【事業等のリスク】

当社の事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、下記のとおりであります。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項につきましても、投資者の投資判断上重要であると考えられる事項につきましては、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下のとおり記載しております。

当社はこれらのリスクの発生可能性を十分に認識した上で、発生の回避及び発生した場合の迅速な対応に努める方針であります。なお、当社は適切なリスク管理を実施することで、以下のリスクの発生可能性を一定程度の低水準まで抑制できると考えており、これらのリスクが顕在化する可能性や時期、顕在化した場合に当社の経営成績等に与える定量的な影響につきましては、合理的に予見することが困難であるため具体的には記載しておりません。

なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであり、将来において発生の可能性のあるすべてのリスクを網羅するものではありません。

 

(1)経済動向について

当社の提供するサービスは、顧客のマーケティング分析ツールや、業務支援ツールとして活用されております。このため景気低迷期においては、顧客業績の悪化に伴う費用削減の結果、利用者数が減少する可能性があります。このような状況においては、当社の財政状態及び経営成績に重大な影響を与える可能性があります。

当社では、当社を取り巻く事業環境等の動向に注視し、景気低迷期における財政状態及び経営成績に与える影響の抑制に努めております。

 

(2)機密情報の管理体制について

ビッグデータの解析にあたり収集される情報の中には、個人情報が含まれるケースがあるものと認識しております。また当社の提供する解析結果については、顧客の経営戦略上極めて機密性の高い情報が含まれているものと認識しております。万が一これらの機密情報の漏洩が生じた場合には、当社ビジネスの根幹への信頼性が揺らぐため、当社の財政状態及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

当社では、収集したデータの社内での機密性確保並びに漏洩防止について、必要な暗号化やアクセス制限等を行うことにより情報漏洩のリスクの回避に努めております。

 

(3)システムトラブルの発生リスク

当社の事業は、提供サービスの基盤をインターネット通信網に依存しております。何らかの障害により大規模なシステムトラブルが顕在化し、復旧遅延が生じた場合は、当社の財政状態及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

当社では、コンピュータウィルスへの感染、ネットワークへの不正侵入、サイバー攻撃等の妨害行為によるシステムダウン、大地震や火災等の自然災害発生によるシステム障害等、顧客へのサービス提供が妨げられるようなシステムトラブルを回避すべく、外部業者によるシステムサーバーの管理・監視体制の構築や、バックアップ、システムの二重化等により未然防止策を実施しております。

 

(4)情報取得への制限リスク

当社は、SNS等により日々大量に生成されるインターネット上のビッグデータを、当社が顧客に提供するソフトウエアを通じて自動的に収集しております。しかしながら、SNS等の運営者側の方針転換や、法的規制の強化により、情報の自動収集に制限が加わったり、禁止されたりする可能性があります。現在入手できているデータを取得できなくなることでサービスの品質が低下したり、情報の収集に対して追加コストが発生したりする場合等には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。このような事象が生じた場合には、当社は独自の方法により同様のデータの入手に努めてまいります。

 

(5)知的財産権管理について

当社はこれまで、著作権を含めた知的財産権に関しては、他社の知的財産権を侵害したとして損害賠償や使用差止めの請求を受けたことはなく、知的財産権の侵害を行っていないものと認識しております。しかしながら、当社の事業領域において第三者が保有する知的財産権を完全に把握することは困難であり、当社が認識せずに他社の特許を侵害してしまう可能性は否定できません。この場合には当社に対する損害賠償や使用差止め等が行われることにより、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

加えて、当社で提供するサービス基礎技術については、機密性を確保するために特段特許等の申請は行わない方針としております。そのため、人員の引き抜き等により当社の技術が他社に流出し、同様のサービス展開が行われる可能性があり、また当該漏洩が生じていたとしても当社では認識できない可能性があります。当該基礎技術の漏洩が生じた場合は、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当社では、全役職員に対して機密保持に係る覚書を締結するとともに、競合他社のサービス内容についても定期的に確認することで、未然防止並びに事実把握に努めております。

