【業績等の概要】

(1)業績

当連結会計年度における世界経済は、緩やかな成長を維持しました。中国やインド等の新興国経済は、引き続き先進国に比べ高い成長率を維持しました。また、米国経済や欧州経済においても企業業況、雇用、個人消費に底堅さが見られ、景気は緩やかに拡大しました。

当社の連結業績に影響を与えるエレクトロニクス市場を概観しますと、その生産水準はセット製品(最終財)により異なっております。スマートフォンの生産は、中国市場において引き続き需要が拡大したことにより、前連結会計年度の水準を上回りました。自動車の生産は、米国や欧州での堅調な販売に支えられ、前連結会計年度に比べ若干増加しました。一方、パソコンの生産は前連結会計年度の水準を下回りました。また、ハードディスクドライブ(HDD)の生産も、パソコンの需要減やパソコン内部のHDDからソリッドステートドライブ(SSD)への置換えが進んだ影響を受け、前連結会計年度の水準を下回りました。

このような経営環境の中、当社の連結業績は、売上高1,178,257百万円(前連結会計年度1,152,255百万円、前連結会計年度比2.3%増)、営業利益208,660百万円(同93,414百万円、同比123.4%増)、税引前当期純利益211,717百万円(同91,839百万円、同比130.5%増)、当社株主に帰属する当期純利益145,099百万円(同64,828百万円、同比123.8%増)、1株当たり当社株主に帰属する当期純利益1,150円16銭(同514円23銭)となりました。

当連結会計年度における対米ドル及びユーロの平均為替レートは、108円46銭及び118円92銭と前連結会計年度に比べ対米ドルで9.7%及び対ユーロで10.4%のそれぞれ円高となりました。この為替変動により、約1,291億円の減収、営業利益で約267億円の減益となりました。なお、当期の営業利益にはQualcomm Incorporatedとの合弁会社設立に伴う事業譲渡益が含まれます。

当社グループの事業セグメントは、「受動部品」、「磁気応用製品」及び「フィルム応用製品」の3つの報告セグメント及びそれらに属さない「その他」に分類しております。なお、当第1四半期連結会計期間における組織変更により、従来「その他」に属していた一部製品を「受動部品」セグメントのインダクティブデバイス及びその他受動部品に、並びに「フィルム応用製品」セグメントに属していた一部の製品を「その他」に、それぞれ区分変更するとともに、前連結会計年度の数値についても変更後の区分に組替えております。

受動部品セグメントは、①コンデンサ ②インダクティブデバイス ③その他受動部品 で構成され、当セグメントの連結業績は、売上高が前連結会計年度の583,474百万円から6.0%減の548,730百万円、セグメント利益が前連結会計年度の66,404百万円から208.2%増の204,681百万円となりました。

当セグメントの売上概況を事業別にみますと、次のとおりであります。

コンデンサは、セラミックコンデンサ、アルミ電解コンデンサ及びフィルムコンデンサから構成され、売上高は前連結会計年度の150,402百万円から9.1%減の136,790百万円となりました。セラミックコンデンサの販売は、自動車市場向けの販売は増加したものの、ICT(情報通信技術)市場及び産業機器市場向けは減少しました。アルミ電解コンデンサ及びフィルムコンデンサの販売は、主に産業機器市場向けが減少しました。

インダクティブデバイスの売上高は、前連結会計年度の155,121百万円から6.3%減の145,334百万円となりました。自動車市場向けの販売は増加したものの、ICT市場向けの販売は減少しました。

その他受動部品は、高周波部品、圧電材料部品・回路保護部品及びセンサで構成されており、売上高は前連結会計年度の277,951百万円から4.1%減の266,606百万円となりました。高周波部品の販売は、主要市場であるICT市場向けで増加しました。圧電材料部品・回路保護部品の販売は、産業機器市場向けの販売は増加したものの、自動車市場及びICT市場向けは減少しました。センサの販売は、主に産業機器市場向けが減少しました。

磁気応用製品セグメントは、①記録デバイス ②その他磁気応用製品 で構成され、当セグメントの連結業績は、売上高が前連結会計年度の315,322百万円から10.9%増の349,698百万円、セグメント利益が前連結会計年度の13,194百万円から損失1,802百万円に転じました。

当セグメントの売上概況を事業別にみますと、次のとおりであります。

記録デバイスは、主にHDD用ヘッドとHDD用サスペンション及び磁気センサから構成され、売上高は、前連結会計年度の219,836百万円から19.2%増の262,135百万円となりました。HDD用ヘッドの販売は、HDD市場が低調な中で増加しました。前連結会計年度3月に買収したMicronas Semiconductor Holding AGの磁気センサ及び当連結会計年度10月に買収したHutchinson Technology IncorporatedのHDD用サスペンションが、当連結会計年度の記録デバイスの中に含まれています。

その他磁気応用製品は、電源及びマグネットで構成されており、売上高は、前連結会計年度の95,486百万円から8.3%減少し87,563百万円となりました。電源の販売は、主に産業機器市場向けが減少し、マグネットの販売は、主にICT市場向け(HDD向け)が減少しました。

フィルム応用製品セグメントは、エナジーデバイス(二次電池)で構成され、当セグメントの連結業績は、売上高が前連結会計年度の219,893百万円から12.6%増の247,693百万円、セグメント利益が前連結会計年度の37,038百万円から11.3%増の41,217百万円となりました。

エナジーデバイスの販売は、ICT市場向けが大幅に増加しました。

3つの報告セグメントに属さないその他は、メカトロニクス(製造設備)等で構成され、売上高は前連結会計年度の33,566百万円から4.3%減の32,136百万円、セグメント利益が前連結会計年度の1,199百万円から損失6,655百万円の赤字に転じました。

地域別売上高の状況は、次のとおりであります。

国内における売上高は、前連結会計年度の91,052百万円から15.6%増の105,233百万円となりました。磁気応用製品セグメントが増加しました。

米州地域における売上高は、前連結会計年度の101,974百万円から2.9%増の104,910百万円となりました。受動部品セグメントが減少した一方で、磁気応用製品セグメントは増加しました。

欧州地域における売上高は、前連結会計年度の145,336百万円から0.6%増の146,201百万円となりました。受動部品セグメントが減少した一方で、磁気応用製品セグメントは増加しました。

中国における売上高は、前連結会計年度の606,045百万円から1.2%減の598,959百万円となりました。フィルム応用製品セグメントが増加した一方で、磁気応用製品セグメントは減少しました。

アジア他の地域における売上高は、前連結会計年度の207,848百万円から7.3%増の222,954百万円となりました。受動部品セグメントが減少した一方で、磁気応用製品セグメントは増加しました。

この結果、海外売上高の合計は、前連結会計年度の1,061,203百万円から1.1%増の1,073,024百万円となり、連結売上高に対する海外売上高の比率は、前連結会計年度の92.1%から1.0ポイント減少し91.1%となりました。

(2)キャッシュ・フロー

各キャッシュ・フローの状況は、次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によって得たキャッシュ・フローは、160,136百万円となり、前連結会計年度比8,573百万円増加しました。主な増加要因は仕入債務の増加であります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動に使用したキャッシュ・フローは、71,111百万円となり、前連結会計年度比69,474百万円減少しました。主な減少要因は事業の譲渡であります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動に使用したキャッシュ・フローは、37,753百万円となり、前連結会計年度の財務活動によって得たキャッシュ・フローとの差は67,058百万円となりました。主な要因は短期借入債務の減少であります。

これらに為替変動の影響を加味した結果、平成29年3月31日現在における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末比44,920百万円増加して330,388百万円となりました。