3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(業績等の概要)

(1)業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、政府による経済政策や金融緩和を背景に、企業収益や雇用・所得環境の改善が続く中で、設備投資の増加や個人消費の持ち直しがみられる等、緩やかな回復基調で推移しました。一方で、国内外の政治・経済動向の不確実性や地政学的リスクの拡大、金融資本市場の変動による影響等の懸念材料も多く、景気の先行きについては不透明な状況が続いております。
 建設業界におきましては、住宅ローン金利の水準が引き続き低い状態で推移したことや、政府による各種住宅取得支援策の効果が見られたものの、新設住宅着工戸数は94万6千戸(前期比3.0%減)となり弱含みで推移しました。また、平成27年の相続税制改正等を背景として好調であった賃貸住宅市場に一服感が見られたこと等から、新設貸家着工戸数は40万9千戸(前期比4.3%減)となりました。
 このような状況のなか、当社グループの連結業績は、売上高につきましては3,285億6千7百万円(前期比7.6%増)となり前期を上回りました。利益面につきましては、営業利益196億7千4百万円(前期比12.6%増)、経常利益203億4千1百万円(前期比12.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益125億8千3百万円(前期比2.0%増)となりました。

セグメントの業績は以下のとおりであります。

 

① 建設事業

建設事業におきましては、期初の受注残高が豊富にあったことから、当連結会計年度の完成工事高は前期と比較して増加しております。利益面におきましては、建設資材価格の上昇に加えて、利益率の低い工事進行基準売上高が増加したこと等から完成工事総利益率は低下しましたが、完成工事高の増加に伴い完成工事総利益額は増加しました。ナスラック㈱につきましては、水周り製品を中心とした外販売上高が前期と比較して増加しております。この結果、建設事業における売上高は1,679億8千3百万円(前期比9.2%増)、営業利益は208億4千6百万円(前期比16.6%増)となりました。
 また、当連結会計年度の当社単体における総受注高につきましては、1,710億2千9百万円(前期比4.3%減)となりました。

② 不動産賃貸事業

不動産賃貸事業におきましては、管理物件数の増加に伴うサブリース経営代行システム(一括借り上げ制度)による入居者様からの家賃収入及び管理料収入等の増加により、売上高は前期を上回ることができました。当社では、マルチメディアを活用した入居仲介促進、及び地域情報サイト「施設リサーチ/ホームメイト・リサーチ」の機能拡充により賃貸物件検索サイト「ホームメイト」との相互リンクを高めるなど、入居者募集活動の充実を図ってまいりました。また、これらの施策のほか管理事業拡大のために物件仕入及び管理受託の促進に努める一方で、「ホームメイトFC店」や「ホームメイト倶楽部(ネット会員)」を積極的に開拓し、全国不動産会社情報ネットワークを構築することで、仲介競争力の強化を図ることができました。それらの効果により、賃貸建物の当連結会計年度末の入居率は98.1%となり、高い入居率を維持しております。この結果、不動産賃貸事業における売上高は1,576億8千2百万円(前期比6.2%増)、営業利益は74億1百万円(前期比3.3%増)となりました。

③ その他

総合広告代理店業、旅行代理店業及びゴルフ場・ホテル施設の運営に関する事業で構成されるその他の事業における売上高は29億2百万円(前期比1.2%増)、営業利益は3億5千6百万円(前期比28.5%増)となりました。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度のキャッシュ・フロ ーについては、「現金及び現金同等物の期首残高」1,094億3千万円から、営業活動により177億3千4百万円の収入、投資活動により77億5千1百万円の支出、財務活動により18億4千1百万円の支出があったことから、「現金及び現金同等物の期末残高」は、期首残高より81億4千1百万円増加して、1,175億7千2百万円となりました。

 

営業活動によるキャッシュ・フロー

営業活動によるキャッシュ・フローは、主に「税金等調整前当期純利益」192億7千1百万円、「仕入債務の増加額」18億6千2百万円により、177億3千4百万円の収入となりました。

 

投資活動によるキャッシュ・フロー

投資活動によるキャッシュ・フローは、主に「有形固定資産の取得による支出」82億4百万円、「無形固定資産の取得による支出」5億6千万円によるものであり、77億5千1百万円の支出となりました。

