3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(業績等の概要)

(1)業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、堅調な企業収益や雇用・所得環境の改善を背景に、設備投資の増加や個人消費の持ち直しがみられる等、緩やかな回復基調で推移しました。一方で、各国の政策変更による通商問題の動向が世界経済に与える影響や、英国のEU離脱問題長期化等の海外経済の動向と政策に関する不確実性の高まり、さらには金融資本市場の変動による影響等の下振れリスクもあり、景気の先行きについては不透明感が強まる状況となりました。
 建設業界におきましては、住宅ローン金利の水準が低い状態で推移したことや、各種住宅取得支援策の効果により、新設住宅着工戸数は94万8千戸(前期比0.2%増)となり持ち直しの動きが見られました。また、賃貸建物の建設需要は底堅く推移しているものの、金融機関の融資が厳格化傾向にあることを受けて、新設貸家着工戸数は38万4千戸(前期比6.2%減)となりました。
 このような状況のなか、当社グループの連結業績は、売上高につきましては3,285億2千4百万円(前期比0.0%減)となり前期を下回りました。利益面につきましては、営業利益156億6百万円(前期比20.7%減)、経常利益160億5千7百万円(前期比21.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益108億3千2百万円(前期比13.9%減)となりました。

セグメントの業績は以下のとおりであります。

 

① 建設事業

建設事業におきましては、前連結会計年度下半期及び当連結会計年度上半期の受注高が伸び悩んだことにより、完成工事高は前期と比較して減少しております。利益面におきましては、建設資材価格の上昇に加えて、利益率の低い賃貸建物の比率が上昇したこと等から完成工事総利益率は低下しました。ナスラック㈱につきましては、水周り製品を中心とした外販売上高が前期と比較して増加しております。この結果、建設事業における売上高は1,569億1百万円(前期比6.6%減)、営業利益は156億4千7百万円(前期比24.9%減)となりました。
 また、当連結会計年度の当社単体における総受注高につきましては、1,604億6千6百万円(前期比6.2%減)となりました。

② 不動産賃貸事業

不動産賃貸事業におきましては、管理物件数の増加に伴うサブリース経営代行システム(一括借り上げ制度)による入居者様からの家賃収入及び管理料収入等の増加により、売上高は前期を上回ることができました。当社では、マルチメディアを活用した入居仲介促進、及び施設検索サイト「施設リサーチ/ホームメイト・リサーチ」の機能拡充により賃貸物件検索サイト「ホームメイト」との相互リンクを高めるなど、入居者募集活動の充実を図ってまいりました。また、これらの施策のほか管理事業拡大のために物件仕入及び管理受託の促進に努める一方で、「ホームメイトFC店」や「ホームメイト倶楽部(ネット会員)」を積極的に開拓し、全国不動産会社情報ネットワークを構築することで、仲介競争力の強化を図ることができました。それらの効果により、賃貸建物の当連結会計年度末の入居率は98.6%となり、高い入居率を維持しております。この結果、不動産賃貸事業における売上高は1,687億6千1百万円(前期比7.0%増)、営業利益は82億3千3百万円(前期比11.2%増)となりました。

③ その他

総合広告代理店業、旅行代理店業及びゴルフ場・ホテル施設の運営に関する事業で構成されるその他の事業における売上高は28億6千1百万円(前期比1.4%減)、営業利益は3億2千4百万円(前期比9.2%減)となりました。

 

(2)財政状態の概況

当連結会計年度末の資産の部につきましては、1,948億8千2百万円(前期比5.3%増)となり、97億5千3百万円の増加となりました。資産の部が増加した主な要因は、現金預金が14億2千6百万円増加したこと及び「栄タワーヒルズ」の建設により建物・構築物(純額)が105億2千6百万円増加したことであります。
 負債の部につきましては、1,024億3千2百万円(前期比1.4%増)となり、14億3千2百万円の増加となりました。負債の部が増加した主な要因は、預り金が12億7千4百万円増加したこと及び管理戸数の増加により長期預り保証金が6億1千8百万円増加したことであります。
 純資産の部につきましては、924億4千9百万円(前期比9.9%増)となり、83億2千万円の増加となりました。純資産の部が増加した主な要因は、利益剰余金が879億7千8百万円(前期比10.6%増)となり84億1千1百万円増加したことであります。

