3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。なお、経営上の客観的な指標等にかかる分析につきましては、1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 経営戦略等をご参照ください。

(1) 経営成績等の状況の概要

当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当期におけるわが国経済は、企業収益及び雇用環境の改善等により、景気は緩やかな回復傾向にありましたが、消費税率の引き上げ後は個人消費に力強さを欠く状況となりました。さらに、米国の通商政策に端を発する貿易摩擦の長期化、新型コロナウイルス感染症の拡大により、景気の先行きは依然として不透明な状況が続いております。

このような経済環境のもと、当社は、主力事業であるcowcamo(カウカモ)事業のサービス改善及び組織体制の強化による事業規模拡大、システム開発への投資などの施策を中心に取り組んでまいりました。

以上の結果、当期の売上高は1,718,876千円(前事業年度比13.4%増)、営業損失は150,504千円(前事業年度は営業利益19,432千円)、経常損失は159,244千円(前事業年度は経常利益7,451千円)、当期純損失は431,740千円(前事業年度は当期純利益10,735千円)となりました。

 

セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。

a.cowcamo(カウカモ)事業

当セグメントにおきましては、主にリノベーション住宅のオンライン流通プラットフォームcowcamoの運営を通じて、リノベーション住宅のマッチング・仲介を行っております。当事業に係る外部環境は、新築マンション価格の高止まりを受けた中古マンション流通の拡大及びリノベーションに対する顧客認知の高まりにより、リノベーションマンション流通市場は拡大基調にあります。他方、当第3四半期以降においては、新型コロナウイルス感染症の拡大による外出自粛要請、これに伴う一部営業停止等により、短期的には大幅な成約件数の減少がみられました。

このような環境のもと、事業のさらなる成長に向け、プロダクトの機能改善やオンラインを中心とした広告活動、物件案内を行う営業人員の教育、業務システムの開発などに取り組んでまいりました。

この結果、売上高は1,339,918千円(前事業年度比5.6%増)、セグメント利益は283,901千円(前事業年度比17.5%減)となりました。

 

b.シェアードワークプレイス事業

当セグメントにおきましては、主にコワーキングスペース・ワークプレイスレンタルサービスの運営事業及びオフィス設計を中心とした設計・空間プロデュースの受託事業から構成されております。当事業に係る外部環境は、当期上期においては、都心部におけるオフィス需要の拡大や働き方の多様化により需要の拡大がみられた一方、当第3四半期以降の新型コロナウイルス感染症の拡大によるリモートワークの導入などによりオフィス需要の減少がみられました。
 このような環境のもと、当社は、2019年12月に当社直営の過去最大規模となるコワーキングスペース、co-ba ebisu(東京都渋谷区)を新規に開設いたしました。

この結果、売上高は378,957千円(前事業年度比53.7%増)、セグメント利益は53,531千円(前事業年度比29.7%増)となりました。

 

当事業年度末の総資産は、2,162,370千円となり、前事業年度末と比較して293,307千円の増加となりました。

財政状態の状況につきましては、「(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ② 財政状態の分析」に記載しております。

 

 

② キャッシュ・フローの状況

当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、長期借入れによる収入等により、前事業年度末に比べて147,917千円増加し、当事業年度末には1,519,889千円となりました。

当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果支出した資金は78,533千円(前事業年度は399,741千円の獲得)となりました。これは主に、税引前当期純損失419,572千円があった一方で、減価償却費64,834千円、減損損失244,456千円、売上債権の減少33,640千円等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果支出した資金は526,644千円(前事業年度は169,543千円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出226,579千円、匿名組合出資金の払込による支出300,000千円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果得られた資金は753,095千円(前事業年度は837,471千円の獲得)となりました。これは主に、長期借入れによる収入627,000千円、社債の発行による収入193,214千円等があったことによるものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績及び受注実績

当社は主に、インターネット上において、中古・リノベーション住宅の売主と買主のマッチングを実現するプラットフォーム「cowcamo」の運営(cowcamo(カウカモ)事業)、スタートアップ企業等の「チャレンジする人・組織」を主要顧客として働く場を提供する「co-ba (コーバ)」の運営、主にオフィス移転を検討するクライアント企業に対して、仲介、設計等のコンサルティングをワンストップで提供するオフィスソリューションサービス(シェアードワークプレイス事業)を行っております。提供するサービスの性格上、生産実績及び受注実績の記載に馴染まないため、記載を省略しております。

 

b.販売実績

当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当事業年度

(自 2019年8月1日

至 2020年7月31日)

販売高(千円)

前年同期比(%)

cowcamo(カウカモ)事業

1,339,918

5.6

シェアードワークプレイス事業

378,957

53.7

合計

1,718,876

13.4

 

