【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)会社の経営の基本方針

 当社グループは「地球にやさしく、おいしさと安全の一体化を図り、お客様満足に全力を傾ける」ことを企業理念とし、「日本一安心・安全な食品会社になる」を目標に掲げています。

 また、①素材本来の味を活かす本物の美味しさを提供する「無添加調理」の技術、②自社の社員の目で確認した「厳選素材」、③原材料の履歴情報を開示する「品質保証番号」、の3つの原則を基本に活動しております。

 そして、食事でお困りの方に無添加調理だからできる価値作りを行い、お客様の変化を捉え、新しいマーケットを創り上げるとともに、社会に貢献できる活動を行ってまいります。

 

(2)目標とする経営指標

 当社グループは、収益力の改善を行い株主はもちろんのこと、すべてのステークホルダーにご満足いただけることを考え、経営戦略・経営計画に基づいて利益を生み出し企業価値の増加を図るよう努めています。近年ROEの考え方を導入する社会的要請も踏まえ、様々な経営指標を勘案しながら利益体質の強化、純資産の効率的活用を行っていく所存です。日々の活動を合否判定することにより、あるべき姿との差を明確にし、その差の分析を行い、ロス・ムダの改善をすぐに実行できる体制を作ってまいります。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

 顧客の変化に対応しつつ、次の価値作りに向けた布石を打ち、新しいマーケットを創ってまいります。

 イシイのブランドマークは全て無添加調理で製造し、健康をテーマにした本物の美味しい食事を提供してまいります。

① 食生活の変化を捉え、お客様の食事に関する困り事を掴み、お客様の生活に合う食事のコト提案を行ってまいります。

② 商品作りは自然な香りと風味を生かす無添加調理を基本として開発、リニューアルを行ってまいります。

③ 塩分の摂取制限のある方へ、一食1.5g以下の塩分量の商品開発、リニューアル及び販売を行ってまいります。

④ 食物アレルギーの方への食事の提供と販売チャネルの開拓を行ってまいります。

 本社ビル1階のコミュニティハウス「ヴィリジアン」にて地域の方々に社会貢献を行ってまいります。

 

(4)会社の対処すべき課題

 当社グループの対処すべき課題は次のとおりであります。

① 地域活性を軸とした新しいビジネスモデルへの転換

 地域食材と旬の食材を最大限活用するために、新しい調達・製造・販売の在り方の検証及び構築を行います。また新規事業開発を推進できる人材育成を強化いたします。

② 利益構造の転換

 利益率の低い取引を見直し、流通・メーカー・生産者が3方得の関係性を構築できるチャネルとの取引強化及び新規チャネル開拓を行います。

③ オンライン・オフライン双方のマーケティングの強化

 無添加調理の価値、地域食材の魅力、アレルギー問題等、弊社が持つ情報をより多くの方に届け、かつ双方向のコミュニケーションを構築する必要があります。そのためのマーケティング体制の強化、ヴィリジアンを含む直営店の強化を実施いたします。

④ 技術継承、設備老朽化への対応

 各工場ともに長期にわたる運用により、働き手の高齢化及び設備の老朽化が進んでおります。人と設備への投資を進め、若手の育成及び技術継承、定年後の継続雇用のサポート、次世代技術への設備投資を行ってまいります。

⑤ 地球環境の保全

 食品業界における地球環境保全への必要性は年々高まっております。当社グループは、認証取得しておりますISO14001の運用において、環境保全への取り組みを進めてまいりました。今後は自然エネルギーへの切り替えや設備投資、製造工程の抜本的改革により省エネルギー化、新素材を利用した脱プラスチックへの取り組みを積極的に進めてまいります。

⑥ 管理体制の充実・柔軟な雇用制度の構築

 少子高齢化社会において、人材の確保、雇用の継続は経営課題となっております。当社グループは各職場において、働き方を多様化、柔軟化することで人手不足への対応を行ってまいります。

(5)株式会社の支配に関する基本方針

① 基本方針の内容

 当社は、金融商品取引所に株式を上場している者として、市場における当社株式の自由な取引を尊重し、特定の者による当社株式の大規模買付行為であっても、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に資するものである限り、これを一概に否定するものではありません。また、当社に対して大規模買付提案(買収提案)が行われた場合に、当該大規模買付提案を受け入れるか否かは、最終的には株主の皆様のご判断に委ねられるべきものであると考えます。

