3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度におけるわが国経済は、米中貿易戦争などによって世界経済が減速する中で実施された消費増税によって、10-12月期の実質GDPが年率換算7.1の減少(前期比:2次速報値)、より実感に近いとされる名目GDPも年率換算5.8%の落ち込みとなるなど景気の低迷が顕著になりました。さらに2月下旬からは新型コロナウィルス感染者の増加に伴う自粛の拡大が加わり、当社の主要顧客である外食・小売などのサービス産業を取り巻く環境は大変厳しくなっております。

 このような環境下、当社グループの基幹サービスである顧客満足度覆面調査「ミステリーショッピングリサーチ(以下、MSRという。)」をはじめとしたミステリーショッピングリサーチ事業は、前連結会計年度と比較し、国内の売上収益が11.6%減となりました。

 これは、2019年5月22日付け「決算期(事業年度の末日)の変更及び定款の一部変更並びに決算期変更に伴う業績予想の修正及び中期経営計画の数値計画の修正に関するお知らせ」にて開示の通り、決算期変更の経過期間となった当連結会計年度が2019年4月1日から2020年2月29日までの11ヶ月間となったことによるものです。同時に開示しております当連結会計年度(11か月間)の業績予想については、親会社の所有者に帰属する当期利益において業績予想を達成しております。

 MSRは、前連結会計年度と比較し、国内の調査数で8.5%減、国内の売上収益で13.6%減となりました。しかしながら、業績予想の前提となっている予算(国内のものを指す。以下同様。)との兼ね合いにおいては、調査数が想定を下回ったものの、調査単価は想定を上回ったことで、売上収益は概ね予算通りの着地となりました。

 また、MSRの活用を総合的にサポートするためのコンサルティング・研修(以下、コンサルという。)は、前連結会計年度と比較し、国内の売上収益で1.7%増となりました。中でも、サービス業に特化した従業員満足度調査であるサービスチーム力診断(以下、STARという。)は、調査店舗数が大幅に増加するとともに、収益化が伸展したことで、国内の売上収益で39.5%増となりました。しかしながら、受注リードタイムの遅れにより当期受注が想定を下回ったこと、新型コロナウィルスの感染拡大に伴う集まりや外出の自粛要請等によりコンサル・研修や一部の調査が中止となったことで、売上収益は予算を下回る着地となりました。

 一方、MSRの調査数に伴い売上原価も予算を下回ったこと、反対に1調査あたりの粗利は上昇したことなどによって、売上総利益率が想定を上回り、親会社の所有者に帰属する当期利益において業績予想を達成する結果となりました。

 生産面では、安定的なレポート生産体制の維持と生産コストの抑制に取り組む一方、更なるレポート品質の向上を目的として当社ビジネスを支えるモニターとのリレーション強化に取り組んでおります。

 管理面では、中期経営計画(2019年5月9日開示)に基づくSTAR等の商品力強化やシステムセキュリティ強化に伴う賃借料ならびに広告宣伝費等が増加しました。他にも、国際会計基準(IFRS)第16号「リース」におけるリースに関する会計処理の改訂に伴い、当社の会計処理を変更した結果、減価償却費等が増加したことで、前連結会計年度と比較し、販売費及び一般管理費は3.9%増となりました。しかしながら、業務効率化の推進及び新型コロナウィルスの感染拡大に伴う販促活動や移動の自粛に努めたこと等により、広告宣伝費や旅費交通費等が抑制され、予算を下回る着地となっております。

 この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

a.財政状態

 当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末と比べ282,840千円減少し、3,813,717千円となりました。

 当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べ68,735千円減少し、710,420千円となりました。

 当連結会計年度末の資本は、前連結会計年度末に比べ214,104千円減少し、3,103,297千円となりました。

 

b.経営成績

 当連結会計年度の経営成績は、売上収益2,528,351千円(前期比11.6%減)、営業利益320,802千円(同43.1%減)、税引前利益319,445千円(同43.3%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益223,182千円(同43.6%減)となりました。

