3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、企業収益や雇用情勢が悪化し、大幅なマイナス成長となりました。政府や自治体による各種政策により、経済活動は回復の兆しがみられたものの、依然として感染再拡大の懸念があり、先行きは不透明な状況で推移しております。

当社グループを取り巻く障害福祉業界においては、わが国の障害者の総数は936.6万人となり、障害者数全体は増加傾向にあります。障害福祉サービスの利用者も年々増加しており、2018年9月から2019年9月までのサービス利用者数の伸び率は全体で6.1%となっております。このうち、当社グループの主なサービス対象である精神障害者の伸び率は8.8%、障害児の伸び率は11.0%であり、とりわけ高い伸び率となっております(厚生労働省「障害福祉分野の最近の動向」、2020年)。これらの増加傾向は中長期的に継続していくものと考えております。さらに、2021年3月より、民間企業における障害者の法定雇用率が2.2%から2.3%に引き上げられ、障害者雇用に対する高いニーズが見込まれます。

当社グループは、このような事業環境のなか、全国規模で事業所の継続拡大を進めてまいりました。当連結会計年度においては、新たに就労移行支援事業所を9拠点、療育事業所を5拠点開設いたしました結果、当連結会計年度末における当社グループの拠点数は、就労移行支援事業所が80拠点、療育事業所が46拠点となりました。

なお、当社グループは、障害福祉サービス事業の単一セグメントであるため、全社合計での数値を記載しております。

また、新型コロナウイルス感染症の影響について、2021年3月期においては、利用者数の大きな減少は見られず、重要な影響はありませんでした。2022年3月期においても、本書提出日現在において重要な影響を与えるものではないと考えております。

 

これらの結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりになりました。

 

a. 財政状態

当連結会計年度末における資産の残高は5,473,175千円(前連結会計年度末残高4,511,219千円)で、前連結会計年度末に比べ961,956千円増加しております。当連結会計年度末における負債の残高は723,167千円(前連結会計年度末残高1,033,569千円)で、前連結会計年度末に比べ310,402千円減少しております。当連結会計年度末における純資産の残高は4,750,008千円(前連結会計年度末残高3,477,649千円)で、前連結会計年度末に比べ1,272,358千円増加しております。

 

b. 経営成績

当連結会計年度における経営成績は、それぞれの事業所において利用者数及び稼働率が向上するとともに、就労移行支援事業所においては前年以上の定着実績を残せたことによりサービス単価が上昇したことで、売上高及び利益率が向上し、売上高8,176,190千円(前年同期比18.9%増)、営業利益2,037,849千円(前年同期比15.9%増)、経常利益2,104,070千円(前年同期比19.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,523,724千円(前年同期比29.7%増)となりました。

 

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べて565,388千円増加し、2,601,852千円となりました。

当連結会計年度末におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果、獲得した資金は1,375,348千円(前連結会計年度末は1,167,158千円の獲得)となりました。

これは主に、収入として税金等調整前当期純利益2,077,193千円(同1,738,498千円)、減価償却費132,399千円(同109,207千円)、支出として売上債権の増加156,089千円(同213,724千円)、法人税等の支払による支出653,826千円(同569,775千円)によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果、使用した資金は415,182千円(前連結会計年度末は483,242千円の使用)となりました。

これは主に、支出として新規事業所開設等に伴う有形固定資産の取得による支出335,657千円(同238,555千円)、敷金及び保証金の差入による支出68,327千円(同29,490千円)によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果、使用した資金は394,777千円(前連結会計年度末は541,872千円の使用)となりました。

これは主に、支出として長期借入金の返済による支出79,958千円(同220,119千円)、社債の償還による支出28,400千円(同28,400千円)、配当金の支払255,632千円(同237,859千円)によるものであります。

 

③生産、受注及び販売の実績

a. 生産実績

当社グループは顧客であるサービス利用者に対し、就労移行支援事業及び療育事業を行っており、生産活動は行っておりませんので、生産実績に関する記載をしておりません。

 

b. 受注実績

当社グループは受注生産を行っておりませんので、受注状況に関する記載をしておりません。

 

c. 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

期末拠点数

販売高
(千円)

前年同期比

(%)

障害福祉サービス事業

126

8,176,190

18.9

合計

126

8,176,190

18.9

 

(注) 1.当連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

 

 

相手先

前連結会計年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

当連結会計年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

埼玉県国民健康保険団体連合会

1,622,751

23.6

1,811,904

22.2

東京都国民健康保険団体連合会

1,098,327

16.0

1,111,270

13.6

神奈川県国民健康保険団体連合会

1,071,575

15.6

1,091,196

13.3

 

2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a. 財政状態の分析

(流動資産)