 しかし、株式の大規模買付提案の中には、その目的等から見て、当社が蓄積してきました多くのノウハウ・知識・経験について理解のないもの、ステークホルダーとの良好な関係を保ち続けることができない可能性があるもの、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益を損なうおそれのあるもの、株主の皆様に株式の売却を事実上強制するおそれのあるもの、当社グループの価値を十分に反映しているとは言えないもの、あるいは株主の皆様が最終的な決定をされるために必要な情報が十分に提供されないもの等、当社の企業価値・株主共同の利益に資さないものもありえます。

 そこで、そのような提案に対しては、当社は、買収者に株主の皆様のご判断に必要かつ十分な情報を提供させること、さらに買収者の提案が当社の企業価値及び株主共同の利益に及ぼす影響について当社取締役会が評価・検討した結果を株主の皆様に当該提案をご判断いただく際の参考として提供すること、場合によっては当社取締役会が大量買付行為または当社の経営方針等に関し買収者と交渉または協議を行うことが、当社取締役会としての務めであると考えております。

 以上のような見解に基づき、当社取締役会は、当社に対する買収行為が、一定の合理的なルールに従って行われることが、当社及び当社株主全体の利益に合致すると考え、事前の情報提供等に関する一定のルール(以下、「本プラン」といいます。)を設定することとしました。

 

② 基本方針の実現に資する特別な取り組み

 当社は、創業以来、食の安心・安全を第一に考えて、おいしい良質な調理済食品の製造販売を行ってきております。また、品質管理方法においても、品質管理番号システムを採用することで品質管理を徹底し、原材料の履歴と製造工程の管理状況がわかる独自のシステムを導入しております。また、同時に検査体制も充実させることで食の安心・安全の実現を担保しております。

 そうした中、当社は、他社では真似のできない、無添加調理方法、品質管理方法、厳選素材の入手ルート等、数多くのノウハウ・知識・経験を蓄積してきており、これらのノウハウ等から生み出される安心・安全かつおいしい良質な食品を製造販売することで、数多くのお客様及び取引先等のステークホルダーとの間に信頼関係を築き上げてまいりました。

 当社は、これからも当社独自の品質管理方法、無添加調理方法、厳選素材の入手ルート等の当社が有するすべての技術・ノウハウをベースとして、これら技術・ノウハウの質を日々たゆまぬ努力により一層向上させながら、お客様に満足していただける安心、安全かつおいしい良質な食品の提供を提案し続けてまいります。当社の企業価値は、このような、技術力・提案力により確保、向上されるべきであり、また、これを支えるお客様、取引先、従業員等のステークホルダーとの一体性こそが、当社の企業価値の源泉であると考えております。

 当社は、このような経営姿勢を当社の企業理念である「地球にやさしく、おいしさと安全の一体化を図りお客様満足に全力を傾ける。」というメッセージに込め、すべてのステークホルダーの利益を追求し、当社の企業価値ひいては株主共同の利益の向上を図ってまいります。

 

③ 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取り組み

 当社は、2019年6月22日開催の第78回定時株主総会において、「当社株式の大規模買付行為に関する対応策(買収防衛策)継続の件」について、承認を得ております。

 本プランは、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保・向上させることを目的として、上記①に記載の基本方針に沿うものであり、当社株式等の大規模買付行為を行おうとする者が遵守すべきルールを明確にし、株主の皆様が適切な判断をするために必要かつ十分な情報及び時間、並びに大規模買付行為を行おうとする者との交渉の機会を確保することを目的としています。

 本プランは、当社株式等の大規模買付行為を行おうとする者が遵守すべきルールを策定するとともに、一定の場合には当社が対抗措置をとることによって大規模買付行為を行おうとする者に損害が発生する可能性があることを明らかにし、これらを適切に開示することにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資さない当社株式等の大規模買付行為を行おうとする者に対して、警告を行うものです。

 また、本プランでは、対抗措置の発動にあたって、当社取締役会の恣意的判断を排除し、取締役会の判断及び対応の客観性、合理性を確保するための機関として特別委員会を設置し、発動の是非について当社取締役会への

勧告を行う仕組みとしています。

 なお、本プランは一般的なものであり、特定の大量保有者のみを意識したものではありませんが、現在の大量保有者にも、本プランは適用されます。

 本プランの対象となる者は、特定株主グループ(注)の議決権割合を20%以上とすることを目的とする当社株券等の買付行為、または結果として特定株主グループの議決権割合が20%以上となる行為(いずれについても当社取締役会が同意したものを除くものとし、また市場取引、公開買付け等の具体的な買付方法の如何を問いません。以下、このような買付行為を「大規模買付行為」といい、大規模買付行為を行う者を「大規模買付者」といいます。)を行おうとする者です。

