3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当社グループは、メディア事業とストア事業の2種のセグメントを軸にビジネス展開しております。
  当連結会計年度における当社グループを取りまく経営環境におきまして、当社メディア事業の主たる事業内容であるインターネット広告市場は、他の媒体が伸び悩むなか拡大を続けております(注1)。一方、ストア事業の主たる商材に影響のあるスマートフォン端末につきましては、買い替えサイクルの長期化等の理由により国内出荷台数が前年を下回る(注2)なか、スマートフォンアクセサリー販売につきましても、厳しい市場環境になっております。
  このような環境下、当社は「既存事業分野での成長と深耕」をテーマに収益の回復に努めてまいりました。メディア事業においては、新規開発費用を含む製造費用の抑制、ストア事業においては、取扱商材の拡充を行うとともに予算管理の徹底による販売費及び一般管理費の圧縮等に努めました。

当連結会計年度における業績は、売上高1,323,302千円(前年同期比7.0%減)、営業損失55,768千円(前年同期は営業損失213,771千円)、経常損失56,434千円(前年同期は経常損失216,315千円)、親会社株主に帰属する当期純損失70,659千円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失250,034千円)となりました。

 

(注1) 出所:経済産業省「特定サービス産業動態統計調査」(2019年11月確報版)

(注2) 出所:一般社団法人電子情報技術産業協会「2019年11月携帯電話国内出荷実績」

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

各セグメントの経営成績数値にはセグメント間の内部取引高を含んでおります。

 

(メディア事業)

メディア事業におきましては、サイト運営、スマートフォンアプリの開発・運営、インターネット動画配信、アドネットワーク運営及びこれらと連動する広告枠販売等のビジネスを行っております。
  サイト運営では、中核メディアサイト「AppBank.net」、攻略サイト「パズドラ究極攻略」、「モンスト攻略」等を提供しております。
  動画配信の分野では、「YouTube」及び「niconico」を通じて動画コンテンツの提供・公開を行っており、うちYouTubeでは、チャンネル登録者154万人の「マックスむらいチャンネル」等を提供・公開しております。
  営業面では、アドネットワーク分野の広告が前年度比で広告単価の上昇もあり堅調に推移しましたが、純広告、動画広告は、営業体制の構築の遅れ、コンテンツ制作においてトレンド追随ができなかったなどの影響により売上高は前年を下回る結果となりました。
  利益面では、新規事業の開発費用を含む製造原価の抑制や販売費及び一般管理費の圧縮等を進めたことで、営業損失は大幅に縮小いたしました。
 

以上の結果、当連結会計年度におけるセグメント合計では、売上高405,969千円(前年同期比26.2%減)、セグメント損失69,839千円(前年同期はセグメント損失188,274千円)となりました。

 

 

(ストア事業)

ストア事業におきましては、「AppBank Store」のEコマースサイト及び店舗においてスマートフォンアクセサリーをはじめとするグッズの販売を行うとともに、スマートフォンユーザーのライフスタイルをより豊かにするために、iPhone修理等のサービスを展開しております。また、ゴルフに特化した新感覚メディア「ringolf」に関するグッズ販売やイベント運営を行っております。「ringolf」のYouTubeにおけるチャンネル登録者数は2019年12月末時点で14万人に達するとともに、視聴者参加型ゴルフコンペ「ringolfオープン」には、毎回多数の方々が参加しています
  営業面では、消費税増税に伴うかけ込み需要と震災対策用のモバイルバッテリー等の通電系アイテムに需要が発生したことなどもあり、ストア事業全体の売上高は想定を上回る着地となりました。「AppBank Store」のEコマースサイトでは、携帯電話の機種に依存しない顧客ニーズに合った幅広い商品の提供による需要喚起を行ったことや、モール店での顧客の流入増もあり販売は好調に推移いたしました。
  利益面では、厳密な原価管理を行うとともに販売費及び一般管理費の抑制に努めた結果、売上総利益率の拡大につながり、セグメント利益は2015年12月期以来、4期ぶりの黒字を達成いたしました。
 

以上の結果、当連結会計年度におけるセグメント合計では、売上高は939,278千円(前年同期比4.8%増)、セグメント利益は12,271千円(前年同期はセグメント損失27,696千円)となりました。

 

 

 当社グループの当連結会計年度末における財政状態は、以下のとおりであります。

当連結会計年度末における総資産は1,081,128千円となり、前連結会計年度末に比べ116,089千円減少いたしました。これは主に、「現金及び預金」が95,465千円減少、「商品」が11,063千円減少、「売掛金」が10,806千円減少したためであります。

当連結会計年度末における負債は380,458千円となり、前連結会計年度末に比べ130,492千円減少いたしました。これは主に、「買掛金」が24,053千円増加した一方で「長期借入金」が159,972千円減少したためであります。

当連結会計年度末における純資産は700,670千円となり、前連結会計年度末に比べ14,402千円増加いたしました。これは主に、「資本金」が43,999千円増加、「資本剰余金」が44,125千円増加、となった一方で「親会社株主に帰属する当期純損失」が70,659千円となったためであります。

