3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

  当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態の状況

(資産)

 当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ319百万円増加し、14,781百万円となりました。

 流動資産につきましては、仕掛販売用不動産が1,049百万円減少した一方で、現金及び預金が1,110百万円及び販売用不動産が269百万円増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ344百万円増加し、12,489百万円となりました。

 固定資産につきましては、減価償却に伴い有形固定資産が33百万円減少したこと等により、前連結会計年度末に比べ24百万円減少し、2,292百万円となりました。

(負債)

 当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ122百万円増加し、9,076百万円となりました。

 流動負債につきましては、1年内償還予定の社債が310百万円減少した一方で、工事未払金が115百万円及び1年内返済予定の長期借入金が217百万円増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ118百万円増加し、5,000百万円となりました。

 固定負債につきましては、社債が30百万円減少した一方で、長期借入金が48百万円増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ3百万円増加し、4,076百万円となりました。

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ197百万円増加し、5,705百万円となりました。

 これは、配当金の支払い133百万円があった一方で、親会社株主に帰属する当期純利益318百万円を計上したことに伴い利益剰余金が185百万円増加したこと等によるものです。この結果、自己資本比率は38.6%となりました。

 

② 経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う国内外の経済活動の停滞により景気が急速に悪化いたしました。また、先行きにつきましても、政府の経済対策等により一部に持ち直しの動きはあるものの、企業収益の減少、雇用情勢の悪化など感染再拡大による景気の下振れリスクが懸念され、依然、不透明な状況のまま推移しております。

住宅市場におきましては、持家の着工戸数には持ち直しの動きが見られるものの、貸家は減少を続けており、分譲住宅も弱含みの動きとなるなど、新設住宅着工戸数の総数は前年比マイナスが続く低調な推移となっております。

このような事業環境のもと、当社グループは、連結子会社5社がそれぞれの特色を活かした独自のブランドを構築するマルチブランド戦略と成長戦略としてのエリア拡大及び顧客層の拡大により地域におけるマーケットを確立し、長期的に成長することを経営戦略として事業を展開しております。

当連結会計年度におきましては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により、新規受注活動が大きく制約を受けたほか、着工遅延も発生するなど、当連結会計年度は厳しい経営環境下での事業活動を強いられるスタートとなりました。しかしながら、5月の緊急事態宣言解除後に停滞していた消費者の動きが活発化したことに加え、住宅ローン減税の特例措置が住宅取得を後押したことも追い風となって受注環境が急速に改善したことを背景に、8月度・9月度の新規受注実績は前年同期に比べて大幅に増加いたしました。10月以降、反動減の影響はあったものの、当下半期における新規受注は概ね堅調な推移となり、前連結会計年度からの繰り越し分を含む受注済み工事の早期着工及び工事進捗の厳格管理により注文住宅における工事のサイクル短縮に努めることで、工事進行基準売上の増加に注力いたしました。さらに、コロナ禍におけるステイホームの増加や在宅ワークの普及に伴い、手狭な住宅からの住み替え等の需要により建売住宅が注目を集める中、値下げ等の販売価格の見直しによる販売促進、VR(仮想現実)を活用した物件紹介やオープンハウスによる集客活動など積極的な販売活動に注力し、豊富な土地在庫を生かした分譲住宅の販売強化に努めました。その結果、当連結会計年度における分譲住宅の引渡棟数は前年同期を大幅に上回る実績となりましたが、前連結会計年度における新規受注の積み上げ不足による注文住宅の売上減少を補うには至りませんでした。

以上の結果、当連結会計年度における売上高は11,632百万円(前期比1.5%減)となり、営業利益は521百万円(同22.2%減)、経常利益は492百万円(同21.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は318百万円(同23.7%減)となりました。

なお、当社グループは住宅事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載をしておりません。売上種類別の概況は、以下のとおりです。

「住宅請負」につきましては、当連結会計年度における完成引渡棟数が271棟(前期は324棟)となり、売上高は6,482百万円(前期比9.0%減)、「分譲用土地」につきましては、当連結会計年度における引渡区画数が263区画(前期は250区画)となり、売上高は3,952百万円(前期比4.2%増)、「分譲用建物」につきましては、当連結会計年度における引渡棟数が63棟(前期は42棟)となり、売上高は1,077百万円(前期比44.2%増)、「その他」につきましては、仲介手数料の減少により売上高は119百万円(前期比16.1%減)となりました。

 

③ キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1,110百万円増加し、3,984百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動によるキャッシュ・フローは、1,363百万円の収入(前年同期は1,704百万円の支出)となりました。これは主に、資金の減少要因として、法人税等の支払額147百万円等があったものの、資金の増加要因として、たな卸資産の減少額746百万円及び税金等調整前当期純利益の計上489百万円等があったことによるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動によるキャッシュ・フローは、46百万円の支出(前年同期は35百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出18百万円及び無形固定資産の取得による支出32百万円等によるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローは、207百万円の支出(前年同期は570百万円の収入)となりました。これは、資金の増加要因として、長期借入れによる収入4,310百万円があったものの、資金の減少要因として、長期借入金の返済による支出4,043百万円、社債の償還による支出340百万円及び配当金の支払額133百万円があったことによるものです。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当社グループが営んでいる住宅事業では、生産実績を定義することが困難であるため、生産実績は記載しておりません。