 なお、当社グループはミステリーショッピングリサーチ事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて282,580千円減少し、532,112千円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれら要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動による収入は、241,010千円(前期比170,171千円減)となりました。これは、税引前利益319,445千円、減価償却費及び償却費の計上65,496千円、営業債権及びその他の債権の減少額75,529千円、営業債務及びその他の債務の減少額34,424千円、法人所得税の支払額176,563千円等によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動による支出は、50,312千円(前期比24,119千円減)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出9,515千円、無形資産の取得による支出40,819千円等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動による支出は、473,045千円(前期比323,422千円増)となりました。これは、自己株式の取得による支出399,964千円、配当金支払による支出84,217千円、長期借入金の返済による支出54,207千円、短期借入金の純増額50,000千円、株式の発行による収入50,370千円等によるものであります。

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当社グループでは、販売実績のほとんどが生産実績であることから、記載を省略しております。

 

b.受注実績

 当連結会計年度の受注実績をセグメントで示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2019年4月1日

至 2020年2月29日)

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

ミステリーショッピングリサーチ事業

2,383,667

75.3

1,000,339

74.5

合計

2,383,667

75.3

1,000,339

74.5

 (注)1.当社グループの事業は、ミステリーショッピングリサーチ事業の単一セグメントであります。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.IFRSに基づく金額を記載しており、千円未満は四捨五入して記載しております。

4.受注残高には、翌連結会計年度に売上収益となる見込みの金額を記載しております。

5.子会社においては、受注から納品までの期間が短いため、上記金額に含めておりません。

 

c.販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントで示すと、次のとおりであります。

(単位:千円)

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2019年4月1日

至 2020年2月29日)

前年同期比(%)

ミステリーショッピングリサーチ事業

2,528,351

88.4

合計

2,528,351

88.4

 (注)1.当社グループの事業は、ミステリーショッピングリサーチ事業の単一セグメントであります。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.IFRSに基づく金額を記載しており、千円未満は四捨五入して記載しております。

4.主要な販売先については、いずれも100分の10未満であるため、記載を省略しております。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、国際会計基準審議会によって公表されたIFRSに基づき作成しております。重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」に記載しております。

 連結財務諸表の作成においては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告数値に影響を与える見積りが必要であります。経営者はこれらの見積りについて過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.財政状態の分析

(資産合計)

 当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末と比べ282,480千円減少し、3,813,717千円となりました。

 流動資産は、前連結会計年度末に比べ348,281千円減少し、1,346,900千円となりました。これは現金及び現金同等物が282,580千円、営業債権及びその他の債権が75,504千円減少したこと等によるものであります。

 非流動資産は、前連結会計年度末に比べ65,441千円増加し、2,466,817千円となりました。これはその他の無形資産が24,712千円、IFRS第16号「リース」の適用により使用権資産が44,514千円増加したこと等によるものであります。

(負債合計)

 当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べ68,735千円減少し、710,420千円となりました。

 流動負債は、前連結会計年度末に比べ57,701千円減少し、687,709千円となりました。これは営業債務及びその他の債務34,695千円、未払法人所得税等が75,707千円減少、借入金が12,429千円、IFRS第16号「リース」の適用によりリース負債が38,987千円増加したこと等によるものであります。

 非流動負債は、前連結会計年度末に比べ11,035千円減少し、22,711千円となりました。これは非流動負債の借入金16,636千円の減少等によるものであります。

(資本合計)

 当連結会計年度末における資本は、前連結会計年度末に比べ214,104千円減少し、3,103,297千円となりました。

 これは自己株式の消却等による資本剰余金の減少375,852千円、配当金支払による利益剰余金の減少84,217千円、当期利益の計上220,501千円、資本金の増加25,185千円等によるものであります。

 

b.経営成績の分析

(売上収益)

 MSRは、前連結会計年度と比較し、国内の調査数で8.5%減、国内の売上収益で13.6%減となりました。しかしながら、業績予想の前提となっている予算(国内のものを指す。以下同様。)との兼ね合いにおいては、調査数が想定を下回ったものの、調査単価は想定を上回ったことで、売上収益は概ね予算通りの着地となりました。

