【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度のわが国の経済は「一部に改善の遅れもみられるが、緩やかな回復基調が続いている。先行きについては、雇用・所得環境の改善が続くなかで、各種政策の効果もあって、緩やかに回復していくことが期待される。ただし、海外経済の不確実性や金融資本市場の変動の影響に留意する必要がある。」と内閣府の月例経済報告に記されており、企業の業況判断は「緩やかに改善している。」とされています。

こうした状況の中、当社グループの当連結会計年度の売上高は、放送事業、制作事業、映像音楽事業、生活情報事業が減収となりましたが、広告事業、都市開発事業、その他事業が増収となり、全体では前年同期比2.1%増収の6,539億76百万円となりました。

営業利益は、広告事業、都市開発事業が増益となりましたが、放送事業、制作事業、映像音楽事業、生活情報事業、その他事業が減益となり、前年同期比8.5%減益の223億19百万円、経常利益は前年同期比6.2%減益の303億80百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は㈱仙台放送の連結子会社化による負ののれん発生益を特別利益に計上したことなどが加味されて、前年同期比20.0%増益の273億96百万円となりました。

 

報告セグメントの業績の状況は以下の通りです。

 

売 上 高

セグメント利益

前連結会計年度

当連結会計年度

増減

前連結会計年度

当連結会計年度

増減

 

(百万円)

(百万円)

(%)

(百万円)

(百万円)

(%)

放送事業

318,980

312,721

△2.0

8,073

6,830

△15.4

制作事業

50,834

49,292

△3.0

2,093

1,819

△13.1

映像音楽事業

50,104

48,071

△4.1

2,365

1,071

△54.7

生活情報事業

135,556

130,694

△3.6

1,223

952

△22.1

広告事業

42,797

45,476

6.3

361

384

6.6

都市開発事業

82,668

102,501

24.0

9,441

10,968

16.2

その他事業

26,066

29,221

12.1

541

245

△54.7

調整額

△66,436

△64,003

294

47

合  計

640,572

653,976

2.1

24,394

22,319

△8.5

 

 

(放送事業)

㈱フジテレビジョンの放送事業収入の核となる放送収入については、上期は大型スポーツ番組が貢献したもののレギュラー番組の視聴率が伸び悩んだことなどにより、売上を伸ばすことができませんでした。下期も10月改編による新番組の視聴率が苦戦して、放送収入は2,014億98百万円で前年同期比5.7%の減収となりました。

全国放送を対象とするネットタイムセールスでは、単発番組においては5月から6月にかけて放送された「2016リオデジャネイロオリンピック バレーボール世界最終予選」、8月の「リオデジャネイロオリンピック2016」関連番組、12月の「全日本フィギュアスケート選手権2016」、3月の「世界フィギュアスケート選手権2017」などが売上に貢献したものの、苦戦が続くレギュラー番組の売上減を補うに至りませんでした。その結果、ネットタイムセールスの売上高は、876億35百万円で前年同期比7.6%の減収となりました。

関東地区への放送を対象とするローカルタイムセールスは、単発番組に支えられながらも、セールス区分の変更による売り枠の減少の影響により、売上高は130億37百万円で前年同期比6.9%の減収となりました。

スポットセールスについては、リオデジャネイロオリンピックの影響があった8月を除くと市況は概ね堅調に推移したものの、視聴率の低迷により売上を伸ばすことができずに、通期で前年を下回りました。

業種別では、「化粧品・トイレタリー」、「食品」が前年を上回りましたが、「情報・通信・放送」、「事務・精密・光学機器」、「アルコール飲料」などは前年を下回りました。その結果、スポットセールスの売上高は、1,008億26百万円で前年同期比3.8%の減収となりました。

放送事業収入のその他放送事業については、国内番組販売収入が前年に及ばなかったものの、埼玉西武ライオンズ戦の中継などにより加入者収入が大幅に伸びたCS放送収入や海外番組販売収入が増収となったため、売上高は335億57百万円で前年同期比0.5%の増収でした。

その他事業収入では、映画事業において「ワンピース フィルム ゴールド」(興行収入51.8億円)、「暗殺教室~卒業編~」(興行収入35.2億円)などのヒット作がありましたが、「HERO」など話題作が続いた前年を超えることができず減収となりました。イベント事業においては、シルク・ドゥ・ソレイユの新作「トーテム」が貢献し大幅な増収となりました。MD事業は「トーテム」などの飲食・物販が貢献したものの、番組関連商品が伸び悩み減収となりました。ビデオ事業では、市況の冷え込みに加えて、主力のドラマでヒット作に恵まれず、前年を超えることができませんでした。新サービスや積極的な会員獲得策が奏功して売上を伸ばした「FOD(フジテレビオンデマンド)」が牽引するデジタル事業は、㈱フジゲームスを分社化したことにより減収となりました。その結果、その他事業全体の売上高は、454億93百万円で前年同期比6.6%の増収となりました。

費用面では、その他事業原価が増収により増加しましたが、放送事業原価、販売費及び一般管理費とも前年度より費用を抑制することができたため、営業費用全体で前年以下に抑えることができました。

㈱ビーエスフジは、タイム収入では「プライムニュース」や通販番組が貢献し、スポット収入も過去最高を記録したため、売上高、営業利益は過去最高を記録し、4期連続で増収増益となりました。

㈱ニッポン放送は、スポット収入が増収だったもののタイム収入の減収を補えず放送収入は減収でしたが、イベント事業が好調だったことから売上高全体では増収となりました。利益面では、平成27年12月に本放送を開始したFM補完放送費用が当期は通年分の負担となったことで販売費及び一般管理費が増加したため減益となりました。

