3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社をいう。以下同じ。)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い社会経済活動の停滞が生じ、企業の経営環境は急速に悪化しました。社会経済活動は段階的に再開が進み、企業の輸出・生産には回復の兆しが見えるものの、国内外での感染拡大は継続しており、経済の先行きは依然として不透明な状況となっております。

当社グループ(当社及び連結子会社を言う、以下同じ。)の主たる事業領域である情報サービス産業においては、経済活動全般の縮小により、一部に取引需要の減少が見られるものの、ウィズコロナ・アフターコロナを見据え、社会環境の変化に対応すべく、経営のデジタルトランスフォーメーション(DX)に関する取組みへの注目度は高く、AI、RPA(Robotic Process Automation)等の業務ロボット導入やテレワーク推進等の働き方改革など、社内における変革活動を側面から支援するニーズは底堅く推移しております。

このような経営環境のもと、当社グループは、ロボティクス・AI・ビジネスプロセスマネジメントを活用することによって、企業変革と働き方改革を促進支援する会社として、顧客の現場に入り込み、顧客の課題や変革テーマに応じた各種支援をワンストップで提供するプロフェッショナルサービス事業及び企業のIT人材不足を解消するプラットフォーム事業を展開してまいりました。プロフェッショナルサービス事業では、M&A(企業の合併・買収)等により外部企業との連携を強化するとともに、社会情勢の変化に合わせてテレワークを推進し、新たな形でのプロジェクト遂行や人材の採用・育成活動に積極的に取り組みました。プラットフォーム事業では、既存サービスである「アサインナビ」及び「コンサルタントジョブ」の展開に加え、事業会社とDX企業のマッチングを行う新サービス「CS Clip」の開発を推進しました。

これらの結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高5,555,735千円(前期比46.6%増)、営業利益478,608千円(前期比55.5%増)、経常利益447,220千円(前期比50.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益270,326千円(前期比34.0%増)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。

(プロフェッショナルサービス事業)

プロフェッショナルサービス事業では、企業活動が様々な制約を受け、IT部門が置かれている環境も大きく変化する中で、テレワークを活用しながら顧客企業との関係強化に注力した結果、戦略を実現するためのビジネスプロセスマネジメント能力を強みとする従来型のコンサルティング案件の受注は堅調に推移いたしました。IoTテクノロジーを活用したイノベーション創出を支援する株式会社イオトイジャパンの連結子会社化やシステムの企画・開発から運用・保守を担う株式会社ソフテックの連結子会社化、インテグラ―ト株式会社との協業による経営管理コンサルティング領域の強化等、テクノロジー企業を中心とする外部企業との連携を推進するとともに、デジタルトランスフォーメーション(DX)案件等の先進テーマを中心に、外部への情報発信を積極的に実施しました。

この結果、プロフェッショナルサービス事業の売上高は5,367,051千円(前期比46.3%増)、セグメント利益(営業利益)は432,969千円(前期比38.8%増)となりました。

 

(プラットフォーム事業)

プラットフォーム事業では、IT業界に特化した、ビジネスマッチングと学びの場を提供するプラットフォームである「アサインナビ」の会員数は、2020年12月31日現在で法人・個人を合わせ10,206会員(前期末比1,831会員の増加)となり、順調に成長を続けております。会員基盤の拡大に伴い、「アサインナビ」及び「コンサルタントジョブ」によるマッチングや会員向けサービスの実績も拡大しており、売上高は堅調に推移しました。既存サービスの育成・成長に加え、新サービス「CS Clip」の開発投資を継続するとともに、コロナ禍で活性化する「アサインナビ」の収益性向上を目指した課金体系の見直しにも取り組み、将来の収益拡大と安定的な事業基盤構築に向けた活動を積極的に推進しました。

この結果、プラットフォーム事業の売上高は237,548千円(前期比47.1%増)、セグメント利益(営業利益)は45,639千円(前期は4,197千円の損失)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)の残高は、前連結会計年度末に比べて1,293,827千円増加し、2,479,226千円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況と要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、売上債権の増加額124,356千円、法人税等の支払額130,794千円等がありましたが、仕入債務の増加額80,223千円、減価償却費27,343千円、賞与引当金の増加額26,122千円、未払消費税等の増加額55,590千円等により、468,933千円の収入(前年同期は239,050千円の収入)となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、無形固定資産の取得による支出62,064千円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出55,827千円、投資有価証券の取得による支出30,000千円、有形固定資産の取得による支出17,522千円等により、163,607千円の支出(前年同期は125,402千円の支出)となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得による支出111,359千円、長期借入金の返済による支出184,930千円等がありましたが、長期借入れによる収入1,260,000千円等により、988,730千円の収入(前年同期は112,046千円の支出)となりました。

 

 

