3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッ・シュフロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

  なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1)経営成績

当連結会計年度におけるわが国経済は、世界経済の回復で輸出が伸びるとともに、個人消費の改善及び設備投資も増加傾向が続き、引き続き緩やかな回復基調で推移しました。一方で、ヨーロッパやアジアの地政学リスクや米国の金融政策の動向、中国の経済動向など海外経済の不確実性から、依然として先行き不透明な状況が続いております。

不動産業界におきましては、金融機関の融資姿勢の変化により、不動産投資に対しての融資の厳格化の動きが見られるものの、日銀によるマイナス金利政策の継続により、投資家の物件取得需要は旺盛であり、今後も底堅く推移していくことが期待されます。

このような状況の下、当社グループは、「ネット×リアルで新しいサービスを」という経営理念のもと、主要な事業であるTATERU Apartment事業は増収減益となったものの、新規事業であるTATERU Funding事業、TATERU bnb事業及びRobot Home事業については、黒字化を達成いたしました。

これらの結果、当連結会計年度における業績は、売上高791億49百万円(前年同期比18.1%増)と増収となったものの、たな卸資産の評価損18億6百万円を売上原価に計上したこと等により、営業利益7億21百万円(同87.8%減)、経常利益5億7百万円(同91.3%減)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は、投資有価証券売却益24億48百万円を計上したこと等により8億21百万円(同79.4%減)となりました。

なお、当社従業員が顧客から提供を受けた預金残高データを改ざんし、実際より多く見せて金融機関に提出し、融資審査を通りやすくしていた事実(以下「本件事案」という。)が判明したため、平成30年9月4日に特別調査委員会を設置し調査を実施してまいりましたが、平成30年12月27日に特別調査委員会から調査結果や原因に関する考察、再発防止策等を記載した調査結果報告書を受領いたしました。株主の皆様をはじめ関係者各位に多大なるご迷惑をおかけしておりますこと、改めて深くお詫び申し上げます。

再発防止策を確実に実施するとともに、コンプライアンス意識を徹底し、全社一丸となって信頼の回復を早期に実現できるように尽力してまいります。

 

セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

なお、従来TATERU Apartment事業のみを報告セグメントとしておりましたが、当連結会計年度より、報告セグメントをTATERU Apartment事業、TATERU Funding事業、TATERU bnb事業、Robot Home事業の4つに変更しております。

下記文中における前年同期比につきましては、変更後の区分方法により作成した数値を使用しております。

 

① TATERU Apartment事業

TATERU Apartment事業につきましては、機能強化や知名度の向上を図ることで、会員数の増加と成約率の維持・向上を推進してまいりました。テレビCMをはじめとする種々の広告宣伝活動によりブランディングの強化に努めてまいりました。なお、本件事案に関する関係者の皆様への影響その他諸般の事情を鑑み、9月以降の広告掲載を自粛いたしました。また、本件事案に関連し、アパートの引渡しの遅延や受注の取消しが生じているとともに、資金繰り改善のためのたな卸資産の早期売却及びたな卸資産の評価損18億6百万円を計上いたしました。

この結果、当連結会計年度における売上高は765億97百万円(前年同期比16.4%増)、営業利益は22億99百万円(前年同期比71.6%減)となりました。なお、報告セグメント上、TATERU Funding事業において開発・運用を行ったアパートをTATERU Apartment事業の会員へ販売する取引形態は、TATERU Apartment事業ではなくTATERU Funding事業の収益としております。

 

 

② TATERU Funding事業

不動産投資型クラウドファンディングTATERU Funding事業につきましては、第1四半期連結会計期間からキャピタル重視型ファンドの運用を始め、当該事業開始から当連結会計年度末までで50ファンド(募集総額38億135百万円)の運用を開始しております。なお、平成30年10月1日より開始予定であった3ファンドの運用を中止するとともに、新たなファンドの組成を停止しております。

この結果、当連結会計年度における売上高は7億70百万円(前年同期67百万円)、営業利益は3億81百万円(前年同期25百万円の営業損失)となりました。

 

③ TATERU bnb事業

様々な民泊運用サービスの提供を行っているTATERU bnb事業におきましては、平成30年6月に住宅宿泊事業法(民泊新法)が施行されるとともに、旅館業法が改正されております。IoT機器「bnb kit」を活用することで人件費等のコストを削減し収益性の向上を図るIoT民泊アパート「TATERU bnb」は、当連結会計年度において13棟の企画開発を行いました。

この結果、当連結会計年度における売上高は5億44百万円(前年同期比263.9%増)、営業利益は1億17百万円(前年同期59百万円の営業損失)となりました。

 