平成28年12月に連結子会社化した㈱仙台放送は、売上、営業利益に貢献しました。

以上の結果、放送事業全体の売上高は3,127億21百万円と前年同期比2.0%の減収、セグメント利益は68億30百万円と同15.4%の減益となりました。

 

放送事業の売上高内訳

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減

(百万円)

(百万円)

(%)

㈱フジテレビジョン

 

 

 

 放送事業収入

247,014

235,056

△4.8

   放送収入

213,626

201,498

△5.7

    ネットタイム

94,826

87,635

△7.6

    ローカルタイム

14,001

13,037

△6.9

    スポット

104,797

100,826

△3.8

   その他放送事業収入

33,388

33,557

0.5

    番組販売収入

17,909

17,593

△1.8

    その他

15,478

15,964

3.1

 その他事業収入

42,693

45,493

6.6

小 計

289,708

280,550

△3.2

㈱ビーエスフジ

16,761

17,722

5.7

㈱ニッポン放送

14,475

14,566

0.6

セグメント内消去等

(1,964)

(117)

合 計

318,980

312,721

△2.0

 

 

(制作事業)

制作事業は、番組等の受注数、受注単価の減少により、全体の売上高が492億92百万円と前年同期比3.0%の減収となりました。セグメント利益は、18億19百万円と同13.1%の減益となりました。

 

(映像音楽事業)

㈱ポニーキャニオンは、イベントコンサートのチケット収入やグッズ収入、アニメ作品の海外ライセンス収入が好調でしたが、音楽部門、映像部門の不振が響き、減収減益となりました。

㈱フジパシフィックミュージックは、映像制作収入は減収でしたが、著作権使用料収入、原盤使用料収入が前年同期並を確保、マネージメント収入等も貢献し、増収増益となりました。

以上の結果、映像音楽事業全体の売上高は480億71百万円と前年同期比4.1%の減収、セグメント利益は同54.7%減益の10億71百万円となりました。

 

(生活情報事業)

㈱ディノス・セシールのディノス事業は、テレビ通販は堅調に推移しましたが、カタログ通販が苦戦し、売上高全体では減収となりました。セシール事業もカタログ事業が秋以降に伸び悩み、売上高は減収となりました。この結果、㈱ディノス・セシール全体として減収減益となりました。

㈱サンケイリビング新聞社は、リビング新聞やシティリビングの広告収入等が伸び悩み売上高全体では減収となりましたが、コスト削減により前期の営業損失から利益を確保しました。

以上の結果、生活情報事業全体の売上高は1,306億94百万円と前年同期比3.6%の減収、セグメント利益は同22.1%減益の9億52百万円となりました。

 

(広告事業)

広告事業は、ラジオ広告、屋外看板、WEB広告が好調に推移し増収増益となりました。

以上の結果、広告事業全体の売上高は、過去最高を記録し454億76百万円で前年同期比6.3%の増収、セグメント利益は3億84百万円と同6.6%の増益となりました。

 

(都市開発事業)

㈱サンケイビルは、主力のビル事業が堅調に推移し、資産開発事業において保有ビルの売却や土地販売収入の寄与により大幅に増収、住宅事業も販売戸数が増加したことなどから売上高全体で大幅増収となり、利益面でも増益となりました。なお、売上高、営業利益とも過去最高を記録しました。㈱グランビスタホテル&リゾートは、一部ホテルが耐震工事や改修工事で休業したため減収減益となりました。

以上の結果、都市開発事業全体の売上高は1,025億1百万円と前年同期比24.0%の増収となり、セグメント利益は109億68百万円と同16.2%の増益となりました。

 

(その他事業)

㈱フジミックは、システム開発・運用保守等の受注減により減収減益となりました。㈱扶桑社は、書籍でヒット作に恵まれ、別冊ムックも好調で増収増益となりました。

以上の結果、その他事業全体の売上高は292億21百万円と前年同期比12.1%の増収、セグメント利益は2億45百万円と同54.7%の減益となりました。

 

持分法適用会社では、当第3四半期まで持分法適用会社であった㈱仙台放送を含めたフジテレビ系列局11社、㈱WOWOW、伊藤忠・フジ・パートナーズ㈱が持分法による投資利益に貢献しました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当期における各キャッシュ・フローの状況は以下の通りであります。

営業活動によるキャッシュ・フローは、483億23百万円の収入となり、前期比219億49百万円(83.2%)の収入増加となりました。これは、たな卸資産の増減額が152億95百万円の収入増加、法人税等の支払額が48億60百万円の減少、利息及び配当金の受取額が21億20百万円の増加となったこと等によります。

投資活動によるキャッシュ・フローは、398億87百万円の支出となり、前期比60億49百万円(17.9%)の支出増加となりました。これは、有価証券の取得による支出が145億78百万円減少し、有形固定資産の取得による支出が125億82百万円減少した一方で、有価証券の売却及び償還による収入が282億19百万円減少したことや、投資有価証券の売却及び償還による収入が87億67百万円減少したこと等によります。

財務活動によるキャッシュ・フローは、20億25百万円の支出となり、229億59百万円の収入であった前期に比べ、249億84百万円の収入減少となりました。これは、社債の発行による収入が199億22百万円増加し、長期借入金の返済による支出が189億76百万円減少した一方で、長期借入れによる収入が459億26百万円減少し、社債の償還による支出が200億円増加したこと等によります。

現金及び現金同等物の当期末残高は、新規連結に伴う現金及び現金同等物の増加5億70百万円等を加味した結果、781億61百万円となり、前期末に比べ67億32百万円(9.4%)の増加となりました。