3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境に改善傾向が続く中、景気は緩やかな回復基調が続いておりましたが、長引く米中貿易摩擦、英国のEU離脱など海外経済の影響に加え、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により、情勢は大きく変化し、国内外経済への影響や金融資本市場の変動等の懸念から、先行き不透明な状況となっております。

 当社グループが主にサービスを提供する情報産業分野においては、投資拡大が期待されるIoTサービス、ビッグデータやAIなど新たな技術活用、またそれに伴い巧妙化するサイバー攻撃に対応するセキュリティサービスなど、活発に広がりをみせており、これら企業の需要に対応する質の高いITエンジニアの採用・育成の重要性が増しております。

 このような環境の下、当社グループは積極的な人材の採用及び良質なエンジニアの育成によるサービスの価値向上に取り組むとともに、「みどりクラウド」による農業IT分野でのシェア拡大に注力してまいりました。一方、今後の企業の投資動向につきましては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響によるIT投資計画の見直し・抑制などについて十分に注視していく必要があります。

 

(a)財政状態

 当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末と比べ1,971,644千円増加7,342,372千円となりました。

 当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ1,353,605千円増加3,912,641千円となりました。

 当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ618,039千円増加3,429,730千円となりました。

 

(b)経営成績

 当連結会計年度の業績について、当社グループの売上高は13,771,620千円(前連結会計年度比20.7%増)、営業利益は1,134,471千円(前連結会計年度比55.9%増)、経常利益は1,165,242千円(前連結会計年度比58.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益654,002千円(前連結会計年度比48.3%増)となりました。

 

 事業分野別のセグメント概況は、次のとおりであります。

 

(システムインテグレーション事業)

 システムインテグレーション事業においては、既存技術領域でのIT技術支援を推進し、長期安定的な分野であるITインフラ・クラウドテクノロジーや、デジタルクリエイティブ・WEB運営、WEBシステム開発などのサービスを提供しております。

 当連結会計年度においては、「クラウド運用」「プロジェクトマネジメント」「デジタル・マーケティング」等の成長領域における人材拡充に取り組んでまいりました。下半期より、新型コロナウイルスに伴う市況悪化の影響により企業の新規ICT投資に大幅な縮小が生じたものの、当事業の大部分を占めている運用案件においては顕著なマイナス影響を受けることなく推移することができました。

 また、新規案件の減少を補うべく、新規人材採用を抑制するとともに「公共案件の獲得」や「テレワーク導入支援サービスの販売」、「新卒人材の早期戦力化」に取り組みました。

 これらの結果、当セグメントの売上高は10,914,039千円(前連結会計年度比9.9%増)、セグメント利益は1,021,026千円(前連結会計年度比29.1%増)となりました。

 

(デジタルトランスフォーメーション事業)

 デジタルトランスフォーメーション事業においては、企業の情報資産を保護するサイバーセキュリティ、IoTやAI、データサイエンスを用いた課題解決、データの可視化やRPAによる業務の効率化、ITの活用で儲かる農業を実現する「みどりクラウド」といった、先端技術を用いたサービス提供を行っております。

 当連結会計年度においては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により、データサイエンス分野においては案件の発生が低調ではありましたが、その他の分野については概ね計画通り推移をすることができました。中でもSalesforceの定着支援事業においては、新たに取り組んだマーケティング施策が新規顧客の獲得に大きく貢献しております。

 また、システムインテグレーション事業に従事している技術者がSalesforceの技術を習得することにより、技術者のDXシフト及び付加価値の高いサービス提供を実現しております。

 農業向けサービスにおいては、「みどりクラウド」「ファームクラウド」をカスタマイズして提供を行い、生産者の課題の解決に活用いただくソリューション案件の受注が堅調に推移しております。

 「みどりマーケット」においては、その実現に向けて、青果流通関係企業とのアライアンスの推進を図ってまいりました。

 これらの結果、当セグメントの売上高は2,421,604千円(前連結会計年度比98.1%増)、セグメント利益は160,152千円(前連結会計年度はセグメント利益1,046千円)となりました。

 

(機械設計エンジニアリング事業)

 機械設計エンジニアリング事業においては、連結子会社である株式会社ピーズエンジニアリングでの3DCAD分野の技術提供、機械・金型などの受託設計サービス、実験や性能検査などの品質管理に関わる技術を提供しております。

