3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

 当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

 当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い緊急事態宣言が発出され、休業要請や外出自粛を背景として個人消費は大幅に低下し、その後、緊急事態宣言が解除されたことにより経済活動に再開の動きが見られたものの、感染の再拡大により飲食店の営業時間短縮や不要不急の外出自粛を再要請する自治体が出ていることや、失業率の上昇や賞与の下振れ等により雇用所得環境が悪化していることもあり、個人消費は新型コロナウイルス感染症の感染拡大前の水準を下回る状態が続いております。また、世界経済においても、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により個人消費は大幅に低下し、その後、新規感染者数の減少により個人消費に回復基調が見られたものの、感染の再拡大により個人消費の落ち込みも見込まれ、先行きは依然として不透明な状態が続いております。

 当社が属する食事宅配市場は、共働き世帯の増加やライフスタイルの多様化、女性の社会進出、高齢者を中心とする買物弱者の増加といった社会的背景や、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴って、宅配需要が増加しているため堅調に推移しております。

 当社が主な顧客としている生活習慣病患者は年々増加傾向にあり、また、少子高齢化が進むことにより65歳以上の高齢者のみの世帯が増加するなど市場の成長が見込める経営環境となっております。そのため、食事宅配市場を今後の更なる成長が見込める有望市場と捉えて、新規参入する企業が増加しており、引き続き競争の激化が進んでおります。また、食品業界におきましては、食の安心・安全に対する消費者の関心が一層高まる中、企業の管理体制の徹底が求められております。

 このような環境の中、当社では「一人でも多くのお客様に健康で楽しい食生活を提案し、豊かな未来社会に貢献します」という企業理念を念頭に、当社の強みである管理栄養士・栄養士によるきめ細かい栄養相談を活かして、お客様にとって価値の高い商品及びサービスを提供し、品質向上に努めてまいりました。

 この結果、当事業年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

イ.財政状態

 当事業年度における財政状態は、総資産は7,732,592千円(前事業年度末比980,711千円減)となりました。負債は5,119,540千円(前事業年度末比497,084千円減)となりました。純資産は2,613,052千円(前事業年度末比483,627千円減)となりました。

 

ロ.経営成績

 当事業年度における経営成績は、売上高は3,062,696千円(前期比8.5%減)、営業損失は553,192千円(前期は営業利益539,883千円)、経常損失は559,856千円(前期は経常利益536,749千円)、特別利益は87,616千円、当期純損失は374,663千円(前期は当期純利益345,375千円)となりました。

 

 セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

 

MFD事業

 当セグメントにおきましては、糖尿病、高血圧など食事療法を必要とされる方に向けて従来より実施している季節ごとの商品入れ替えに加えて、食事療法を必要とされていない方でも召し上がることのできる医師監修の新商品を開発し、販売を開始しました。

 また、従来どおり、全国の医療機関等へ当社及びサービスの認知度の向上に向けた取り組みによる紹介ネットワークの拡大と深耕を通して新規顧客の獲得に努めるとともに、当社の管理栄養士・栄養士がお客様の疾病、制限数値、嗜好に合わせて食事を選び定期購入できるサービス「栄養士おまかせ定期便」への積極的な移行を中心として販売に注力しました。

 一方、前事業年度においては当社サービスがテレビ番組で紹介された影響により新規顧客数及び販売数が増加していたこと、当事業年度においては新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により医療機関からの紹介による新規顧客が減少したことから、前年同期比で収益が悪化しました。

 この結果、MFD事業における売上高は2,673,004千円(前期比10.6%減)、セグメント利益(営業利益)は609,554千円(同0.7%減)となりました。

 

CID事業

 当セグメントにおきましては、旬や国産の食材にこだわる食事宅配の新サービス『旬をすぐに』を2020年7月19日に開始しました。新サービス『旬をすぐに』の開始に向けて埼玉工場に係る初期費用が発生したこと、サービスの提供を開始したものの損益分岐点に達していないこと、サービス認知度の向上及び新規顧客の獲得のために実施したWEBメディアや電車内ドア横への広告掲載及び無料サンプリング・キャンペーンによる広告宣伝費が発生したことから、収益が悪化しました。

 この結果、CID事業における売上高は29,669千円、セグメント損失(営業損失)は1,102,142千円となりました。

 