当連結会計年度末における流動資産の残高は4,080,409千円(前連結会計年度末残高3,352,506千円)で、前連結会計年度末に比べ727,903千円増加しております。主な増加要因は、現金及び預金の増加565,388千円、売掛金の増加156,089千円等によるものであります。

 

(固定資産)

当連結会計年度末における固定資産の残高は1,392,766千円(前連結会計年度末残高1,158,713千円)で、前連結会計年度末に比べ234,053千円増加しております。主な増加要因は、有形固定資産の増加208,950千円、敷金及び保証金の増加39,822千円等であります。

 

(流動負債)

当連結会計年度末における流動負債の残高は678,775千円(前連結会計年度末残高940,526千円)で、前連結会計年度末に比べ261,750千円減少しております。主な減少要因は、1年内返済予定の長期借入金の減少79,078千円千円、未払法人税等の減少109,696千円、賞与引当金の減少100,158千円等であります。

 

(固定負債)

当連結会計年度末における固定負債の残高は44,391千円(前連結会計年度末残高93,043千円)で、前連結会計年度末に比べ48,651千円減少しております。主な減少要因は、社債の減少28,400千円、長期未払金の減少18,088千円等であります。

 

(純資産)

当連結会計年度末における純資産の残高は4,750,008千円(前連結会計年度末残高3,477,649千円)で、前連結会計年度末に比べ1,272,358千円増加しております。主な増加要因は、当期純利益の計上による利益剰余金の増加1,523,724千円等であります。また主な減少要因は、配当金の支払いによる利益剰余金の減少255,829千円であります。

 

b. 経営成績の分析
(売上高)

当連結会計年度における売上高の合計は、8,176,190千円(前連結会計年度6,878,327千円)となり、前連結会計年度と比べ1,297,863千円増加(前年同期比18.9%増)いたしました。これは、主に、既存事業所における利用者数の上昇、新規事業所の開設等による事業拡大に伴うものであります。

 

(売上原価及び売上総利益)

売上原価は、4,993,774千円(前連結会計年度4,135,346千円)となり、前連結会計年度と比べ858,427千円増加(前年同期比20.8%増)いたしました。これは、主に、新規開設等による事業拡大に伴う人件費や地代家賃等の増加によるものであります。この結果、売上総利益は3,182,416千円(前連結会計年度2,742,980千円)となり、439,436千円増加(前年同期比16.0%増)となりました。

 

(販売費及び一般管理費及び営業利益)

販売費及び一般管理費は、1,144,566千円(前連結会計年度984,506千円)となり、前連結会計年度と比べ160,060千円増加(前年同期比16.3%増)いたしました。これは、主に、東京証券取引所市場第一部への市場変更に伴う上場関連費用の増加等によるものであります。この結果、営業利益2,037,849千円(前連結会計年度1,758,473千円)となり、279,375千円増加(前年同期比15.9%増)となりました。

 

(営業外損益及び経常利益)

営業外収益は、68,979千円(前連結会計年度9,118千円)となりました。主な内訳は、助成金収入62,274千円等であります。また、営業外費用は、2,759千円(前連結会計年度10,914千円)となりました。この結果、経常利益2,104,070千円(前連結会計年度1,756,678千円)となり、347,391千円増加(前年同期比19.8%増)となりました。

 

(特別損益及び当期純利益)

特別損失は26,877千円(前連結会計年度18,180千円)となりました。この内訳は、減損損失26,877千円であります。また、法人税等は、553,469千円となりました。この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は1,523,724千円(前連結会計年度1,174,383千円)となり、前連結会計年度と比べて349,340千円増加(前年同期比29.7%増)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a. キャッシュ・フローの分析

当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

 

b. 資本の財源及び資金の流動性

当社グループの資金需要の主なものは、当社グループが運営する事業所の運転資金、事業所を新設するにあたっての設備投資資金、成長を加速するためのM&Aや新規事業開拓に伴う資金等であります。

資金需要に対しては、手許資金から充当することを基本としますが、今後事業拡大に伴い資金需要が発生した場合には、銀行等からの借入及び増資等、状況に応じた最適な資金の調達方法を選択していきます。

また、グループ各社の必要資金については、主に親会社が資金調達をし、親会社から他のグループ企業に融資していく方針であります。

株主還元については、長期に亘る安定的な経営基盤の確保を目指し、健全な財務体質の維持及び将来の事業拡大に備えるための内部留保とのバランスを図りながら、各期の経営成績及び財政状態を勘案し、株主に対して業績に応じた利益還元を行うことを基本方針としております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準により作成されております。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。連結財務諸表の作成にあたりまして資産・負債及び収益・費用の計上については会計基準及び実務指針等により見積り及び仮定を行っております。

 

なお、当期の連結財務諸表の作成にあたって、新型コロナウイルス感染症については、現時点において重要な影響を与えるものではないと考えております。ただし、今後の状況の変化によって判断を見直した結果、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において重要な影響を与える可能性があります。