 

財務活動によるキャッシュ・フロー

財務活動によるキャッシュ・フローは、主に「配当金の支払額」の支出によるものであり、18億4千1百万円の支出となりました。

 

 

(受注及び売上の状況)

(1)受注実績

セグメントの名称

前連結会計年度

(自 平成28年5月1日

至 平成29年4月30日)

(百万円)

当連結会計年度

(自 平成29年5月1日

至 平成30年4月30日)

(百万円)

建設事業

175,095

167,407( 4.4%減)

 

(注) 前連結会計年度以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額に変更のあるものについては、当連結会計年度受注工事高にその増減を含めております。したがって、当連結会計年度完成工事高には請負金額の変更に係る増減額が含まれております。

また、各連結会計年度において既受注分の見直しを行い、前連結会計年度7,871百万円、当連結会計年度8,091百万円を当該受注分よりそれぞれ控除しております。

 

(2) 売上実績

セグメントの名称

前連結会計年度

(自 平成28年5月1日

至 平成29年4月30日)

(百万円)

当連結会計年度

(自 平成29年5月1日

至 平成30年4月30日)

(百万円)

建設事業

153,900

167,983( 9.2%増)

不動産賃貸事業

148,544

157,682( 6.2%増)

その他

2,867

2,902( 1.2%増)

合計

305,312

328,567( 7.6%増)

 

(注)1 当社グループでは、建設事業以外は受注生産を行っておりません。

    2 当社グループでは、生産実績を定義することが困難であるため、「生産の状況」は記載しておりません。

    3 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

なお、参考のため提出会社単独の事業の状況は次のとおりとなります。

① 受注工事高、完成工事高及び次期繰越工事高

期別

工事別

前期繰越工事高
(百万円)

当期受注工事高
(百万円)


(百万円)

当期完成工事高
(百万円)

次期繰越工事高
(百万円)

第41期

(自 平成28年5月1日

至 平成29年4月30日)

建築

133,421

170,828

304,249

149,308

(149,219)

155,030

第42期

(自 平成29年5月1日

至 平成30年4月30日)

建築

155,030

162,986

318,016

162,878

(162,739)

155,276

 

(注)1 前期以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額に変更のあるものについては、当期受注工事高にその増減を含めております。したがって、当期完成工事高には請負金額の変更に係る増減額が含まれております。

また、各期において既受注分の見直しを行い、第41期7,808百万円、第42期8,043百万円を当該受注分よりそれぞれ控除しております。

    2 当期完成工事高の( )内の数値は、受取設計料を除いた場合の金額を示しております。

    3 上記金額は、すべて建築請負契約高であり、消費税等は含まれておりません。

 

 

② 完成工事高及び次期繰越工事高

建物種別の完成工事高及び次期繰越工事高は、次のとおりであります。

項目

完成工事高

次期繰越工事高

第41期

(自 平成28年5月1日

至 平成29年4月30日)

第42期

(自 平成29年5月1日

至 平成30年4月30日)

第41期
(平成29年4月30日)

第42期
(平成30年4月30日)

金額(百万円)

比率
(%)

金額(百万円)

比率
(%)

金額(百万円)

比率
(%)

金額(百万円)

比率
(%)

賃貸マンション

33,943

22.7

31,854

19.5

38,257

24.7

41,565

26.8

アパート

107,493

72.0

121,843

74.8

105,507

68.1

99,751

64.2

個人住宅

304

0.2

588

0.4

532

0.3

350

0.2

店舗マンション

6,272

4.2

6,646

4.1

8,895

5.7

10,059

6.5

貸店舗

1,048

0.7

1,591

1.0

1,104

0.7

2,327

1.5

その他

247

0.2

352

0.2

732

0.5

1,222

0.8

149,308

100.0

162,878

100.0

155,030

100.0

155,276

100.0

 

(注)1 工事は、官公庁に対するものはなく全て民間に対するものであります。入札工事はなく全て特命工事であります。

    2 第41期、第42期の完成工事総額に対する割合が100分の10以上の相手先はありません。

    3 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

③ 兼業事業売上高

項目

第41期

(自 平成28年5月1日

至 平成29年4月30日)

