3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 当社グループは、当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、前連結会計年度との比較分析の記載はしておりません。

 

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態および経営成績の状況

 当連結会計年度(2020年1月1日から2020年12月31日まで)におけるわが国経済は、アジア新興国や資源国等の成長鈍化など不透明感が高まる中で、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大に伴って、全世界的において経済活動が停滞しました。日本経済は、企業収益や雇用環境が改善基調にありましたが、2019年10月からの消費税増税に伴う個人消費の減少や、不安定な国際情勢や金融資本市場等による国内景気への影響に対する懸念、加えて感染拡大に伴う経済活動の停滞長期化等により、依然として先行き不透明な状況にあります。また、家計の金融資産残高は、株高等を背景に過去最高の1,948兆円(2021年3月17日現在。日本銀行『資金循環統計(速報)』)となるとともに、個人株主数(延べ人数)は、6年連続で増加し5,672万人(東京証券取引所『2019年度株式分布状況調査の調査結果』)となりました。

 当社を取り巻く環境におきましては、感染拡大による企業業績の悪化、緊縮財政によって株主優待制度の廃止が目立ち、株主優待制度導入企業数は、10年ぶりに減少に転じ、1,515社となりました(2020年12月末日現在)。

 一方で、情報通信業、インターネット関連サービス等を運営する企業では、好業績を背景に株主優待制度の拡充を行うなど、企業によって対応が分かれました。また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止、及び株主管理分野におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進の観点から、バーチャル株主総会やオンライン決算説明会の実施も進みました。

 また、日本で最大級の共通ポイント事業「ネットマイル」を運営する株式会社ネットマイルを2020年10月1日付で完全子会社化いたしました。これにより、300万人超の会員基盤を活用したプロモーション及び当社の主力事業であるプレミアム優待倶楽部と共同して事業展開することで利用者の満足度を向上し、導入企業の企業価値の貢献に資するものであると考えております。現時点においては株式会社ネットマイルとのサービス連携に向け、当社主力事業である「プレミアム優待倶楽部」及び「IR-navi」の商品力強化、利便性向上、機能改善等を目的に、開発投資に着手しております。当面は、システム開発に注力する方針であります。

 以上の結果、当連結会計年度末の財政状態および経営成績は以下のとおりとなりました。

 

a.財政状態

資産)

 当連結会計年度末における総資産は、2,098,991千円となりました。

 流動資産は、1,473,201千円となりました。この主な内訳は、現金及び預金1,135,797千円、受取手形57,596千円、売掛金225,391千円、貸倒引当金6,237千円であります。

 固定資産は、625,789千円となりました。この主な内訳は、ソフトウエア232,165千円、のれん284,847千円、顧客関連資産32,686千円、投資有価証券20,000千円、敷金及び保証金35,555千円であります。

 

(負債)

 当連結会計年度末における負債は、1,129,213千円となりました。この主な内訳は、買掛金274,560千円、短期借入金100,000千円、1年内返済予定の長期借入金26,136千円、未払金56,798千円、未払法人税等91,825千円、未払消費税等66,642千円、前受金166,268千円、預り金29,401千円、ポイント引当金182,312千円、長期借入金112,098千円であります。

 

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産は、969,777千円となりました。この主な内訳は、資本金209,400千円、資本剰余金208,947千円、利益剰余金550,970千円であります。

 

b.経営成績

 このような状況のもと、当連結会計年度の業績は、売上高2,433,433千円、営業利益399,661千円、経常利益401,447千円、親会社株主に帰属する当期純利益279,556千円となりました。

 報告セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。

(株主管理プラットフォーム事業)

 「プレミアム優待倶楽部」の売上高は、「ポイント制株主優待」と株主の「電子化」(株主の電子メールアドレスを取得して法定書類を電磁的に提供し、また株主専用サイトにおける上場企業と株主との双方向コミュニケーションを実現すること)を組み合わせたサービスであります。

 新型コロナウイルス感染症の拡大により株主優待制度を廃止する企業等がある中で、当社は2019年末より契約社数が15社増加、計58社になりました。また、顧客企業の株主数の増加により、1社当たりのポイント売上高の平均単価が増加いたしました。これらの結果、「プレミアム優待倶楽部」の2020年12月期の売上高は1,535,034千円となりました。

 「IR-navi」の売上高は、上場企業へ提供している機関投資家マーケティングプラットフォームです。2019年末より契約社数が21社増加し、計302社になったこと等により、283,015千円となりました。

