3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態及び経営成績の状況

 当事業年度におけるわが国経済は、貿易摩擦等の影響により、製造業を中心に景況感は悪化したものの、企業のIT投資は増加基調となりました。人手不足を背景とした好調な雇用及び所得環境を背景に底堅く推移いたしました。また、家計の金融資産残高は、過去最高の1,864兆円(2019年9月末。日本銀行『資金循環統計(2019年6-9月期(速報))』)となるとともに、個人株主数(延べ人数)は、5年連続で増加し5,473万人(東京証券取引所『2018年度株式分布状況調査の調査結果』)となりました。

 当社を取り巻く環境におきましては、自社PRのニーズ等を背景に、2019年12月末現在、株主優待制度を導入する企業が過去最多の1,533社(大和インベスター・リレーションズ株式会社調べ)と引き続き増加しております。日本版スチュワードシップ・コード、コーポレートガバナンス・コードに加え、2018年1月から施行されたMiFID2の影響も相まって、株主・投資家と上場企業との対話がより一層促進されました(一般社団法人日本IR協議会『IR活動の実態調査』2019年4月)。

 この結果、当事業年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

a.財政状態

(資産)

 当事業年度末における総資産は、1,430,135千円(前事業年度末は827,373千円)となり、602,761千円増加いたしました。

 流動資産は、1,141,644千円(前事業年度末は554,897千円)となり、586,746千円増加いたしました。これは主に、現金及び預金が444,374千円、受取手形が15,977千円、売掛金が128,531千円増加したこと等によるものであります。

 固定資産は、288,490千円(前事業年度末は272,475千円)となり、16,014千円増加いたしました。これは主に、ソフトウエアが45,003千円増加したこと、のれんが6,633千円、顧客関連資産が2,436千円、繰延税金資産が13,215千円、保険積立金が10,269千円減少したこと等によるものであります。

 

(負債)

 当事業年度末における負債は、731,148千円(前事業年度末は575,071千円)となり、156,077千円増加いたしました。これは主に、買掛金が84,977千円、未払法人税等が81,116千円、未払消費税等が26,529千円、前受金が51,937千円増加したこと、1年内返済予定の長期借入金が10,702千円、未払金が24,667千円、長期借入金が60,704千円減少したこと等によるものであります。

 

(純資産)

 当事業年度末における純資産は、698,987千円(前事業年度末は252,302千円)となり、446,684千円増加いたしました。これは主に、当期純利益を201,484千円計上したことにより利益剰余金が増加したこと、新株の発行及び新株予約権の行使により資本金及び資本準備金がそれぞれ123,645千円増加したことによるものであります。

 

b.経営成績

 当事業年度の経営成績は、売上高は1,793,163千円(前事業年度比54.4%増)、営業利益は310,891千円(同181.7%増)、経常利益は309,725千円(同187.6%増)、当期純利益は201,484千円(同65.4%増)となりました。

 なお、当社の事業は株主管理プラットフォーム事業の単一セグメントのため、セグメントごとの記載はしておりません。製品・サービス別業績の概要は以下のとおりであります。

 「プレミアム優待倶楽部」は、「ポイント制株主優待」と株主の「電子化」(株主の電子メールアドレスを取得して法定書類を電磁的に提供し、また株主専用サイトにおける上場企業と株主との双方向コミュニケーションを実現すること)を組み合わせたサービスです。2018年末より契約社数が17社増加し、43社になったこと等により堅調に推移いたしました。また、顧客企業の株主数の増加により、1社当たりのポイント売上高の平均単価が増加いたしました。

 これらの結果、「プレミアム優待倶楽部」の当事業年度の売上高は1,225,481千円(同82.4%増)となりました。

 「IR-navi」は、上場企業へ提供している機関投資家マーケティングプラットフォームです。2018年末より契約社数が50社増加し、281社になったこと等により、売上高は260,013千円(同11.7%増)となりました。

 「ESGソリューション」は、統合報告書やアニュアルレポートなどの投資家とのコミュニケーションツールを企画、制作するサービスです。2018年にアレックス・ネット株式会社と吸収合併した影響が通期で寄与したことにより、売上高は286,757千円(同24.1%増)となりました。

 「その他」は、決算説明会の企画及び運営サポートサービスです。このサービスによる売上高は20,910千円(同18.3%減)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

