3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次の通りであります。

①財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度におけるわが国経済は、世界的な新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う経済活動の停滞や縮小等により、企業収益や個人消費が急速に悪化しております。当社グループの主要な関連業界である百貨店等を含む小売業界におきましても、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による外出自粛や商業施設の休業、時間短縮営業等の影響により経営環境が悪化しており、今後の見通しについても不透明な状況が続いております。

 このような環境の中、当社グループは、「ファッションにエンタテイメントを」を理念とし、オリジナルバッグ・財布等の提供を通じて「お客様に非日常のワクワク感を提供すること」を目指し、資金調達等による財務基盤の強化を図りながら、引続き販売促進費への投資やSNS活動の強化等を行っております。また、キャラクターブランドであるILEMERのブランド価値向上のための投資を強化し、新規出店や期間限定ショップの開催、オフィシャルファンクラブの開設、サプライズ・ハッピードール等の商品拡充を図るとともに、テレビCMやタレント・YouTuberを起用したプロモーション等を実施しております。併せて、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を防ぐため、ILEMERブランドの布マスクや布マスクに係る売上金の一部を寄付する活動を行っております。

 その結果、当連結会計年度の販売業態別の売上高は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う約2カ月間の全店舗の臨時休業や消費者の外出自粛等の影響により、店舗販売が1,365,247千円(前連結会計年度比33.6%減)となった一方、ATAO、IANNE及びILEMERブランドの積極的な販売促進費の投資による売上拡大等の影響によりインターネット販売が2,549,321千円(同29.7%増)となりました。

 

 以上の結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下の通りとなりました。

 a.財政状態

 当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,274,030千円増加し、4,262,775千円となりました。

 当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ781,805千円増加し、1,328,148千円となりました。

 当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ492,224千円増加し、2,934,626千円となりました。

 

 b.経営成績

 新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う約2カ月間の全店舗の臨時休業や消費者の外出自粛等の影響により、当連結会計年度の業績は、売上高が4,005,491千円(前連結会計年度比3.3%減)となり、ATAOブランドに係る店舗販売の減少及びILEMERブランドへの積極投資等により、営業利益は94,198千円(同88.0%減)、経常利益は95,009千円(同88.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は35,011千円(同93.5%減)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、2,348,216千円となり、前連結会計年度末より435,072千円増加いたしました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果使用したキャッシュ・フローは181,872千円(前連結会計年度は744,226千円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益91,814千円による資金の増加があった一方、売上債権の増加額279,949千円、法人税等の支払額238,539千円による資金の減少があったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用したキャッシュ・フローは50,614千円(前連結会計年度比67,783千円の減少)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出33,004千円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果得られたキャッシュ・フローは667,560千円(前連結会計年度は107,408千円の使用)となりました。これは主に、長期借入れによる収入1,000,000千円及び長期借入金の返済による支出273,844千円があったことによるものであります。

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当社グループは生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。

 

b.仕入実績

 仕入実績については、次の通りであります。

品目

当連結会計年度

(自 2020年3月1日

至 2021年2月28日)

仕入高(千円)

前年同期比(%)

オリジナルバッグ等

1,447,035

111.1

合計

1,447,035

111.1

 (注)1 金額は、仕入価格によっております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

c.受注実績

 当社グループは受注生産を行っておりませんので、該当事項はありません。

 

d.販売実績

 当社グループの事業セグメントは、バッグ及び財布等の企画・販売を主とするファッションブランドビジネスを行う単一セグメントであるため、販売実績について販売の業態別に示すと次の通りであります。

業態

当連結会計年度

(自 2020年3月1日

至 2021年2月28日)

販売高(千円)

前年同期比(%)

インターネット販売

2,549,321

129.7

店舗販売

1,365,247

66.4

その他

90,922

75.7

合計

4,005,491

96.7

(注)1 ILEMERブランドに係る売上の重要性が増したことに伴い、2021年2月期より、従来「その他」に含めていた同ブランドの売上を「インターネット販売」及び「店舗販売」に含めることとしております。これに伴い、2020年2月期についても同様の方法により組替を行った上で上記前年同期比を算出しております。

2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次の通りであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2019年3月1日

至 2020年2月29日)

当連結会計年度

(自 2020年3月1日

至 2021年2月28日)

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

㈱デジサーチアンドアドバタイジング

1,920,325

46.4

2,113,905

52.8

㈱大丸松坂屋百貨店

484,410

11.7

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

4.当連結会計年度の㈱大丸松坂屋百貨店への販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、当該割合が100分の10未満のため記載を省略しております。

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループ経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積もり

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準により作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして経営者による会計方針の採用、資産・負債及び収益・費用の計上については会計基準及び実務指針等により見積もりを行っております。この見積もりについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積もりには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらと異なることがあります。

 当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

 また、新型コロナウイルス感染拡大に伴う会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載しております。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する分析、検討内容