 

(3)キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度のキャッシュ・フローについては、「現金及び現金同等物の期首残高」1,175億7千2百万円から、営業活動により117億3千2百万円の収入、投資活動により265億8千万円の支出、財務活動により24億4千6百万円の支出があったことから、「現金及び現金同等物の期末残高」は、期首残高より172億9千5百万円減少して、1,002億7千7百万円となりました。

 

営業活動によるキャッシュ・フロー

営業活動によるキャッシュ・フローは、主に「税金等調整前当期純利益」162億4千1百万円、「減価償却費」15億8千万円によるものであり、117億3千2百万円の収入となりました。

 

投資活動によるキャッシュ・フロー

投資活動によるキャッシュ・フローは、主に「定期預金の純増加額による支出」187億2千1百万円、「有形固定資産の取得による支出」70億7千1百万円によるものであり、265億8千万円の支出となりました。

 

財務活動によるキャッシュ・フロー

財務活動によるキャッシュ・フローは、主に「配当金の支払額」の支出によるものであり、24億4千6百万円の支出となりました。

 

 

(受注及び売上の状況)

(1)受注実績

セグメントの名称

前連結会計年度

(自 2017年5月1日

至 2018年4月30日)

(百万円)

当連結会計年度

(自 2018年5月1日

至 2019年4月30日)

(百万円)

建設事業

167,407

156,430( 6.6%減)

 

(注) 前連結会計年度以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額に変更のあるものについては、当連結会計年度受注工事高にその増減を含めております。したがって、当連結会計年度完成工事高には請負金額の変更に係る増減額が含まれております。

また、各連結会計年度において既受注分の見直しを行い、前連結会計年度8,091百万円、当連結会計年度9,377百万円を当該受注分よりそれぞれ控除しております。

 

(2) 売上実績

セグメントの名称

前連結会計年度

(自 2017年5月1日

至 2018年4月30日)

(百万円)

当連結会計年度

(自 2018年5月1日

至 2019年4月30日)

(百万円)

建設事業

167,983

156,901( 6.6%減)

不動産賃貸事業

157,682

168,761( 7.0%増)

その他

2,902

2,861( 1.4%減)

合計

328,567

328,524( 0.0%減)

 

(注)1 当社グループでは、建設事業以外は受注生産を行っておりません。

    2 当社グループでは、生産実績を定義することが困難であるため、「生産の状況」は記載しておりません。

    3 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

なお、参考のため提出会社単独の事業の状況は次のとおりとなります。

① 受注工事高、完成工事高及び次期繰越工事高

期別

工事別

前期繰越工事高
(百万円)

当期受注工事高
(百万円)


(百万円)

当期完成工事高
(百万円)

次期繰越工事高
(百万円)

第42期

(自 2017年5月1日

至 2018年4月30日)

建築

155,030

162,986

318,016

162,878

(162,739)

155,276

第43期

(自 2018年5月1日

至 2019年4月30日)

建築

155,276

151,160

306,437

151,775

(151,635)

154,801

 

(注)1 前期以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額に変更のあるものについては、当期受注工事高にその増減を含めております。したがって、当期完成工事高には請負金額の変更に係る増減額が含まれております。

また、各期において既受注分の見直しを行い、第42期8,043百万円、第43期9,306百万円を当該受注分よりそれぞれ控除しております。

    2 当期完成工事高の( )内の数値は、受取設計料を除いた場合の金額を示しております。

    3 上記金額は、すべて建築請負契約高であり、消費税等は含まれておりません。

 

 

② 完成工事高及び次期繰越工事高

建物種別の完成工事高及び次期繰越工事高は、次のとおりであります。

項目

完成工事高

次期繰越工事高

第42期

(自 2017年5月1日

至 2018年4月30日)

第43期

(自 2018年5月1日

至 2019年4月30日)

第42期
(2018年4月30日)

第43期
(2019年4月30日)

金額(百万円)

比率
(%)

金額(百万円)

比率
(%)

金額(百万円)

比率
(%)

金額(百万円)

比率
(%)

