3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要
  当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー

 (以下「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。

 

 ①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用環境の改善が続き、緩やかな回復基調で推移しましたが、米中貿易摩擦や英国のEU離脱問題などによる海外経済の不確実性の影響が懸念されるなか、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により、景気の下振れが避けられない状況となっております。
 当社グループの属するネイル業界は、安定した需要に支えられて市場動向は堅調に推移しておりますが、国内の構造的な人手不足を背景とする採用難及び雇用維持に伴う人件費の上昇、不動産賃料の高騰などのコスト増加要因に加え、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、非常に厳しい経営環境となっております。
 このような環境の中、当社グループでは、チェーン展開するネイルサロン「ファストネイル」の強みである、高いリピーター比率と効率的なオペレーションによる安定収益基盤のさらなる強化を図るため、2020年3月期の取組みとして、
 ① 「出店戦略を見直し、既存店の強化と厳選した出店展開による『質』重視の経営」
 ② 「新たな出店を支えるための人材採用・育成スキームの確立」
を推進しました。
 「出店戦略」については、店舗のリニューアルや統合などを実施し、集客力の高い店舗へリソースを集中する一方で、ファストネイル静岡パルシェ店(静岡県初出店)、ファストネイル名古屋伏見駅店、ファストネイルロコ国立店、ファストネイルペリエ千葉店の4店舗を新規出店し、2020年3月末の店舗数は55店舗となりました。
 「人材採用・育成」では、ネイリストの求人への応募数が順調に増加している状況を受けて、より多くの採用人数に対応できる環境を整備するため、東京都台東区に研修施設を増設するとともに、一定レベルの技術を習得した研修生が低価格で施術を行うネイリスト育成サロン「NAIL FLAPS(ネイルフラップス)」を新たに開設しました。
 また、従業員及び将来へのさらなる投資を可能にし、より多くのお客様にご支持いただけるファストネイル体験を提供するため、10月よりジェルネイルなどのサービス価格を改定しました。
 連結業績につきましては、売上収益は、夏期に相次いで到来した台風や、新型コロナウイルスの感染拡大による営業時間短縮及び臨時休業を余儀なくされたものの、前期に新規出店した「ファストネイル」6店舗の伸長により前期比で増収となりました。営業利益は、ネイリストの人数の増加、研修施設の増設及び育成サロンの新設などによるコストの増加を増収で吸収したため前期比で増益となりました。

これらの結果、当連結会計年度における当社グループの業績は、売上収益は2,414百万円(前期比7.4%増)、営業利益は173百万円(同15.6%増)、税引前利益は166百万円(同14.6%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は113百万円(同26.6%増)となりました。 

 

セグメント別の業績は次のとおりであります。

(a)ネイル事業

(店舗数)

 

ブランド名

地域

2019年3月31日

新規出店

統合・閉店

2020年3月31日

 

ファストネイル

関東エリア

36(1)

1

△1

36(1)

 

 

東海エリア

4

2

6

 

 

関西エリア

5

5

 

 

中国エリア

2

2

 

 

47(1)

3

△1

49(1)

 

ファストネイル・プラス

関東エリア

4

△1

3

 

ファストネイル・ロコ

関東エリア

2

1

3

 

合計

 

53(1)

4

△2

55(1)

 

 (注)( )内はフランチャイズ店舗であり内数であります。

 

<参考> ネイリスト育成サロン数

 

サロン名

2019年3月31日

増減

2020年3月31日

 

NAIL FLAPS(ネイルフラップス)

1

1

 

 

(新規出店・統合・移転・閉店)

 

内容

 

2019

ファストネイルプラス池袋店(東京都豊島区)を閉店

 

 

 

ファストネイル渋谷店(東京都渋谷区)を増席などリニューアルし、ファストネイル渋谷道玄坂店を統合

 

 

 

ファストネイル吉祥寺店(東京都武蔵野市)を移転し、駅商業施設内にファストネイルキラリナ京王吉祥寺店としてオープン

 

 

11

ファストネイル静岡パルシェ店(静岡県静岡市葵区)を新規出店

 

 

12

ファストネイル名古屋伏見駅店(愛知県名古屋市中区)を新規出店

 

2020

ファストネイルロコ国立店(東京都国立市)を新規出店

 

 

ファストネイルペリエ千葉店(千葉県千葉市中央区)を新規出店

 

 

(業績)

売上収益は2,392百万円(前期比7.2%増)、セグメント利益は169百万円(同16.4%増)となりました。

(単位:百万円)

 

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減

 

売上収益

2,231

2,392

161

 

セグメント利益

145

169

24

 

 

(b)メディア事業

(業績)

ネイルサロン内のデジタルサイネージ(モニター)への広告放映や手渡しサンプリング等のサービスでは、「ファストネイル」の枠を超えて同業他社の店舗をネットワーク化したことで多くの受注を獲得し、売上収益は26百万円(前期比32.1%増)、セグメント利益は4百万円(同11.4%減)となりました。

(単位:百万円)

 

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減

 

売上収益

20

26

6

 

セグメント利益

4

4

△1

 

 

 ②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ135百万円増加し、281百万円となりました。
 各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。