 当連結会計年度においては、新型コロナウイルスに伴う市況の悪化により案件の減少はあったものの、新たな活況分野(通信建設、工作機械/ロボット)へのアプローチを追加し、実践型社内プロジェクトにて実務経験を付け、サービスの提供に取り組んでまいりました。

 これらの結果、当セグメントの売上高は435,928千円(前連結会計年度比78.2%増)、セグメント損失は32,780千円(前連結会計年度はセグメント損失36,878千円)となりました。

 

(その他事業)

 その他事業においては、連結子会社である株式会社セラクECAでの有料職業紹介・人材派遣・IT技術教育講座等のサービスを提供しております。

 当連結会計年度においては、流動性の高いIT人材市場において、高度IT技術者を多様な人材ニーズとマッチングさせることや、他業種も含めた幅広い分野の教育型人材サービスを提供すべく、求職者へのきめ細やかな対応と求人企業の新規開拓に取り組んでまいりました。2020年4月以降、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う緊急事態宣言の発出、その対象地域拡大・期間延長により、顧客企業の採用需要減少や採用活動の中断、延期などが生じました。

 これらの結果、当セグメントの売上高は27,920千円(前連結会計年度比110.7%増)、セグメント損失は13,926千円(前連結会計年度はセグメント損失25,873千円)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、資金という)の残高は、4,282,653千円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は、995,530千円(前連結会計年度は655,055千円の収入)となりました。

 主な要因は、法人税等の支払額419,133千円、売上債権の増加額229,556千円等の資金の減少要因があったものの、税金等調整前当期純利益1,063,220千円、投資有価証券評価損88,429千円、減価償却費25,381千円、減損損失13,825千円を計上したこと、未払消費税等の増加額240,585千円、未払金の増加額116,946千円、賞与引当金の増加額92,344千円、退職給付に係る負債の増加額20,795千円、仕入債務の増加額17,574千円等の資金の増加要因が生じたこと等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は、160,453千円(前連結会計年度は255,969千円の使用)となりました。

 主な要因は、有形固定資産の取得による支出63,700千円、敷金及び保証金の差入による支出55,602千円、保険積立金の積立による支出54,538千円等の資金の減少要因が生じたこと等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果得られた資金は、724,561千円(前連結会計年度は57,001千円の収入)となりました。

 主な要因は、長期借入金の返済による支出136,215千円、配当金の支払額41,413千円等の資金の減少要因が生じたものの、長期借入れによる収入900,000千円等の増加要因が生じたこと等によるものであります。

③ 生産、受注及び販売の状況

(a)生産実績

 当社グループは受注生産を一部行っておりますが、事業内容が多岐にわたっており、受注生産の重要性が乏しいことから、記載を省略しております。

 

(b)受注実績

 当社グループは受注開発を一部行っておりますが、事業内容が多岐にわたっており、受注開発の重要性が乏しいことから、記載を省略しております。

 

(c)販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2019年9月1日

至 2020年8月31日)

前連結会計年度比(%)

システムインテグレーション事業(千円)

10,914,039

109.9

デジタルトランスフォーメーション事業(千円)

2,421,604

198.1

機械設計エンジニアリング事業(千円)

435,928

178.2

その他事業(千円)

27,920

210.7

調整額(千円)

△27,871

合計

13,771,620

120.7

(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、その割合が100分の10以上に該当する相手先がないため記載を省略しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたり必要となる見積りに関しては、過去の実績等を勘案し合理的と判断される基準に基づいて行っております。なお、連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況、1連結財務諸表等、(1) 連結財務諸表、注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。

また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による会計上の見積りへの影響については、「第5 経理の状況、1連結財務諸表等、(1) 連結財務諸表、注記事項(追加情報)」に記載しております。

 

② 財政状態の分析

(a)資産

 当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末と比べ1,971,644千円増加7,342,372千円となりました。これは主に、新型コロナウイルス感染症の感染拡大とその長期化に対する備えとして、手許資金を厚く保持し、財務基盤の安定性をより一層高めることを目的に、資金の借入を実施した結果、現金及び預金が1,557,082千円、受取手形及び売掛金が229,556千円増加したことなどによるものであります。

 

(b)負債

 当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ1,353,605千円増加3,912,641千円となりました。これは主に、長期借入金が793,340千円、未払消費税等が240,585千円、未払金が117,755千円、未払法人税等が102,094千円、賞与引当金が92,344千円増加したことなどによるものであります。