 また、MSRの活用を総合的にサポートするためのコンサルティング・研修(以下、コンサルという。)は、前連結会計年度と比較し、国内の売上収益で1.7%増となりました。中でも、サービス業に特化した従業員満足度調査であるサービスチーム力診断(以下、STARという。)は、調査店舗数が大幅に増加するとともに、収益化が伸展したことで、国内の売上収益で39.5%増となりました。しかしながら、受注リードタイムの遅れにより当期受注が想定を下回ったこと、新型コロナウィルスの感染拡大に伴う集まりや外出の自粛要請等によりコンサル・研修や一部の調査が中止となったことで、売上収益は予算を下回る着地となりました。

 この結果、当連結会計年度の売上収益は、2,528,351千円(前期比11.6%減)となりました。

(売上原価、売上総利益)

 売上原価については、1,505,613千円(前期比6.3%減)となりました。これは、2019年5月22日付け「決算期(事業年度の末日)の変更及び定款の一部変更並びに決算期変更に伴う業績予想の修正及び中期経営計画の数値計画の修正に関するお知らせ」にて開示の通り、決算期変更の経過期間となった当連結会計年度が2019年4月1日から2020年2月29日までの11ヶ月間となったことにより、モニターに対する謝礼原価やレポートチェックの外注委託費が減少したためであります。

 この結果、売上総利益は1,022,738千円(前期比18.3%減)となりました。

(販売費及び一般管理費、営業損益)

 販売費及び一般管理費については、707,403千円(前期比3.9%増)となりました。これは、中期経営計画(2019年5月9日開示)に基づくSTAR等の商品力強化やシステムセキュリティ強化に伴う賃借料ならびに広告宣伝費等が増加したためであります。他にも、国際会計基準(IFRS)第16号「リース」におけるリースに関する会計処理の改訂に伴い、当社の会計処理を変更した結果、減価償却費等が増加したためであります。

 しかしながら、業務効率化の推進及び新型コロナウィルスの感染拡大に伴う販促活動や移動の自粛に努めたこと等により、広告宣伝費や旅費交通費等が抑制され、予算を下回る着地となっております。

 その他の収益は10,918千円、その他の費用は5,451千円発生しており、この結果、営業利益は320,802千円(前期比43.1%減)となりました。

(親会社の所有者に帰属する当期利益)

 金融収益は59千円、金融費用は1,416千円発生しており、法人所得税費用98,943千円等を差し引いた結果、親会社の所有者に帰属する当期利益は223,182千円(前期比43.6%減)となり、親会社の所有者に帰属する当期利益において業績予想を達成する結果となりました。

 

c.キャッシュ・フローの分析

 当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

 当社グループはキャッシュ・フローを重視した財務戦略を進めており、設備投資資金についても投資効率性などを分析したうえで、原則として営業活動から得た収入を充当していく方針であります。

 なお、キャッシュ・フロー指標のトレンドは以下のとおりであります。

 

前連結会計年度

当連結会計年度

親会社所有者帰属持分比率(%)

81.5

82.0

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)

0.2

0.3

インタレスト・カバレッジ・レシオ

611.0

168.5

(注)親会社所有者帰属持分比率:(親会社の所有者に帰属する持分)÷(総資産)

  キャッシュ・フロー対有利子負債比率:(有利子負債)÷(営業キャッシュ・フロー)

  インタレスト・カバレッジ・レシオ:(営業キャッシュ・フロー)÷(利払い)

 1.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。

 2.有利子負債は、連結財政状態計算書に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としております。

 3.営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。

 4.利払いは、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。

 

(3) 経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報

 IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項は、以下のとおりであります。

(のれんの償却に関する事項)

 日本基準において、のれんの償却についてはその効果の及ぶ期間を見積り、その期間で償却することとしておりましたが、IFRSではIFRS移行日以降の償却を停止しております。この結果、IFRSでは日本基準に比べ、当連結会計年度の連結包括利益計算書の「販売費及び一般管理費」が127,410千円減少しております。

 

(4) 経営成績等に重要な影響を与える要因について

 当社グループは、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、事業環境、事業内容、事業体制、同業他社等、様々なリスク要因が経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。そのため、当社グループは常に市場動向及び業界動向に注視しつつ、コンサル、生産管理、システム開発、統計解析業務に携わる人材ならびに経営管理業務に携わる人材を確保・育成し、事業体制の強化はもとより管理体制の整備を進め、社会及び顧客のニーズに合ったサービスを展開していくことにより、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因に適切な対応を図ってまいります。