 

(6)当社ビジネスモデルについて

当社は顧客にとっての使いやすさを追求した、ビッグデータを処理し、活用するためのプラットフォームの提供を行っております。このため当該ツールは、顧客業種に依存しない汎用性の高いサービスとなっていることに加え、SaaS形態での提供となっていることから顧客側において大規模なシステム環境を構築する必要もなく、容易に導入できる仕組みとなっております。本書提出日現在では、こうした使いやすさが評価され、化学・化粧品、自動車・電気、新聞・メディア、小売、情報・通信、金融、サービス、食料品といった幅広い業種・企業等との取引実績を有しております。

本提供マーケティング分析ツールは、継続して活用することでマーケティング改善の効果確認ができ、働き方改革を推進する業務支援ツールは、多くの顧客が継続的な取引先となっているものと認識しておりますが、SaaSによる提供となっていることから、解約自体は容易に可能であります。

したがって、①当社の提供するサービスが継続的に顧客ニーズに応えられない場合や、②技術革新により競合他社がより良いサービス提供を行う場合等においては、顧客離れが生じ当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

なお、こうしたリスクの具体的な内容は以下のとおりと認識しております。

① 顧客需要の変化について

当社の提供サービスは、顧客に関わるビッグデータを解析しその結果をレポートとして提供することで、顧客の意思決定をサポートしております。当該解析結果については、顧客の使いやすさを重視し直感的に理解しやすい形で提供しております。

しかしながら、これらの解析結果が顧客の期待する水準に届かなかった場合は、提供サービスひいては当社に対する信用が揺らぐことにより顧客が減少し、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

なお、当社の属するビッグデータ解析に係るビジネス領域は、比較的新しい分野であると認識しております。そのため、今後当社及び競合他社の提供する解析サービスの活用が一般化されるにつれて、顧客にとってより付加価値の高いサービス提供が求められるようになるものと認識しております。こうしたニーズへの十分な対応ができない場合や、競合他社が先んじて顧客ニーズをつかむ場合等には、当社顧客が減少することにより、当社の財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。当社では、日々顧客にとってのユーザビリティを追求することで、この需要の変化に迅速に対応してまいります。

 

② 技術革新について

当社はビッグデータ解析関連技術に基づいて事業を展開しており、大量のデータに付加価値を付ける機械学習やAI活用において新たな技術開発に積極的に取り組んでおります。何らかの理由により新たな技術やサービスへの対応が遅れた場合は、競合他社に対する競争力が結果として低下する恐れがあり、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当社では、今後も本業界の先駆者となるべく新技術の検討・開発に努めてまいります。

 

(7)当社事業成長の前提

当社事業は、ビッグデータの蓄積と当該データをもとにしたAIによる継続学習が前提となります。そのため、顧客企業の拡大によってより多くのデータ解析を行うことが、付加価値の創出や新サービスの開発といった当社事業成長の源泉において非常に重要な位置を占めております。足許の状況といたしましては、上述の(6)に示したように幅広い業種・企業等から継続的にデータを取得しているため特段問題は生じておりませんが、今後何らかの理由により顧客離れが生じた場合、十分かつ最新のデータ蓄積が行われなくなることによって当社サービスの付加価値が低下し、結果的に当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当社では、より付加価値の高いサービスを提供できるよう、今後も機械学習やAI等の技術開発に積極的に取り組んでまいります。

 

(8)事業規模の拡大に伴うリスク

当社の人員は69名(2020年6月末現在)に留まっており、小規模会社であると認識しております。現状は本規模に合わせた社内管理体制を敷いておりますが、今後の成長に伴う事業規模の拡大によっては、以下のようなリスクがあるものと認識しております。

