3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用環境の改善などを背景に緩やかな回復基調が見られた反面、米中の貿易摩擦の長期化や英国のEU離脱問題に加え、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を回避することが困難な状況にあり、経済活動が著しく制約を受ける状況等が今後の経済情勢に影響を及ぼすことが懸念され依然として先行き不透明な状況が続いております。

外食業界におきましては、多様化する顧客ニーズの変化に加えて、競合企業との競争激化、原材料価格の高騰、人手不足に伴う人材確保難や人件費の増加傾向に加え、天候不順や相次ぐ台風等の自然災害や消費税増税に伴う個人消費の下振れ懸念や、新型コロナウイルス感染拡大防止を目的とした政府・自治体による外出自粛要請等の影響を受けて引き続き厳しい状況で推移しております。

このような状況の中、当社グループでは、引き続きエリア活性化プロジェクトへの参画など地域創生ネットワークの形成を推進するとともに、積極的な店舗展開及び多様な新規出店プロジェクトの企画開発を行う一方で、2019年8月に今後のグループ全体の更なる成長を勘案した組織体制の構築を目的として、新たな店舗運営子会社3社の設立に加え、既存の店舗運営子会社の組織再編を行うことで、従来からの運営体制の適正化及び経営マネジメント層の育成を積極的に行うための人材組織戦略への取り組みを行い、自立した店舗運営子会社体制の強化策として現行の店舗運営子会社体制から派生した新しい独立支援制度による店舗運営受託を促進いたしました。また、店舗運営に関しましては、店舗運営子会社における各店舗の状況に合わせたきめ細かい店舗運営に取り組み、ビアガーデンやバーベキュー、こたつテラス等季節に応じた店舗運営、営業企画やイベントの立案など、顧客満足度と収益性を向上させる取り組みを実施しております。

当連結会計年度における当社及び連結子会社の店舗の増減といたしましては、バッドロケーション戦略において1店舗をオープンと1店舗をクローズ、不動産デベロッパー戦略において1店舗を転貸し、5店舗をオープンと3店舗をクローズ、大学・その他戦略において2店舗をオープン、営業期間限定に伴い1店舗をクローズし、当連結会計年度末における当社グループの運営する店舗数は91店舗となっております。

 

a.財政状態

当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末と比べ383,807千円増加し、9,136,267千円となりました。

当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末と比べ1,369,802千円増加し、7,143,370千円となりました。

当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末と比べ985,994千円減少し、1,992,896千円となりました。

 

b.経営成績

当連結会計年度における当社グループの売上高は9,433,679千円(前年同期比18.1%減)となり、利益については営業損失は893,388千円(前年同期は営業利益508,618千円)、経常損失は841,287千円(前年同期は経常利益504,768千円)、親会社株主に帰属する当期純損失は920,152千円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益303,717千円)となっております。

 

出店戦略別及び事業別の経営成績は以下のとおりであります。

(a)バッドロケーション

バッドロケーション戦略におきましては、大型・複合型物件の開発を進める一方で行政や大手デベロッパーとの連携により様々なソーシャルプロジェクトなどに参画を行うことで、食をベースに複合的な店舗開発を推進しております。また引き続きバッドロケーション戦略の店舗の運営安定化を目的に不動産定期借家契約による退店リスクのある物件につきましては土地、建物、借地権取得など不動産保有を推進し店舗運営の安定化による収益性確保、不動産価値向上による財務体質の改善に努めております。2019年8月には東京都港区の複合施設「Hi-NODE」において「ビサイド シーサイド」をオープン、2020年7月には東京都文京区の「青いナポリ ブルーバー」をクローズしております。

この結果、当連結会計年度末におけるバッドロケーション戦略の店舗数は、関東地区23店舗、関西地区8店舗、その他地域2店舗の計33店舗となり、売上高は3,078,522千円(前年同期比11.7%減)となりました。

 

(b)不動産デベロッパー

不動産デベロッパー戦略におきましては、好立地、特別な店舗家賃での誘致や初期投資の軽減など好条件での物件獲得を行うことができ、売上規模、収益性、話題性の高い物件を選定することで当社の個性を活かした店舗開発を推進しております。2019年8月には名古屋市中村区のJR名古屋駅直結の複合施設「JRセントラルタワーズ」にて「ボン ココット」をオープン、東京都港区の「レストラン ガーブピンティーノ」を転貸、2019年9月には、大阪市中央区の「大丸心斎橋店 本館」において「トゥッフェ テラス イート」をオープン、福岡市博多区の「THE BLOSSOM HAKATA Premier」において「ナイン ドアーズ」をオープン、2019年10月には、横浜市中区の「横浜ハンマーヘッド」において「アンティーカ ピッツェリア ダ ミケーレ 横浜」をオープン、2020年1月には東京都千代田区の「アリンコ 東京ステーション」及び「パラディ トウキョウミタス店」をクローズ、2020年5月には東京都港区の「東京アスリート食堂 品川シーズンテラス」をクローズ、2020年6月には東京都墨田区の「東京ミズマチ」において「ランド エー」をオープンしております。