 

 

(c)純資産

 当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ618,039千円増加3,429,730千円となりました。これは主に、利益剰余金が609,948千円増加したことによるものであります。

 

③ 経営成績の分析

(a)売上高

 売上高については13,771,620千円(前連結会計年度比20.7%増)となりました。これは主に、引き続き堅調な市況感での技術者並びに受注案件の増加によるものであります。

 

(b)売上原価

 売上原価については10,486,525千円(前連結会計年度比19.3%増)となりました。これは主に、売上高の増加によるものであります。

 この結果、売上総利益は3,285,095千円(前連結会計年度比25.5%増)となりました。

 

(c)販売費及び一般管理費

 販売費及び一般管理費については2,150,623千円(前連結会計年度比13.8%増)となりました。これは主に、販売費や人件費の増加によるものであります。

 この結果、販売費及び一般管理費は増加した一方、採用効率化やキャリア支援が一定の成果を上げたため、営業利益は1,134,471千円(前連結会計年度比55.9%増)となりました。

 

(d)営業外損益

 営業外損益については、営業外収益が34,572千円(前連結会計年度比227.8%増)、営業外費用が3,801千円(前連結会計年度比339.0%増)となりました。

 この結果、経常利益は1,165,242千円(前連結会計年度比58.0%増)となりました。

 

(e)特別損益

 特別損益については、特別損失が102,254千円となりました。これは主に、当連結会計年度においては投資有価証券評価損88,429千円、減損損失13,825千円が発生したことによるものであります。

 この結果、税金等調整前当期純利益は1,063,220千円(前連結会計年度比52.0%増)となりました。

 

(f)親会社株主に帰属する当期純利益

 法人税等合計は、法人税、住民税及び事業税を516,132千円、法人税等調整額を△106,913千円計上し409,218千円となりました。

 この結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は654,002千円(前連結会計年度比48.3%増)となりました。

 

④ キャッシュ・フローの状況の分析

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、資金という)の残高は、4,282,653千円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は、995,530千円(前連結会計年度は655,055千円の収入)となりました。

 主な要因は、法人税等の支払額419,133千円、売上債権の増加額229,556千円等の資金の減少要因があったものの、税金等調整前当期純利益1,063,220千円、投資有価証券評価損88,429千円、減価償却費25,381千円、減損損失13,825千円を計上したこと、未払消費税等の増加額240,585千円、未払金の増加額116,946千円、賞与引当金の増加額92,344千円、退職給付に係る負債の増加額20,795千円、仕入債務の増加額17,574千円等の資金の増加要因が生じたこと等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は、160,453千円(前連結会計年度は255,969千円の使用)となりました。

 主な要因は、有形固定資産の取得による支出63,700千円、敷金及び保証金の差入による支出55,602千円、保険積立金の積立による支出54,538千円等の資金の減少要因が生じたこと等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果得られた資金は、724,561千円(前連結会計年度は57,001千円の収入)となりました。

 主な要因は、長期借入金の返済による支出136,215千円、配当金の支払額41,413千円等の資金の減少要因が生じたものの、長期借入れによる収入900,000千円等の増加要因が生じたこと等によるものであります。

 

⑤ 資本の財源及び資金の流動性

 当社グループは、今後も更なる収益基盤の安定化及び持続的な成長を図るためには、収益源の多様化を実現する必要があると考えており、自社による新規事業の創出及び拡大のみならず、業務提携、M&A等の新たな事業・サービスへの提携・投資を積極的に取り組んでいく方針であります。当社グループの運転資金需要のうち主なものは、当社グループのサービスを効果的に拡大していくための採用費、開発に係る人件費及び研究開発費であります。投資を目的とした資金需要は、主にM&A及び設備投資等によるものであります。これらの資金需要は自己資金により充当することを基本的な方針としておりますが、多額なM&A等の戦略的投資については、必要に応じて金融機関からの借入を実施いたします。

 

⑥ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループが参入している業界において、技術革新のスピードが速く、常に最先端に向けた研究開発や成長のための投資を積極的かつ継続的に行う必要があるため、事業の収益力を示す売上高経常利益率を中長期的な経営指標として重視しております。

 

⑦ 経営者の問題認識と今後の方針

 経営者の問題認識と今後の方針につきましては、「第2 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。