3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(業績等の概要)

(1) 業績

  当事業年度における高齢者介護業界は、平成23年の高齢者の居住の安定確保に関する法律の一部改正以降、サービス付き高齢者向け住宅の急速な増加により、北海道に於いては平成30年3月末に456施設18,339室となりました。同じく有料老人ホームは878施設27,229室となり、両施設を合わせると1,334施設45,568室となり、サービス付き高齢者向け住宅は7年で約34%を占めるまで増えました。
  新規参入事業者の中には高齢者介護事業の経験が浅く、入居者募集、職員の確保など厳しい条件の中での撤退や大手事業者の中にも急速な事業展開に職員確保が追い着かず、それに伴う新規入居者確保も計画通り進まない状況から、事業破綻する事態も起きました。高齢者介護事業は、超高齢社会の日本において高いニーズがあるものの、急速に増え続けるサービス付き高齢者向け住宅等における需要と供給のバランスが崩れている状況にあります。
  このような状況下で当社は、札幌市内に関して郊外型の介護付有料老人ホーム3施設の地域住民との交流を図る認知症カフェ(オレンジカフェ)の開催や、入居一時金方式に加え、高齢化の進む地域の高齢者が、よりご利用頂きやすくするための家賃方式(月払い方式)をアピールするために全社的な営業活動を実施しました。また、都市型で一時金方式の介護付有料老人ホーム2施設においても団塊の世代からのニーズが高く、高入居率を維持しました。さらに札幌市中央区、西区、北区にそれぞれ開設している介護専用の有料老人ホームにおいては、要介護者を抱えるご家族からのニーズが高く、高入居率を維持し特にヴェラス・クオーレシリーズの札幌北(216室)は、ほぼ入居率100%を維持し続けました。このような事業活動の結果、当事業年度末現在の全社合計入居率は92.5%(前年同期末92.4%)を維持いたしました。

以上の結果、当事業年度における売上高は3,255,385千円(前事業年度比1.92%増)となり、営業利益297,589千円(同19.70%増)、経常利益351,508千円(同11.26%増)、当期純利益218,725千円(同9.96%増)となりました。

当事業年度末の資産につきましては、総資産が7,509,432千円(前事業年度比1.20%減)、負債につきましては、

3,905,852千円(同6.80%減)、純資産につきましては、3,603,579千円(同5.69%増)となりました。

上記における業績見通し等の将来に関する記述は、当社が現在入手している情報および合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の業績等は様々な要因により大きく異なる可能性があるほか、予想自体についても今後変更となる可能性があります。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、2,787,912千円(前事業年度比4.87%増)となりました。

当事業年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度において、営業活動によるキャッシュ・フローは20,846千円(前事業年度より128,567千円支出減)の資金支出となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度において、投資活動によるキャッシュ・フローは215,091千円(前事業年度より266,926千円収入減)の資金収入となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度において、財務活動によるキャッシュ・フローは64,797千円(前事業年度より12千円の支出増)の資金支出となりました。

 

 

当社のキャッシュ・フロー関連指標の推移は下記のとおりであります。

 

 

平成26年3月期

平成27年3月期

平成28年3月期

平成29年3月期

平成30年3月期

自己資本比率(%)

31.7

36.0

41.4

44.9

48.0

時価ベースの
自己資本比率(%)

23.1

25.3

19.5

25.8

29.8

キャッシュ・フロー
対有利子負債比率
(年)

1.2

△0.2

△0.4

△0.7

△4.8

インタレスト・カバ
レッジ・レシオ(倍)

1.5

△9.6

△7.1

△4.5

△0.7

 

自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い

(注) 1  株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しています。

2  キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しています。利払いにつきましては、キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。

3  有利子負債は貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としています。

 

(生産、受注及び販売の状況)

当社は、有料老人ホームおよびサービス付き高齢者向け住宅の設置、運営、管理等のサービス提供の事業を行っております。但し、現在のところサービス付き高齢者向け住宅事業につきましては、売上収益の全体における割合が少額のため、セグメントごとの記載は行っておりません。

(1) 生産実績

該当事項はありません。

 

(2) 受注実績

該当事項はありません。

 

(3) 販売実績

当事業年度における販売実績は、次のとおりであります。

 

区分

当事業年度

(自  平成29年4月1日

至  平成30年3月31日)

 

販売高(千円)

前年同期比(%)

有料老人ホーム事業およびサービス付き高齢者向け住宅事業

3,255,385

101.9

 