マーケティング事業

 当セグメントにおきましては、健康食通販カタログ『ミールタイム』及び『ミールタイム ファーマ』の2誌による広告枠の販売、また、紹介ネットワークを活用した業務受託において複数の案件を獲得しました。広告売上高が減少した一方、新規取引先の開拓に注力したことにより業務受託収入が増加したことから、前年同期比で収益が改善しました。

 この結果、マーケティング事業における売上高は360,021千円(前期比0.5%増)、セグメント利益(営業利益)は257,362千円(同2.8%増)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

 当事業年度における現金及び現金同等物の残高は期首残高より1,254,582千円減少し、668,474千円(前期比65.2%減)となりました。

 当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動によるキャッシュ・フローは278,719千円の支出(前期は205,892千円の収入)となりました。この主な要因は、税引前当期純損失が472,239千円、減価償却費が461,994千円、売上債権の減少額が21,976千円、たな卸資産の増加額が217,890千円、仕入債務の増加額が24,779千円、未収消費税等の減少額が168,658千円、補助金収入が84,653千円、法人税等の支払額が139,388千円となったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動によるキャッシュ・フローは667,007千円の支出(前期比83.7%減)となりました。この主な要因は、有形固定資産の取得による支出が636,134千円、無形固定資産の取得による支出が30,890千円となったことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローは308,855千円の支出(前年同期は3,859,527千円の収入)となりました。この主な要因は、長期借入金の返済による支出が202,770千円、自己株式取得による支出が87,143千円、配当金の支払額が19,263千円となったことによるものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

イ.生産実績

当事業年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(千円)

前期比(%)

CID事業

1,097,001

(注)1.金額は、製造原価によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

ロ.仕入実績

当事業年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

仕入高(千円)

前期比(%)

MFD事業

1,205,711

△0.1

マーケティング事業

59,965

+16.8

合計

1,265,677

+0.6

(注)1.金額は、仕入価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

ハ.受注実績

当社は、受注から販売までの期間が短期間のため、記載を省略しております。

 

ニ.販売実績

当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(千円)

前期比(%)

MFD事業

2,673,004

△10.6

CID事業

29,669

マーケティング事業

360,021

+0.5

合計

3,062,696

△8.5

(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2.総販売実績に対する販売割合が10%以上の相手先はありません。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。財務諸表の作成に当たり、資産及び負債または損益の状況に影響を与える会計上の見積りは、過去の実績等の財務諸表作成時に入手可能な情報に基づき合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 財務諸表の作成に当たって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。また、財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載しております。

 

② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当社の当事業年度の経営成績は、MFD事業において、以前より実施している季節ごとの商品入れ替え、糖尿病、高血圧など食事療法を必要とされる方に向けた新商品の開発、全国の医療機関等へ当社及びサービス認知度の向上にむけた取り組みによる紹介ネットワークの拡大と深耕を通じた新規顧客の獲得、及び「栄養士おまかせ定期便」利用者獲得の推進、また、CID事業において、SNSや広告宣伝による新規顧客の獲得や埼玉工場の立ち上げの推進、さらに、マーケティング事業において、紹介ネットワークを活用した業務受託の案件獲得に向けた提案営業に注力した結果、売上高が3,062,696千円(前期比8.5%減)、売上総利益が962,000千円(前期比52.3%減)となりました。当社では、下記の2点が減収・減益の要因であると認識しております。

イ.MFD事業において、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、当社の紹介ネットワークである医療機関からの新規顧客の流入が低調に推移し、定期購入サービスへの移行が当初の想定を下回った。また、MFD事業のチャネル別売上比率の約6割を占める定期購入サービスの利用会員数が4四半期連続で減少した。

ロ.当事業年度より開始したCID事業の損益分岐点の未達及び翌事業年度の販売見通しに基づいた当事業年度末時点での販売不能見込みを製品評価損として織り込んだことにより、多額の売上原価が発生した。

 

 販売費及び一般管理費は、物流費の上昇、従業員の増加に伴う人件費及び採用費の増加、新工場の稼働に伴う初期費用の発生等により1,515,193千円(前期比2.7%増)となり、営業損失は553,192千円(前年同期は営業利益539,883千円)となりました。

