【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する情報は、当事業年度末現在において当社が判断したものであり、将来において発生する可能性のあるすべてのリスクを網羅するものではありません。

 

(1)マニュアル基幹システム「e-manual」の陳腐化

 当社は、2001年4月に開発したマニュアル基幹システム「e-manual」の導入推進による成長を目指しております。「e-manual」は、マニュアルの企画・構成、編集、制作をWeb上で行う作成プラットフォーム機能、ユーザーへの配信及びオンデマンド印刷機能、ユーザーの検索、利用及び問い合わせに対応するポータルサイト機能を有しておりますが、今後も「用語フィルター」(特許取得)など新機能の強化やユーザビリティ向上に努めてまいります。「e-manual」の導入顧客は2020年3月末現在50社でありますが、必ずしも当社の顧客が「e-manual」の利用を継続する保証はなく、また、「e-manual」の機能が陳腐化して契約が解除される可能性もあります。

 

(2)特定取引先への依存

 当社売上高に占める上位顧客10社の割合は、2018年3月期71.5%、2019年3月期59.7%、2020年3月期57.8%と高い水準となっております。上位顧客の多くは「e-manual」を導入していることから、今後とも継続的な取引が見込まれますが、何らかの事情により上位顧客との取引が打ち切られた場合は、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)MOS事業における外注依存

 MOS事業においては、基本的にマニュアルのテクニカルライティング及び技術翻訳を社外の専門スタッフや翻訳会社に業務委託しております。当社では一定の専門スタッフを登録し、懇親会やセミナー開催による登録者のフォロー・育成、案件ごとのチームによる品質管理体制を構築しております。これまで社外の専門スタッフの不足により業績への重大な影響を及ぼしたことはありませんが、案件の増加等によって量的質的に必要な専門スタッフが不足した場合には、納期や品質に問題が生じ、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)情報漏洩

 当社では、顧客の発売前の新製品や開発計画あるいは営業上の機密情報等に接する場合が多く、守秘義務を負っているため、顧客及び社外の専門スタッフとの取引時には機密情報の守秘義務契約を締結し、またデータの授受にはセキュアなクラウド上のファイルサーバー等を利用するなどセキュリティ対策を講じております。これまで機密情報の漏洩が発生したことにより、顧客から何らかの損害賠償の請求を受けたことはありませんが、それら機密情報等が漏洩し、顧客に重大な損害が発生した場合には、損害賠償請求や信用失墜等により、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)システムトラブル

 当社はMMS事業においてクラウド型のマニュアル基幹システム「e-manual」を中心に、インターネットを利用した事業展開を行っております。安定的なサービス提供のため、運用体制の整備を行っておりますが、システムの不具合、人為的ミス、自然災害等によって通信ネットワークが切断あるいは制御不能に陥った場合には、復旧に多大な時間や費用を要するなど当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)競合

 マニュアル制作や技術翻訳の受託業務は、基本的に多額の設備投資や許認可を必要とせず、新規参入が比較的容易であるため、2,000社以上の企業が存在しております(出典:「語学ビジネス徹底調査レポート2015」(矢野経済研究所))。当社では、ユーザー目線によるゼロベースからのマニュアル作成の提案や基幹システム「e-manual」の提供などによる差別化を図っておりますが、競合他社または新規参入会社との間で受注競争が激化し、価格競争や翻訳者の争奪が激しくなると、受注金額の低下、失注や売上原価の上昇等により当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)特定人物・経営者への依存

 当社代表取締役会長松村幸治は、マニュアル制作、翻訳等に関する豊富な経験と知識を有し、経営方針や事業戦略の決定並びに業務執行において極めて重要な役割を果たしております。

 当社では、経営管理組織の強化、権限委譲による意思決定の迅速化、さらに取締役会や経営会議等における役員及び幹部社員の情報共有を図る等、同氏に過度に依存しない経営体制の整備を進めております。しかし、何らかの理由により同氏が当社の業務を継続することが困難になった場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)小規模組織と内部管理体制

 当社の経営管理組織及び業務執行体制は事業規模に応じた比較的少人数で運営されております。そのため、優秀な人材が流出し、新たな人材の採用及び育成が図れない場合には、経営管理及び業務執行に支障が生じ、新サービスの開発や営業活動など事業展開が阻害され、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)災害等

 大規模な地震の発生などの自然災害や事故、テロをはじめとした当社によるコントロールが不可能な事由によって、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 また、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大に伴い、当社及び当社の主要ターゲットである国内大手メーカーを取り巻く環境によって、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 当社ではこれらのリスクに対応するため、危機管理体制を重要なものと位置付けて取り組み、防災、減災、感染予防や拡大防止に対して適切な管理体制を構築しております。