相手先が無いため記載を省略しております。

3.調整はセグメント間の相殺消去であります。

 

 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

   経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりでありま

  す。

   なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

 ①重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、国際会計基準審議会によって公表されたIFRSに基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に当たっては、決算日における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような経営者の見積り及び予測を必要としております。

ただし、当連結会計年度は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により、2020年4月8日から店舗の臨時休業を行ないました。5月18日以降は感染予防対策を講じた上で順次営業を再開し、6月1日以降は全店舗の営業を再開して売上収益は緩やかに回復しましたが、2ヶ月近くサービスの提供機会を喪失したことにより業績は例年に比べて著しく悪化しました。

2021年1月に2度目の緊急事態宣言が主要都市に再発出され、一部店舗では商業施設の営業時間に合わせて時短営業を行ないましたが、過半の店舗は通常営業を行い、売上収益の減少は小幅に留まりました。

このような状況を踏まえ、新型コロナウイルス感染症による当社グループの業績への影響は2022年3月末までに概ね改善するものの、コロナ禍前の水準まで回復するにはさらに一定の期間を要するものと仮定し、会計上の見積りを行っておりますが、現時点で全ての影響について予測を行うことは困難な状況であるため、収束時期等によって変動する可能性があります。

 

  ②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

  a. 財政状態の分析

  当連結会計年度末における資産、負債及び資本の状況は以下のとおりであります。

 (単位:百万円) 

 

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減額

 

資産合計

2,219

2,406

187

 

負債合計

1,216

1,617

401

 

資本合計

1,003

789

△214

 

 

  (資産)

流動資産は、前連結会計年度末に比べ162百万円増加し、605百万円となりました。これは主に、現金及び現金同等物が84百万円、営業債権及びその他の債権が54百万円それぞれ増加したことなどによるものであります。

非流動資産は、前連結会計年度末に比べ25百万円増加し、1,801百万円となりました。これは主に、繰延税金資産が73百万円増加した一方で、使用権資産が42百万円減少したことなどによるものであります。

その結果、資産合計は前連結会計年度末に比べ187百万円増加し、2,406百万円となりました。

 

(負債)

流動負債は、前連結会計年度末に比べ314百万円増加し、1,166百万円となりました。これは主に、借入金が300百万円増加したことなどによるものであります。

非流動負債は、前連結会計年度末に比べ86百万円増加し、451百万円となりました。これは主に、借入金が120百万円増加したことなどによるものであります。

その結果、負債合計は前連結会計年度末に比べ401百万円増加し、1,617百万円となりました。

 

(資本)

資本合計は、当期損失の計上などにより前連結会計年度末に比べ214百万円減少し、789百万円となりました。

 

 b. 経営成績に重要な影響を与える要因について

    当社グループの売上は、経済情勢、消費者の嗜好の変化、他社との競合、天候不順、出店計画等による影響を受 け、また当社グループの費用は、原材料価格、光熱費、不動産賃料、人件費等による影響を受けます。したがって、これらの変動要因が発生し、当社グループによる対応策が有効に機能しなかった等の場合は、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループの経営成績に影響を与える他の要因については、「2 事業等のリスク」をご参照下さい。

 

 c. 経営戦略の現状と見通し

ファストネイルは、コロナ禍以前は安定的な収益を確保しており、現状はコロナ禍の影響を受けておりますが、女性の「キレイでいたい」「おしゃれをしたい」といった普遍的な欲求に応えるビジネスであることから、日常生活の回復とともに需要も徐々に従前の水準に戻るものと考えております。
 よって当社グループは、既存店の集客と収益力強化のために人材教育や魅力的なプロダクトの開発・提供に力を入れ、さらに優良物件への積極的な出店と、新たなフランチャイズパートナーの開拓を進めることにより、今後も事業規模の拡大を図ってまいります。

 

 d. 資本の財源及び資金の流動性についての分析

① 資金需要

主として運転資金、設備投資、長期借入金の返済、法人税等の支払に資金を充当しております。

運転資金のうち主なものは、人件費、地代家賃、材料費等であります。

設備投資は主に、ネイルサロン「ファストネイル」の新規出店にかかる有形固定資産の取得、敷金及び保証金の差入等であります。

② 資本の財源

営業活動によるキャッシュ・フローにより得た資金を基本としておりますが、運転資金につきましては、状況に応じて取引銀行から短期借入れを行っております。

③ 資金の流動性

・当座貸越契約

当社は、取引銀行7行との間で貸越極度額合計550百万円の当座貸越契約を締結しております。

当連結会計年度末において、当該契約に基づく借入を550百万円実行しております。

・コミットメントライン契約

当社は、新型コロナウイルス感染症の影響の長期化に備え、2020年5月に取引銀行2行との間で借入極度額合計500百万円のコミットメントライン契約を締結しました。

当連結会計年度末において、当該契約に基づく借入は実行しておりません。

・劣後特約付金銭消費貸借契約

当社は、新型コロナウイルス感染症の影響により毀損した財務基盤の中長期的な安定を図り、将来の業績拡大を見据えた事業展開を推進するため、2021年3月31日付で株式会社商工組合中央金庫と劣後特約付金銭消費貸借契約を締結し、200百万円の借入を実行しました。