 「ESGソリューション」の売上高は、統合報告書やアニュアルレポートなどの投資家とのコミュニケーションツールを企画、制作するサービスです。SDGs、ESGの推進を受けて、統合報告書、アニュアルレポート等の制作ニーズが大きく、売上高が345,261千円となりました。

 「その他」の売上高は、決算説明会の企画及び運営サポートを行うサービスでありますが、新型コロナウイルス感染症の拡大防止、及び株主管理、IR分野におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)推進を目的にバーチャル株主総会、オンライン決算説明会の受注が進んだことにより売上高は32,881千円となりました。

 以上の結果、当連結会計年度の株主管理プラットフォーム事業の売上高は2,196,193千円、セグメント利益は404,151千円となりました。

 

広告事業)

 広告事業は、「ポイント及び自社媒体Web広告」と「Web広告代理店及びアドバタイジングゲーム」によって構成されております。

 「ポイント及び自社媒体 Web広告」の売上高は、ユーザー数 313万人の共通ポイントプログラム「ネットマイル」の運営、及びポイントを利用した自社広告媒体「すぐたま」における Web広告配信を行うサービスで構成されております。このサービスは、2020年4月7日に政府による新型コロナウイルス感染症に係る緊急事態宣言が発出されて以降、企業の広告宣伝・マーケティング費用削減の流れの影響を大きく受けたことにより売上が減少し、売上高は34,094千円となりました。

 一方、「Web広告代理店及びアドバタイジングゲーム」の売上高は、「ポイント・自社媒体広告」で蓄積してきたWebマーケティング及びWeb広告のノウハウを生かし、広告代理店として顧客のWeb広告活動のサポートを行っております。また、顧客のWebサイトに当社が開発したゲームソリューションを導入し、導入先のWeb広告売上の向上やユーザーのロイヤリティ向上等を行っております。このサービスにおいても、広告宣伝・マーケティング費削減の影響は受けましたが、近年急激に市場規模が拡大しているインフルエンサーマーケティングへの取り組みや広告主への営業強化を図ることにより、その影響を最小化することに努めてまいりました。これらの結果、売上高は202,246千円となりました。

 「その他」の受託開発に伴うサービスについての売上高は900千円となりました。

 以上の結果、当連結会計年度の広告事業の売上高は237,240千円、セグメント損失は3,471千円となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、1,135,797千円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動により獲得した資金は、475,693千円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益398,347千円、減価償却費57,571千円、ポイント引当金の減少額25,613千円、売上債権の減少額144,183千円、仕入債務の減少額20,851千円、未払金の減少額24,345千円、前受金の増加額49,633千円、未払消費税等の増加額14,469千円、法人税等の支払額140,481千円があったこと等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動により使用した資金は、190,138千円となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出130,821千円、貸付けによる支出60,000千円があったこと等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動により獲得した資金は、62,191千円となりました。これは主に、短期借入金の増加額100,000千円、長期借入金の返済による支出26,136千円、新株予約権の行使による株式の発行による収入37,511千円、配当金の支払額45,851千円があったこと等によるものであります。

 

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当社グループは生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。

 

b.受注実績

 当社グループは受注活動を行っておりますが、受注実績は販売実績と近似しているため、記載を省略しております。

 

c.販売実績

 当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。

セグメントの名称

当事業年度

(自 2020年1月1日

至 2020年12月31日)

販売額(千円)

前年同期比(%)

株主管理プラットフォーム

2,196,193

広告

237,240

合計

2,433,433

 (注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2.当該販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満の場合は記載を省略しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.財政状態の状況に関する認識及び分析・検討内容

 財政状態の状況に関する認識及び分析・検討内容は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態および経営成績の状況 a.財政状態」に記載のとおりであります。

 

b.経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 経営成績の状況に関する認識及び分析は以下の通りであります。

 

(売上高)

 当連結会計年度における売上高は、2,433,433千円となりました。その主な内訳は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要① 財政状態及び経営成績の状況 b.経営成績」に記載のとおりであります。

 

売上総利益)

 当連結会計年度における売上原価は、1,360,117千円となりました。その主な内訳は、プレミアム優待倶楽部の商品仕入、ESGソリューション制作原価等であります。

 これらの結果、売上総利益は1,073,316千円となりました。

 

販売費及び一般管理費、営業利益

 当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、673,654千円となりました。その主な内訳は、役員報酬119,818千円、給与及び手当270,908千円、法定福利費55,018千円、減価償却費57,571千円等であります

 これらの結果、営業利益は399,661千円となりました。

 

経常利益

 当連結会計年度における営業外収益は、3,075千円となりました。その主な内訳は、受取利息316千円、補助金収益2,184千円、受取家賃317千円等であります。営業外費用は、1,289千円となりました。その主な内訳は、支払利息1,113千円等であります

