3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

当事業年度における日本経済は、緩やかな回復基調が持続していたものの、新型コロナウイルス感染拡大の影響により経済活動が停滞し、急速に悪化いたしました。緊急事態宣言解除後も再び感染増加傾向にあるなど、依然として先行きの見通せない状況が続いております。

当社事業が中心的に関わる一般消費財流通業界においては、消費税増税の影響に加え、その後の新型コロナウイルス感染拡大によるインバウンド需要の消失や外出制限による個人消費の低迷、また、マスクや除菌衛生用品などの感染症対策商品が急激な需要拡大と消費者の備蓄意識の高まりにより、一時的ではあったものの店頭で欠品になるなどの影響を受けました。生活必需品である日用品の需要は底堅く、特に、感染防止や巣ごもり消費に関連した商品の需要は堅調に推移しました。

このような状況のもと、当社は、「プラネット ビジョン2025」に基づき、中立的な立場で「企業間取引における業務効率の追求」「企業間におけるコミュニケーションの活性化」「流通における情報活用の推進」「社会に役立つ情報の収集と発信」を行うことで、インフラサービス提供企業として業界と社会に貢献すべく各施策への取り組みを継続しました。また、当社は社会的責任を果たすべく、従業員、従業員の家族の安全を第一に、そして取引先の皆様の安全にも配慮し、必要な対策を講じて感染拡大防止に努めるとともに、新型コロナウイルス感染症と共存していくことを踏まえ、時差出勤や在宅勤務を取り入れるなど、新しい働き方へシフトしてまいりました。

 

(a) 財政状態

  当事業年度末の資産合計は、前事業年度末に比べて75,936千円減少し、5,314,042千円となりました。

  当事業年度末の負債合計は、前事業年度末に比べて38,381千円減少し、892,116千円となりました。

  当事業年度末の純資産合計は、前事業年度末に比べて37,554千円減少し、4,421,926千円となりました。

 

(b) 経営成績

当事業年度の経営成績は、売上高は主にEDI通信処理料と「販売レポートサービス」利用料の増加などに支えられ、3,052,636千円(前期比0.9%増)となりました。売上原価は、Web発注リニューアルに伴う売上原価が増加したものの、全体としては前期並みに抑えることができたことにより、1,048,403千円(前期比0.6%減)、販売費及び一般管理費は、研究開発費などの増加があった一方、コロナ禍での移動が制限されたことから旅費や打ち合わせに関わる費用などの減少があったことにより1,274,566千円(前期比0.9%増)となりました。その結果、営業利益は729,666千円(前期比3.1%増)、経常利益は748,753千円(前期比3.6%増)となりました。他方、投資有価証券評価損を特別損失として計上したこと等により、当期純利益は441,723千円(前期比10.0%減)となりました。

プラネットの事業部門は、基幹系サービスである「EDI事業」と、情報系サービスである「データベース事業」「その他事業」から構成されております。

  事業部門別の業績を示すと、次のとおりであります。

 

 

(EDI事業)

日用品・化粧品、ペットフード・ペット用品、OTC医薬品(一般用医薬品)に加え、健康食品や介護用品などの隣接した各業界において、メーカー・卸売業間の「基幹EDI」サービスのさらなる普及活動を継続しました。

また、業界のオンライン取引の一層の推進を図るべく、主に中小メーカー・大手卸売業間の「Web受注-仕入通信サービス『MITEOS(ミテオス)』」や、卸売業の販売実績をメーカーに通知する「販売データ」を簡易に利用できる「販売レポートサービス」の普及活動に注力しました。

さらに、2019年10月から始まった消費税の軽減税率制度への対応として、ユーザー各社の協力のもと、メーカー・卸売業間における軽減税率EDIフォーマットの提供及び軽減税率対象商品の情報収集とそのリストの提供とサポートを完了しました。また、BtoBの物流課題解決の一助となるデータ交換の検討を行い、2020年2月に業界関係者の協力を得て『ロジスティクスEDI概要書』を策定しました。

営業活動はWebでのオンライン会議を中心に、直接折衝のご要望に対しては個別訪問を行っております。コロナ禍ではありますが、様々な手段でユーザー拡大に向けた活動を継続しております。

これらの結果、売上高は2,776,287千円(前期比1.7%増)となりました。

 

(データベース事業)

各データベースサービスの付加価値向上のための取り組みを継続しました。

小売業の店舗や、卸売業の支店・物流センターなどを示す「標準取引先コード」を蓄積した「取引先データベース」において、さらなる機能改善に向けた調査を継続しました。

また、日用品・化粧品、ペットフード・ペット用品、OTC医薬品などのナショナルブランドの商品情報を蓄積した「商品データベース」において、消費税の軽減税率制度への対応として、軽減税率対象商品の情報を利用者が把握できるように対応しました。さらに、一般財団法人流通システム開発センターが提供する多言語商品情報アプリ(Mulpi)への商品情報提供を継続しました。

なお、EDIフォーマットの可変長(TSV)への切り替えを促進するために、取引先データベースの利用料金の一部を無料化する施策をとっていますが、当事業年度は切り替えが想定以上に進んだことにより、取引先データベースの売上高が減少しました。

これらの結果、売上高は263,952千円(前期比4.8%減)となりました。

 

(その他事業)

