3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

① 財政状態及び経営成績の状況

 当事業年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用環境の改善が持続するなか、緩やかな回復基調で推移していましたが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により、消費者マインド・経済活動が委縮するなど、不透明な状況が続いております。

 当社が属するウエディング業界におきましては、少子化の進展・結婚適齢期人口の減少を背景に、挙式・披露宴件数は緩やかな減少傾向にあります。また、業界全般的に施設への集客数が低下しており、受注競争は更に激化していくことが予想されます。一方で、ハウスウエディングの需要は底堅く推移し、挙式・披露宴にかける費用は年々増加傾向にあります。しかしながら、2020年3月以降は新型コロナウイルス感染症の影響により結婚式の日程延期・キャンセル、結婚式の少人数化が生じております。

 このような環境の中、当社は「それぞれの新郎新婦にとって最高の結婚式を創る」との企業理念に基づき、当社の強みであるウエディングプランナー一貫制を活かして、新郎新婦と十分な意思疎通を図ることや意向に沿った対応、日程の延期等を希望される新郎新婦の想いを誠実に受け止め、柔軟な対応に努めてまいりました。当事業年度(2020年3月以降)において実施する予定であった挙式披露宴については、大半が翌事業年度以降に延期となっております(当事業年度延期組数 957組)。

 当事業年度における売上高は、オリコン顧客満足度調査「ハウスウエディング部門」総合&全評価項目ともに全国1位の効果及び消費税率引上げ前の駆け込み需要により好調に推移しておりましたが、2020年4月に発令された緊急事態宣言及び同年7月には再び感染者数が増加傾向に転じたことから、結婚式実施組数は1,995組(前年同期比24.5%減)にとどまり、大幅に減少することとなりました。

 

○当社店舗数、受注数及び施行数の推移

 

2016年7月期

2017年7月期

2018年7月期

2019年7月期

2020年7月期

店舗数(店)

16

18

19

21

23

受注数(組)

2,455

2,483

2,487

3,082

2,758

施行数(組)

1,940

2,422

2,521

2,643

1,995

 

 ハード面においては、一軒家を完全貸切し、施設全体を利用した多彩な演出を実現、自宅にお客さまを招く感覚で挙式・披露宴を挙げることができる仕組みを確立しており、すべての会場を「1チャペル・1パーティ会場・1キッチン」とし、貸切の贅沢感を重視しております。また、結婚式場としては小型店舗のため、用地確保の難しい大都市から、人口が比較的少ない郊外においても出店を可能とし、事業展開をしております。

 店舗展開につきましては、2020年1月にドレスショップ「ビードレッセ名古屋駅前(愛知県名古屋市)」、2020年3月に結婚式場「アコールハーブ(千葉県船橋市)」、2020年4月に結婚式場「アトールテラス鴨川(京都府京都市)」をグランドオープンいたしました。当事業年度におきましては、これらの出店費用を計上しております。また、既存店舗の一部について、減損損失373,667千円を計上いたしました。さらに、繰延税金資産の回収可能性について慎重に検討した結果、繰延税金資産を219,245千円取り崩し、法人税等調整額に計上いたしました。

 その結果、当事業年度における売上高は7,987,918千円(前事業年度比23.1%減)、営業損失989,951千円(前事業年度は営業利益558,618千円)、経常損失817,936千円(前事業年度は経常利益582,050千円)、当期純損失1,183,382千円(前事業年度は当期純利益369,322千円)となりました。

 なお、当社はウエディング事業の単一セグメントであり、セグメントごとの記載をしておりません。

 

② キャッシュ・フローの状況

 当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ1,185,477千円増加1,941,818千円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とその要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度において営業活動の結果得られた資金は790,641千円(前事業年度は929,448千円の収入)となりました。これは主に、税引前当期純損失を1,196,525千円計上した一方、減価償却費を780,761千円及び前受金の増減額を1,485,436千円計上したことによるものであります。

 

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度において投資活動の結果使用した資金は954,627千円(前事業年度は2,048,648千円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出936,001千円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度において財務活動の結果得られた資金は1,349,464千円(前事業年度は926,216千円の収入)となりました。これは主に、長期借入れによる収入2,464,000千円及び短期借入金の純増額300,000千円により資金が増加した一方、長期借入金の返済による支出1,296,194千円等により資金が減少したことによるものであります。

 

③ 施行、受注及び販売の実績

a.施行実績

 当事業年度における施行実績を示すと、次のとおりであります。

 

当事業年度

(自 2019年8月1日

至 2020年7月31日)

施行数(組)

前年同期比(%)

ウエディング事業

1,995

75.5

合計

1,995

75.5

 (注)当社の事業区分は「ウエディング事業」の単一セグメントであります。

 

b.受注実績

 当事業年度における受注実績を示すと、次のとおりであります。

 

当事業年度

(自 2019年8月1日

   至 2020年7月31日)

受注数(組)

前年同期比(%)

受注残高(組)

前年同期比(%)

ウエディング事業

2,758

89.5

2,885

127.2

合計

2,758

89.5

2,885

127.2

 (注)当社の事業区分は「ウエディング事業」の単一セグメントであります。

 

c.販売実績

 当事業年度における販売実績を示すと、次のとおりであります。

 

当事業年度

(自 2019年8月1日

 至 2020年7月31日)

金額(千円)

前年同期比(%)

ウエディング事業

7,987,918

76.9

合計

7,987,918

76.9

 (注)1.当社の事業区分は「ウエディング事業」の単一セグメントであります。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.経営成績等