うち介護保険報酬

1,014,107

102.2

 

(注) 1  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2  主な相手先別に対する販売実績は、いずれの相手先についても、販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満のため、記載を省略しております。

 

 

(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)

(1) 重要な会計方針および見積り

当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成に当たりましては、「第5  経理の状況  重要な会計方針」に記載されているとおりであります。

 

 (2)資本の財源および資金の流動性に係る情報

①主要な資金需要及び財源

当社の主要な資金需要は、有料老人ホーム等の事業運営のための人件費、経費、販売費および一般管理費等並びに改修等に係る投資であります。また今後、当社の新規事業及びM&Aを含めた投資の検討を行ってまいります。これらの資金需要につきましては営業活動によるキャッシュフロー及び自己資金のほか、金融機関からの借入にて対応していくこととしております。

②資金の流動性

当社は有料老人ホーム事業を主体に事業運営を行っておりますが、近年、サービス付き高齢者向け住宅等の急増により事業破綻する事業者も出てきております。このような状況から、M&A物件が当社に持ち込まれた場合、慎重に検討、対応いたしますが、迅速な資金調達に対応できるよう、コミットメントライン契約を締結しており、流動性リスクに備えております。

 

(3) 財政状態の分析

当事業年度末の資産につきましては、総資産が前事業年度末に比べ91,071千円減少の7,509,432千円(前事業年度比1.20%減)となりました。

流動資産は、前事業年度末に比べ68,455千円減少の6,317,565千円(同1.07%減)となりました。その主な要因は現金及び預金の減少によるものであります。また、固定資産は、前事業年度末に比べ22,615千円減少の1,191,866千円(同1.86%減)となりました。その主な要因はリース資産の償却によるものであります。

負債につきましては、前事業年度末に比べ285,140千円減少の3,905,852千円(同6.80%減)となりました。

流動負債は、前事業年度末に比べ39,988千円減少の1,177,932千円(同3.28%減)となりました。その主な要因は入居金預り金等の減少によるものです。また、固定負債は、前事業年度末に比べ245,152千円減少の2,727,920千円(同8.25%減)となりました。その主な要因は長期入居金預り金の減少によるものであります。

 純資産につきましては、前事業年度末と比べ194,069千円増加の3,603,579千円(同5.69%増)となりました。その主な要因は繰越利益剰余金の増加によるものであります。

 

(4) 経営成績の分析

当事業年度における売上高は、3,255,385千円(前事業年度比1.92%増)となりました。その主な要因は、賃貸事業売上高、介護保険報酬等の増加によるものです。

売上原価は、2,662,735千円(同0.22%増)でした。その主な要因は、業務委託費、水道光熱費等が増加したことによるものです。

販売費及び一般管理費は295,060千円(同2.19%増)でした。その主な要因は人件費等の増加によるものです。

これらの結果、当事業年度における売上高は3,255,385千円(前事業年度比1.92%増)となり、営業利益297,589千円(同19.70%増)、経常利益351,508千円(同11.26%増)、当期純利益218,725千円(同9.96%増)となりました。

 

(5) 資金の流動性についての分析

当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、2,787,912千円(前事業年度比4.87%増)となりました。

当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

各活動区分別のキャッシュ・フローの状況及び要因は以下のとおりです。

当事業年度において、営業活動によるキャッシュ・フローは20,846千円(前事業年度より128,567千円支出減)の資金支出となりました。これは主に入居金預り金・介護料預り金の減少及び法人税等の支払いによるものであります。

当事業年度において、投資活動によるキャッシュ・フローは215,091千円(前事業年度より266,926千円収入減)の資金収入となりました。これは主に拘束性預金の収入によるものであります。

当事業年度において、財務活動によるキャッシュ・フローは64,797千円(前事業年度より12千円の支出増)の資金支出となりました。これは、配当金の支払い及びリース債務の返済による支出によるものであります。

なお、前事業年度と当事業年度のキャッシュ・フローの概略と増減比較は、次のとおりであります。

 

 

前事業年度

(自  平成28年4月1日

至  平成29年3月31日)

当事業年度

(自  平成29年4月1日

至  平成30年3月31日)

増減

営業活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

△149,413

△20,846

128,567

投資活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

482,017

215,091

△266,926

財務活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

△64,784

△64,797

△12

現金及び現金同等物の
増減額

(千円)

267,818

129,447

△138,371

現金及び現金同等物の
期末残高

(千円)

2,658,464

2,787,912

129,447