 これらの結果、経常利益は401,447千円となりました。

 

特別損益

 当連結会計年度における特別利益は計上しておりません。特別損失は、固定資産除却損3,100千円であります。

 

税引前当期純利益

 当連結会計年度における税引前当期純利益は、398,347千円となりました。

 

法人税等

 当連結会計年度における法人税等合計は、118,790千円となりました。

 

親会社株主に帰属する当期純利益

 当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、279,556千円となりました。

 

 また、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

 なお、当社グループの目標とする経営指標の実績値は下表の通りであります。

経営指標

目標値

2020年12月期

目標差異

売上高成長率

20.0%以上

35.7%

15.7ポイント

営業利益率

20.0%以上

16.4%

△3.6ポイント

当社グループは、高い成長性、収益性を達成するために、売上高成長率20.0%、営業利益率20.0%の達成を中期的に目指す経営指標として捉えております。

 

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

a.財政状態の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

b.資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当社グループの運転資金需要のうち主たるものは、「プレミアム優待倶楽部」の優待商品仕入、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資によるものであります。

 当社グループは、事業活動に必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としており、運転資金及び設備投資は、自己資金及び金融機関からの長期借入により調達しております。

 なお、当連結会計年度における借入金の残高は238,234千円となっております。また、当連結会計年度における現金及び現金同等物の残高は1,135,797千円となっております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づいて作成されております。この財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。

 また、新型コロナウイルス感染症の影響等については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載しております。

 当社グループの連結財務諸表の作成において、損益及び資産の状況に影響を与える見積りは、過去の実績やその時点での情報に基づき合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 

 見積り及び判断に影響を及ぼす重要な会計方針としては以下のものがあると考えております。

 

a.貸倒引当金

 貸倒引当金については、債権の貸倒損失に備えるため、一般債権については過年度実績率を基礎とした将来の貸倒予測率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しています。将来、顧客の財政状態が悪化し支払能力が低下した場合には、引当金の追加計上または貸倒損失が発生する可能性があります。

 

b.有形・無形固定資産の評価

 有形・無形固定資産の評価については、減損の兆候の判定基準に基づき検討を行っておりますが、将来の事業計画や経営環境の変化等により減損の兆候が認められ、減損の認識及び測定が必要となった場合、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

c.のれん及び顧客関連資産の評価

 のれん及び顧客関連資産は、その効果の発現する期間を見積り、その期間に基づく定額法により償却しています。また、のれん及び顧客関連資産の評価にあたっては、事業計画に基づく将来キャッシュ・フローや割引率などの見積りや仮定を用いており、将来の事業計画や経営環境の変化等によりこれらの見直しが必要となった場合、減損損失が発生する可能性があります。

 

d.投資有価証券の評価

 時価のない有価証券の評価については、原価法を採用しておりますが、超過収益力の毀損等により実質価額が著しく下落し、投資額の回収が確実と認められない場合には減損処理することとしております。このため、将来の市況影響等により投資先の業績が悪化した場合、減損処理を行う可能性があります。

 

e.繰延税金資産の回収可能性

 繰延税金資産の回収可能性については、繰越欠損金や税務上と会計上の取扱いの違いにより生じる一時差異について、税効果会計を適用し、繰延税金資産及び繰延税金負債を計上しております。繰延税金資産の計上にあたり、業績予想及び一時差異の解消スケジュール等を基にタックス・プランニングを検討して将来の課税所得を推定し、繰延税金資産の回収可能性を判断しております。その結果、実現が困難であると判断される繰延税金資産については、評価性引当額を計上しております。経営者は、当該回収可能性の評価は合理的であると判断しておりますが、将来の業績及び課税時期に関する判断が変動する場合、繰延税金資産の計上金額に影響を及ぼす可能性があります。

 

f.ポイント引当金

 ポイント引当金については、過去の使用実績率に基づき将来使用されると見込まれる金額を計上しております。ポイント引当金の見込み額については、ポイントの引当金の使用実績率などから将来の使用見込率を合理的に見積り判断しておりますが、今後、使用実績率に影響を与える変化が生じた場合には、ポイント引当金の計上金額が変動する可能性があります。

 

g.株主優待引当金

 株主優待引当金については、株主優待制度に伴う支出に備えるため、発生すると見込まれる額を計上しております。株主優待制度に伴う支出は、株主としての継続率及び優待制度の行使率に基づいて将来に発生すると見込まれる額を算定しておりますが、今後の継続率及び行使率が大きく変化した場合には、株主優待引当金の計上金額が多額に変動する可能性があります。