4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1)当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

①経営成績等の状況

 当社グループは、2023年3月期経営方針として「環境の変化に即応した成長の実現」を掲げ、「①既存顧客の深耕」「②ビジネスモデルの変革」「③自社IP製品×グローバルビジネスの推進」を成長戦略の柱として業務推進を行いました。

 

1)経営成績

当連結会計年度の経営成績は、以下のとおりとなりました。

(単位:百万円)

 

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

前連結会計年度比(%)

売上高

42,864

6.6

売上総利益

10,755

8.2

営業利益

6,004

10.4

経常利益

7,201

11.4

親会社株主に帰属する

当期純利益

879

△75.4

 

(環境認識)

 当連結会計年度は新型コロナウイルス感染症対策と社会経済活動の平常化が進捗した一方で、ウクライナ問題が長期化し世界的な景気後退懸念の広がる中で、米国の金融機関の破綻が発生する等先行きの不透明感が増すこととなりました。

 

(対応方針・施策と実績)

社会活動や経済活動が平常化に向けて進む中で高収益ビジネスへのシフトをさらに進めた結果、当連結会計年度は前連結会計年度に比べ、売上高が増収、売上総利益、営業利益、経常利益が増益となりました。

売上高は42,864百万円(前連結会計年度比6.6%増)、売上総利益は高収益ビジネスへのシフト等により利益率が24.7%から25.1%へと向上し10,755百万円(同8.2%増)となりました。

営業利益は売上総利益の増益に加え販売費及び一般管理費の抑制により6,004百万円(同10.4%増)、経常利益は為替差益の増加を主因として7,201百万円(同11.4%増)となり、売上総利益も含め過去最高の利益水準となりました。

親会社株主に帰属する当期純利益は海外事業投融資等に関する特別損失(投資有価証券評価損1,517百万円・投資有価証券売却損435百万円・貸倒引当金繰入額2,300百万円等)を計上した結果、879百万円(同75.4%減)となりました。

 

 

(セグメント別)

セグメント別の経営成績は以下のとおりであります。

セグメントの名称

売上高

(百万円)

前連結会計年度比(%)

営業利益

(百万円)

前連結会計年度比

(%)

開発事業

23,701

9.4

4,728

14.3

運用・構築事業

5,804

2.5

1,731

4.9

販売事業

13,359

3.8

1,117

2.0

セグメント調整

△1,573

合計

42,864

6.6

6,004

10.4

(注)1.売上高はセグメント間の取引を相殺消去しております。

2.各セグメントの営業利益には全社費用を含んでおりません。

 

当連結会計年度では、前連結会計年度比で開発事業、運用・構築事業及び販売事業の全事業で増収増益となりました。

開発事業では、当社グループ顧客の主要な業種である金融業及び製造業に対する業務が伸長した結果、増収増益となりました。

運用・構築事業では、情報サービス業や通信業の顧客に対する業務が伸長し増収増益となりました。

販売事業では、海外子会社の機器販売が減少したものの、株式会社AIT及び株式会社SRAでは増加した結果、当事業全体で増収増益となりました。

 

2)財政状態

 上記経営成績の結果、当連結会計年度末の財政状態は下記のとおりとなりました。

(単位:百万円)

 

当連結会計年度末

(2023年3月31日)

前連結会計年度末比(%)

総資産

42,387

5.5

純資産

26,016

2.6

自己資本比率

61.2%

△1.8

 

(総資産)

 総資産は前連結会計年度末比2,211百万円増加しました。

 現金及び預金の増加3,782百万円、長期貸付金の増加2,204百万円、貸倒引当金の増加2,300百万円、投資有価証券の減少1,919百万円が主な変動要因です。

 

(純資産)

 純資産は前連結会計年度末比654百万円増加しました。

 親会社株主に帰属する当期純利益が879百万円であったのに対し配当金支払額が1,604百万円であり利益剰余金が前連結会計年度末比725百万円減少したこと、及びその他有価証券評価差額金の増加1,257百万円が主な変動要因です。

 

(自己資本比率)

 上記の結果として、自己資本比率は61.2%と前連結会計年度末比1.8%低下しました。

 

②2023年3月期経営方針に対する取組み結果

1)経営目標値

2023年3月期の経営目標値に対し、親会社株主に帰属する当期純利益・一株当たり当期純利益は未達であったものの、売上高・売上総利益・営業利益・経常利益は上回る結果となりました。