(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.当事業年度の主要な相手先別の販売実績は、総販売実績に対する割合が100分の10以上の相手先がいないため、記載を省略しております。また、前事業年度の主要な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は以下のとおりです。

 

前事業年度

当事業年度

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

個人(不動産購入者)

205,628

13.6

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次の通りであります。

① 重要な会計方針及び見積り

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を合理的に勘案し判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

当社の財務諸表の作成にあたって採用する重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況」に記載しております。

なお、新型コロナウィルス感染症拡大の影響については、収束時期が不透明なため、今後の動向について予測は難しいものの、緊急事態宣言解除後のcowcamoに関する反響数の回復や、cowcamo会員数は安定的に積みあがっていることもあり、新型コロナウィルス感染症により当社の翌事業年度以後の業績に重要な影響を与えるものではないと仮定し、当事業年度の会計上の見積りを行っております。詳細は「第5 経理の状況 1財務諸表等 注記事項 (追加情報)」に記載のとおりであります。

 

 

② 財政状態の分析

(資産の部)

当事業年度末における流動資産は1,660,089千円となり、前事業年度末に比べ154,596千円増加いたしました。これは主に現金及び預金が192,651千円増加したことによるものであります。

当事業年度末における固定資産は502,281千円となり、前事業年度末に比べ138,711千円増加いたしました。これは主にco-ba ebisu開設と賃貸用不動産の取得があり、有形固定資産が300,625千円増加したものの、ソフトウエアに関して減損損失187,802千円計上したこと等によるものであります。

 

(負債の部)

当事業年度末における流動負債は305,565千円となり、前事業年度末に比べて35,733千円増加いたしました。これは主に1年内返済予定の長期借入金が50,867千円増加し、1年内償還予定の社債が40,000千円増加、未払消費税等が63,023千円減少したことによるものであります。

当事業年度末における固定負債は781,997千円となり、前事業年度末に比べて657,959千円増加いたしました。これは主に長期借入金が486,459千円増加し、社債が160,000千円増加したことによるものであります。

 

(純資産の部)

当事業年度末における純資産合計は1,074,807千円となり、前事業年度末に比べて400,384千円減少いたしました。これは主に当期純損失431,740千円の計上により利益剰余金が431,740千円減少したことによるものであります。

 

③ 経営成績の分析

(売上高)

当事業年度の売上高は、1,718,876千円(前年同期比13.4%増)となりました。これは新型コロナウィルス感染症の拡大の影響を受けつつも、cowcamo会員数の増加、新規顧客の獲得などに努め、cowcamo(カウカモ事業)・シェアードワークプレイス事業それぞれ増収となったためです。

(売上原価、売上総利益)

当事業年度の売上原価は、524,855千円(前年同期比15.3%増)となりました。これは主に、シェアードワークプレイス事業における新拠点の賃料等の増加によるものであります。この結果、売上総利益は1,194,020千円(前年同期比12.7%増)となりました。

(販売費及び一般管理費、営業損益)

当事業年度の販売費及び一般管理費は、1,344,525千円(前年同期比29.2%増)となりました。これは主に、事業の拡大に伴う人員の増加による給与等の支払い及び業務委託費が増大したこと等によるものであります。この結果、営業損失は150,504千円(前年同期は営業利益19,432千円)となりました。

(経常損益)

当事業年度において営業外収益が4,262千円、営業外費用が13,002千円発生しております。この結果、経常損失は159,244千円(前年同期は経常利益7,451千円)となりました。

(当期純損益)

当事業年度において固定資産の減損損失244,456千円等があり、特別損失を260,327千円計上しております。また、法人税等合計を12,168千円計上しております。この結果、当期純損失は431,740千円(前年同期は当期純利益10,735千円)となりました。

 

④ キャッシュ・フローの状況の分析

キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

 

⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因について

経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、様々なリスク要因が当社の経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。

そのため、当社は常に市場動向に留意しつつ、内部管理体制の強化、優秀な人材の確保、市場のニーズにあったサービスの展開等により、当社の経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散・低減し、適切に対応を行ってまいります。

 

⑥ 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社の運転資金需要のうち主なものには、cowcamo(カウカモ)事業及びシェアードワークプレイス事業における人件費、外注費、広告宣伝費等があります。必要資金の確保及び流動性リスクの未然防止または低減の観点から、市場環境や長短のバランスを勘案して、内部資金の活用及び借入により調達のほか、社債の発行等の調達手段を行い、資金調達手段の多様化を図っております。

なお、足元では新型コロナウイルス感染症の影響の長期化に備え、手元流動性と資金の確保に努めてまいります。