4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 

(1)経営成績

(単位:百万円)

 

前事業年度

当事業年度

増減率(%)

受注高

15,360

16,905

+10.1

売上高

14,748

16,580

+12.4

売上総利益

7,723

8,532

+10.5

営業利益

1,976

2,189

+10.8

経常利益

1,947

2,101

+7.9

税引前当期純利益

1,866

2,075

+11.2

当期純利益

1,359

1,613

+18.7

受注残高

6,871

7,196

+4.7

 

 当事業年度においては、前事業年度から繰り越された豊富な受注残高に加え、エンジニアリングコンサルティングの着実な進捗及び、プロダクツサービスにおけるクラウドサービスの順調な成長に支えられ、過去最高の売上高となりました。これは、成長の源泉である人才への投資拡大と積極的な営業投資により、経営指標である総付加価値の7.9%成長(過去10年の実績平均成長率5.9%)を目指す高い計画を掲げて、多くのお客様から評価いただき対価を支払っていただいた成果であります。この結果、所員の総年収増加や営業活動費の増加を売上高の増加で吸収し、利益についても過去最高となりました。

 なお、当事業年度末における受注残高は、前事業年度末を上回る71億96百万円(前事業年度末は68億71百万円)を確保しております。

 

 

当事業年度の報告セグメント別の状況は、次のとおりであります。

(単位:百万円)

 

エンジニアリングコンサルティング

プロダクツサービス

前事業年度

当事業年度

増減率(%)

前事業年度

当事業年度

増減率(%)

受注高

10,315

10,772

+4.4

5,044

6,132

+21.6

売上高

10,141

10,714

+5.7

4,607

5,866

+27.3

売上総利益

5,893

6,273

+6.4

1,829

2,259

+23.5

売上総利益率

58.1%

58.5%

39.7%

38.5%

受注残高

5,212

5,269

+1.1

1,659

1,926

+16.1

 

(エンジニアリングコンサルティング)

 当事業年度においては、前事業年度末から繰り越された案件及び今期獲得した受注案件を着実に遂行したことで、前事業年度を上回る売上高、利益となりました。過去から蓄積された豊富な経験知を活用することで、利益性の高い着実な付加価値向上につながりました。

翌事業年度に向けて受注残高は、前事業年度末と同水準を確保しておりますので、徹底した品質管理により確実に案件を遂行していくとともに、更なる受注獲得に努め、サステナブルな成長を目指してまいります。

 

(プロダクツサービス)

当事業年度においては、クラウドベースメール配信サービス(Twilio SendGrid)、クラウド型入退室管理システム(RemoteLOCK)、屋内デジタル化プラットフォーム(NavVis)の3つのクラウドサービス提供型ビジネスが、前年比150%を超える成長となり、プロダクツサービスの売上増加の約7割を占めています。またこれら3つのビジネスは、主にサブスクリプションビジネスのため、受注残高には含まれておりませんが、今後も安定した売上貢献が見込まれます。一方で、更なる成長を期待して、事業拡大に向けた人才の増強やプラットフォームの追加開発等の積極的な投資も継続しております。

 

当社では高付加価値なサービスを提供し続けるために、より優れた人才が集い、組織として成長していくことが重要だと考えております。当事業年度においては、人才の獲得や定着に向けて、若年層への待遇改善として初任給について月額5万円以上引き上げを実施しました。また、若年層のみでなく所員全員に対してインフレの影響を考慮した実質ベースでの総年収の増加を行いました。このような取り組みもあり、2023年4月に新卒採用43名、当事業年度通年でキャリア採用13名の優秀な人才が新たに参画いたしました。(因みに、同事業年度では、30年以上勤務した「卒業生」7名を含めた同期間の退職者はグループ会社への移籍を除いて29名であります。)

人的資本の有意義な活用という観点では、当社だけでなくグループ会社も含めた働く場の提供を行っております。当事業年度においては、様々な理由により、働く場所や時間等の制約なく自由な働き方を選択したい所員のために、株式会社KKEスマイルサポートを設立し、所員の自己実現の場を拡充しました。加えて、以前よりパートナー企業としてクラウドメール配信サービス等のサポートを担っていた株式会社PARA-SOLが当社の子会社となり、協力関係の更なる強化を進めております。

また、海外パートナー企業への資本参加により、新規ビジネスの創造・発展を加速する取り組みを行っております。当事業年度では建物の入退出管理を取り扱うクラウドサービス「RemoteLOCK」事業の開発元である米国RemoteLock,Inc.に対して97万ドルの追加出資を行いました。また、空間デジタル化ソリューションサービスとして展開している「NavVis」事業の開発元である独 NavVis GmbHに対して300万ユーロの追加出資を行っております。

 

 

当事業年度の生産、受注及び販売の実績は、以下のとおりであります。

 

a.生産実績

 当事業年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(千円)