(単位:百万円)

 

2023年3月期

目標

2023年3月期

実績

売上高

42,500

42,864

売上総利益

10,500

10,755

売上総利益率

24.7%

25.1%

販売費及び一般管理費

5,300

4,751

営業利益

5,200

6,004

経常利益

5,200

7,201

親会社株主に帰属する

当期純利益

3,300

879

1株当たり当期純利益(円)

267.50

71.13

 

2)成長戦略

(ビジネスモデルの変革)

 クラウド型基幹システムの導入コンサルティングサービスに関しましては、2022年4月にOracle Cloud ERPの自社への導入を行うとともに、「Oracle Cloud ERP導入支援サービス」を開始いたしました。当社グループの今後のクラウドインフラビジネスやコンサルティングビジネスの柱のひとつとすることを目指しております。

その一環としてOracle Cloud ERPに関わる技術者養成に向けた資格取得支援のために当連結会計年度にはOracle Universityの受講支援を行いました。

同じく2022年4月には株式会社SRAの組織であった先端技術研究所(“KTL”)を当社の組織として再編いたしました。技術力のシンボルであるKTLを当社グループの統括会社である当社に移行し、グループ全体の技術やビジネスの連携を一層強化することを企図したものです。

 また、当社グループの注力分野であるクラウド関連技術の強化を図るべくAWSの認定資格の取得の奨励・支援を継続しております。

前連結会計年度には認定資格者数が100名を超える企業として「AWS 100 APN Certification Distinction」に認定されており、当連結会計年度にはAWS技術者としての最高位にあたる2022 APN AWS Top Engineersに2名選出されました。

当連結会計年度末ではAWS中級資格であるアソシエート以上の資格者数が125名(前連結会計年度末比30名増)となり、製品・サービスの創出に向けた取組みが加速・進展し今後のビジネス拡大の基盤が更に強化されました。

 

(グローバルビジネスの拡大)

 当社グループでは「成長性の高い東南アジアを中心とした海外市場への展開」を課題の柱のひとつとして掲げております。

 株式会社SRAでは、2020年6月にNALと業務提携契約を締結いたしましたが、更なる関係強化を図るべくNAL株式の36%取得を含む新たな資本・業務提携契約を締結し当連結会計年度に出資を完了しております。

 

3)株主還元方針

 当連結会計年度におきましては、売上総利益・営業利益・経常利益は過去最高水準であり、「配当性向50%を目途に安定的な高配当を目指す」、「ROEは安定的にかつ継続的に10%以上確保を目指す」との方針のもと、前連結会計年度に比べ10円増配し1株当たりの年間配当を140円といたしました。

 

4)その他の取組み

(人材:活力あふれる組織づくり)

 当社グループでは「優位性をもって対応できる人材を育成し、その人材を活かしたグループ経営を推進する」との方針を掲げ活動を行いました。

 株式会社SRAでは事業部単位で目標を設定することで新規技術を扱える技術者の育成を推進することを企図し、クラウド関連の認定資格の取得を強力に推奨・支援することにより技術者層の充実を図りました。

 

(ESGへの取組み)

 当社グループは創業以来、「自らの職業的実践を通じ、コンピュータサイエンスの諸分野を発展させ、それによって人類の未来に貢献する」という経営理念を掲げており、ITでユーザーの満足度を最大化することを通して社会への貢献を果たすべく努力を続けております。

 具体的には、創業以来広く社会に対してオープンソース・ソフトウェアの普及に努めているほか、自社IP製品(P-CON)によるペーパーレス推進提案を通じお客様のESG対応サポートの実施、及び社会インフラの安全性向上に資する技術に関する電力会社との共同開発等を行っております。

 また、当社グループ内での取組みでは、働き方改革の一環としてテレワークや雇用延長への対応を始め、子育て支援制度の改善、多様な働き方に向けた制度の整備を行うなど、勤務環境向上のための施策を進めております。

 

(2)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

①キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容

 当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは5,141百万円、投資活動によるキャッシュ・フローは△315百万円、財務活動によるキャッシュ・フローは△1,313百万円でした。

 その結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は前連結会計年度末に比べ3,683百万円増加し13,586百万円となりました。

