3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

①経営成績の状況

 当事業年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用環境の改善などを背景として景気が緩やかな回復基調で推移しており、個人消費は総じて底堅い動きが続いているものの、消費税増税に伴い消費マインドはやや厳しい状況で推移していると思われます。更に、米中の通商問題や中東情勢への懸念など世界各地での地政学的リスクから引き続き金融・資本市場への影響が懸念されるなど、景気の先行きは依然として不透明な状況のまま推移しております。

 外食産業におきましては、依然として消費者の節約志向は根強く、働き方改革などの社会構造の変化や業種・業態を超えた顧客の獲得競争も激しさを増しており、更にサービス業全般で労働需給逼迫による人件費や物流費の上昇も解決の糸口が見えず、経営環境は依然として厳しい状況で推移しております。

 このような状況下、当社では「QSC first for customer」という全社スローガンのもと、当事業年度におきましては、競争が激化する同業他社の中から、当社店舗を選んでいただいたお客様にこれまで以上の喜びと満足を提供するため、QSC(商品の品質、サービス、清潔さ)の向上を最重要課題とし、様々な施策に取り組んでまいりました。なお、当事業年度の新規店舗展開は北海道地区3店舗、東北地区1店舗、関東地区2店舗、中部地区に1店舗、信越地区に1店舗の出店を行いましたが、2店舗の閉店を行い、当事業年度末の店舗数は162店舗となりました。

売上高につきましては、お客様に選んでいただける店舗作りを目的として、スタンダードオペレーションの徹底、QSC(商品の品質、サービス、清潔さ)の更なる向上を目的とした従業員トレーニングの継続的実施や社内コンテストの開催、期間限定メニューの定期的実施、モバイルコンテンツを使用した販売促進策やSNSを利用した新店オープンや新商品販売のご案内等のブランディングによる来店動機の喚起などを行っております。

コスト面につきましては、需給バランスや天候の問題等に伴う原材料価格の変動も見られるため、引き続き厳格なロス管理を行っております。人件費につきましては、時給単価上昇の影響が継続しておりますが、適切なワークスケジュール管理を行い適正化に努めております。エネルギーコストにつきましては、ガス単価が比較的落ち着いた推移だったことや設備使用の適正化により計画内に収めることが出来ました。主要コストを含めその他店舗管理コストにつきましても、引き続き徹底した効率化を図っておりますが、時給上昇などを主因とした人件費の増加などもあり、販売費及び一般管理費は計画を上回ることとなりました。

 その結果、当事業年度の売上高は14,106,647千円(前年同期比10.0%増)、営業利益は611,685千円(前年同期比50.5%増)、経常利益は662,086千円(前年同期比51.3%増)となりました。また、特別損失において、6店舗の減損処理を行ったことなどから固定資産除却損及び減損損失などを169,703千円計上したことにより、当期純利益は277,068千円(前年同期比743.3%増)となりました。

財政状態の状況

 (資産)

  当事業年度末における資産につきましては、前事業年度末に比べ513,854千円増加し、6,095,964千円(前年同期比9.2%増)となりました。主な要因は、次のとおりであります。

  流動資産につきましては、前事業年度に比べ258,267千円増加し、1,596,585千円(前年同期比19.3%増)となりました。これは現金及び預金の増加(846,037千円から1,027,392千円へ181,354千円の増加)及び店舗食材の増加(328,535千円から401,546千円へ73,011千円の増加)が大きな要因であります。

  固定資産につきましては、前事業年度に比べ255,586千円増加し、4,499,378千円(前年同期比6.0%増)となりました。有形固定資産の増加(3,093,193千円から3,289,584千円へ196,391千円の増加)及び、保険積立金の増加(205,737千円から234,202千円へ28,464千円の増加)、繰延税金資産の増加(165,813千円から190,328千円へ24,514千円の増加)が大きな要因であります。これは、当事業年度におきまして新規出店が8店舗となったことなどによるものであります。

 (負債)

  当事業年度末における負債の残高は、前事業年度に比べ228,482千円増加し、4,317,664千円(前年同期比5.6%増)となりました。主な要因は、次のとおりであります。