前年同期比

(%)

エンジニアリングコンサルティング

4,440,382

104.5

プロダクツサービス

3,606,396

129.6

合計

8,046,779

114.4

(注)金額は総製造費用より他勘定振替高を控除した金額によっております。

 

b.受注実績

 当事業年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高

(千円)

前年同期比

(%)

受注残高

(千円)

前年同期比

(%)

エンジニアリングコンサルティング

10,772,591

104.4

5,269,942

101.1

プロダクツサービス

6,132,577

121.6

1,926,433

116.1

合計

16,905,169

110.1

7,196,376

104.7

(注)金額は販売価額によっております。

 

c.販売実績

 当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

エンジニアリングコンサルティング

10,714,706

105.7

プロダクツサービス

5,866,030

127.3

合計

16,580,736

112.4

 

(2)財政状態

(資産)

 流動資産は、前事業年度末に比べて2.9%増加し、69億54百万円となりました。これは、主に売掛金が1億79百万円、前渡金が1億32百万円増加した一方、現金及び預金が1億60百万円減少したことによります。

 固定資産は、前事業年度末に比べて8.5%増加し、113億53百万円となりました。これは、主に投資有価証券が6億80百万円、関係会社株式が2億73百万円増加したことによります。

 その結果、総資産は、前事業年度末に比べて6.3%増加し、183億7百万円となりました。

(負債)

 流動負債は、前事業年度末に比べて4.8%増加し、56億97百万円となりました。これは、主に未払費用が3億16百万円、未払消費税等が2億18百万円増加した一方、未払法人税等が3億12百万円減少したことによります。

 固定負債は、前事業年度末に比べて11.9%減少し、33億8百万円となりました。これは、主に長期借入金が5億15百万円、社債が50百万円減少した一方、退職給付引当金が64百万円増加したことによります。

 その結果、負債合計は、前事業年度末に比べて2.0%減少し、90億6百万円となりました。

(純資産)

 純資産合計は、前事業年度末に比べて15.8%増加し、93億1百万円となりました。これは、主に当期純利益や配当の影響により繰越利益剰余金が9億67百万円増加したことによります。

 

(3)キャッシュ・フロー

 当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べて1億60百万円減少し、23億99百万円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、以下のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は17億97百万円(前事業年度比3億8百万円収入減)となりました。

 これは、主に税引前当期純利益20億75百万円、未払費用の増加額3億16百万円、仕入債務の減少額1億23百万円を反映したものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は8億65百万円(前事業年度比1億64百万円支出増)となりました。

 これは、主に投資有価証券の取得による支出4億48百万円、関係会社株式の取得による支出1億81百万円を反映したものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は10億92百万円(前事業年度比1億28百万円支出増)となりました。

 これは、主に資金の流出では、長期借入金の返済による支出11億53百万円、自己株式の取得による支出9億10百万円、配当金の支払額6億47百万円、資金の流入では、自己株式の処分による収入9億72百万円、長期借入れによる収入7億50百万円を反映したものであります。

 

(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移

 

2021年6月期

2022年6月期

2023年6月期

自己資本比率(%)

46.0

46.6

50.8

時価ベースの自己資本比率(%)

94.2

77.9

97.8

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)

1.8

1.0

0.9

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

68.8

112.4

122.7

 

自己資本比率                       : 自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率           : 株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率 : 有利子負債/キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ  : キャッシュ・フロー/利払い

(注)1.株式時価総額は、自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。

2.キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。

3.有利子負債は、貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としております。

 

(4)資本の財源及び資金の流動性

 当社は、設備投資計画・研究開発計画に基づいて、必要な資金を社債発行及び銀行借入により調達しております。

 社債及び借入金は、設備投資・研究開発投資のための資金と短期的な運転資金の調達を目的としたものであります。短期借入金は、年次・月次の資金計画により調達しておりますが、1年以内の短期間で返済しております。また、長期借入金は固定金利で調達し、金利変動リスクに備えております。

 なお、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は23億99百万円であり、将来の資金需要に対し適正な水準であると認識しております。

 

(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標

 中長期的な成長を実現していく上で、当社が重視する経営指標は、営業利益に人件費と福利厚生費を加えた総付加価値であります。当社の付加価値の源泉が人才であることから、今後もより良い人才を確保し育成していくことこそが、当社を持続的に発展させていくために必要だと考えております。その方針のもと、役員の業績連動型報酬制度については総付加価値を基準に設計を行っております。

 なお、当事業年度における業績連動報酬に係る指標の目標は94億10百万円で、実績は97億40百万円でありました。

 

(6)重要な会計方針及び見積り

 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この財務諸表の作成にあたり、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて判断しております。

 なお、財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 2財務諸表等(1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。