(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は363百万円(前期比255百万円の収入増)となりました。これは主に、税引前利益166百万円、減価償却費及び償却費を236百万円それぞれ計上した一方で、法人所得税等の支払額59百万円、未払賞与の減少額を百万円それぞれ計上したことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は51百万円(前期比2百万円の支出増)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出を43百万円計上したことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は177百万円(前期比165百万円の支出増)となりました。これは主に、長期借入金の借換(リファイナンス)により、長期借入金の返済による支出を440百万円、長期借入れによる収入を250百万円それぞれ計上したことなどによるものであります。

 

  ③生産、受注及び販売の実績

  a. 生産実績

  当社グループで行う事業は提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略し

ております。

 

   b. 仕入実績

  当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

仕入高(千円)

前期比(%)

ネイル事業

142,779

91.5

メディア事業

合計

142,779

91.5

 

(注) 1.金額は、仕入価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 c. 販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

売上収益(千円)

前期比(%)

ネイル事業

2,392,109

107.2

メディア事業

26,208

132.1

調整

△3,931

合計

2,414,386

107.4

 

(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2.主要な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績の10%以上の相手先が無いため記載を省略しております。

3.調整はセグメント間の相殺消去であります。

 

 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

   経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりでありま

  す。

   なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

 ①重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、国際会計基準審議会によって公表されたIFRSに基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に当たっては、決算日における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような経営者の見積り及び予測を必要としております。

ただし、翌連結会計年度は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、2020年4月8日から店舗の臨時休業を行なっており、4月及び5月の業績が例年に比べ著しく悪化しております。
 財務諸表の作成に当たっては、緊急事態宣言による外出自粛要請は2020年5月末までに解除され、6月以降は全店舗の営業再開により当社の業績は緩やかに改善することが見込まれ、新型コロナウイルス感染症の完全な収束により、売上収益等が感染拡大前の水準まで回復するには翌連結会計年度末までの期間を要するものと仮定し、会計上の見積りを行っておりますが、現時点で全ての影響について予測を行うことは困難な状況であるため、収束時期等によって変動する可能性があります。

 

  ②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

  a. 財政状態の分析

  当連結会計年度末における資産、負債及び資本の状況は以下のとおりであります。

 (単位:百万円) 

 

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減額

 

資産合計

1,731

2,219

488

 

負債合計

840

1,216

376

 

資本合計

890

1,003

112

 

 

  (資産)

流動資産は、前連結会計年度末に比べ119百万円増加し、443百万円となりました。これは主に、現金及び現金同等物が135百万円、棚卸資産が5百万円それぞれ増加したことなどによるものであります。

非流動資産は、前連結会計年度末に比べ369百万円増加し、1,776百万円となりました。これは主に、IFRS第16号の適用により使用権資産が351百万円増加したことなどによるものであります。

その結果、資産合計は前連結会計年度末に比べ488百万円増加し、2,219百万円となりました。

 

(負債)

流動負債は、前連結会計年度末に比べ345百万円増加し、852百万円となりました。これは主に、借入金が181百万円、IFRS第16号の適用によりリース負債が169百万円それぞれ増加したことなどによるものであります。

非流動負債は、前連結会計年度末に比べ31百万円増加し、365百万円となりました。これは主に、借入金が168百万円減少した一方で、IFRS第16号の適用によりリース負債が187百万円増加したことなどによるものであります。

その結果、負債合計は前連結会計年度末に比べ376百万円増加し、1,216百万円となりました。

 

(資本)

資本合計は、当期利益の計上などにより前連結会計年度末に比べ112百万円増加し、1,003百万円となりました。

 

 b. 経営成績に重要な影響を与える要因について

    当社グループの売上は、経済情勢、消費者の嗜好の変化、他社との競合、天候不順、出店計画等による影響を受 け、また当社グループの費用は、原材料価格、光熱費、不動産賃料、人件費等による影響を受けます。したがって、これらの変動要因が発生し、当社グループによる対応策が有効に機能しなかった等の場合は、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループの経営成績に影響を与える他の要因については、「2 事業等のリスク」をご参照下さい。

 

 c. 経営戦略の現状と見通し

ファストネイルは安定的な収益を確保しており、当社グループの中核となるブランドとなっております。当社グループは、既存店の収益力強化のためにオペレーションの改善及びお客様に支持される気持ちの良いサービスを提供し、新規出店及びブランドの拡大を進めてまいります。

 

 d. 資本の財源及び資金の流動性についての分析

① 資金需要

主として運転資金、設備投資、長期借入金の返済、法人税等の支払に資金を充当しております。

運転資金のうち主なものは、人件費、地代家賃、材料費等であります。

設備投資は主に、ネイルサロン「ファストネイル」の新規出店にかかる有形固定資産の取得、敷金及び保証金の差入等であります。

② 資本の財源

営業活動によるキャッシュ・フローにより得た資金を基本としておりますが、運転資金につきましては、状況に応じて取引銀行から短期借入れを行っております。

③ 資金の流動性

当社グループは、これまで安定的に営業活動によるキャッシュ・フローを得ており、事業活動に必要な資金を賄っております。

当社は、不測の事態に備えるとともに、今後のさらなる事業拡大に向けて十分な流動性を確保し、機動的かつ効率的な資金調達を可能とするため、取引銀行7行との間で貸越極度額合計550百万円の当座貸越契約を締結しております。

なお、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う運転資金の確保のため、当連結会計年度末において当該契約に基づく借入を250百万円実行しております。