1)財政状態

(流動資産)

 当事業年度末における流動資産の残高は2,596,741千円(前事業年度末比1,547,071千円増)となりました。これは主に、新型コロナウイルス感染症の感染拡大とその長期化に対する備えとして、手許資金を厚く保持し、財務基盤の安定性をより一層高めることを目的に、資金の借入を実施した結果、現金及び預金(前事業年度末比1,185,480千円増)が増加したことによるものであります。

 

(固定資産)

 当事業年度末における固定資産の残高は9,724,428千円(前事業年度末比294,102千円増)となりました。これは主に、アコールハーブ及びアトールテラス鴨川の新規出店等に伴い有形固定資産(前事業年度末比359,416千円増)が増加したことによるものであります。

 

(流動負債)

 当事業年度末における流動負債の残高は4,205,273千円(前事業年度末比1,827,175千円増)となりました。これは主に、当事業年度(2020年3月以降)において実施する予定であった挙式披露宴について、大半が翌事業年度以降に延期となった結果、前受金(前事業年度末比1,485,436千円増)が増加、現金及び預金と同様の理由により、短期借入金(前事業年度末比300,000千円増)、1年内返済予定の長期借入金(前事業年度末比349,295千円増)が増加したことによるものであります。

 

(固定負債)

 当事業年度末における固定負債の残高は5,794,203千円(前事業年度末比1,315,831千円増)となりました。これは主に、現金及び預金と同様の理由により、長期借入金(前事業年度末比818,511千円増)が増加したことによるものであります。

 

(純資産)

 当事業年度末における純資産の残高は2,321,692千円(前事業年度末比1,301,832千円減)となりました。これは、利益剰余金(前事業年度末比1,251,894千円減)が減少したことによるものであります。

 

2)経営成績

(売上高)

 当事業年度の売上高は、挙式数が648組減少(前事業年度2,643組に対し、当事業年度1,995組)した結果、7,987,918千円(前事業年度比23.1%減)となり、2,402,380千円減少しました。これは主に、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により、当事業年度(2020年3月以降)において実施する予定であった挙式披露宴について、大半が翌事業年度以降に延期となったことによるものであります(当事業年度延期組数 957組)

 

(売上総利益)

 当事業年度の売上原価は2,898,306千円(前事業年度比24.7%減)となり、952,148千円減少しました。これは主に、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により挙式数が減少したことによるものであります。

 この結果、売上総利益は5,089,612千円(前事業年度比22.2%減)となり、1,450,232千円減少しました。

 

(営業損益)

 当事業年度の販売費及び一般管理費は6,079,564千円(前事業年度比1.6%増)となり、98,337千円増加しました。これは主に、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により、人件費を133,373千円削減したものの、事業規模拡大に伴い減価償却費が115,095千円、地代家賃が148,045千円、広告宣伝費が41,888千円増加したことによるものであります。

 この結果、当事業年度の営業損失は、989,951千円(前事業年度は営業利益558,618千円)となりました。

 

 

(経常損益)

 新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により、当事業年度の経常損失は、817,936千円(前事業年度は経常利益582,050千円)となりました。なお、雇用調整助成金148,263千円を計上しております。

 

(当期純損益)

 当事業年度の当期純損失は、1,183,382千円(前事業年度は当期純利益369,322千円)となりました。これは主に、西日本の2店舗について減損損失を373,667千円計上したことによるものであります。

 

b.経営成績に重要な影響を与える要因について

 当社の経営成績に重要な影響を与える要因については、「2.事業等のリスク」をご参照ください。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に関する情報

a.キャッシュ・フローの状況の分析

キャッシュ・フローの分析は、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

 

b.資本の財源及び資金の流動性

運転資金としては、食材等の仕入や人件費その他の販売費及び一般管理費に関する支出などがあります。また、継続的な成長を実現するため、既存店のリニューアルや国内の拠点数の拡大を行ってまいります。運転資金や設備投資に必要な資金は、営業活動から創出されるキャッシュ・フローと、金融機関からの借入により賄っております。

なお、新型コロナウイルス感染症の感染拡大とその長期化に対する備えとして、手許資金を厚く保持し、財務基盤の安定性をより一層高めることを目的に、複数の金融機関との間に総額15億円のコミットメントラインを設定したほか、20億円の資金の借入を実施しております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積に用いた仮定

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成に当たりましては、資産、負債、収益及び費用に影響を与える見積り及び判断を必要としております。

新型コロナウイルス感染症(以下、本感染症)拡大による影響を受けて、当社では厳重な対策を講じた上で事業活動を継続しておりますが、既存店舗における稼働率低下による売上高の減少等、当事業年度及び翌事業年度の当社業績への影響が見込まれております。

固定資産の減損、繰延税金資産の回収可能性に関する重要な会計上の見積りを行うにあたっては、当社の業績に与える本感染症の影響について、「当初より収束の想定時期が長引いてはいるものの、2020年8月以降は緩やかに回復し、2020年秋頃に収束に向かうもの」と仮定しておりますが、本感染症拡大の収束時期や影響の程度を正確に予測することは困難であり、不確実性が高い事象であるため、上記仮定に変化が生じた場合には、会計上の見積りに重要な影響を及ぼす可能性があります。

当社の財務諸表の作成において採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1.財務諸表等(1)財務諸表 注記事項(重要な会計方針)」に記載しております。