【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度における世界経済は、原油をはじめとする資源価格の底打ちや米国経済の拡大など、緩やかな成長を維持した一方で、グローバリズムへの反動等により、先行きの不確実性が高まった。我が国経済においても、年度後半の円安基調による企業収益の一部回復や設備投資の堅調な推移があったものの、今後の米国の通商政策等への不透明感なども生じた。

このような状況の下、当連結会計年度における当社グループの受注高は、防衛・宇宙、機械・設備システムセグメントが増加したものの、エネルギー・環境、交通・輸送セグメントが減少したことにより、前連結会計年度を2,098億43百万円(△4.7%)下回る4兆2,756億94百万円となった

売上高は、機械・設備システム以外のセグメントが減少したことにより、前連結会計年度を1,327億91百万円(△3.3%)下回る3兆9,140億18百万円となった。

営業利益は、防衛・宇宙以外のセグメントが減少したことにより、前連結会計年度を1,589億63百万円(△51.4%)下回る1,505億43百万円、経常利益は、持分法による投資損失を営業外費用に228億円45百万円計上したことなどにより、前連結会計年度を1,482億6百万円(△54.4%)下回る1,242億93百万円となった。

また、特別利益として投資有価証券売却益及び固定資産売却益を1,149億8百万円計上する一方で、特別損失として客船事業関連損失引当金繰入額等を694億83百万円計上した。以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度を238億85百万円(+37.4%)上回る877億20百万円となった。

 

セグメントの業績は、次のとおりである。

ア. エネルギー・環境

海外では、米国とメキシコで、世界最高水準の高効率運転を実現するJ形ガスタービンを受注したほか、インドネシアで超々臨界圧火力発電プラント向け設備を受注し、国内でも、福島県のいわき市と双葉郡で世界最新鋭の石炭ガス化複合発電設備を受注した。しかしながら、前年度に海外大型案件の成約があった化学プラントやGTCC(Gas Turbine Combined Cycle)の減少等により、受注高は前連結会計年度を3,163億7百万円(△15.8%)下回る1兆6,887億70百万円となった。

売上高は、火力発電システムの減少等により、前連結会計年度を723億42百万円(△4.7%)下回る1兆4,704億37百万円となった。営業利益は、円高の影響等もあり、前連結会計年度を441億9百万円(△28.5%)下回る1,105億57百万円となった。

 

イ. 交通・輸送

交通システムで新交通ゆりかもめ向け全自動無人運転車両を受注し、また、開発中のリージョナルジェット機MRJについては新たに20機を成約して累計成約機数を427機に伸ばしたものの、前年度に米国シェールガス革命を背景に複数のLNG船・LPG船を受注した商船や、大型案件を成約した交通システムの減少等により、受注高は、前連結会計年度を1,919億77百万円(△31.6%)下回る4,151億58百万円となった。

売上高は、交通システムが増加したものの、民間航空機等が減少したことにより、前連結会計年度を331億52百万円(△6.0%)下回る5,153億58百万円となった。営業損益は、民間航空機の売上高の減少やMRJ開発費用の増加、円高の影響等により、前連結会計年度から1,064億95百万円悪化し、519億83百万円の損失となった。

 

ウ. 防衛・宇宙

宇宙関連事業では、H-ⅡAロケットによる準天頂衛星初号機「みちびき」の後継機の打上げ輸送サービスを受注したほか、H-ⅡBロケットによる国際宇宙ステーション補給機の打上げ輸送サービスを受注した。また、防衛関連事業でも、能力向上型の地対空誘導弾ペトリオット「PAC-3 MSE」を受注した。以上の結果、受注高は前連結会計年度を2,544億56百万円(+56.8%)上回る7,021億99百万円となった。

売上高は、H-ⅡA/Bロケットの打上げが前年度の年間3機から4機に増えた宇宙関連事業が増加したものの、飛しょう体等の減少により、前連結会計年度を144億64百万円(△3.0%)下回る4,706億6百万円となった。営業利益は、宇宙関連事業の売上高の増加等により、前連結会計年度を21億99百万円(+8.5%)上回る279億88百万円となった。

 

エ. 機械・設備システム

前連結会計年度にユニキャリアホールディングス株式会社を当社グループに迎えて事業規模が拡大した物流機器のほか、自動車の燃費規制の強化を追い風にターボチャージャが増加したことにより、受注高は前連結会計年度を718億27百万円(+5.2%)上回る1兆4,643億92百万円となった。

売上高は、設備投資停滞の影響を受けた製鉄機械やコンプレッサが減少したものの、物流機器やターボチャージャの増加等により、前連結会計年度を56億86百万円(+0.4%)上回る1兆4,380億44百万円となった。営業利益は、コンプレッサの売上高の減少等により、前連結会計年度を75億7百万円(△9.4%)下回る725億70百万円となった。

 

オ. その他

受注高は前連結会計年度を23億96百万円(△1.5%)下回る1,604億77百万円、売上高は前連結会計年度を14億8百万円(△0.8%)下回る1,759億26百万円、営業利益は前連結会計年度を18億86百万円(△14.9%)下回る107億31百万円となった。

 

(2) キャッシュ・フロー

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ578億62百万円(△19.3%)減少し、2,424億4百万円となった。これは、営業活動及び投資活動によるキャッシュ・フローに対して、財務活動によるキャッシュ・フローにおける支出が1,389億71百万円増加したことなどによるものである。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、959億13百万円の資金の増加となり、前連結会計年度に比べ1,740億89百万円(△64.5%)減少した。これは、新規事業への開発投資の増加や一部の主力事業の営業利益が減少したことに加え、新規事業の生産立上げ準備や受注済みの大型プロジェクトの進捗に伴い運転資金負担が増加したことなどによるものである。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、87億12百万円の資金の増加(前連結会計年度は2,624億79百万円の減少)となった。これは、投資支出が減少したことに加え、子会社株式の売却及び有形固定資産の売却により収入が増加したことなどによるものである。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、1,620億78百万円の資金の減少となり、前連結会計年度に比べ1,389億71百万円支出が増加した。これは、短期借入金及びコマーシャル・ペーパーの返済による支出が増加したことなどによるものである。