3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度(2019年6月1日~2020年5月31日)におけるわが国の経済は、雇用や所得環境の改善や各種政策の効果もあり、緩やかな回復基調で推移しておりましたが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、景気下振れのリスクが急速に顕在化いたしました。新型コロナウイルス感染症の感染拡大が内外経済に与える影響に加え、米中通商問題などの海外経済の動向や金融資本市場の変動の影響も受け、先行きは極めて不透明な状況にあります。

そのような中、日本国内の美術品市場は、前年とほぼ同様の市場規模で推移しましたが、昨年後半から、特に近代美術の中低価格帯の相場が急落するとともに、市場全体の流通量も大幅に減少しております。この傾向は今後も続くと思われ、当社にとって軽視できない状況にあります。エネルギー関連事業では、自社所有の秩父太陽光発電所の売電事業は順調に稼働しており、当社の安定した収益となっています。国内のバイオマス発電所の本格稼動は少し遅れておりますが、PKS事業の領域は収益化の目処がつきつつあります。

 

 a.財政状態

当連結会計年度末の資産合計は、前年比1,650,584千円減の3,085,092千円となりました。

当連結会計年度末の負債合計は、前年比1,515,020千円減の1,324,718千円となりました。

当連結会計年度末の純資産合計は、前年比135,563千円減の1,760,373千円となりました。

 

b.経営成績

各事業の業績は次のとおりです。

 

1.オークション関連事業

 オークション関連事業は、取扱高2,834,981千円(前年比38.5%減)、売上高1,538,425千円(前年比27.9%減)、セグメント損失146,361千円(前年は63,494千円のセグメント利益)となりました。

種別の業績は次のとおりです。

 

 

 

第31期

 

2020年5月期

 

取扱高

前年比増減

売上高

前年比増減

オークション

オークション

オークション

落札率

(千円)

(%)

(千円)

(%)

開催数

出品数

落札数

(%)

近代美術オークション

541,380

△52.2

99,702

△62.8

4

349

266

76.2

近代陶芸オークション

303,545

△24.3

57,677

△34.8

4

686

623

90.8

近代美術PartⅡオークション

158,430

△3.5

34,789

△9.4

4

681

624

91.6

その他オークション

(注)2

362,650

△67.9

88,146

△47.7

9

1,957

1,255

64.1

オークション事業合計

1,366,005

△51.7

280,316

△50.2

21

3,673

2,768

75.4

プライベートセール

1,465,641

△17.5

1,238,057

△20.0

 

 

 

 

その他

3,335

△34.6

20,051

△9.9

 

 

 

 

オークション関連

その他事業合計

1,468,976

△17.6

1,258,109

△19.9

 

 

 

 

オークション関連事業合計

2,834,981

△38.5

1,538,425

△27.9

 

 

 

 

 

(注)1.取扱高の前年比増減率と売上高の前年比増減率の乖離の大きな要因のひとつに、商品売上高の増減があ
ります。商品売上高は、オークション落札価額に対する手数料収入、カタログ収入、年会費等と同様に
売上高を構成する要素であり、在庫商品を販売した場合、その販売価格(オークションでの落札の場合
には落札価額)を商品売上高として、売上高に計上することとしております。

   2.その他オークションは、出品の状況により随時開催しております。

 

ⅰ)オークション事業

当連結会計年度は、オークションの開催回数は21回(前年度開催回数26回)でした。内訳は、近代美術オークション、近代美術PartⅡオークション及び近代陶芸オークションを各4回、戦後美術&コンテンポラリーアートオークションを3回、ワインオークション及びBags/Jewellery&Watchesオークションを各2回、西洋美術オークション及びMANGAオークションを各1回です。