 当社グループはベースの事業活動から得られる営業キャッシュ・フローをもとに、2023年3月期計画で掲げた「ビジネスモデルの変革」及び「株主還元の更なる充実」の実現に向け、将来の成長のための投資と株主への還元を行っております。

 

1)営業活動によるキャッシュ・フロー

 税金等調整前当期純利益は2,965百万円であり、貸倒引当金の増減額2,299百万円、投資有価証券評価損益1,517百万円や為替差損益△1,226百万円等を勘案、法人税等支払額△1,631百万円であったこと等を反映し、営業活動によるキャッシュ・フローは5,141百万円となりました。

 

2)投資活動によるキャッシュ・フロー

 当連結会計年度ではソフトウエアの開発に伴う関係会社株式取得△236百万円、投資有価証券取得△205百万円、定期預金預入190百万円、無形固定資産取得△165百万円及び貸付金回収451百万円等を行いました。

 その結果、投資活動によるキャッシュ・フローは△315百万円となりました。

 

3)財務活動によるキャッシュ・フロー

 株主還元として「配当性向50%を目途に安定的な高配当を目指す」、「ROEは安定的にかつ継続的に10%以上確保を目指す」との方針のもと、前連結会計年度期末配当として1株当たり年90円、当連結会計年度中間配当として1株当たり年40円の配当と前連結会計年度比で年10円の増配とし、1,604百万円の配当を行った結果、財務活動によるキャッシュ・フローは△1,313百万円となりました。

 

②資本の財源及び資金の流動性

 当社グループは、キャッシュ・マネジメント・システムを採用しており、グループ内の資金を一元的に管理しグループ会社間の資金融通を機動的に行うことにより、効率的な資金運営を行っております。

 また、株式会社SRAにおいては、取引金融機関6社との間で総額5,800百万円のコミットメントライン契約を締結しており、グループベースで資金調達が必要となった場合に機動的に行えるよう備えております。

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物は13,586百万円、コミットメントラインの未使用枠金額は5,800百万円であることから、十分な流動性を確保しております。

 

 

(3)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。これらの見積り及び判断は、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づき行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。

 

連結財務諸表の作成で用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。

 

<貸付金>

短期貸付金及び長期貸付金については、貸付先の経営成績・財政状態等に注視して回収可能性を判断しており、貸付先の財政状態の悪化等により貸付金の回収可能性が著しく低下した場合は貸倒引当金を計上しております。

上述の見積り及び仮定において、将来の予測不能な事業環境の著しい悪化等により見積りに用いた仮定が変化し、貸付先の経営成績及び財政状態がさらに悪化した場合、翌連結会計年度以降の短期貸付金・長期貸付金の計上金額に重要な影響を及ぼす可能性があります。

なお、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による当社グループの現時点での会計上の見積りに与える重要な影響はないものと考えております。しかしながら、今後の影響には不確定要素が多く、翌連結会計年度以降の当社グループの財政状態、経営成績等に影響を与える可能性があります。
 

(4)生産、仕入、受注及び販売の実績

①生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

前連結会計年度比(%)

開発事業(百万円)

23,342

6.2

運用・構築事業(百万円)

5,798

2.4

合計(百万円)

29,140

5.4

(注)1.金額は、販売価格によっております。

2.セグメント間の取引については、相殺処理しております。

②仕入実績

当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

前連結会計年度比(%)

販売事業(百万円)

7,692

7.3

合計(百万円)

7,692

7.3

(注)1.金額は、仕入価格によっております。

2.セグメント間の取引については、相殺処理しております。

 

③受注実績

当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高

(百万円)

前連結会計年度比

(%)

受注残高

(百万円)

前連結会計年度比

(%)

開発事業

23,645

4.2

5,702

△1.0

運用・構築事業

6,045

6.3

2,902

9.0

販売事業

14,040

7.4

4,874

16.2

合計

43,730

5.5

13,478

6.9

(注)1.金額は、販売価格によっております。

2.セグメント間の取引については相殺処理しております。

④販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

前連結会計年度比(%)

開発事業(百万円)

23,701

9.4

運用・構築事業(百万円)

5,804

2.5

販売事業(百万円)

13,359

3.8

合計(百万円)

42,864

6.6

(注)1.金額は、販売価格によっております。

2.セグメント間の取引については、相殺処理しております。

3.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合が10%以上を占める相手先がいないため記載を省略しております。