 財政状態の分析

 a.資産

 当連結会計年度末の資産については、総資産4,262,775千円であり、前連結会計年度末と比較して1,274,030千円増加しております。主な要因は、現金及び預金が435,072千円、売掛金が279,949千円、及び長期前払費用が407,905千円増加したことであります。

 b.負債

 負債につきましては、負債合計は1,328,148千円であり、前連結会計年度末と比較して781,805千円増加しております。主な要因は、長期借入金が616,372千円増加したことであります。

 c.純資産

 純資産は2,934,626千円であり、前連結会計年度末と比較して492,224千円増加しております。主な要因は、資本金、資本剰余金がそれぞれ260,481千円増加したことであります。

 

 経営成績の分析

 a.売上高及び売上総利益

 当連結会計年度の売上高は4,005,491千円(前連結会計年度比3.3%減)となり、売上原価1,471,756千円(同1.4%減)を計上した結果、売上総利益は2,533,735千円(同4.4%減)となりました。

 

 b.販売費及び一般管理費及び営業利益

 販売促進費1,093,563千円(前連結会計年度比75.5%増)、支払手数料365,435千円(同19.3%増)等を計上した結果、当連結会計年度の販売費及び一般管理費は2,439,537千円(同31.0%増)となり、営業利益は94,198千円(同88.0%減)となりました。

 

 c.営業外損益及び経常利益

 受取家賃977千円(前連結会計年度比16.1%減)、保険解約返戻金3,829千円(前連結会計年度比1400.9%増)等により営業外収益5,109千円(同185.0%増)を計上し、営業外費用4,298千円(同604.2%増)を計上した結果、当連結会計年度の経常利益は95,009千円(同88.0%減)となりました。

 

 d.特別損益及び親会社株主に帰属する当期純利益

 特別利益として助成金収入26,817千円、特別損失として店舗休業損失29,597千円を含む30,012千円(前連結会計年度比65.6%増)を計上し、税金等調整前当期純利益は91,814千円(同88.1%減)となり、法人税等56,803千円(同75.4%減)を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は35,011千円(同93.5%減)となりました。

 

 キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載の通りであります。

③資本の財源及び資金の流動性について

 当社グループは、事業運営上必要な運転資金及び設備投資資金等を確保するとともに、経済環境の急激な変化等に備えた財務基盤の強化を図ることを基本方針としております。当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、業容拡大に伴う仕入、販売促進費、人件費等の運転資本の増加であり、設備投資資金の需要は、主に新規出店や店舗リニューアルによるものであります。所要資金については、内部資金を活用するとともに、必要に応じて金融機関からの調達等により賄うこととしております。なお、2020年3月に金融機関から1,000,000千円の借入を実行しております。

 当連結会計年度末における有利子負債の残高は877,300千円、現金及び現金同等物の残高は2,348,216千円であり、ネット・キャッシュは1,470,916千円となっております。

 

④経営成績に重要な影響を与える要因について

 経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載の通りでありますが、ブランド力の維持、ファッショントレンド、出店、特定取引先との関係等、様々なリスク要因が当社の経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。そのため、市場動向等に留意し、内部管理体制の強化、取引先との関係維持・強化、市場のニーズに合った商品の開発等により、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散・低減し、適切に対応を行ってまいります。

 

⑤経営戦略の現状と見通し

 当社グループの経営の状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載の通りです。

 今後の見通しにつきましては、引続き「トレンドに左右されない商品企画と、定番商品を人気商品化するノウハウ」を強みとして、O2O戦略の強化を図り、インターネット販売及び店舗販売等の継続的な成長を目指してまいります。

 堅調な「ATAO」の店舗及びオンラインショップを継続して強化していくことに加え、「IANNE」「Roberta di Camerino」の各ブランドの育成及び顧客開拓、オンラインショップと店舗とのさらなる連携強化に積極的に取り組んでまいります。「ILEMER」については、オンラインショップと店舗運営を行っておりますが、YouTube施策やテレビCMをはじめとしたコンテンツの充実とブランドやキャラクターの世界観を浸透させるべく、ファンクラブの開設やLINEなどで固定ファンの獲得とファン層の拡大に積極的に取り組んでまいります。

 また、「アタオランド」は、当社グループが展開するすべてのコンテンツを盛り込んだ、全国初の約100坪の大型店舗であり、ブランド発祥の地である神戸から、これまで以上に発信を強化し、他府県からの観光客の取り込みや、海外からの観光客にも訴求できる魅力ある店づくりを行ってまいります。

 当社グループの主要な関連業界である百貨店を含む小売業界におきましては、今後も厳しい経営環境が続く見通しですが、好調なオンラインショップと店舗を連携させることにより当社グループ全体の売上及びブランド価値の向上を図ってまいります。

 なお、当社グループは、新型コロナウイルス感染症の感染再拡大により、2021年4月25日から一部店舗の臨時休業を行っております。当面は一部店舗において臨時休業や時間短縮営業となる予定であり、また外出自粛等の影響を受けると考えておりますが、翌連結会計年度以降は需要は徐々に回復していくものと想定しております。

 

⑥経営者の問題認識と今後の方針について

 経営者の問題認識と今後の方針につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の通り、新規販売チャネルの展開、既存のお客様向けサービスの強化、生産体制の強化、人材の確保・育成等が必要であると認識しております。