③ 生産、受注及び販売の状況

a. 生産実績

当社グループが行う事業では、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載は省略しております。

 

b. 受注実績

当社グループが行う事業では、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載は省略しております。

 

c. 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

プロフェッショナルサービス事業

5,367,051

146.9

プラットフォーム事業

188,683

138.9

合計

5,555,735

146.6

 

(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

 

相手先

前連結会計年度

(自 2019年1月1日

至 2019年12月31日)

当連結会計年度

(自 2020年1月1日

至 2020年12月31日)

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

キリンホールディングス株式会社

414,840

10.9

606,371

10.9

 

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されており、重要となる会計方針については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

連結財務諸表の作成にあたっては、過去の実績や取引状況を勘案し、合理的と判断される前提に基づき見積りを行っている部分があり、これらの見積りについては不確実性が存在するため、実際の結果とは異なる可能性があります。

 

② 財政状態の分析

(資産の部)

当連結会計年度末の総資産は4,297,898千円となり、前連結会計年度末に比べ、1,845,922千円増加しました。これは、主に現金及び預金が1,297,294千円、売掛金が211,562千円増加したことによるものであります。

 

(負債の部)

負債は2,565,352千円となり、前連結会計年度末に比べ、1,617,009千円増加しました。これは、主に長期借入金が831,373千円、1年内返済予定の長期借入金が268,835千円、未払金が140,795千円増加したことによるものであります。

 

(純資産の部)

純資産は1,732,546千円となり、前連結会計年度末に比べ、228,912千円増加しました。これは、主に資本金が12,510千円、資本剰余金が7,185千円、利益剰余金が265,467千円増加、自己株式が58,731千円増加したことによるものであります。自己資本比率は、40.2%となっております。

 

③ 経営成績の分析

(売上高)

当連結会計年度の売上高は5,555,735千円となり、前連結会計年度に比べ1,765,094千円増加いたしました。これは、主にプロフェッショナルサービス事業において既存顧客を中心に受注が堅調に推移したこと、前連結会計年において連結子会社化した株式会社ワクトの業績が通期で寄与したこと、及び、プラットフォーム事業において会員数の増加に伴い会費が増加したこと、マッチング実績の増加に伴い成約手数料が増加したことによるものであります。

 

(営業利益)

当連結会計年度の売上原価は3,509,085千円となり、前連結会計年度に比べ1,211,719千円増加いたしました。これは、主にプロフェッショナルサービス事業において、適切な要員を確保するため外注加工費等のコストが増加したこと、外注先を積極活用する株式会社ワクトのコストが通期で反映されたことによるものであります。

当連結会計年度の販売費及び一般管理費は1,568,040千円となり、前連結会計年度に比べ382,555千円増加いたしました。これは、主に従業員の増加に伴い人件費、採用費が増加したこと、株式取得に伴う取得関連費用が増加したことによるものであります。

以上の結果、当連結会計年度の営業利益は478,608千円となり、前連結会計年度に比べ170,819千円増加いたしました。

 

(経常利益)

当連結会計年度の営業外費用は37,342千円となり、前連結会計年度に比べ27,029千円増加いたしました。これは、主に東京証券取引所市場第一部への市場変更に伴う上場関連費用が増加したことによるものであります。

以上の結果、当連結会計年度の経常利益は447,220千円となり、前連結会計年度に比べ149,132千円増加いたしました。

 

  (税金等調整前当期純利益)

当連結会計年度の特別損失は18,818千円となりました。これは、実質価額が著しく下落した投資有価証券について減損処理を行ったことによるものであります。

以上の結果、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は428,401千円となり、前連結会計年度に比べ130,313千円増加いたしました。

 

(親会社株主に帰属する当期純利益)

当連結会計年度の法人税等合計は168,351千円となり、前連結会計年度に比べ72,008千円増加いたしました。これは、主に法人税、住民税及び事業税の増加に伴うものであります。

以上の結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は270,326千円となり、前連結会計年度に比べ68,581千円増加いたしました。

 

④ 経営成績に重要な影響を与える要因

経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

⑤ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況判断するための客観的な指標等

当社グループは、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の経営方針に従い、優秀な人財を獲得・育成し、収益性を維持・向上しながら事業規模の拡大を目指しております。

当社グループでは、事業の成長性を計る売上高成長率及び事業の収益性を計る売上高営業利益率を主要な指標として経営を行っており、当連結会計年度における売上高成長率は46.6%、売上高営業利益率は8.6%となりました。売上高及び営業利益は3期連続で期初目標値を上回り、順調に事業成長しております。

 

⑥ 資本の財源及び資金の流動性について

a. キャッシュ・フローの状況の分析

キャッシュ・フローの状況の分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

b. 資金需要及び財政政策

当社グループの資金需要のうち主なものは、人件費や外注加工費等の運転資金、オフィス賃料や人材確保のための採用費等の営業費用であります。これらの資金需要に対し、営業活動によるキャッシュ・フローや金融機関からの借入金等により必要となる資金を調達しており、資金の流動性は十分に確保されております。