3月中旬から5月末までで、近代美術オークション、近代美術PartⅡオークション及び戦後美術&コンテンポラリーアートオークションを各2回、西洋美術オークション、ワインオークション及びMANGAオークションを各1回の計9回のオークションの開催を予定しておりましたが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を防止するために政府から外出やイベント等の自粛要請及び緊急事態宣言が発令されたことを受けて、これらのオークションの開催を6月以降に延期し、大幅な取扱高の減少となりました。加えて、これまで主力の近代美術オークションで取り扱っていた作品のうち、相場全体の下落によって主に低価格帯を取り扱う近代美術PartⅡオークションの価格帯まで下落している作品が多くなっております。このような中、当社が得意とする高額な良品の流通は市場全体で極めて少なく、オークションへの出品誘致が難しくなっており、大幅な取扱高の減少となりました。

近代美術オークションは、前年比で2開催少なかったため、出品点数34.2%減、落札点数35.0%減、平均落札単価27.9%減となりましたが、エスティメイト下限合計額に対する落札価額合計額の比率は、平均で111.9%と高水準で推移いたしました。

近代陶芸オークションは、出品点数6.8%減、落札点数8.2%減、平均落札単価17.8%減となりましたが、エスティメイト下限合計額に対する落札価額合計額の比率は、平均で129.3%と高水準で推移いたしました。

近代美術PartⅡオークションは、前年比で2開催少なかったため、出品点数44.4%減、落札点数39.0%減となりました。平均落札単価は前年比で59.5%増加し、エスティメイト下限合計額に対する落札価額合計額の比率は、平均で195.6%と高水準で推移いたしました。

その他オークションでは、ワインオークションが引き続き好調を保ったほか、新たな柱となり得る戦後・現代美術へのシフトの一環として、戦後美術&コンテンポラリーアートオークションを3回開催し、取扱高92,255千円、落札率91.5%の実績を上げました。しかしながら、前年同期間には、オークション会場リニューアル及びShinwa Priveの画廊スペース新設記念特別オークションとして「Y氏コレクション - ART JUNGLE」を開催しており、前年同期間との比較では取扱高、売上高ともに大きく減少しております。

 

ⅱ)オークション関連その他事業

 プライベートセール部門では、Shinwa Priveの画廊スペースを活用したお客様のニーズにきめ細やかに対応できる体制を整え、高額作品を積極的に取り扱い順調に推移いたしましたが、前連結会計年度は特別高額な案件の成約があったことに加え、3月以降は新型コロナウィルス感染症対策のため、画廊スペースを休業し営業活動を縮小したため、前年比では、取扱高、売上高ともに減少しております。その他、資産防衛ダイヤモンド販売事業は、消費税率引上げの影響を受け、9月には駆け込み需要があったものの10月以降はその反動で伸び悩みました。しかし、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響が出始めた頃から資産防衛としてのダイヤモンドの価値が高まり始め、問い合わせが多くなり、回復の基調が見え始めました。

 

2.エネルギー関連事業

マレーシアにおけるPKS事業では、継続して収益改善に取り組むとともに、販売先の開拓にも注力いたしました。その他、子会社保有の太陽光発電施設による売電事業は堅調に推移しております。昨年まで行っていた新規の低圧型太陽光発電施設販売事業につきましては、今期は販売いたしませんでした。新型コロナウイルス感染症の影響につきましては、売電事業は予定通り推移いたしましたが、マレーシアにおけるPKS事業は、マレーシア政府による活動制限令を受けて3月中旬から5月上旬まで事業活動を停止していたため、約60百万円の売上減となりました。

以上により、当連結会計年度の売上高は、前年比76.6%減の175,118千円、セグメント損失は、34,590千円(前年は64,779千円のセグメント損失)となりました。

 