賃貸マンション

31,854

19.5

32,372

21.3

41,565

26.8

41,819

27.0

アパート

121,843

74.8

108,912

71.8

99,751

64.2

95,796

61.9

個人住宅

588

0.4

324

0.2

350

0.2

587

0.4

店舗マンション

6,646

4.1

7,126

4.7

10,059

6.5

13,134

8.5

貸店舗

1,591

1.0

2,172

1.4

2,327

1.5

2,597

1.7

その他

352

0.2

865

0.6

1,222

0.8

865

0.5

162,878

100.0

151,775

100.0

155,276

100.0

154,801

100.0

 

(注)1 工事は、官公庁に対するものはなく全て民間に対するものであります。入札工事はなく全て特命工事であります。

    2 第42期、第43期の完成工事総額に対する割合が100分の10以上の相手先はありません。

    3 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

③ 兼業事業売上高

項目

第42期

(自 2017年5月1日

至 2018年4月30日)

第43期

(自 2018年5月1日

至 2019年4月30日)

金額(百万円)

比率(%)

金額(百万円)

比率(%)

賃貸物件の仲介料収入

3,597

15.7

3,857

15.6

賃貸物件の管理料収入

415

1.8

433

1.8

退去補修工事売上

4,050

17.6

4,319

17.5

リフォーム工事売上

4,328

18.9

4,899

19.9

業務受託料収入

4,991

21.7

5,342

21.6

その他

5,579

24.3

5,825

23.6

22,963

100.0

24,676

100.0

 

(注)1 賃貸物件の管理料収入のうち各保証システムに係る管理手数料収入は、次のとおりであります。

第42期

135百万円

第43期

133百万円

 

    2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)

(1)重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、貸倒債権に関する判断等、過去の実績や状況に応じ合理的であると考えられる様々な要因に基づいて行った見積りを含んでおります。

 

(2)経営成績の分析

① 売上高

建設事業におきましては、前連結会計年度下半期及び当連結会計年度上半期の受注高が伸び悩んだことから完成工事高は1,569億1百万円となり、前期比6.6%の減少となりました。一方、不動産賃貸事業におけるサブリース経営代行システム(一括借り上げ制度)は、管理物件数の増加に伴い入居者様からの家賃収入等が増加したことで、兼業事業売上高が1,716億2千2百万円となり、前期比6.9%の増加となりました。

② 売上総利益

建設事業では建設資材価格の上昇に加えて、利益率の低い賃貸建物の比率が上昇したこと等から完成工事総利益率は低下したことで完成工事総利益は507億1千8百万円(前期比11.7%減)となりました。一方、不動産賃貸事業ではサブリース経営代行システムによる管理物件の入居率が高位で推移したことから、兼業事業総利益は102億1千2百万円(前期比10.2%増)となりました。

③ 販売費及び一般管理費

販売費及び一般管理費は、広告宣伝活動及び建設事業における営業人員の募集採用活動の強化等、積極的な先行投資を行う一方で経費削減にも努めたことから、販売費及び一般管理費は453億2千4百万円(前期比3.7%減)となりました。

④ 営業利益

上記のとおり、販売費及び一般管理費は抑制できたものの、売上総利益の減少により、営業利益は156億6百万円(前期比20.7%減)となりました。

⑤ 経常利益

営業外損益4億5千1百万円が加わったものの、営業利益の減少要因により、経常利益は160億5千7百万円(前期比21.1%減)となりました。

⑥ 親会社株主に帰属する当期純利益

当社における固定資産売却益等の特別利益1億8千4百万円を計上したことで、税金等調整前当期純利益は162億4千1百万円となりました。これにより法人税、住民税及び事業税、法人税等調整額の合計額は、54億9百万円となった結果、親会社株主に帰属する当期純利益は108億3千2百万円(前期比13.9%減)となりました。

 

(3)経営成績に重要な影響を与える要因について

2「事業等のリスク」をご参照下さい。

 

(4)戦略的現状と見通し

1「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照下さい。

 

(5)資本財源及び資金の流動性について

当社グループにおきましては、営業活動によるキャッシュ・フローにより得た資金を当社グループの運転資金、設備投資及び配当財源に充当しております。