3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大による経済活動の低迷により、厳しい状況で推移しました。2020年4月に発出された緊急事態宣言の解除以降、段階的に経済活動の再開の動きがみられたものの、感染の再拡大による影響が顕在化しており、先行きは不透明な状況が続いております。

 当社グループが属する情報サービス業は、新型コロナウイルス感染症の影響により一時的にIT投資を含めた設備投資を控える動きがみられました。特定サービス産業動態統計(経済産業省/2020年11月分)によると情報サービス業の前年同月比の売上高は2018年10月から1年半以上にわたり増加を続けていたものが、2020年5月からは7月を除いて減少に転じております。また、法人企業景気予測調査結果(内閣府・財務省/令和2年10‐12月期調査)によると、2020年度のソフトウェア投資額を含む設備投資額は7.6%の減少見込みとなっており、投資動向に変化が表れております。

 一時的にIT投資を控える動きはあるものの、政府によるデジタル庁設立の流れなど、企業価値や競争力向上のためにはIT投資は不可欠なものであり、中長期的には「DX(デジタル・トランスフォーメーション)」の流れが加速し、IoT、クラウド、RPA(Robotic Process Automation、ロボットによる業務の自動化)等の先端技術を活用したIT投資の需要は堅調に推移すると見込まれます。加えて、ERPソリューションでは代表的なERPパッケージであるSAP ERPの保守サポートが今後終了することに伴う後続製品へのアップグレード需要も追い風となっております。

 このような経営環境の下、当社では、社員及び取引先企業の安全・健康を確保し、顧客への安定したサービス提供を可能にするために、取引先企業と連携して速やかにテレワーク環境の構築を実施いたしました。また、長年に亘るオフショア開発で培ったリモートでの品質管理・プロジェクト管理のノウハウを活かし、リモート環境でも顧客評価を落とすことなく、高い利益率を維持した上での成長を意識して事業活動を展開してまいりました。長年に亘る取引により信頼関係が構築されている既存顧客を中心とした営業活動が功を奏し、製造領域、証券領域でそれぞれ大型案件を獲得し、厳しい環境下でも堅調に売上・利益の拡大を図ることが出来ました。

 中国子会社においては、早期に新型コロナウイルス感染症の影響は落ち着き、中国現地企業及び日系企業に対する受注が堅調に推移し、前期以上の利益を確保できました。

 これらの結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高12,400百万円(前期比27.6%増)、営業利益2,438百万円(同45.2%増)、経常利益2,423百万円(同46.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,743百万円(同53.0%増)となりました。

 なお、当社グループは、ソフトウェア受託開発事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。

 

(資産)

 当連結会計年度末における総資産は、10,286百万円となり、前連結会計年度末より1,231百万円増加しました。

 流動資産は、前連結会計年度末より1,215百万円増加し、8,929百万円となりました。これは主に現金及び預金が1,312百万円増加したことによるものです。

 固定資産は、前連結会計年度末より16百万円増加し、1,357百万円となりました。これは主にのれんが54百万円、投資有価証券が38百万円減少した一方、繰延税金資産が101百万円増加したことによるものであります。

 

(負債)

 当連結会計年度末における負債は、3,384百万円となり、前連結会計年度末より12百万円減少しました。

 流動負債は、前連結会計年度末より435百万円増加し、3,103百万円となりました。これは主に1年内返済予定の長期借入金が207百万円減少した一方、未払費用が302百万円、未払法人税等が195百万円増加したことによるものであります。

 固定負債は、前連結会計年度末より448百万円減少し、281百万円となりました。これは主に長期借入金が398百万円減少したことによるものであります。

 

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産は、6,901百万円となり、前連結会計年度末より1,244百万円増加しました。これは主に利益剰余金が1,209百万円増加したことによるものであります。

 

② キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は7,182百万円となり、前連結会計年度末より1,312百万円増加しました。各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は2,557百万円(前年同期は1,214百万円の獲得)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益の計上2,423百万円の資金増加によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果支出した資金は12百万円(前年同期は4百万円の獲得)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出15百万円の資金減少によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果支出した資金は1,235百万円(前年同期は260百万円の獲得)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出606百万円、配当金の支払額533百万円の資金減少によるものであります。

 

 

③ 生産、受注及び販売の状況

a.生産実績

 当社グループはソフトウェアの受託開発を行っており、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

 

b.受注実績

 当連結会計年度の受注実績は、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

ソフトウェア受託開発

12,820,640

129.9

1,554,193

137.0

合計

12,820,640

129.9

1,554,193

137.0

 (注)1.金額は販売価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

c.販売実績

 当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

ソフトウェア受託開発

12,400,700

127.6

合計

12,400,700

127.6

 (注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2019年1月1日

至 2019年12月31日)

当連結会計年度

(自 2020年1月1日

至 2020年12月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

みずほ証券株式会社

2,075,871

21.4

2,290,594

18.5

富士通株式会社

2,081,127

21.4

2,232,515

18.0

株式会社野村総合研究所

1,513,820

15.6

1,865,238

15.0

日本証券テクノロジー株式会社

30,100

0.3

1,511,488

12.2

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

① 重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者により、一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されています。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っていますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は、これらと異なることがあります。この連結財務諸表を作成するにあたっての重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

 

② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.売上高、売上原価及び売上総利益

 当連結会計年度における売上高は、製造領域、証券領域における大型案件の牽引等により12,400百万円となり、前連結会計年度に比べて2,685百万円、27.6%の増加となりました。

 当連結会計年度における売上原価は、売上拡大に伴う人件費及び外注費の増加等により8,986百万円となり、前連結会計年度に比べて1,880百万円、26.5%の増加となりました。

 この結果、当連結会計年度における売上総利益は3,413百万円となり、前連結会計年度に比べて805百万円、30.9%の増加となりました。

 

b.販売費及び一般管理費、営業利益

 当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、東証一部要件を満たすため、株主数増加を目的とした分売に係る費用の計上等により975百万円となり、前連結会計年度に比べて46百万円、5.0%の増加となりました。

 この結果、当連結会計年度における営業利益は2,438百万円となり、前連結会計年度に比べて759百万円、45.2%の増加となりました。

 

c.営業外損益及び経常利益

 当連結会計年度における営業外収益は、償却債権取立益の計上等により21百万円となり、前連結会計年度に比べて3百万円、22.1%の増加となりました。

 当連結会計年度における営業外費用は、上場関連費用の減少等により36百万円となり、前連結会計年度に比べて5百万円、14.3%の減少となりました。

 この結果、当連結会計年度における経常利益は2,423百万円となり、前連結会計年度に比べて769百万円、46.5%の増加となりました。

 

d.親会社株主に帰属する当期純利益

 当連結会計年度における税効果会計適用後の法人税等負担額は、税金等調整前当期純利益の増加に伴い651百万円となり、前連結会計年度に比べて150百万円、30.1%の増加となりました。また、連結子会社にかかる非支配株主に帰属する当期純利益は29百万円となり、前連結会計年度に比べて14百万円の増加となりました。

 この結果、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は1,743百万円となり、前連結会計年度に比べて603百万円、53.0%の増加となりました。

 

 なお、財政状態の分析については「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」、キャッシュ・フローの分析については「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

 

③ 経営成績に重要な影響を与える要因について

 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

④ 資本の財源及び資金の流動性についての分析

 当社は、運転資金については、当座貸越を利用することにより、手許資金で賄うこととしております。なお、当座貸越枠につきましては、取引銀行4行と契約を締結しており、その限度額は総額2,500百万円であります。