以上により、当連結会計年度の業績は、売上高1,719,155千円(前年比41.4%減、対前年減少額1,213,302千円)、営業損失271,469千円(前年は86,047千円の営業損失)、経常損失322,739千円(前年は134,967千円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純損失305,705千円(前年は56,546千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動及び投資活動によるキャッシュ・フローの増加、財務活動によるキャッシュ・フローの減少の結果571,561千円の資金使用となり、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は185,883千円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において営業活動の結果獲得した資金は、36,151千円(前年は34,191千円の獲得)となりました。これは主に、棚卸資産の減少による資金増加256,720千円、オークション未収入金の減少による資金増加182,733千円に対し、オークション未払金の減少による資金減少272,228千円によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において投資活動の結果獲得した資金は、322,021千円(前年は405,652千円の獲得)となりました。これは主に定期預金の純減少額による資金増加334,997千円に対し、保険積立金の積立による資金減少5,155千円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において財務活動の結果使用した資金は、932,149千円(前年度は995,227千円の使用)となりました。これは主に自己株式の処分による資金増加197,256千円に対し、短期借入金の純減少額による資金減少861,042千円及び長期借入金の返済による資金減少147,932千円によるものであります。

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当社グループは、主に美術品等のオークション事業運営とエネルギー関連事業を行っており、生産実績の記載はしておりません。

 

 b.受注実績

当社グループは、受注生産を行っておりませんので、受注実績の記載はしておりません。

 

 c.販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2019年6月1日

  至 2020年5月31日)

前年同期比(%)

オークション関連事業(千円)

1,538,425

△27.9

エネルギー関連事業(千円)

175,118

△76.6

報告セグメント計(千円)

1,713,543

△40.5

その他(千円)

5,611

△89.1

合計(千円)

1,719,155

△41.4

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自  2018年6月1日

至  2019年5月31日)

当連結会計年度

(自  2019年6月1日

至  2020年5月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

株式会社ニトリ

718,263

24.5

767,794

44.7

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

当連結会計年度の財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.経営成績等

 1.財政状態の分析

当連結会計年度の資産につきましては、総資産は、前年比1,650,584千円減の3,085,092千円となりました。内訳は流動資産が716,301千円減の2,522,047千円、固定資産は934,283千円減の563,045千円となりました。流動資産の主な内訳と増減は、現金及び預金317,886千円(前年比905,276千円の減少)、オークション未収入金1,348千円(前年比189,261千円の減少)、商品1,883,597千円(前年比586,480千円の増加)、前渡金109,761千円(前年比38,229千円の減少)であります。固定資産の主な内訳と増減は、機械装置及び運搬具(純額)37,800千円(前年比809,794千円の減少)、土地12,900千円(前年比108,860千円の減少)であり、太陽光発電設備の所有目的の変更により、機械装置及び運搬具744,928千円と土地108,860千円を商品に振り替えたことによるものであります。

負債は前年比1,515,020千円減の1,324,718千円となりました。内訳は流動負債が1,372,199千円減の570,591千円、固定負債が142,821千円減の754,126千円となりました。流動負債の主な内訳と増減は、短期借入金251,500千円(前年比861,042千円の減少)、1年内返済予定の長期借入金59,332千円(前年比88,600千円の減少)、オークション未払金2,334千円(前年比272,228千円の減少)であります。固定負債の主な内訳と増減は、長期借入金156,008千円(前年比59,332千円の減少)及び長期割賦未払金449,525千円(前年比53,926千円の減少)であります。

純資産は、前年比135,563千円減少の1,760,373千円となりました。この主な内訳と増減は、資本金1,133,142千円(前年比増減なし)、資本剰余金801,835千円(前年比62,453千円の増加)、利益剰余金Δ86,557千円(前年比334,086千円の減少)であります。この結果、1株当たり純資産額は247.70円、自己資本比率は57.1%となっております。

 

 2.経営成績

当連結会計年度の経営成績は、「(1)経営成績等の状況の概要①財政状態及び経営成績の状況b.経営成績」に記載のとおりであります。

 

