3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

 当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

 当事業年度におけるわが国経済は、輸出を中心に弱さが見られたものの、堅調な企業収益を背景とした雇用・所得環境の改善が継続し、緩やかな回復基調が続きました。しかしながら、国内における、人手不足の深刻化による人件費や物流費の上昇、消費増税の個人消費への影響などに加え、感染が拡大している新型コロナウイルス感染症により、国内外において経済活動への影響が懸念され、景気の先行き不透明感は一層強まる状況となりました。

 当社が属する食事宅配市場は、共働き世帯の増加やライフスタイルの多様化、女性の社会進出、高齢者を中心とする買物弱者の増加といった社会的背景もあり、宅配需要が増加しているため堅調に推移しております。

 当社が主な顧客としている生活習慣病患者は年々増加傾向にあり、また、少子高齢化が進むことにより65歳以上の高齢者のみの世帯が増加するなど市場の成長が見込める経営環境となっております。そのため、食事宅配市場を今後の更なる成長が見込める有望市場と捉えて、新規参入する企業が増加しており、引き続き競争の激化が進んでおります。また、食品業界におきましては、食の安心・安全に対する消費者の関心が一層高まる中、企業の管理体制の徹底が求められております。

 このような環境の中、当社では「一人でも多くのお客様に健康で楽しい食生活を提案し、豊かな未来社会に貢献します」という企業理念を念頭に、当社の強みである管理栄養士・栄養士によるきめ細かい栄養相談を活かして、お客様にとって価値の高い商品及びサービスを提供し、品質向上に努めてまいりました。

 この結果、当事業年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

a.財政状態

 当事業年度における財政状態は、総資産は8,713,303千円(前事業年度末比4,433,834千円増)となりました。負債は5,616,624千円(前事業年度末比4,071,531千円増)となりました。純資産は3,096,679千円(前事業年度末比362,302千円増)となりました。

 

b.経営成績

 当事業年度における経営成績は、売上高は3,348,269千円(前年同期比1.4%減)、営業利益は539,883千円(前年同期比24.3%減)、経常利益は536,749千円(前年同期比23.2%減)、当期純利益は345,375千円(前年同期比21.8%減)となりました。

 

 セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

 

MFD事業

 当セグメントにおきましては、従来より実施している季節ごとの商品入れ替えのみならず、糖尿病、高血圧など食事療法を必要とされる方に向けた新商品を積極的に開発、また、全国の医療機関等へ当社及びサービス認知度の向上に向けた取り組みによる紹介ネットワークの拡大と深耕を通して新規顧客の獲得に努めました。

 さらに、当社の管理栄養士・栄養士がお客様の疾病、制限数値、嗜好に合わせて食事を選び定期購入できるサービス「栄養士おまかせ定期便」への積極的な移行を中心として販売に注力しました。

 一方で、物流費の上昇や新工場の稼働に伴う初期費用が発生したものの、紹介ネットワークを通じた顧客獲得が当初の想定を下回り、また、新商品『旬をすぐに』の販売が来期にずれ込んだ結果、売上高は2,989,916千円(前年同期比0.5%増)、セグメント利益(営業利益)は613,581千円(前年同期比17.3%減)となりました。

 

マーケティング事業

 健康食通販カタログ『ミールタイム』及び『ミールタイム ファーマ』の2誌による広告枠の販売、また、紹介ネットワークを活用した業務受託において複数の案件を獲得しました。しかしながら、前事業年度と比較し、大型案件が減少した結果、売上高は358,352千円(前年同期比14.5%減)、セグメント利益(営業利益)は250,415千円(前年同期比19.2%減)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当事業年度における現金及び現金同等物の残高は期首残高より27,036千円減少し、1,923,057千円(前年同期比1.4%減)となりました。

 当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動によるキャッシュ・フローは205,892千円の収入(前年同期比31.4%減)となりました。この主な要因は税引前当期純利益が536,749千円、売上債権の減少額が38,843千円、たな卸資産の減少額が80,555千円、未収消費税等の増加額が193,546千円、法人税等の支払額が277,080千円となったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動によるキャッシュ・フローは4,092,457千円の支出(前年同期は1,614,470千円の支出)となりました。この主な要因は、新工場着工による有形固定資産の取得による支出が4,091,878千円、無形固定資産の取得による支出が806千円となったことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローは3,859,527千円の収入(前年同期は1,136,407千円の収入)となりました。この要因は、短期借入れによる収入が3,850,000千円、ストックオプションの行使による収入が9,527千円となったことによるものであります。

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当社は、商品製造を委託しており生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。

 

b.仕入実績

当事業年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

仕入高(千円)

前年同期比(%)

MFD事業

1,206,651

△11.8

マーケティング事業

51,360

+11.3

合計

1,258,011

△11.0

(注)1.金額は、仕入価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

c.受注実績

当社は、受注から販売までの期間が短期間のため、記載を省略しております。

 

d.販売実績

当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

MFD事業

2,989,916

+0.5

マーケティング事業

358,352

△14.5

合計

3,348,269

△1.4

(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2.総販売実績に対する販売割合が10%以上の相手先はありません。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積り

 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。財務諸表の作成に当たり、資産及び負債または損益の状況に影響を与える会計上の見積りは、過去の実績等の財務諸表作成時に入手可能な情報に基づき合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 財務諸表の作成に当たって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しておりますが、次の重要な会計方針が財務諸表作成における重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。