① 人材確保・維持について

当社事業の拡大に伴い、技術者の追加採用、サービスの販売を行う営業員の増強、管理部機能強化のための経営管理に特化した人材採用等が必要となる可能性があります。一方で、インターネット関連ビジネスにおいては人材の流動性が高いため、このような人材が機動的に確保できない場合や既存人員が退職してしまう可能性があると認識しております。計画どおりの人員が育成・確保できない場合は当社事業拡大の制約要件となり、当社の成長戦略ひいては財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当社では、人材育成プログラムの確立や、十分なインセンティブプランの設定等により、人材の育成・確保に努めてまいります。

 

② 内部管理体制の充実について

当社は、当社の企業価値を最大化するためには、コーポレート・ガバナンスの充実を経営上の重要課題の一つであると位置づけております。今後、事業の急速な拡大等により、十分な内部管理体制の構築が追いつかない状況が生じた場合には、適切な業務運営が困難となり当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当社では、業務の適正性及び財務報告の信頼性を確保するため、これらに係る内部統制が有効に機能する体制を構築、整備、運用しております。

 

③ 情報システムの拡充について

今後顧客の増加や提供サービスの拡充に伴って、サーバーへの追加投資等により当社のシステムインフラを増強する可能性があります。一般的に追加システム投資を行う場合や、新たなシステムへの切り替えを行う場合、バグや不具合の発生等により一時的に十分なサービス提供ができなくなることがあります。万が一当該システム拡充に際して提供サービスに不具合が生じた場合は、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

当社では、十分な要件設計やテストの実施並びに必要に応じた並行稼働による対応等によって、そのような事象が生じないよう努めてまいります。

 

(9)新規事業推進に係るリスク

当社では今後、当社提供サービスの基礎であるビッグデータの解析・可視化技術(ペルソナの創出技術並びにヒートマップによるアクセス解析技術等)を活用して、既存分野並びに新規分野における新サービス開発を継続的に展開していく方針です。(なお、現状期待している新サービス分野については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(2)経営環境」をご参照ください。)

しかしながら、各新規事業は現状構想段階であり、結果的に実現しない又は実現したとしても十分な収益が獲得できず撤退する可能性があります。当社といたしましては事前に十分な検証を行った上で開発等を開始する方針ではありますが、結果的に新規事業に失敗した場合、コストのみが計上されることから当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)調達資金の使途について

当社は、2019年11月の公募増資による調達資金の使途については設備投資資金、本社増床に係る費用、新規人材の採用及び育成費、人件費、広告宣伝費、研究開発費に充当する予定であります。

しかしながら当社の所属する業界の環境変化や、これに伴う今後の事業計画の見直し等により、投資による期待どおりの効果が上げられなくなる可能性や、場合によっては充当先の変更が生ずる可能性があります。この場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11)配当政策について

当社は、設立以来配当を実施した実績はありませんが、株主に対する利益還元を重要な経営課題として認識しており、剰余金の配当については、内部留保とのバランスを考慮して適切な配当を実施していくことを基本方針としております。しかしながら、当社は現在、成長過程にあると認識していることから、内部留保の充実を図り、収益力強化や事業基盤整備のための投資に充当することにより、なお一層の事業拡大を目指すことが、将来において安定的かつ継続的な利益還元に繋がると考えているため、今後の配当実施の可能性及びその時期等については未定であります。

 

(12)新型コロナウイルス感染拡大の影響について

新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大に伴い、当社では、お客様と従業員の健康・安全確保を第一に、テレワークなどの取り組みを実施し、事業継続に努めておりますが、当該影響による市況の悪化などにより、当社の事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

なお、新型コロナウイルス感染症が当社の財政状態及び経営成績に与える影響は、現時点において限定的なものではありますが、先行きは不透明な部分もあり、継続して注視してまいります。

 

(13)不測の事態の発生によるリスク

地震、台風、洪水、津波等の自然災害、停電・電力不足、金融、資本市場等の混乱による経済危機、暴動、テロ等による政治の混迷など、国内外において不測の事態が発生した場合は、当社の財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。