b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

オークション関連事業においては、古美術やワイン等の一部のオークションの堅調な推移が期待できる一方、昨年後半から近代美術の中低価格帯の相場が急落しており、この状況は来期も継続すると思われます。そして、新型コロナウイルス感染症の感染拡大によりオークションの開催を延期せざるを得ない事態も想定されます。当社グループは、「日本近代美術再生プロジェクト」と題した、日本の近代美術の再評価と価値付けに取り組んでまいりましたが、近代美術以外の新たな柱となり得るコンテポラリーアート(戦後美術を含む)へのシフトに注力し、新たに資産形成アート投資サロンを立ち上げ数多くのコレクターを呼び込み、オークションへの取扱点数と取扱価格を増加させると同時に、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に影響されにくい新たな事業の開発に積極的に取り組んでまいります。具体的には、インターネットからのオークション参加やオンラインオークションを立ち上げ、会場にこだわらず遠隔地からのオークションへの参加を可能にして、日本からだけでなくアジアを巻き込む事業展開の中で、安全に換金・コレクションができるプラットフォームを提供し、事業の拡大を図ってまいります。また、オークション事業から派生した資産防衛ダイヤモンド事業は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大にかかる各国の金融緩和政策から生じるインフレ懸念から、ダイヤモンドへの需要が高まってきており売上の増大を目指します。

エネルギー関連事業においては、低圧型太陽光発電施設販売事業がここ数年内に収束を迎えると思われるため、当社の太陽光発電施設事業も縮小を余儀なくされるものの、マレーシアから日本へのPKS(ヤシ殼)輸出事業は、今年に入り、需要が供給を上回る状況となり、日本国内のPKSを燃料とするバイオマス発電所の完工ラッシュが始まることから、2021年5月期は同事業の黒字化を目指します。

 

c.資本の財源及び資金の流動性

資金需要

当社グループの事業活動における資金需要の主なものは、オークション事業の商品仕入及び前渡金、エネルギー関連事業の売却用太陽光発電設備建設資金、各事業の販売費及び一般管理費があります。

 また、設備資金需要としては、エネルギー関連事業の売電のための太陽光設備投資があります。

 

 

財務政策

当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用及び金融機関からの借入を主に資金の調達を行っております。

オークション関連事業の資金については、取引行1行と計300,000千円の当座貸越契約を締結しており、安定的な調達を図っております。

また、持株会社体制への移行を行い、運転資金及び設備資金管理を一元管理し、資金調達コストの低減化、全社グループでの効率的な資金活用を図っております。

 

d.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 ROE(自己資本当期純利益率)を重要な指標として位置づけ、当社グループの効率的な経営の実現を目標として、15%以上を連結での中長期的な指標として掲げておりますが、当連結会計年度は、赤字業績のため算出しておりません。

 

.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

③.重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、当社グループは、過去の実績値や現状等を踏まえ、合理的と判断される前提に基づき継続的に見積り、判断及び評価を行っております。

 当社グループの経営陣が、当連結会計年度末において、見積り、判断及び評価等により、当社グループの連結財務諸表に重要な影響を及ぼすと考えているものとしては、貸倒引当金、棚卸資産の評価、固定資産の減損、退職給付に係る負債、繰延税金資産があげられます。

 なお、見積り、判断及び評価等については、過去の実績や現状等に基づいて合理的と考えられる要因等に基づいて行っておりますが、見積りや評価には、不確実性が伴うため、実際の結果と異なる場合があります。

a.貸倒引当金

当社グループは一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能となる見積額を貸倒引当金として計上しておりますが、将来、販売代金の未回収が発生し、引当金の追加計上又は貸倒損失が発生する可能性があります。

b.棚卸資産

当社グループが販売する棚卸資産は評価基準として、個別法による原価法(収益性の低下に基づく簿価切り下げの方法により算定)を採用しております。経済環境や市場環境の著しい変動により、予想していた販売収益が得られない場合があり、当社の業績に影響を与える可能性があります。

c.退職給付に係る負債

従業員退職給付費用及び債務は、退職給付に係る期末要支給額を退職給付債務とする方法を用いています。

d.繰延税金資産

当社グループは繰延税金資産の回収可能性を評価するに当たって、将来の課税所得を合理的に見積っております。この見積りに変動があった場合、繰延税金資産の調整により、利益に影響を与える可能性があります。

 

 

 また、新型コロナウイルス感染症による影響は、第5「経理の状況」の連結財務諸表の「追加情報」にて記載しております。