AI・ビッグデータ活用の調査研究、そして開発への取り組みを継続しました。

しかし、売上高は12,396千円(前期比36.7%減)となりました。

 

 

②キャッシュ・フローの状況

当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前事業年度末に比べ161,067千円増加し、2,235,197千円となりました。

当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度において営業活動により得た資金は、721,800千円(前期比49,883千円の減少)となりました。これは、主に、税引前当期純利益(647,451千円)及び減価償却費(225,304千円)の計上があった一方で、法人税等の支払額(234,939千円)があったこと等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度において投資活動により使用した資金は、292,049千円(前期比96,195千円の増加)となりました。これは、ソフトウエアの取得による支出(148,834千円)及び投資有価証券の取得による支出(150,000千円)があったこと等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度において財務活動により使用した資金は、268,683千円(前期比3,262千円の増加)となりました。これは、配当金の支払額(268,683千円)があったことによるものであります。

 

 ③生産、受注及び販売の状況

(a) 生産実績及び受注実績

該当事項はありません。

 

(b) 販売実績

当事業年度の販売実績を示すと、次のとおりであります。

 

内   訳

当事業年度

(自 2019年8月1日

至 2020年7月31日)

金額(千円)

前年同期比(%)

EDI事業

2,776,287

101.7

データベース事業

263,952

95.2

その他事業

12,396

63.3

合計

3,052,636

100.9

 

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末において判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表作成にあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 2財務諸表等(1)財務諸表 重要な会計方針」に記載のとおりであり、過去の実績や状況等に応じ合理的に考えられる要因に基づき見積り及び判断を行っております。

なお、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響については、外部の情報源に基づく情報等を踏まえて、2021年7月期の一定期間にわたり当該影響が継続するとの仮定のもと会計上の見積りを会計処理に反映しており、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が重要な会計上の見積りの仮定に当事業年度及び翌事業年度以降も重要な影響を与えないと判断しております。しかしながら、新型コロナウイルス感染症拡大による影響は不確定要素が多く、翌事業年度の当社の財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

②当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 (a) 財政状態の分析

(資産の部)

当事業年度末における資産の部は、前事業年度末に比べ75,936千円(1.4%)減少し、5,314,042千円となりました。流動資産は、201,578千円(7.8%)増加し、2,777,127千円となりました。これは現金及び預金が増加したこと等によるものであります。固定資産は、前事業年度末に比べ277,514千円(9.9%)減少し、2,536,915千円となりました。これは主に投資有価証券の評価額が減少したこと等によるものであります。

(負債の部)

当事業年度末における負債の部は、前事業年度末に比べ38,381千円(4.1%)減少し、892,116千円となりました。流動負債は、8,091千円(1.7%)増加し、482,895千円となりました。これは主に未払金や未払法人税等が増加したこと等によるものであります。固定負債は、前事業年度末に比べて46,472千円(10.2%)減少し、409,221千円となりました。これは主に繰延税金負債が減少したこと等によるものであります。

(純資産の部)

当事業年度末の純資産の部は、前事業年度末に比べ37,554千円(0.8%)減少し、4,421,926千円となりました。これはその他有価証券評価差額金が減少したこと等によるものです。

 

  (b) 経営成績の分析

(売上高)

当事業年度の売上高は、前事業年度に比べ26,516千円(0.9%)増加し、3,052,636千円となりました。これは、主にEDI事業の伸びによるものであります。詳細については、「第2 事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要」に記載したとおりであります。

 

(売上原価、販売費及び一般管理費、営業利益)

当事業年度の売上原価は、前事業年度に比べ6,526千円(0.6%)減少し、1,048,403千円となりました。また、 販売費及び一般管理費は、前事業年度に比べ11,054千円(0.9%)増加し、1,274,566千円となりました。この結果、当事業年度の営業利益は、前事業年度に比べ21,987千円(3.1%)増加し729,666千円となりました。

 

(営業外損益、経常利益、特別損益、税引前当期純利益)

営業外収益は、前事業年度に比べ3,859千円(25.4%)増加し19,086千円となりました。この結果、経常利益は前事業年度に比べ25,847千円(3.6%)増加し748,753千円となりました。一方、当期に投資有価証券評価損を特別損失として計上したこと等により、税引前当期純利益は、前事業年度に比べ75,454千円(10.4%)減少し、647,451千円となりました。

 

(法人税等、当期純利益)

法人税等は法人税、住民税及び事業税の増加等により、前事業年度に比べ9,353千円(3.9%)増加し、252,176千円となりました。以上の結果、当期純利益は441,723千円となり、前事業年度に比べ49,283千円(10.0%)減少となりました。

 

 (c) 資本の財源及び資金の流動性の分析

 (資金需要)

当社の資金需要は、運転資金として主にEDIをはじめとした各種サービスを安定して稼働するための運用費、人的リソースの確保、教育の費用等があります。設備投資資金としては主に各種サービスの改善のためのシステム開発投資があります。

 

 (財務政策)

当社は、現在及び将来の事業活動のために適正な水準の流動性維持及び、効率的な資金の確保を最優先にしております。これに従い、営業活動のキャッシュ・フローの確保に努めると共に、自己資金を効率的に活用しております。

 

(d)経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社は、安定的かつ継続的な企業価値の向上のため、売上高及び営業利益を成長の一つの指針として考えております。経営指標としては、売上高及び営業利益の前年比、営業利益率、配当性向を重視しております。