第42期

(自 平成29年5月1日

至 平成30年4月30日)

金額(百万円)

比率(%)

金額(百万円)

比率(%)

賃貸物件の仲介料収入

3,278

15.2

3,597

15.7

賃貸物件の管理料収入

394

1.8

415

1.8

退去補修工事売上

3,923

18.2

4,050

17.6

リフォーム工事売上

3,910

18.2

4,328

18.9

業務受託料収入

4,696

21.8

4,991

21.7

その他

5,326

24.8

5,579

24.3

21,531

100.0

22,963

100.0

 

(注)1 賃貸物件の管理料収入のうち各保証システムに係る管理手数料収入は、次のとおりであります。

第41期

133百万円

第42期

135百万円

 

    2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)

(1)重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、貸倒債権に関する判断等、過去の実績や状況に応じ合理的であると考えられる様々な要因に基づいて行った見積りを含んでおります。

 

(2)経営成績の分析

① 売上高

建設事業におきましては、期初の受注残高が豊富にあったことから完成工事高は1,679億8千3百万円となり、前期比9.2%の増加となりました。また、不動産賃貸事業におけるサブリース経営代行システム(一括借り上げ制度)は、管理物件数の増加に伴い入居者様からの家賃収入等が増加したことで、兼業事業売上高が1,605億8千4百万円となり、前期比6.1%の増加となりました。

② 売上総利益

建設事業では建設資材価格の上昇に加えて、利益率の低い工事進行基準売上高が増加したこと等から完成工事総利益率は低下しましたが、完成工事高の増加に伴い完成工事総利益額は増加したことで完成工事総利益は574億4千9百万円(前期比6.8%増)となりました。また、不動産賃貸事業ではサブリース経営代行システムによる管理物件の入居率が高位で推移したことから、兼業事業総利益は92億6千9百万円(前期比3.3%増)となりました。

③ 販売費及び一般管理費

販売費及び一般管理費は、広告宣伝活動及び建設事業における営業人員の募集採用活動の強化等、積極的な先行投資を行う一方で経費削減にも努めたことから、販売費及び一般管理費は470億4千4百万円(前期比3.9%増)となりました。

④ 営業利益

上記のとおり、売上総利益の増加に加え、販売費及び一般管理費抑制が奏功し、営業利益は196億7千4百万円(前期比12.6%増)となりました。

⑤ 経常利益

営業利益の増加要因に営業外損益6億6千6百万円が加わったことで、経常利益は203億4千1百万円(前期比12.9%増)となりました。

⑥ 親会社株主に帰属する当期純利益

特別損失として東建多度カントリークラブ・名古屋における減損損失10億6千9百万円を計上したことで、税金等調整前当期純利益は192億7千1百万円となりました。これにより法人税、住民税及び事業税、法人税等調整額の合計額は、66億8千7百万円となった結果、親会社株主に帰属する当期純利益は125億8千3百万円(前期比2.0%増)となりました。

 

(3)経営成績に重要な影響を与える要因について

2「事業等のリスク」をご参照下さい。

 

(4)戦略的現状と見通し

1「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照下さい。

 

(5)資本財源及び資金の流動性について

① 資産の部

当社グループの資産の部は、1,851億2千9百万円(前期比8.7%増)となり、148億6千1百万円の増加となりました。資産の部が増加した主な要因は、現金預金が81億4千3百万円増加したことであり、この結果、流動資産は1,325億7千9百万円(前期比7.6%増)となり93億7千3百万円の増加となりました。

② 負債の部

当社グループの負債の部は、1,010億円(前期比4.1%増)となり、39億4千9百万円の増加となりました。負債の部が増加した主な要因は、支払手形・工事未払金等が18億6千2百万円増加したこと及び預り金が10億8千3百万円増加したことであり、この結果、流動負債は738億万円(前期比4.8%増)となり33億5千万円の増加となりました。。

③ 純資産の部

当社グループの純資産の部は、841億2千9百万円(前期比14.9%増)となり、109億1千2百万円の増加となりました。純資産の部が増加した主な要因は、利益剰余金が795億6千7百万円(前期比15.8%増)となり108億3千4百万円増加したことであります。