4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

 

当連結会計年度におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症の行動制限が緩和され人流が増加する等、社会経済活動の正常化の兆しが見られたものの、ウクライナ情勢の長期化による経済活動の抑制、世界的なインフレ、円安による景気減速、エネルギー価格やサプライチェーンの混乱等による価格上昇圧力の高まりも継続しており、先行きは依然として不透明な状況が続いております。
 当社グループを取り巻く環境におきましては、コロナ禍から緩やかに回復しているものの、企業間競争の激化に加えて、原材料価格の高騰も継続しております。また、雇用情勢におきましては、経済活動の再開により有効求人倍率も上昇してきており、少子高齢化に伴う労働人口の減少や賃金の上昇を受け、雇用環境は引き続き厳しい状況が続いております。
  このような状況のもと、当社グループは中期経営計画の目標達成に向けて、技術力の強化のためセキュリティロボットを活用した施設警備を開始いたしました。さらに経営基盤の強化のため積極的にM&Aの検討を進め、2月に内装仕上工事業を主力業務としている友和商工株式会社を子会社化いたしました。また、「信頼されるサービスの提供」を目指した経営姿勢のもと、業務品質の向上に取り組むとともに、お客さまのニーズに寄り添った提案型営業を推進し、新規業務の受託や既存先の仕様拡大等に注力してまいりました。
 この結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高は60億2,773万円(前年同期比5.0%増)となり、利益面につきましては、経常利益は1億9,838万円(前年同期比18.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、1億2,793万円(前年同期比22.2%減)となりました。

 

   セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

 

建物総合管理サービス事業

 

建物総合管理サービス事業につきましては、警備部門におきまして、昨年度に受託いたしました大型複合施設の常駐警備業務が順調に運営されたことに加え、既存管理施設の改装工事に伴う臨時警備や丸の内エリアにおける大型イベント警備を受託いたしました。また、工事部門におきましては、オフィスビル全館の空調機等更新工事および大規模複合施設でのシャッター改修工事を順調に受託したことが、業績に大きく寄与いたしました。
 利益面におきましては、既存管理施設の安定運営に努めたことや臨時警備、イベント警備受託時の契約単価交渉、工事案件受託時の仕入価格交渉を積極的に取り組んでまいりました。
 この結果、売上高は50億122万円(前年同期比8.0%増)となり、セグメント利益は5億5,605万円(前年同期比9.0%増)となりました。

 

人材サービス事業

 

人材サービス事業につきましては、新規および既存顧客先への提案を展開することにより、新型コロナウイルスワクチン職域接種運営業務やアミューズメント施設の案内誘導業務およびスポーツイベント運営業務等の臨時案件を多数受託いたしました。また、官公庁における電話交換業務や一般派遣業務の増員が寄与いたしましたが、大型イベントプロモーション運営業務の未受注に加えて、昨年度実施された東京オリンピック・パラリンピック運営関連業務の反動が大きく影響いたいました。
 この結果、売上高は10億2,651万円(前年同期比6.2%減)となり、セグメント利益は3,980万円(前年同期比43.8%減)となりました。

 

 

  ②キャッシュ・フローの状況

 

当連結会計年度における現金及び現金同等物等(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べて2億8,791万円増加し、当連結会計年度末には、12億4,105万円となりました。
  当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。


(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果稼得した資金は2億5,143万円(前連結会計年度は8,281万円の稼得)となりました。
これは主に、売上債権の減少および未払消費税の増加等によるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は1億1,598万円(前連結会計年度は1億3,853万円の使用)となりました。
これは主に、子会社株式の取得による支出等によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果稼得した資金は1億5,246万円(前連結会計年度は1億6,219万円の使用)となりました。これは主に、長期借入による収入等によるものです。

 

 

   ③生産、受注及び販売の状況

 

   a.生産、受注の状況

当社グループは、役務提供を主体としているため、受注生産は行っておりません。このため、生産、受注の記載は行っておりません。

 

  b.販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(千円)