この結果、当連結会計年度末における不動産デベロッパー戦略の店舗数は、関東地区23店舗、関西地区13店舗、その他地域2店舗の計38店舗となり、売上高は4,082,804千円(前年同期比21.0%減)となりました。

 

(c)行政・公共機関

行政・公共機関戦略におきましては、新たな地方自治体との取り組みにおいて、その街ならではのオリジナルな業態の開発、地域活性化イベントの開催などを行い、地域創生ネットワークの形成を推進しております。

この結果、当連結会計年度末における行政・公共機関戦略の店舗数は、関西地区10店舗、その他地域1店舗の計11店舗となり、売上高は1,505,525千円(前年同期比22.1%減)となりました。

 

(d)大学・その他

大学・その他戦略におきましては、学生のみならず近隣住民へのターゲット層の拡大及びコストコントロールによる収益性改善を進めております。2019年12月には新潟県魚沼郡湯沢町のかぐらスキー場において期間限定で「ぶなキッチン/スープステーション田代」をオープンし、2020年4月に同店をクローズ、2020年7月に兵庫県淡路市に「カモメ スロー ホテル」をオープンしております。

この結果、当連結会計年度末における大学・その他戦略の店舗数は、関東地区1店舗、関西地区6店舗、その他地域2店舗の計9店舗となり、売上高は616,485千円(前年同期比21.2%減)となりました。

 

(e)その他の事業

その他の事業は、企業、行政機関などに対して、地域ブランド振興、カフェやレストランの企画・開発等のコンサルティングを行っております。当連結会計年度における売上高は150,342千円(前年同期比4.8%増)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ152,239千円増加し、1,776,356千円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果支出した資金は449,655千円(前年同期は1,091,383千円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失1,203,944千円、減価償却費699,807千円、減損損失337,234千円等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果支出した資金は615,191千円(前年同期は1,066,458千円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出815,237千円、差入保証金の差入による支出40,757千円等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果得られた資金は1,216,561千円(前年同期は194,441千円の収入)となりました。これは主に、短期借入金の純増加額800,000千円、長期借入れによる収入1,160,000千円、リース債務の返済による支出149,739千円、長期借入金の返済による支出524,084千円等によるものであります。

③ 生産、受注及び販売の実績

a.仕入実績

当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、「生産実績」に代えて「仕入実績」を記載いたします。なお、当社グループは、飲食店運営事業の単一セグメントであり、仕入実績を出店戦略別に示すと、次のとおりであります。

出店戦略の名称

第29期連結会計年度

(自 2019年8月1日

至 2020年7月31日)

金額(千円)

前年同期比(%)

バッドロケーション

846,388

△8.7

不動産デベロッパー

1,108,342

△20.0

行政・公共機関

372,937

△22.4

大学・その他

172,199

△19.0

その他の事業

884

78.6

合計

2,500,753

△16.8

(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

b.受注実績

当社グループは見込み生産を行っているため、該当事項はありません。

 

c.販売実績

当社グループは、飲食店運営事業の単一セグメントであり、販売実績を出店戦略別に示すと、次のとおりであります。

出店戦略の名称

第29期連結会計年度

(自 2019年8月1日

至 2020年7月31日)

金額(千円)

前年同期比(%)

バッドロケーション

3,078,522

△11.7

不動産デベロッパー

4,082,804

△21.0

行政・公共機関

1,505,525

△22.1

大学・その他

616,485

△21.2

その他の事業

150,342

4.8

合計

9,433,679

△18.1

(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。これらの連結財務諸表の作成にあたりましては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告数値に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、過去の実績等を勘案して合理的な見積りを行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は、これらの見積りと異なる場合があります。

なお、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う会計上の見積りについては、第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)に記載しております。

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.経営成績等

(a)財政状態

(資産合計)

当連結会計年度末における流動資産は2,539,149千円となり、前連結会計年度末と比べ195,358千円増加いたしました。これは主に現金及び預金が152,239千円、未収還付法人税等が97,730千円増加、売掛金が50,347千円減少したことによるものであります。固定資産は6,597,118千円となり、前連結会計年度末と比べ188,449千円増加いたしました。これは主に新規出店に伴う土地が131,051千円、建設仮勘定が35,611千円及び繰延税金資産が297,915千円増加、減損損失等のため建物及び構築物が150,870千円、工具、器具及び備品が46,190千円及びリース資産が72,532千円減少したことによるものであります。