④ Robot Home事業

IoT機器の企画・開発を中心としたRobot Home事業においては、IoT機器「Apartment kit」を提供しております。入居者の生活の利便性と安全性の向上及びオーナーや管理会社の賃貸管理業務の効率化を図るべく、「Apartment kit」の入居者向けサービス「Benefit」への新規サービス導入や、賃貸経営アプリ「Apartment kit for Owner」のリリースなど、機能強化につとめてまいりました。

この結果、当連結会計年度における売上高は13億17百万円(前年同期52百万円)、営業利益5億20百万円(前年同期2億24百万円の営業損失)となりました。

 

    生産、受注及び販売の実績は次のとおりであります。

① 生産実績

当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

 

② 受注実績

当連結会計年度におけるTATERU Apartment事業のアパートの施工実績に基づく受注実績は次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高
(千円)

前年同期比
(%)

受注残高
(千円)

前年同期比
(%)

TATERU Apartment事業

24,738,843

63.5

9,373,936

35.9

 

(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2.TATERU Funding事業、TATERU bnb事業及びRobot Home事業については、事業の性質上、施工に関する受注実績の表示がなじまないため記載しておりません。

 

 

③ 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高
(千円)

前年同期比
(%)

TATERU Apartment事業

76,586,671

116.3

TATERU Funding事業

565,787

843.9

TATERU bnb事業

544,796

510.1

Robot Home事業

1,199,469

その他

252,616

24.8

合計

79,149,341

118.1

 

(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.当連結会計年度より、セグメントの変更を行っており、「前年同期比(%)」は、前連結会計年度の数値を 変更後のセグメント区分に組替えて算出しております。

4.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合が10%以上の相手先がないため記載を省略しております。

 

 

(2) 財政状態

① 資産の部

当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べて105億84百万円増加し、324億49百万円となりました。これは主に、現金及び預金が21億5百万円、販売用不動産が92億58百万円増加したことによるものであります。

 

② 負債の部

当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べて26億28百万円減少し、95億68百万円となりました。これは主に、短期借入金が12億円、未払法人税等が8億96百万円、長期借入金が4億3百万円減少したことによるものであります。

 

③ 純資産の部

当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べて132億13百万円増加し、228億81百万円となりました。これは主に、新株式発行により資本金及び資本剰余金がそれぞれ66億44百万円増加したこと、また、親会社株主に帰属する当期純利益8億21百万円を計上した一方で、剰余金の配当8億26百万円を実施したことによるものであります。

 

 

(3) キャッシュ・フロー

当連結会計年度における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末と比べ21億5百万円増加し、119億93百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、66億68百万円の支出(前連結会計年度は36億47百万円の収入)となりました。これは主に、たな卸資産の増加額57億42百万円、法人税等の支払額25億25百万円の減少要因があった一方、税金等調整前当期純利益26億71百万円、前渡金の減少額3億59百万円の増加要因があったことによるものであります。

 

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、20億16百万円の支出(前連結会計年度は31億4百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の売却による収入28億21百万円、投資有価証券の売却による収入26億36百万円の増加要因があった一方、有形固定資産の取得による支出63億66百万円、投資有価証券の取得による支出4億23百万円、関係会社株式の取得による支出3億0百万円の減少要因があったことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローは、107億92百万円の収入(前連結会計年度は44億41百万円の収入)となりました。これは主に、短期借入金の純減少額12億円、長期借入金の返済による支出4億8百万円、配当金の支払額8億25百万円の減少要因があった一方、株式の発行による収入132億26百万円の増加要因があったことによるものであります。

 

 

(4) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。当社グループの連結財務諸表を作成するにあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表」に記載のとおりであります。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者による会計方針の選択・適用とともに、資産及び負債または損益の状況に影響を与える見積りを用いております。これらの見積りについては、過去の実績や現状等を勘案し、合理的に判断しておりますが、見積もりには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらと異なることがあります。

 

 

(5) 経営成績等に重要な影響を与える要因

 当社グループの経営成績等に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

 

(6) 経営戦略の現状と見通し

 経営戦略の現状と見通しについては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、当社グループにおきましては、「ネット×リアルで新しいサービスを」という経営理念のもと事業展開を図ることが重要であると考えております。
 TATERU Apartment事業においては、顧客及び金融機関からの信頼を回復させ、会員数の増加と成約率の回復を目指してまいります。

  TATERU Funding事業においては、クラウドファンディングによる募集を再開し、キャピタル重視型ファンドの組成数増加を目指してまいります。

 TATERU bnb事業においては、民泊運用物件の企画、開発及び運営を行っており、当該民泊物件の案件数を増加させることで、収益拡大を図ってまいります。
 Robot Home事業においては、IoT機器「TATERU kit」をはじめとするIoT機器「Apartment kit」の提供数増加、更なる利便性と安全性の強化を図ってまいります。

 

 

(7) 経営者の問題意識と今後の方針について

経営者の問題意識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。