 

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末から95,465千円減少し、859,401千円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において営業活動の結果獲得した資金は850千円(前年同期は170,046千円の支出)となり、2015年12月期以来、4期ぶりのプラスとなりました。主な要因は、「税金等調整前当期純損失」が72,983千円となった一方で、「仕入債務の増加」24,053千円、「売上債権の減少」10,806千円、「たな卸資産の減少」10,797千円等が貢献したためです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において投資活動の結果使用した資金は23,420千円(前年同期は103,560千円の収入)となりました。主な要因は、「無形固定資産の取得による支出」13,634千円及び「有形固定資産の取得による支出」6,959千円であります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において財務活動の結果使用した資金は72,895千円(前年同期は156,465千円の収入)となりました。主な要因は、「株式の発行による収入」86,926千円及び「長期借入金の返済による支出」159,972千円であります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

ⅰ 生産実績

当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

 

ⅱ 受注実績

  当社グループで行う事業は、受注生産形態をとらない事業であることから、当該記載を省略しております。

 

ⅲ 仕入実績

当社グループで行う事業のうち、メディア事業の仕入実績については、金額的重要性が乏しいため、当該記載を省略しております。

セグメントの名称

仕入高(千円)

前年同期比(%)

ストア事業

486,523

△ 0.2

 

(注)1.金額は、仕入価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

ⅳ 販売実績

  当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

メディア事業

405,517

△ 25.9

ストア事業

917,784

+ 4.8

 Eコマースサイト

616,618

+ 19.2

 実店舗

301,165

△ 16.1

合   計

1,323,302

△ 7.0

 

(注)1.セグメント間取引については相殺消去しております。

2.Eコマースサイト、実店舗はストア事業の内訳を記載しております。

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

4.当連結会計年度において、販売実績に著しい変動がありました。これは、主にメディア事業の純広告、広告プラットフォーム事業の売上減少によるものです。

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりでありま す。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたり、重要となる会計方針については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。

その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当社グループの当連結会計年度の経営成績は以下のとおりであります。

 売上高は1,323,302千円となり、前連結会計年度に比べて99,928千円の減少となりました。主な要因は、メディア事業における純広告及び広告プラットフォーム事業の売上減少によるものであります。 売上原価は738,100千円となり、前連結会計年度に比べて138,854千円の減少となりました。主な要因は、メディア事業における人件費及び業務委託費等の削減によるものであります。 販売費及び一般管理費は640,969千円となり、前連結会計年度に比べて119,076千円の減少となりました。主な要因は、人件費及び業務委託費等の削減によるものであります。特別損失は16,557千円となりました。主な要因は、メディア事業におけるのれんの減損損失であります。

 上記の結果、営業損失は55,768千円(前連結会計年度は213,771千円)となり、経常損失は56,434千円(前連結会計年度は216,315千円)となりました。親会社株主に帰属する当期純損失は70,659千円(前連結会計年度は250,034千円)となり、前連結会計年度に比べて179,374千円縮小しました。

 

 当連結会計年度のセグメントごとの経営成績の分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」をご覧ください。

 

 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」をご覧ください。

 

③ 当社グループの資本の財源及び資本の流動性

 当社グループの資本の財源については、金融機関からの借入や株式の発行等によって資金調達を行っております。また、当連結会計年度末において、859,401千円の現金及び現金同等物を有しており、将来に対して十分な資本の流動性を確保しております。

 

④ 事業環境と戦略的見通し

 当社の事業を取りまくインターネット広告市場は、拡大を続けるとともに、第5世代移動通信システムの商用サービス開始も予想され、スマートフォンの利便性が向上することで、我々の日常生活に一層浸透していくものと思われます。

 このような事業環境に対応するための具体的な課題及び戦略にかかる見通しにつきましては「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に、また、事業展開上のリスクにつきましては「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」にそれぞれ記載しております。

 

⑤ 継続企業の前提に関する重要事象等を改善するための対応策等

 当社グループは、当連結会計年度におきまして、55,768千円の営業損失を計上しており、2016年12月期から4期連続して親会社株主に帰属する当期純損失となることから、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。

 しかしながら、財務面において、当連結会計年度末において、859,401千円の現金及び現金同等物を有しており、当面の事業資金を確保していること、また、当社グループはこのような事象又は状況を解消・改善するため、以下の対応策を講じることにより、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないものと判断しております。

 

・事業収益の改善

 当連結会計年度におきましては、予算管理の徹底と投資抑制を軸に組織の最適化や、不採算事業からの撤退等を行った結果、4期ぶりに「営業活動によるキャッシュ・フロー」の黒字化を達成することができました。次期につきましては、メディア事業において収益性の高いコンテンツ制作を実施することに加え、ネットワーク広告収益以外のビジネスモデル構築や他企業とのアライアンスを推進することで、ブログ・動画を軸としたメディア企業として業績の立て直しに努めます。

・営業費用の適正化

 コンテンツ制作原価、販売費及び一般管理費については徹底的な予算管理を継続し、効果的・効率的な損益管理を図ります。