  流動負債につきましては、前事業年度に比べ267,375千円増加し、2,583,878千円(前年同期比11.5%増)となりました。これは未払消費税の増加(108,776千円から199,250千円へ90,474千円の増加)及び、1年内償還予定社債の増加(295,000千円から380,000千円へ85,000千円の増加)が大きな要因であります。

  固定負債につきましては、前事業年度に比べ38,892千円減少し、1,733,786千円(前年同期比2.2%減)となりました。これは、長期借入金の減少(940,148千円から821,009千円へ119,139千円の減少)が大きな要因であります。

 (純資産)

  純資産につきましては、前事業年度に比べ285,371千円増加し、1,778,299千円(前年同期比19.1%増)となりました。これは、当期純利益計上に伴う利益剰余金の増加(965,501千円から1,208,193千円へ242,691千円の増加)が大きな要因であります。

 

③キャッシュ・フローの状況

 当事業年度末における現金及び現金同等物は、前事業年度末と比較して145,348千円増加し、919,376千円となりました。当事業年度中におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

当事業年度のキャッシュ・フローの状況
 営業活動によるキャッシュ・フロー  997,483千円
 投資活動によるキャッシュ・フロー △812,228千円
 財務活動によるキャッシュ・フロー △39,881千円
 現金及び現金同等物の期末残高    919,376千円

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度において営業活動により得られた資金は、997,483千円(前年同期比4.3%増)となりました。これは主に、税引前当期純利益492,491千円に対して減価償却費が374,840千円、減損損失が141,708千円となりましたが、法人税等の支払額が228,627千円となったことなどによるものであります。

 (投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度において投資活動により使用した資金は、812,228千円(前年同期比49.7%増)となりました。これは主に、店舗の開設等による有形固定資産の取得による支出が714,195千円あったことなどによるものであります。

 (財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度において財務活動により使用した資金は、39,881千円(前年同期比82.8%減)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出が664,261千円、社債の償還による支出が315,000千円に対して、新規の長期借入れによる収入が500,000千円、新規の社債の発行による収入が492,606千円あったことなどによるものであります。

④生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 該当事項はありません。

b.受注実績

 該当事項はありません。

c.販売実績

 当事業年度における販売実績を都道府県別に示すと、次のとおりであります。

 

当事業年度

(自 2019年2月1日

  至 2020年1月31日)

売上金額(千円)

前年同期比

(%)

ラーメン事業

 

 

北海道

4,444,381

109.2

茨城県

1,608,773

103.0

栃木県

839,413

103.6

埼玉県

1,325,097

115.1

千葉県

1,331,228

105.6

群馬県

719,450

103.5

東京都

118,380

101.8

宮城県

269,402

103.3

静岡県

629,363

102.4

福島県

230,632

107.2

神奈川県

288,410

103.3

岐阜県

105,137

104.2

山梨県

339,283

128.8

山形県

127,405

158.2

愛知県

577,132

120.9

三重県

103,591

107.8

長野県

203,789

106.3

岩手県

87,238

107.5

秋田県

184,468

131.9

青森県

158,885

124.4

兵庫県

69,992

105.9

福岡県

52,887

110.0

新潟県

165,880

1,033.1

その他

126,419

123.9

合計

14,106,647

110.0

 (注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 本項に記載した将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

①重要な会計方針及び見積り

 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針につきましては「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 重要な会計方針」に記載のとおりであります。

 当社は、税効果会計などに関して、過去の実績や当該取引の状況に照らして、合理的と考えられる見積り及び判断を行い、その結果を資産・負債の帳簿価額及び収益・費用の金額に反映して財務諸表を作成しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

②当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.経営成績等の状況に関する認識及び分析

(売上高)

 新規出店は8店舗となり当事業年度末の店舗数は162店舗になりました。なお2店舗の閉店を行いました。

 期間限定メニューの定期的発売、メールマガジンを中心としたモバイルコンテンツやSNSを活用した来店動機の喚起、そしてQSC(商品の品質、サービス、清潔さ)の向上を目的とした従業員トレーニングを継続して行っております。当事業年度は既存店売上高が順調に推移し、新店売上高も想定以上となりました。その結果、当事業年度における売上高は14,106,647千円(前年同期比10.0%増)となりました。