前年同期比(%)

建物総合管理サービス事業

5,001,222

8.0

人材サービス事業

1,026,510

△6.2

合計

6,027,732

5.0

 

(注) 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

 

相手先

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

㈱サンシャインシティ

851,474

14.8

1,017,143

16.9

 

 

 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

  ①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 

(売上高及び売上総利益)
 売上高は、大型複合施設の常駐警備業務が順調に運営されたことや、改修工事等の受託により、60億2,773万円(前年同期比5.0%増)となりました。
 費用面におきましては、原価管理の徹底、不採算案件の見直し等を積極的に推し進めた結果、売上総利益は、11億320万円(前年同期比1.0%増)となりました。

 

(営業損益及び経常損益)
 当連結会計年度の営業利益につきましては、原価同様に販売管理費削減の強化を継続して行ってまいりましたが、労働人口の減少等に伴う賃金の上昇や、M&Aに要した費用等により、1億9,125万円(前年同期比11.8%減)、経常利益につきましても、1億9,838万円(前年同期比18.6%減)となりました。

 

(税金等調整前当期純損益及び親会社株主に帰属する当期純損益)
 当連結会計年度の税金等調整前当期純利益につきましては、特別損益の計上が無かったことから、経常利益と同額、1億9,838万円(前年同期比17.1%減)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、1億2,793万円(前年同期比22.2%減)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 

 当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「(1)経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、事業運営上必要な資金の流動性の向上と資金の源泉を安定的に確保することを基本としております。

当社グループは、円滑な事業活動に必要な流動性の確保と財務の健全性・安定性維持を資金調達の基本方針としており、手元現金は、月商の2カ月から3カ月を適正レベルとして保有しております。

資金調達は主として、金融機関からの長期借入金によっております。取引金融機関とは良好な取引関係を維持しており、資金調達に関しては適切で最良な金利水準を採用しております。

資金需要の主なものは、労働集約型産業であるため人件費とそれに付随する費用であります。

当社グループは、フリーキャッシュ・フロー指標を戦略的投資または、株主還元、有利子負債の返済に配分するなど、有用な指標と考え以下のとおり算出しております。

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

2021年3月

2022年3月

2023年3月

前期比

営業活動によるキャッシュ・フロー

 

193,037

82,811

251,437

168,625

投資活動によるキャッシュ・フロー

 

△34,086

△138,536

△115,988

22,547

フリーキャッシュ・フロー

 

158,951

△55,724

135,448

191,173

 

 

 

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、「第5 経理の状況」に記載のとおりでありますが、特に以下の重要な会計方針が連結財務諸表作成における見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。

 

 (繰延税金資産)

当社グループは、繰延税金資産について、その回収可能性を考慮して、評価性引当額を計上しております。評価性引当額を計上する際には、将来の課税所得を合理的に見積っております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するので、その見積額が減少した場合は繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。

 

(のれんの計上額)

当社グループは、のれんの計上額について、取得原価の配分を暫定的な会計処理に基づき行っております。取得した株式の価額は、事業計画に基づく将来キャッシュ・フローの割引現在価値から算定された株式価値を基礎として決定しているため、株式価値を算定するために用いられた仮定が適切でない場合には、のれんが合理的な金額で計上されない可能性があります。

 

当社グループの経営陣は、連結財務諸表の作成に際し、決算日における資産・負債の報告数値及び偶発債務の開示、並びに報告期間における収入・費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定設定を行わなければなりません。経営陣は、貸倒れ債権、棚卸資産、投資、法人税等、財務活動、退職金、偶発事象や訴訟等に関する見積り及び判断に対して、継続して評価を行っております。経営陣は、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行い、その結果は、他の方法では判定しにくい資産・負債の簿価及び収入・費用の報告数字についての判断の基礎となります。実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

なお、新型コロナウイルス感染症の影響等不確実性が大きく将来事業計画等の見込数値に反映させることが難しい要素もありますが、当連結会計年度末現在において入手可能な情報を基に検証等を行っております。