3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態の状況

(資産)

当事業年度末の資産合計は、前事業年度末と比べ593,688千円増加し、1,448,042千円となりました。主な要因は、売上の増加により売掛金が77,989千円増加したことや、公募増資等により現金及び預金が412,925千円増加したこと、自社利用ソフトウエアの開発等により無形固定資産が81,391千円増加したことによるものであります。

(負債)

当事業年度末の負債合計は、前事業年度末と比べ90,396千円減少し、495,128千円となりました。主な要因は、短期借入金が返済により150,000千円減少したことによるものであります。

(純資産)

当事業年度末の純資産合計は、前事業年度末と比べ684,084千円増加し、952,914千円となりました。主な要因は、公募増資により資本金が269,773千円、資本準備金が269,773千円増加したこと、当期純利益が131,025千円計上されたことによるものであります。この結果、自己資本比率は65.8%(前事業年度末は31.5%)となりました。

 

②経営成績の状況

 当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により、依然として厳しい状況にあるなか、持ち直しの動きが続いているものの、一部に弱さが見られています。景気の先行きについては、各種政策の効果や海外経済の改善もあり、回復への動きが継続することが期待されますが、新型コロナウイルス感染症拡大による下振れリスクの高まりに十分注意する必要があり、先行きは不透明です。

 このような状況の中、当社においては新型コロナウイルス感染症対策による電子商取引の需要増から、新規の引き合いが増加し、システム受託開発の受注が増加いたしました。また、既存顧客につきましても店舗へのアクセス数や流通総額が堅調に推移しております。さらに、感染症対策により取引先への訪問件数が減少したことや従業員のリモートワークが定着するなどし、販管費が想定以下で推移いたしました。

その結果、保守売上及び新規開発売上が順調に推移し売上高は2,170,319千円(前年同期比18.6%増)、営業利益は208,550千円(同21.7%増)、経常利益は193,726千円(同19.2%増)、当期純利益は131,025千円(同26.5%増)となりました。

 なお、当社はクラウドコマースプラットフォーム構築事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

 

③キャッシュ・フローの状況

 当事業年度末における現金及び現金同等物は、前事業年度末と比べ412,925千円増加し、686,552千円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度における営業活動によるキャッシュ・フローは179,170千円の収入となりました。これは主

に税引前当期純利益を193,726千円計上したことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度における投資活動によるキャッシュ・フローは127,137千円の支出となりました。これは主にサービス充実を目的とした無形固定資産(自社利用ソフトウエア)の取得による支出111,815千円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度における財務活動によるキャッシュ・フローは360,892千円の収入となりました。これは

主に新株の発行による収入539,546千円によるものであります。

 

④生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当事業年度における生産実績は、次のとおりであります。

売上の計上区分

当事業年度

(自 2020年6月1日

至 2021年5月31日)

金額(千円)

前年同期比(%)

システム受託開発

438,848

130.7

 (注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2.システム運用保守及びその他に関しましては、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。

3.金額は製造原価によっております。

 

b.受注実績

 当事業年度における受注実績は、次のとおりであります。

売上の計上区分

当事業年度

(自 2020年6月1日

至 2021年5月31日)

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

システム受託開発

932,483

126.0

263,901

111.3

 (注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2.システム運用保守及びその他に関しましては、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。

3.受注高の増加理由は開発人員の増加により受注可能額が増加したためであります。

 

c.販売実績

 当事業年度における販売実績を売上の計上区分別に示すと、次のとおりであります。

売上の計上区分

当事業年度

(自 2020年6月1日

至 2021年5月31日)

金額(千円)

前年同期比(%)

システム受託開発

システム運用保守

その他

919,205

1,203,486

47,628

128.7

111.1

145.7

合計

2,170,319

118.6

 (注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

 

①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたって、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額ならびに開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては過去の実績や現状等を勘案し、合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる可能性があります。

 当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しておりますが、見積りに用いた仮定のうち、特に重要なものは以下のとおりであります。

 a.繰延税金資産について

 当社は、将来の課税所得を合理的に見積り、回収可能性を判断したうえで繰延税金資産を計上しております。将来の課税所得に関する予測は、過去の実績等に基づいており、経営環境の変化や税制の変更等によって、課税所得の見積りの変更が必要となる場合には、繰延税金資産の計上額が変動する可能性があります。

 b.ソフトウエアの会計処理について

 当社は、将来の収益獲得又は費用削減の効果につながるソフトウエアを開発する場合に、その開発にかかるコストをソフトウエアとして無形固定資産に計上する場合があります。

 その場合、見込収益獲得期間又は費用削減期間に基づく定額法(5年)により減価償却を実施しております。ただし、当該ソフトウエアの陳腐化や有効性の低下等により、見込んでいた効果が得られないことが明らかになった場合には、費用又は損失を計上する可能性があります。

 c.受注損失引当金について

当社は、システム受託開発案件のソフトウエアに関して、開発原価総額が受注契約金額を超える可能性が高く、かつその金額を合理的に見積ることができる場合には、その超過すると見込まれる額のうち、当該開発案件に関して既に計上された損益の金額を控除した残額を、損失が見込まれた期の損失として計上し、受注損失引当金を計上しております。

