3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1) 経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりである。

 

財政状態及び経営成績の状況

 当期におけるわが国経済は、景気は緩やかな回復基調が続いているものの、先行きについては、海外経済の不確実性や、為替の変動影響に留意する必要があるなど、依然として見通せない状況で推移した。

このような状況のもと、当社グループの業績は、主力のコークス事業において、前期に比べコークス販売価格が上昇したことなどにより、当期の連結売上高は、前期比110億9千万円増加の1,212億4千6百万円となった。

利益面では、コークス事業における増益などにより、連結営業利益は、前期比31億6千3百万円増加の66億6千万円、連結経常利益は、前期比26億6千5百万円増加の58億9千2百万円となった。

特別損益については、移転補償金などによる特別利益9千8百万円に対し、固定資産除却損などにより、特別損失12億1千7百万円を計上した。

これより、法人税等を差し引き、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比16億2千1百万円減少の31億9千7百万円となった。

 

セグメントの業績は次のとおりである。

a.コークス事業

コークス事業については、当社グループの販売数量は、194万7千トンと前期比7千トンの微減となったが、販売価格は、コークス市況が堅調に推移したことなどにより上昇し、増収となった。

利益についても、コークス市況堅調により、増益となった。

 この結果、コークス事業の連結売上高は、802億7千4百万円(前期比71億9千2百万円増加)となり、連結営業利益は、46億1千8百万円(前期比32億4千9百万円増加)となった。

 

b.燃料販売事業

燃料販売事業については、当社グループの販売数量は、146万5千トンと前期比6千トンの微増となり、一般炭事業および石油コークス事業において、販売価格が上昇したことなどにより、増収となった。

  この結果、燃料販売事業の連結売上高は、261億9百万円(前期比39億3千9百万円増加)となり、連結営業利益

  は、17億1千2百万円(前期比1億9千3百万円増加)となった。

 

c.総合エンジニアリング事業

化工機事業については、受注増および利益率の改善により、ほぼ前年並みとなった

資源リサイクル事業については、廃棄物の有効利用と適正処理に引き続き傾注し、安定的な収益を維持した。

産業機械事業については、産業機器などの販売増加により、増収となった。

 この結果、総合エンジニアリング事業の連結売上高は、104億6千4百万円(前期比1億2千3百万円減少)となり、連結営業利益は、14億5千8百万円(前期比1千5百万円減少)となった。

 

d.その他

 その他の事業については、不動産事業や子会社において、増収となった。

 この結果、その他の事業の連結売上高は、43億9千8百万円(前期比8千1百万円増加)となり、連結営業利益

は、4億5千7百万円(前期比1億5千1百万円減少)となった。

 

 

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ、62億9千3百万円増加の113億5千万円となった。

 当連結会計年度末におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりである。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は、102億7千8百万円(前年同期比8千6百万円増加)となった。

 これは主に、減価償却費64億1百万円、税金等調整前当期純利益47億7千4百万円、仕入債務の増加額16億3千3百万円などによる資金の増加に対し、たな卸資産の増加額32億7千万円、売上債権の増加額10億8千万円などによる資金の減少があったことによるものである。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は、46億1千万円(前年同期比12億6千4百万円増加)となった。

 これは主に、定期預金の払戻による収入11億4千8百万円に対し、固定資産の取得による支出46億4千4百万円によるものである。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果得られた資金は、6億2千6百万円(前年同期比67億2千9百万円増加)となった。

 これは主に、短期借入による収入1,103億5千6百万円、長期借入による収入210億円に対し、短期借入金の返済による支出1,152億7千4百万円、長期借入金の返済による支出140億8千7百万円によるものである。

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりである。

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

コークス事業

コークス

73,698

104.0

燃料販売事業

石炭

1,030

103.2

その他

10

79.7

合計

74,739

104.0

(注)1.金額は生産原価によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっている。

2.上記金額には、消費税等は含まれていない。

b.受注実績

 当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりである。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

総合エンジニアリング事業

9,108

110.1

3,933

128.5

(注)1.セグメント間の取引については、相殺消去している。

2.上記金額には、消費税等は含まれていない。

 

c.販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりである。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

コークス事業

80,274

109.8

燃料販売事業

26,109

117.7

総合エンジニアリング事業

10,464

98.8

その他

4,398

101.9

合計

121,246

110.1

(注)1.金額は販売価格に基づき、セグメント間の取引については相殺消去している。

2.主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりである。

相手先

前連結会計年度

(自 2017年4月1日

至 2018年3月31日)

当連結会計年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

金額 (百万円)

割合(%)

金額 (百万円)

割合(%)

新日鐵住金株式会社

39,579

35.9

45,071

37.2

Noble Resources International Pte Ltd

11,795

10.7

9,294

7.7

3.上記金額には、消費税等は含まれていない。

4.新日鐵住金株式会社は、2019年4月1日付で、社名を日本製鉄株式会社に変更している。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりである。

 なお、文中の将来に関する事項については、提出日現在において判断したものである。

 

①重要な会計方針および見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されている。当社グループが採用した重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりである。