 当事業年度末における現金及び現金同等物は、前事業年度末に比べると、444,374千円増加し、788,050千円となりました。

 当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動によるキャッシュ・フローにより獲得した資金は、358,071千円(前事業年度は153,318千円の獲得)となりました。主な増加の要因は、税引前当期純利益304,525千円、減価償却費39,096千円、のれん償却額6,633千円、支払手数料3,783千円、固定資産除却損5,200千円、仕入債務の増加額84,977千円があったこと等によるものであります。一方、減少の要因として、売上債権の増加額144,923千円があったこと等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動によるキャッシュ・フローにより流出した資金は、83,706千円(前事業年度は264,447千円の流出)となりました。主な増加の要因として、保険積立金の解約による収入16,722千円があったことによるものであります。一方、主な減少の要因は無形固定資産の取得による支出97,464千円があったこと等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローにより獲得した資金は、170,010千円(前事業年度は170,296千円の獲得)となりました。主な増加の要因として、新株予約権の行使による株式の発行による収入156,880千円、株式の発行による収入88,320千円があったことによるものであります。一方、主な減少の要因として、長期借入金の返済による支出71,406千円があったことによるものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当社は生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。

 

b.受注実績

 当社は受注活動を行っておりますが、受注実績は販売実績と近似しているため、記載を省略しております。

 

c.販売実績

 当事業年度における販売実績は、次のとおりであります。

なお、当社は株主管理プラットフォーム事業の単一セグメントであります。

セグメントの名称

当事業年度

(自 2019年1月1日

至 2019年12月31日)

販売額(千円)

前年同期比(%)

株主管理プラットフォーム

1,793,163

154.4

 (注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2.当事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

当事業年度

(自 2019年1月1日

至 2019年12月31日)

金額(千円)

割合(%)

株式会社夢真ホールディングス

188,900

10.5

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

 当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づいて作成されております。この財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については「第5 経理の状況 1財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載のとおりであります。

 また、財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。

 

 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a 売上高

 当事業年度における売上高は、前事業年度と比べて631,920千円増加し、1,793,163千円(対前期比54.4%増)となりました。その主な内訳は、「第2 事業の状況3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要①経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

b 売上総利益

 当事業年度における売上原価は、366,299千円増加し、957,874千円(同61.9%増)となりました。その主な内訳は、プレミアム優待倶楽部売上高の増加に伴い商品仕入が増加、ESGソリューション売上高の増加に伴い制作原価が増加したこと等によるものであります。

 これらの結果、売上総利益は835,289千円(同46.6%増)となりました。

 

c 販売費及び一般管理費、営業利益

 当事業年度における販売費及び一般管理費は、前事業年度と比べて65,097千円増加し、524,397千円(同14.2%増)となりました。その主な内訳は、人員増加に伴い人件費86,826千円増加、接待交際費6,304千円、研究開発費15,000千円減少したこと等によるものであります。

 これらの結果、営業利益は310,891千円(同181.7%増)となりました。

 

d 経常利益

 当事業年度における営業外収益は、前事業年度と比べて5,706千円増加し、7,646千円(同294.3%増)となりました。その主な内訳は、補助金収益996千円、保険解約返戻金6,157千円増加、賃貸料収入が1,377千円減少したこと等によるものであります。営業外費用は、前事業年度と比べて4,215千円増加し、8,812千円(同91.7%増)となりました。その主な内訳は、上場関連費用6,814千円増加、支払手数料2,380千円減少したこと等によるものであります。

 これらの結果、経常利益は309,725千円(同187.6%増)となりました。

 

e 特別損益

 当事業年度における特別利益は計上しておりません。特別損失は、前事業年度と比べて2,195千円増加し、5,200千円(同73.1%増)となりました。その内訳は、固定資産除却損が5,200千円によるものであります。

 

f 税引前当期純利益

 当事業年度における税引前当期純利益は、304,525千円(同190.8%増)となりました。
 

g 法人税等

 当事業年度における法人税等合計は、103,040千円(前事業年度は△17,115千円)となりました。

 

h 当期純利益

 当事業年度における当期純利益は、201,484千円(対前期比65.4%増)となりました。

 

③ キャッシュ・フローの状況

 当事業年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

④ 資本の財源及び資金の流動性

 当社の運転資金需要のうち主たるものは、「プレミアム優待倶楽部」の優待商品仕入、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資によるものであります。

 当社は、事業活動に必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としており、運転資金及び設備投資は、自己資金及び金融機関からの長期借入により調達しております。

 なお、当事業年度における借入金の残高は164,370千円となっております。また、当事業年度における現金及び現金同等物の残高は788,050千円となっております。

 

⑤ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社は、高い成長性、収益性、及び資本効率を達成するために、売上高成長率20%、営業利益率20%、及びROIC20%の達成を中期的に目指す経営指標として捉えております。

これらの目標に対し、当事業年度の達成状況は次のとおりです。

経営指標

目標値

2019年12月期

目標差異

売上高成長率

20%以上

54.4%

34.4ポイント

営業利益率

20%以上

17.3%

△2.7ポイント

ROIC

20%以上

24.2%

4.2ポイント