 

(たな卸資産)

 たな卸資産の貸借対照表計上額につきましては、収益性の低下に基づく簿価切り下げの方法により計上しており、顧客の将来需要の減少等に伴う陳腐化が生じた場合、たな卸資産の評価額に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

②当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当社の当事業年度の経営成績は、MFD事業において、従来より実施している季節ごとの商品入れ替え、糖尿病、高血圧など食事療法を必要とされる方に向けた新商品の開発、全国の医療機関等へ当社及びサービス認知度の向上にむけた取り組みによる紹介ネットワークの拡大と深耕を通じた新規顧客の獲得、及び「栄養士おまかせ定期便」利用者獲得の推進さらに、マーケティング事業において、紹介ネットワークを活用した業務受託の案件獲得に向けた提案営業に注力した結果、売上高が3,348,269千円(前年同期比1.4%減)、売上総利益が2,015,940千円(前年同期比1.7%減)となりました。当社では、下記のとおり、大きく2点が減収の要因と認識をしております。

 a.ニーズの高まりを受け、2019年3月に『ミールタイム』の発行部数を75万部から80万部へ5万部増やしたり、紹介ネットワークの拡大を図ったものの、新規会員獲得ペースが鈍化するなど当初の想定を下回った。さらに、MFD事業のチャネル別売上比率の約6割を占める定期コース(「栄養士おまかせ定期便」)において、第1四半期に会員数が2019年第4四半期と比較し、657名(同8.0%)増加したものの、第2四半期以降3四半期連続で会員数が減少した。

 b.期半ばに契約締結の遅れが生じたことに加えて、期末には新型コロナウイルス感染症拡大によって多くの企業が営業活動を縮小した影響もあり、契約締結に向けた追い込みができず受注件数が減少した。

 販売費及び一般管理費は、物流費の上昇、従業員の増加に伴う人件費および採用費の増加、新工場の稼働に伴う初期費用の発生等により1,476,056千円(前年同期比10.3%増)となり、営業利益は539,883千円(前年同期比24.3%減)となりました。

 営業外収益は1,834千円(前年同期比63.2%増)となりました。主な内訳は、受取手数料882千円、雑収入952千円であります。また、営業外費用は、4,968千円(前年同期比68.1%減)となりました。主な内訳は、支払利息4,960千円であります。その結果、経常利益は536,749千円(前年同期比23.2%減)となりました。

 税引前当期純利益は536,749千円(前年同期比23.2%減)と利益の減少により法人税、住民税及び事業税など法人税等合計が191,374千円となり、当期純利益は345,375千円(前年同期比21.8%減)となりました。

 

 当事業年度末の財政状態は、主に現金及び預金の減少(前事業年度末比27,036千円減)があった一方、総資産が8,713,303千円(前事業年度末比4,433,834千円増)となりました。

 事業年度末の流動資産は2,682,416千円(前事業年度末比99,315千円増)となりました。この主な要因は、現金及び預金の減少27,036千円、売掛金の減少38,843千円並びに商品の減少85,608千円、「その他」に含まれる未収消費税等の増加218,770千円によるものであります

 当事業年度末の固定資産は6,030,887千円(前事業年度末比4,334,518千円増)となりました。この主な要因は、新工場の建設による建設仮勘定4,333,829千円及び工具、器具及び備品(純額)5,596千円の増加があった一方、繰延税金資産の減少3,098千円によるものであります。

 当事業年度末の流動負債は5,611,158千円(前事業年度末比4,071,524千円増)となりました。この主な要因は、新工場建設費用としての短期借入金の増加3,850,000千円、未払金の増加311,271千円があった一方、未払法人税等の減少91,461千円によるものであります。

 当事業年度末の固定負債は5,465千円(前事業年度末比7千円増)となりました。この要因は、資産除去債務の増加7千円によるものであります。

 当事業年度末の純資産は3,096,679千円(前事業年度末比362,302千円増)となりました。この主な要因は、資本金及び資本剰余金の増加がそれぞれ4,763千円、利益剰余金の増加345,375千円並びに新株予約権の増加7,400千円によるものであります

 

 当事業年度のキャッシュ・フローの状況とそれらの原因については「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

 

 当社の経営成績に重要な影響を与える要因として、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、食品の安全性への信頼を揺るがす事故・事件の発生等、様々なリスク要因が当社の経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。そのため、当社は、定期的な第三者機関による品質・安全性の検査の実施等により、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散し、リスクの発生を抑え、適切に対応していく所存であります。なお、新型コロナウイルス感染症の影響については、マーケティング事業において多くの企業が営業活動を縮小した影響もあり、受注件数は減少したものの、MFD事業においては、宅配サービスへのニーズが高まるなど、業績への影響は軽微であると見込んでおります。

 

 当社の資本の財源及び資金の流動性は次のとおりであります。

 当社の運転資金需要のうち主なものは、商品及び原材料の仕入、運賃、広告宣伝費、保管料、人件費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。当社は、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画 (1)重要な設備の新設等」に記載のとおり、2019年3月期から2020年3月期にかけて重要な設備投資を実行しており、自己資金及び金融機関からの借入等による資金調達を行いました。2021年3月期にかけても、当該投資に伴う資金を自己資金により充当を行ってまいります。

 なお、当事業年度末における有利子負債の残高は5,000,000千円となっております。また、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は1,923,057千円となっております。