 当社の連結財務諸表の作成において、損益または資産の状況に影響を与える見積り・判断は、過去の実績やその時点で入手可能な情報に基づいた合理的と考えられる様々な要因に基づき行っているが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらと異なる場合がある。

②経営成績および財政状態の分析

   経営成績

 当期におけるわが国経済は、景気は緩やかな回復基調が続いているものの、先行きについては、海外経済の不確実性や、為替の変動影響に留意する必要があるなど、依然として見通せない状況で推移した。

このような状況のもと、当社グループの業績は、主力のコークス事業において、前期に比べコークス販売価格が上昇したことなどにより、当期の連結売上高は、前期比110億9千万円増加の1,212億4千6百万円となった。

利益面では、コークス事業における増益などにより、連結営業利益は、前期比31億6千3百万円増加の66億6千万円、連結経常利益は、前期比26億6千5百万円増加の58億9千2百万円となった。

特別損益については、移転補償金などによる特別利益9千8百万円に対し、固定資産除却損などにより、特別損失12億1千7百万円を計上した。

これより、法人税等を差し引き、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比16億2千1百万円減少の31億9千7百万円となった。

 

   財政状態

 当連結会計年度末の総資産は、1,222億3千3百万円となり、前連結会計年度末に比べ65億3千万円増加と

なった。増減の主なものは、現金及び預金の増加52億4千5百万円、原材料及び貯蔵品の増加21億9千6百万円、受取手形及び売掛金の増加10億8千万円、機械装置及び運搬具の減少28億3千9百万円等である。

 当連結会計年度末の負債は、740億1千5百万円となり、前連結会計年度末に比べ47億9百万円増加と

なった。増減の主なものは、長期借入金の増加139億3千1百万円、支払手形及び買掛金の増加16億3千3百万円、未払法人税等の増加10億6千1百万円、短期借入金の減少119億3千7百万円等である。

 当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ、18億2千万円増加の482億1千7百万円となった。また、当連結会計年度末の自己資本比率は、39.4%となった。

 

③経営成績等に重要な影響を与える要因について

 「2.事業等のリスク」に記載のとおり、当社グループの経営成績等は、市場環境、為替レートの変動、金利の変動、固定資産の価値の下落、法的規制、コークス事業への依存等の影響を受ける可能性がある。

 

④経営戦略の現状と見通し

 当社グループを取り巻く経営環境は、中国コークス市況が堅調に推移している一方で、原料炭市況の先行きは予断を許さない状況となっている。

 このような経営環境のなかで、安定した収益基盤を確保するために、以下の具体的な諸施策を推進していく。

 基幹事業であるコークス事業については、安全・安定操業を第一とし、①コークス工場の高稼働率を維持するため国内需要家向け販売減を輸出でカバーし、販売数量を確保、②脱硫設備や成型炭設備などこれまで投資してきた諸施策の効果の最大限発揮、③安価な低品位炭の使用拡大、設備投資圧縮や経費削減などコスト削減の徹底、等を推し進めていく。

 また、非コークス事業については、多面的な利益構造への転換のため、①総合エンジニアリング事業の事業基盤の安定・拡大、②燃料販売事業の拡販・シェア拡大、③グループ各社の収益力の強化、等を推し進めていく。

 

⑤資本の財源および資金の流動性についての分析

キャッシュ・フロー

 当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ62億9千3百万円増加の113億5千万円となった。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は、102億7千8百万円(前連結会計年度比8千6百万円増加)となった。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は、46億1千万円(前連結会計年度比12億6千4百万円増加)となった。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果得られた資金は、6億2千6百万円(前連結会計年度比67億2千9百万円増加)となった。

 

資金需要

 当社グループの主な資金需要は、設備投資、原材料・商品等の仕入代金の支払、販売費および一般管理費の支払、借入金の返済、社債の償還および法人税等の支払等である。

 当社グループは、事業活動に必要な資金を、営業活動によるキャッシュ・フローおよび借入金によって継続的に調達することが可能であると考えている。

財務政策

 当社グループは、運転資金および設備投資資金については、営業活動によるキャッシュ・フローから生み出される自己資金、借入金および社債の発行により賄っている。当連結会計年度末現在、短期借入金の残高は70億6千8百万円(うち、1年以内に返済予定の長期借入金70億6千8百万円)、長期借入金の残高は299億5千6百万円である。

 また、当社および一部の連結子会社は、取引銀行17行と当座貸越契約および貸出コミットメント契約を締結しており、効率的な資金調達を行っている。当連結会計年度末における当座貸越契約の極度額および貸出コミットメントの総額は378億円である。

 当社グループは、資金効率を高めるため、売上債権およびたな卸資産の圧縮に努めており、有利子負債の残高を減少させ借入金依存度を引き下げ、財務体質の健全化を目指している。

 当連結会計年度のキャッシュ・フロー対有利子負債比率(有利子負債÷営業キャッシュ・フロー)は3.6年であり、インタレスト・カバレッジ・レシオ(営業キャッシュ・フロー÷利払い)は26.1である。

(注)有利子負債…借入金およびその他の有利子負債

営業キャッシュ・フロー…連結キャッシュ・フロー計算書における営業活動によるキャッシュ・フロー

利払い…連結キャッシュ・フロー計算書における利息の支払額