この結果、総資産は、9,136,267千円となり、前連結会計年度末と比べ383,807千円増加いたしました。

 

(負債合計)

当連結会計年度末における流動負債は2,691,875千円となり、前連結会計年度末と比べ788,872千円増加いたしました。これは主に短期借入金が800,000千円、1年内返済予定の長期借入金が76,978千円及び前受金が250,735千円増加、買掛金が65,944千円、未払金が51,714千円、未払法人税等が157,412千円及び未払消費税等が34,199千円減少したことによるものであります。固定負債は4,451,495千円となり、前連結会計年度末に比べ580,930千円増加いたしました。これは主に長期借入金が558,937千円増加、長期リース債務が30,476千円減少したことによるものであります。

この結果、負債合計は、7,143,370千円となり、前連結会計年度末と比べ1,369,802千円増加いたしました。

 

(純資産合計)

当連結会計年度末における純資産合計は1,992,896千円となり、前連結会計年度末と比べ985,994千円減少いたしました。これは利益剰余金984,618千円、資本剰余金が6,425千円減少したことによるものであります。

この結果、自己資本比率は20.5%(前連結会計年度末は32.7%)となりました。

 

(b)経営成績

(売上高)

当連結会計年度の売上高は9,433,679千円となり、前連結会計年度と比較して18.1%の減少となりました。出店戦略全体としては新型コロナウイルスの感染拡大防止に伴う営業自粛等の影響により低迷基調であり、出店戦略ごとの内訳は、バッドロケーション戦略は、1店舗を新規オープンし、1店舗をクローズしたことにより3,078,522千円(前年同期比11.7%減)、不動産デベロッパー戦略は1店舗を賃貸し、5店舗を新規オープンし、3店舗をクローズしたことにより4,082,804千円(前年同期比21.0%減)、行政・公共機関戦略は1,505,525千円(前年同期比22.1%減)、大学・その他戦略におきましては2店舗を新規オープン、営業期間限定に伴い1店舗をクローズしたことにより616,485千円(前年同期比21.2%減)、その他の事業は、企業、行政機関などに対して、地域ブランド振興、レストランの企画・開発等のコンサルティングを行ったことにより、150,342千円(前年同期比4.8%増)となっております。

 

(営業損益及び経常損益)

当連結会計年度は、店舗家賃の減免交渉や人件費などのコストコントロールを行ったものの、利益については営業損失893,388千円(前年同期は営業利益508,618千円)となり、さらに営業外収益として消費税差額及び助成金収入の計上、営業外費用として支払利息及びシンジケートローン手数料の計上により、経常損失841,287千円(前年同期は経常利益504,768千円)となっております。

 

(親会社株主に帰属する当期純損益)

当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純損失は、減損損失337,234千円の計上もあり920,152千円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益303,717千円)となりました。

 

(c)キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの経営陣は、最大限入手可能な情報に基づき現状の事業環境を確認し、最善の経営戦略を立案し、実行できるよう努めております。

その中でも、当社グループが持続的に成長するために、最も重要となる問題は事業規模の拡大に合わせたリーダーシップを有する人材の確保と育成にあると認識しております。

今後の方針といたしましては、常に社内外からの人材の発掘に努めるとともに、その中からリーダーシップを有する人材を育成するために、店長やシェフの経験だけではなく、運営子会社の幹部に登用して、計数管理、人材採用や人材配置、新規出店、複数店舗のマネジメント、コンプライアンスに関する見識など運営子会社の経営陣として必要な様々な能力を獲得できる成長機会を設けることで、経験の豊かなリーダーを育成してまいります。

 

c.資本の財源及び資金の流動性

資金需要

当社グループの事業活動における資金需要の主なものは、飲食店運営事業の国内外を含む店舗展開、海外飲食ブランドの国内展開などの新規事業開発に伴うものとなっております。

 

財務政策

当社グループの事業活動に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用及び金融機関からの借入により資金調達をおこなっており、飲食店運営事業における新規出店資金については、主要取引銀行との間でシンジケート方式によるコミットメントラインを締結しております。

 

d.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的指標等

当社グループは企業価値を継続的に高めていくことが経営上の重要課題だと認識しており、売上高成長率及び営業利益率などを経営指標として重視しております。

当連結会計年度における売上高成長率は△18.1%(前年同期比21.0ポイント減)、営業利益率は△9.5%(前年同期比13.9ポイント減)となりました。昨今の情勢を踏まえてこれらの指標が改善されるように取り組んでまいります。