 営業外収益は2,739千円(前期比49.4%増)となりました。主な内訳は、受取手数料708千円、還付加算金1,170千円、雑収入860千円であります。また、営業外費用は、9,403千円(前期比89.3%増)となりました。主な内訳は、支払利息8,412千円、支払手数料312千円、雑損失679千円であります。その結果、経常損失は559,856千円(前期は経常利益536,749千円)となりました。

 特別利益は87,616千円となりました。主な内訳は、補助金収入84,653千円、新株予約権戻入益2,962千円であります。

 税引前当期純損失は472,239千円(前期は税引前当期純利益536,749千円)と利益の減少により法人税、住民税及び事業税など法人税等合計が△97,576千円となり、当期純損失は374,663千円(前期は当期純利益345,375千円)となりました。

 

 当事業年度末の財政状態は、主に現金及び預金の減少(前事業年度末比1,254,582千円減)があったことなどから、総資産が7,732,592千円(前事業年度末比980,711千円減)となりました。

 事業年度末の流動資産は1,716,325千円(前事業年度末比966,091千円減)となりました。この主な要因は、現金及び預金の減少1,254,582千円、売掛金の減少21,976千円があった一方、商品及び製品の増加130,961千円、原材料及び貯蔵品の増加88,403千円、未収入金の増加84,635千円、未収法人税等の増加210,088千円によるものであります。

 当事業年度末の固定資産は6,016,267千円(前事業年度末比14,620千円減)となりました。この主な要因は、建物(純額)の増加2,386,872千円、構築物(純額)の増加487,308千円、機械装置及び運搬具(純額)の増加2,454,884千円、工具、器具及び備品(純額)の増加39,273千円、ソフトウエアの増加72,075千円、差入保証金の増加2,068千円があった一方、建設仮勘定の減少5,434,045千円、繰延税金資産の減少23,267千円によるものであります。

 当事業年度末の流動負債は587,197千円(前事業年度末比5,023,961千円減)となりました。この主な要因は、買掛金の増加24,779千円、1年内返済予定の長期借入金の増加270,360千円があった一方、短期借入金の減少5,000,000千円、未払金の減少256,523千円、未払法人税等の減少59,307千円によるものであります。

 当事業年度末の固定負債は4,532,342千円(前事業年度末比4,526,877千円増)となりました。この主な要因は、長期借入金の増加4,526,870千円によるものであります。

 当事業年度末の純資産は2,613,052千円(前事業年度末比483,627千円減)となりました。この主な要因は、配当金の支払い及び当期純損失の計上による利益剰余金の減少394,028千円、自己株式取得に伴う株主資本の減少87,143千円、新株予約権の減少2,777千円によるものであります。

 

 当事業年度のキャッシュ・フローの状況とそれらの原因については「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

 

 当社の経営成績に重要な影響を与える要因として、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、食品の安全性への信頼を揺るがす事故・事件の発生等、様々なリスク要因が当社の経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。そのため、当社は、定期的な第三者機関による品質・安全性の検査の実施等により、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散し、リスクの発生を抑え、適切に対応していく所存であります。なお、新型コロナウイルス感染症の影響について、MFD事業においては、当社の紹介ネットワークである医療機関における外来患者の減少に伴い、医療機関からの新規顧客の流入が低調に推移しており、定期購入サービスの利用会員数も減少傾向にあるため、業績は悪化傾向にあります。WEBによるコミュニケーションを検討するなど、業績回復に向けて継続的に商品・サービスの見直しを検討してまいります。CID事業及びマーケティング事業においては、特段大きな影響を受けておらず、業績への影響は軽微であると見込んでおります。

 

 

 当社の資本の財源及び資金の流動性は次のとおりであります。

 当社の運転資金需要のうち主なものは、商品及び原材料の仕入、運賃、広告宣伝費、保管料、人件費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。

 当社は、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

 当社は、2019年3月期から2021年3月期にかけて埼玉工場に係る設備投資を実行しており、自己資金及び金融機関からの借入等による資金調達を行いました。翌事業年度においては、重要な設備投資等を予定していないため、事業運営上必要な自己資金の安定的な確保に努めてまいります。

 なお、当事業年度末における有利子負債の残高は4,797,230千円となっております。また、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は668,474千円となっております。