【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社が判断したものであります。

(1) 経営方針

『世界にチャレンジするインターネットサービスを創る』を経営理念とし、日常で生まれるスキマ時間を充実できる質の高いサービス、事業の創出に取り組んでおります。この経営方針に基づき、絶えず変化し続けるインターネットサービスの分野において、新しい楽しさや便利さを生み出せるよう、新たな事業領域に挑戦し続け、持続的な成長と企業価値の向上を目指しております。

 

(2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社は、持続的な成長と企業価値の拡大を図るために、現状の成長期においては、事業規模の拡大を重視しており、「売上高」を重要な経営指標としております。

 

(3) 経営環境及び中長期的な会社の経営戦略

当社の主たる事業領域である電子書籍の市場環境は、スマートフォン・タブレット端末ユーザーの増加を背景に拡大が続いております。インプレス総合研究所「電子書籍ビジネス調査報告書2020」によると、2019年度の電子出版市場規模は3,750億円と推計され、2018年度の3,122億円から20.1%増加し、2024年度には2019年度の約1.5倍の5,669億円程度に拡大すると予測されています。また、2019年度のマンガアプリ広告収益市場規模は、210億円と推計され、2018年度の167億円から25.7%増加しました。2020年度には2019年度の28.6%増の270億円に拡大すると予測されており、アプリでマンガを楽しむユーザーは、引き続き増加傾向にあります。

一方で、電子書籍のビジネスモデルの多様化や成熟によって電子書籍市場が徐々に飽和していくことも想定されます。また、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い一部顧客の広告自粛及び広告予算縮小の影響を受けて、マンガアプリにおける広告収益単価が下落しております。

このような経営環境の中、当社は、上記経営方針のもと、マンガアプリ事業においてアプリ開発力とマネタイズ力で、中長期にわたる継続的な成長を目指しております。またそれに加え、新たなアプリサービス、事業の創出や海外におけるアプリサービスを展開することで、安定的な収益構造を構築して参ります。

 

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社は、今後においてもこれまで培ったビジネス構築力を基盤に、既存事業の基盤を強化するとともに新規サービスへも経営資源を投下し、高い成長率を確保することに加え、コーポレート・ガバナンスの充実も重要な課題であると認識しております。

また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により、インターネット広告市場の景況の悪化に伴う広告収益単価の下落等、更なる経済環境の悪化も懸念されるなど、先行き不透明な状況が続くと見込んでおります。

これらの課題に対処するために、当社は対処すべき課題として以下の施策に取り組んで参ります。

 

① 「マンガBANG!」の差別化

「マンガBANG!」は作品数・ジャンルの充実、機能拡充により、他社との差別化を図った結果、MAU(月間アクティブユーザー)は増加しており、今後も業績拡大に寄与することと見込んでおります。一方で電子コミック市場は拡大を続けているものの、電子書籍のビジネスモデルの多様化や成熟によって、電子書籍市場が徐々に飽和していくことも想定されます。

当社は、このような状況下においても、さらに「マンガBANG!」の魅力を高めるため、オリジナル作品の制作・配信を積極的に行うことで、差別化を進める施策に取り組んで参ります。

 

② 周辺ビジネスの拡大

当社は、設立以来、変化の速いインターネット市場の動向をいち早く捉えて様々な事業にチャレンジして参りました。今後、中長期での成長を実現するために、マンガアプリ事業領域において蓄積した知見やノウハウ等を活用し、迅速かつ効率的に周辺事業への拡大にチャレンジして参ります。

 

現在は主力の「マンガBANG!」の運営の他、女性向けエンタメアプリ「Palfe」のサービス提供及びオリジナルマンガ制作にも着手しております。オリジナルマンガ制作については、(a)出版社と協業して人気作品の制作、(b)異世界転生系等の小説のコミカライズ、(c)当社オリジナル作品を制作し、「マンガBANG!」を通じた販売に加え外販も行っていく方針です。

 

③ 海外展開への対応

当社は、日本が誇るコンテンツといえる「マンガ」や「アニメ」を成長著しい世界のスマートフォンアプリ市場へ迅速に展開することが、一層の事業拡大を目指す上で重要であると認識しております。また、日本のマンガ、アニメの海外市場規模が、コンテンツの認知度と比較して小さいと当社は考えております。

そのため、当社は、今までに培った開発ノウハウや出版社等との関係を元に、海外市場に向けてマンガやアニメ関連情報を扱ったサービス展開する計画を進めております。

 

④ 新規ビジネスの立上げ

当社は、将来的にはマンガアプリ事業から創出される利益を、スキマ時間を充実できる新たなサービス、事業の創出に向けることで、単一事業への偏重によるリスクを抑制し、将来の事業環境の変化にも機動的に対応できるビジネスポートフォリオの構築にも注力して参ります。

 

⑤ M&Aの活用

新規事業及びマンガアプリ事業の拡大のためには、M&Aも有効手段であると考えております。M&Aを行うに当たっては、投資効果はもちろん、対象企業の将来性や当社事業とのシナジーを十分に検討した上で、積極的に取り組んで参ります。

 

⑥ システム基盤の強化

当社は、スマートフォンアプリをApple Inc.のiOS搭載端末向け及びGoogle Inc.のAndroid搭載端末向けに展開していることから、サービス提供に係るシステム稼働の安定性を確保することが経営上重要な課題であると認識しております。そのため、各種アプリを運営する上では、ユーザー数増加に伴う負荷分散やユーザー満足度の向上を目的とした新規サービス・機能の開発等に備え、設備への先行投資を継続的に行っていくことが必要となります。当社は、その重要性に鑑み、今後においてもシステム基盤の強化への取組みを継続していく方針であります。
 また、当社は、先端的なテクノロジーを基盤にした新規サービスや技術革新に対して適時に対応を進めることが、事業展開上の重要な要素であると認識しております。そのため、各々の技術革新の普及の進展を見ながら、柔軟な対応を図っていく方針であります。

 

⑦ 組織体制の強化と内部統制及びコンプライアンス体制の強化

当社は、今後更なる事業拡大を推進するに当たって、従業員のモチベーションを引き出す目標管理制度や福利厚生等の人事制度構築に努めながら、業務遂行能力、人格、当社の企業文化及び経営方針への共感を兼ね備え、グローバルに活躍できる優秀な人材の採用に取り組んで参ります。
 組織設計においては少人数単位でのチーム制を採用すると同時に、チーム毎の自律性を促すよう権限の委譲を推し進めることで意思決定の質とスピードを維持・向上するなど、従業員のパフォーマンスを最大化させる取組みを引き続き継続していく方針であります。
 また、内部統制及びコンプライアンス体制の充実・強化を図って参ります。

 

⑧ 知的財産権の侵害への対応について

当社は、著作権等の権利を著しく阻害する海賊版サイト(注)によって生じる機会損失が当社の業績に影響を及ぼす可能性があると認識しております。そのため、海賊版サイトの根絶に向けて、出版社、電子書店、関係者と協調して対策を協議実行するとともに、法制度整備ならびに著作権教育の推進に努めて参ります。
(注)海賊版サイト:著作権を侵害し、無断でインターネット上でコンテンツを公開しているサイト