 

(注) 特定株主グループとは、当社の株券等(金融商品取引法第27条の23第1項に規定する株券等をいいます。)の保有者(同法第27条の23第1項に規定する保有者をいい、同条第3項に基づき保有者に含まれる者を含みます。)及びその共同保有者(同法第27条の23第5項に規定する共同保有者をいい、同条第6項に基づき共同保有者とみなされる者を含みます。)並びに当社の株券等(同法第27条の2第1項に規定する株券等をいいます。)の買付け等(同法第27条の2第1項に規定する買付け等をいい、取引所有価証券市場において行われるものを含みます。)を行う者及びその特別関係者(同法第27条の2第7項に規定する特別関係者をいいます。)を意味します。

 

 なお、この大規模買付ルールの詳細につきましては、当社ホームページのIR情報に記載の「当社株式の大規模買付行為に関する対応策(買収防衛策)の継続に関するお知らせ」(2019年5月15日付)をご参照下さい。

(https://www.ishiifood.co.jp/)

 

④ 不適切な支配の防止のための取り組みについての取締役会の判断

 当社を取巻く昨今の国内の食品市場は、少子高齢化の影響による人口減少により、国内の食品消費量は頭打ちの状況にあり、厳しい環境にあります。そうした中、食品会社各社は新たな需要を開拓するべく、自社による新商品開発にとどまらず、他社を買収することによりその会社が有する技術力を用いて商品開発等を行い、自身の業務を拡大しようとする動きが近年加速している状況にあります。

 当社は、かかる認識のもと、自身が培ってきた独自の無添加調理方法、品質管理方法を軸とした高度な技術力に基づく食品業界固有のブランドと市場を開拓し、また、生産体制の効率化と製品競争力の強化を中心とした収益構造の確立を図りつつ、財務面では借入金に頼らない堅実な経営を推進することにより、持続的成長可能な食品会社となることを経営の基本方針として、企業価値及び株主共同の利益の向上に努めてきておりますが、当社を取巻く経営環境等の変化を背景に、以前にも増して、当社の卓越した技術力や財務健全性に着目した、当社の支配権取得を目的とした大規模買付行為が行われることも予想される状況になってきております。

 当社取締役会は、①に記載の基本方針で謳っているように、大規模買付行為であっても、当社の企業価値及び株主共同の利益に資する買収提案であれば、これを一概に否定するものではありません。また、当社の株主構成は、現時点では当社の創業者親族等の株主が保有割合の上位を占めており、現段階で具体的に差し迫った買収のリスクが存在している訳ではありません。しかしながら、上記のような当社を取巻く経営環境等の変化を鑑みると、将来的に、当社の事業やビジネス・モデルに関する理解が十分ではない者による当社に対する大規模買付行為が行われた場合、当社の顧客・取引先等を含む重要なステークホルダーとの関係が崩壊し、当社の企業価値・株主共同の利益が著しく毀損されかねないこと、同時に、こうした状況に便乗した、当社の経営には関心のない、当社の技術力や健全な財務力の取得だけを目的とした買収者が現れる可能性も否定できません。さらに、当社の株主構成に関しても、当社の創業者親族等の株主の中には高齢の株主もおり、各々の事情に応じた譲渡、相続等の処分が行われる状況が具体的に予想され、今後一層当社の株式の分散化が進んでいく可能性は否定できず、将来的に現在のような安定した株主構成が維持されるとは限りません。また、当社の経営に直接関与していない創業者親族等による当社株式に関する権利行使については、それぞれ株主個人の判断のもとに行われており、当社がそれら権利行使について関与・コントロールするものではないことから、当社の経営権の取得等を目的とした大規模買付提案に際しても、大規模買付者に当社の経営を委ねるべきか否か等の一株主としての判断が、当社取締役会の判断とは異なる場合もありえます。したがって、当社取締役会は、今から当社の企業価値及び株主共同の利益を著しく害するような大規模な買収行為に備えた対応策を準備しておくことが、当社の企業価値及び株主共同の利益を守るためにも必要であると判断しました。また、その内容をあらかじめ定めておくことは、手続の透明性や関係者の予見可能性を向上させる意味でも適切なものであると考えたことから、今回、本プランを導入し、その内容を開示することとしております。