(売上原価、売上総利益)

 当事業年度は、一部食材価格について供給減少などに伴う単価の変動などがありましたが、原価率は前年同期比で0.1ポイントの上昇に留まりました。以上の結果、売上総利益は10,422,431千円(前年同期比9.8%増)となりました。

 (販売費及び一般管理費)

 販売費及び一般管理費につきましては、人件費は適切なワークスケジュール管理を行っております。またエネルギーコストにつきましては、ガス単価が落ち着いた推移となったことや設備使用の適正化により計画内に収まりました。その他主要コストにつきましても、引き続き効率化を図っております。しかしながら、時給上昇などに起因した人件費の増加などもあり、当事業年度における販売費及び一般管理費は9,810,745千円(前年同期比8.0%増)となり、売上高比では69.5%と前期と比較し1.3ポイントの改善となりました。なお、当事業年度の営業利益は611,685千円(前年同期比50.5%増)となりました。

 (営業外収益、営業外費用)

 営業外収益は、受取保険料が26,968千円(前年同期比201.7%増)となったことなどから、88,421千円(前年同期比21.5%増)となりました。営業外費用は、社債発行費が7,393千円(前年同期比74.9%増)となったことなどから、38,020千円(前年同期比8.8%減)となりました。なお、当事業年度の経常利益は662,086千円(前年同期比51.3%増)となりました。

 (特別利益、特別損失)

 特別利益は固定資産売却益108千円を計上したことから、108千円(前年同期比97.2%減)となりました。特別損失は、減損損失141,708千円を計上したことなどから、169,703千円(前年同期比37.6%減)となりました。

 (当期純利益)

 税引前当期純利益492,491千円に対し法人税、住民税及び事業税並びに法人税等調整額の合計215,423千円を計上し、当期純利益は277,068千円(前年同期比743.3%増)となりました。

 

③経営方針・経営戦略、経営上の目標達成を判断するための客観的な指標と今後の見通しについて

 国内経済は、昨年の消費税増税以降やや厳しい状況が続いていると考えており、更に、米中の通商問題や中東情勢への懸念をはじめとした地政学・経済リスクなど様々な世界情勢動向、新型コロナウイルス感染拡大に伴う世界的な景気減速懸念など、景気の先行き感はまだまだ不透明な状況にあります。

 外食業界では働き方改革等に伴う社会構造の変化や消費嗜好の多様化による動態変化や同業他社との競合の激化、物流コストの上昇、労働需給逼迫など経営環境へのリスクも多く、依然として厳しい環境が続いております。

 このような環境の中、当社は以下のとおり、経営戦略を掲げております。

a.QSCレベルの向上、接客スタンダードオペレーションの向上

b.トレーニングセンターとリンクした人材育成

c.出店判断の精度向上とドミナントを意識した出店

d.衛生管理体制の整備

  今後の見通しにつきましては、これからもご来店いただいたお客様に感謝し、喜んでお帰りいただくことで業績の向上に繋がっていくと考えております。そのために、QSC(商品の品質、サービス、清潔さ)の向上及び人材育成に引き続き取り組んでまいります。更に、売上向上対策やコスト管理をより厳格に行ってまいります。

  次期は新規出店8店舗とし、売上高15,172百万円、経常利益560百万円、当期純利益297百万円と計画しており、計画達成に向け社内一丸となって取り組んでまいります。なお、次期からの中期経営計画につきましては、事業環境の大幅な変化に伴い見直しを行っております。

④資本の財源及び資金の流動性

  キャッシュ・フローの分析につきましては、(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

  当社の運転資金需要のうち主なものは、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は営業店舗設備投資等によるものであります。

  当社は、運転資金につきましては、内部資金により資金調達することとしており、設備資金につきましては、固定金利の長期借入金及び社債(銀行保証付私募債)発行で調達することを基本としております。調達コストにつきましては、過度な金利変動リスクに晒されないよう、固定金利もしくは金利スワップなどを活用しております。今後におきましても、これらの方針に大きな変更はないものと考えております。

  なお、当事業年度末現在における借入金及びリース債務等を含む有利子負債残高は2,703,870千円となっております。