 

b.受注実績

 当連結会計年度の受注実績は、次のとおりであります。なお、当社グループは住宅事業の単一セグメントであるため、売上種類別に記載しております。

売上種類別

当連結会計年度

(自 2020年4月1日

  至 2021年3月31日)

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

住宅請負

7,016,439

116.3

5,724,435

110.3

分譲用土地

4,318,374

114.5

1,669,838

128.0

分譲用建物

1,163,391

147.6

158,175

219.9

その他

119,223

83.9

合    計

12,617,429

117.5

7,552,449

115.0

 (注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

c.販売実績

 当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。なお、当社グループは住宅事業の単一セグメントであるため、売上種類別に記載しております。

売上種類別

当連結会計年度

(自 2020年4月1日

 至 2021年3月31日)

販売高(千円)

前年同期比(%)

住宅請負

6,482,784

91.0

分譲用土地

3,952,956

104.2

分譲用建物

1,077,157

144.2

その他

119,223

83.9

合    計

11,632,122

98.5

 (注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

    2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、当該割合が100分の10以上に該当する相手先がないため、記載を省略しております。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

a. 財政状態の状況

 「(1)経営成績の状況の概要 ①財政状態の状況」をご参照ください。

 

b. 経営成績の状況

 当社グループの当連結会計年度の経営成績は、前連結会計年度における新規受注の積み上げ不足による注文住宅の売上減少を補うため、注文住宅における工事のサイクル短縮に努める傍ら、豊富な土地在庫を生かした分譲住宅の販売強化に注力いたしましたが、当連結会計年度における売上高は11,632百万円(前期比1.5%減)となり、営業利益は521百万円(同22.2%減)、経常利益は492百万円(同21.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は318百万円(同23.7%減)となりました。

 なお、当社グループは住宅事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載をしておりません。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性の分析

a. キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容

 「(1)経営成績の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

 

b. 資金の財源及び資金の流動性について

 当社グループの資金需要としては、運転資金、設備資金、配当及び法人税の支払等があります。運転資金需要の主なものは、販売用不動産の購入資金、工事の外注費や材料費等の費用、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。その資金の源泉としては、主として金融機関からの借入や社債の発行によっております。なお、取引金融機関との関係も良好であり、資金繰りにつきましても安定した状態を維持しております。

 

c. 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の分析

 当社グループは、営業利益を経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標としており、当連結会計年度における営業利益は、上記「①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 b.経営成績の状況」に記載のとおり、前期比22.2%減521百万円となりました。

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたっての重要な会計方針は、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しているとおりでありますが、その前提となる様々な要因については、過去の実績、現在の状況及び将来の想定を総合的に勘案し、合理的と考えられる見積りと判断に基づいて適用しております。実際の結果は、見積り特有の不確実性を伴うため、これらの見積りと異なる場合があります。

当社グループは、特に以下の重要な会計方針が、当社グループの連結財務諸表の作成において使用される重要な見積りと判断に大きな影響を及ぼすと考えております。

なお、現時点で新型コロナウイルス感染症の収束時期などを想定することは困難であるものの、当社の事業計画の進捗状況等の情報に基づき検討し、同感染症による当社グループ収益への影響は、一定の影響を及ぼすものの、通期経営成績への影響は限定的であると仮定して会計上の見積りを行っております。

 

(工事進行基準による収益認識)

当社グループは、工事進行基準の適用にあたって、原価比例法(当連結会計年度末において工事出来高に対応して発生した工事原価の見積工事原価総額に対する割合により算出した進捗率に工事収益総額を乗じて売上高を計上する方法)を採用しております。工事収益総額及び工事原価総額の見積りは、見積りの前提となるそれぞれの請負工事の内容に応じて実施していることから、設計変更等により見積りの前提条件の変更があった場合には、翌連結会計年度に係る連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。

詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)をご参照ください。

 

(販売用不動産の評価)

当社グループは、販売用不動産及び仕掛販売用不動産の貸借対照表価額を、収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定しており、期末における正味売却価額が取得原価を下回っている場合には、当該正味売却価額をもって貸借対照表価額としております。正味売却価額の見積りは、近隣の不動産価格を参考として当社グループが算定した評価額を基礎としていることから、不動産価格の下落等が発生した場合には、翌連結会計年度に係る連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。

詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)をご参照ください。

 

(繰延税金資産の回収可能性の評価)

当社グループは、繰延税金資産について、将来の事業計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。しかし、繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合には、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。

 

(固定資産の減損処理)

当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合には、減損処理が必要となる可能性があります。