 

②経営成績の分析

 a.売上高

当事業年度の売上高は、前事業年度に比べ340,005千円増加し、2,170,319千円(前年同期比18.6%増)となりました。これは主に電子商取引の需要増から新規の引き合いが増加し、システム受託開発の受注が増加したことに伴い、システム受託開発売上が919,205千円(前年同期比28.7%増)となったことによるものであります。

 b.売上原価、売上総利益

当事業年度における売上原価は事業規模拡大に伴い、前事業年度に比べ210,817千円増加し、1,262,420千円(前年同期比20.1%増)となりました。これは主に人件費、外注費、サーバー費用の増加等によるものであります。この結果、売上総利益は前年同期比に比べ129,188千円増加し、907,898千円(前年同期比16.6%増)となりました。

 c.販売費及び一般管理費、営業利益

当事業年度における販売費及び一般管理費は、従業員数増加に伴う人件費、受注活動強化に伴うプリセールス費用(エンジニアの営業同行、見積業務等)、採用強化による採用費の増加等により前事業年度に比べ91,978千円増加し、699,348千円(前年同期比15.1%増)となりました。

この結果、営業利益は前事業年度に比べ37,210千円増加し、208,550千円(前年同期比21.7%増)となりました。

 d.営業外損益、経常利益

当事業年度における営業外収益は、受取保険金を計上したため前事業年度に比べ3,494千円増加し、4,496千円(前年同期比348.9%増)となりました。

当事業年度における営業外費用は、上場関連費用を計上したため前事業年度に比べ9,519千円増加し、19,320千円(前年同期比97.1%増)となりました。

この結果、営業外損益は14,824千円の損失となり、経常利益は193,726千円(前年同期比19.2%増)となりました。

 e.特別損益、当期純利益

当事業年度において特別損益の計上はなく、税引前当期純利益は193,726千円(前年同期比19.2%増)となりました。また、法人税等62,700千円を計上した結果、当期純利益は131,025千円(前年同期比26.5%増)となりました。

 

③財政状態の分析

財政状態の分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 ①財政状態の状況」をご参照ください。

 

④キャッシュ・フローの状況の分析

キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

 

⑤経営成績に重要な影響を与える要因について

経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、様々なリスク要因が当社の経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。

そのため、当社は常に市場動向に留意しつつ、内部管理体制の強化、優秀な人材の確保、市場のニーズにあったサービスの展開等により、当社の経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散・低減し、適切に対応を行ってまいります。

 

⑥資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社の運転資金需要のうち主なものには、人件費、支払手数料、広告宣伝費等があります。運転資金は、主として内部資金及び借入により調達しております。

当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は686,552千円であり、当社の事業を推進していく上で十分な流動性を確保していると考えております。

 

⑦経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社は、システム受託開発の受注金額及び期末店舗数を重要な経営指標と位置付けております。システム受託開発の受注金額の多寡は、後のシステム運用保守につながる重要な要素であり、期末店舗数は「ebisumart」の規模を計る重要な指標として認識しております。当事業年度においては、受注金額が932,483千円、期末店舗数が384店舗と継続して増加した結果、売上高も堅調に推移いたしました。また、クラウドコマースプラットフォーム「ebisumart」の価値を計る指標としてGMV(流通総額)を参考としており、当事業年度末で127,700,886千円と増加しております。当該目標の達成状況に関して一定の評価をしておりますが、今後も株主価値向上のための経営施策を実施してまいります。

区分

システム受託開発の

受注金額

期末店舗数(店)

GMV(千円)

(1店舗あたりGMV)

2017年5月期

436,060

264

38,862,512

(162,605)

2018年5月期

647,610

307

61,427,584

(215,535)

2019年5月期

545,936

346

86,429,496

(265,121)

2020年5月期

739,800

375

110,180,238

(305,631)

2021年5月期

932,483

384

127,700,886

(332,554)

(注)1.GMVには消費税等は含まれておりません。

2.1店舗当たりGMVは、各期のGMV÷期中平均店舗数で算出しております。