【業績等の概要】

(1)業績

当連結会計年度の世界経済情勢は、米国経済が雇用や所得環境の改善を背景に堅調に推移し、欧州経済は金融緩和により緩やかな回復が継続、また中国は各種政策により景気減速に一服感がみられるなど、総じて緩やかな回復を示す一方で、保護主義による貿易取引の縮小や欧州での政治的な先行き不透明要因が懸念されるなど、本格的な回復に決め手を欠く状況でした。

当社が属するエレクトロニクス市場は、スマートフォンの台数成長の伸び率が鈍化しつつも機器の高機能化による1台当たりの部品数増加で、継続した成長が見込まれ、またカーエレクトロニクスでは自動車の安全性と利便性の向上に向けて電装品の搭載数が増加し、電子部品需要が拡大しました。

このように当社は伸びる市場に注力し、コンポーネントの売上高は汎用部品を中心に数量は伸びたものの、製品価格の値下がりや為替変動(前連結会計年度比11円72銭の円高)の影響で微増にとどまり、またモジュールが大幅な減収となったことから、当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度比6.2%減の1,135,524百万円となりました。

利益につきましては、原価低減の取り組みと新製品の継続的な投入を推し進めましたが、製品価格の値下がり、減価償却費の増加、円高などの減益要因により、営業利益は前連結会計年度比26.9%減の201,215百万円、税引前当期純利益は同28.2%減の200,418百万円、当社株主に帰属する当期純利益は同23.4%減の156,060百万円となりました。

事業別セグメントについては、コンポーネントは売上高が798,248百万円(前連結会計年度比1.5%減)で事業利益(※)が202,573百万円(同22.9%減)、モジュールは売上高が370,874百万円(同17.0%減)で事業利益が39,512百万円(同23.9%減)、その他は売上高が43,060百万円(同27.3%減)で事業利益が3,810百万円(同24.8%減)となりました。

(※)「事業利益」は売上高から事業に直接帰属する費用を控除した利益であります。

 

当連結会計年度の製品別の売上高を前連結会計年度と比較した概況は、以下のとおりであります。

 

〔コンデンサ〕

この区分には、積層セラミックコンデンサなどが含まれます。

当連結会計年度は、主力の積層セラミックコンデンサについて、通信機器向けではスマートフォンの高機能化に支えられ数量は増加したものの円高及び製品価格の値下がりの影響により円建てベースでは減少しましたが、自動車の電装化の進展によりカーエレクトロニクス向けが大きく増加したほか、コンピュータ及び関連機器向けも非常に好調でした。

その結果、コンデンサの売上高は、前連結会計年度に比べ0.6%増の369,488百万円となりました。

 

〔圧電製品〕

この区分には、表面波フィルタ、発振子、圧電センサ、セラミックフィルタなどが含まれます。

当連結会計年度は、表面波フィルタがマルチバンド対応のスマートフォンの普及で伸長しました。また超音波センサが自動車の安全装置向けで増加したほか、アクチュエータがHDD向けで増加しました。

その結果、圧電製品の売上高は、前連結会計年度に比べ5.0%増の170,012百万円となりました。

 

〔その他コンポーネント〕

この区分には、コイル、EMI除去フィルタ、コネクタ、センサ、サーミスタなどが含まれます。

当連結会計年度は、スマートフォン向けで、高周波コイルが増加しましたが、コネクタが採用モデルでの員数低下により減少しました。

その結果、その他コンポーネントの売上高は、前連結会計年度に比べ3.8%減の222,259百万円となりました。

 

〔通信モジュール〕

この区分には、近距離無線通信モジュール、通信機器用モジュール、多層モジュール、多層デバイスなどが含まれます。

当連結会計年度は、ハイエンドスマートフォン向けで、近距離無線通信モジュール、通信機器用モジュール、多層モジュールが、円高や当社製品採用モデルの生産量減少、特定顧客向けのシェア低下により、大きく落ち込みました。

その結果、通信モジュールの売上高は、前連結会計年度に比べ17.6%減の325,736百万円となりました。

〔電源他モジュール〕

この区分には、電源などが含まれます。

当連結会計年度の電源他モジュールの売上高は、電源が、カーエレクトロニクス向け、OA機器向けで減少し、前連結会計年度に比べ12.7%減の45,100百万円となりました。

 

(2)キャッシュ・フロー

<営業活動によるキャッシュ・フロー>

当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、未払税金の減少が22,678百万円、売上債権の増加が14,317百万円となりましたが、キャッシュ・フローの源泉となる当期純利益が156,076百万円、減価償却費が113,523百万円、未払費用及びその他の流動負債の増加が7,586百万円となったことなどにより、243,920百万円のキャッシュ・インとなりました。

営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ8,531百万円の減少となりました。

 

<投資活動によるキャッシュ・フロー>

当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券及び投資項目の償還及び売却が45,192百万円となりましたが、設備投資が158,579百万円、有価証券及び投資項目の購入が58,967百万円、長期性預金の増加が22,591百万円となったことなどにより、202,697百万円のキャッシュ・アウトとなりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ2,619百万円の増加となりました。

 

<財務活動によるキャッシュ・フロー>

当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金が39,673百万円増加しましたが、配当金の支払いが46,689百万円、長期債務の減少が4,662百万円となったことなどにより、11,729百万円のキャッシュ・アウトとなりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ44,885百万円の増加となりました。