【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度における世界経済は、米国での雇用情勢の改善や、中国での政策効果により個人消費が堅調に推移したこと等により、緩やかに回復しました。一方で、米国の新政権の政策運営、欧州主要国で予定されている国政選挙を含めた政治・経済情勢等により、先行き不透明な状況です。また、国内経済は、底堅い企業業績・個人消費に加えて雇用情勢も堅調に推移しており、緩やかな回復基調が継続しています。

紙・パルプ業界においては、板紙の内需は堅調に推移しているものの、新聞用紙・印刷用紙をはじめとする紙の内需は減少し続けており、さらに足元では古紙価格が上昇し、引き続き厳しい事業環境となりました。

当事業年度において、洋紙事業については、出版物・カタログ等の塗工紙需要が減少する中で、非塗工紙・情報用紙・包装用紙への販売品種シフトを推進しています。卸商会「DAIO Partner Ship サクラテラス」を中心とした卸商業態への拡販が進み、平判品等の拡販に繋がりました。また、板紙・段ボール事業については、引き続き通販・加工食品分野等の需要が伸長する中で、生産・販売数量が増加しており、今後更なる品質向上・原価低減を進めていくとともに、段ボール事業での戦略的設備投資による生産・販売体制の強化に取り組みます。

ホーム&パーソナルケア事業の国内事業においては、衛生用紙では、平成28年5月に可児工場にてキッチンタオルの生産設備を増設し、キッチンタオルの増産・増販、「消臭+トイレット」や「i:na(イーナ)倍巻きトイレット」等の付加価値品の拡販が順調に進みました。吸収体においても、市場が伸長する大人用紙おむつ・軽失禁商品の販売が好調に推移しています。また、平成28年4月にエリエールプロダクト株式会社での「GOO.N 肌にやさしいおしりふき」の設備新設による拡販に加えて、トイレクリーナー・除菌ウェットの拡販も計画通り進んでおり、生理用ナプキンもリニューアルにより販売が伸長しています。

さらに、海外事業においては、中国で急速に市場が伸長しているベビー用紙おむつパンツタイプの生産ラインを増設し、生産・販売を開始しています。また、当事業年度に販売を開始した韓国のフェミニンケア用品、タイのウェット商品等、海外事業の複合化に向けた商品カテゴリーの拡大が順調に進んでいます。

 

当連結会計年度の連結業績は、以下のとおりとなりました。

連結売上高

477,140

百万円

(前年同期比

0.6%増

連結営業利益

23,535

百万円

(前年同期比

3.2%減

連結経常利益

21,347

百万円

(前年同期比

0.4%増

親会社株主に帰属する当期純利益

12,136

百万円

(前年同期比

16.8%減

 

 

セグメントの業績は、次のとおりです。

 

① 紙・板紙

売上高

291,953

百万円

(前年同期比

2.7%減

セグメント利益

10,027

百万円

(前年同期比

4.3%減

 

新聞用紙は、新聞の発行部数減少傾向の中、販売数量・金額ともに前年同期並となりました。

新聞用紙を除く洋紙事業の国内需要は前年から2%の減少となりました。当社は販売品種構成とユーザー構成改善により販売数量は前年同期並でしたが、販売金額は国内市況価格下落から前年同期を下回りました。

板紙・段ボールは、天候不順による青果物の需要減少があったものの、通販や加工食品分野等の伸長もあり、販売数量は前年同期を上回りましたが、販売金額は販売先や販売品種構成の変化により前年同期を下回りました。

セグメント利益は、工場での設備改造によるクラフトパルプの増産効果及び、エネルギー、薬品等のコスト低減と円高による原燃料コストの減少がありましたが、販売価格が下落したことにより、前年同期を下回りました。

 

 

② ホーム&パーソナルケア

売上高

168,820

百万円

(前年同期比

6.2%増

セグメント利益

10,110

百万円

(前年同期比

2.5%減

 

衛生用紙は、国内市場における付加価値品への販売シフトを進め、平成28年秋にリニューアルした「贅沢保湿ティシュー」の販売も好調に推移したことが寄与し、販売数量・金額ともに前年同期を上回りました。

大人用紙おむつは、伸縮フィルムを採用して布下着のような履き心地を実現し、他社との大幅な差別化要素を持った「アテント スポーツパンツ」の投入や夜用高機能パッドの「アテント 夜1枚安心パッドシリーズ」のリニューアルを活用して拡販した結果、販売数量・金額ともに前年同期を上回りました。

ベビー用紙おむつは、新生児用・Sサイズをリニューアルし、入口サイズの拡販は進みましたが、インバウンド需要減少の影響を受け、国内市場では販売数量・金額ともに前年同期を下回りました。 

フェミニンケア用品は、市場で伸長している吸水ライナー「ナチュラ」と付加価値の高いスリムゾーンの「elis Megami」を中心に拡販した結果、販売数量は前年同期を下回りましたが、販売金額は前年同期を上回りました。

海外事業は、主力のベビー用紙おむつの販売が順調に推移しています。最も市場規模の大きい中国では、スーパープレミアムゾーンの「GOO.N 天使シリーズ(テープタイプ)」が高評価を受けていること、パンツタイプの市場が著しく伸長していることを背景に、天使シリーズのパンツタイプを発売し、拡販が順調に進んでいます。内需拡大が著しいインドネシアでは、ベビー用紙おむつの現地生産を平成27年12月、現地生産品の販売を平成28年3月より開始し、需要構成比の5割を超えるミニマーケット業態を中心に販売が伸長しています。また、ベトナムやフィリピンでは大手販売店で新規に販売を開始し、ラオスやカンボジアでも新規配荷が進み、ASEAN諸国への販売が拡大しています。さらに、韓国と台湾ではフェミニンケア用品・大人用紙おむつ、タイではウェット商品の販売が進んでいることも寄与し、海外売上全体で販売数量・金額ともに前年同期を大きく上回りました。

セグメントの利益は、主に衛生用紙及びベビー用紙おむつの伸長により販売金額増となったものの、PT.エリエールインターナショナルマニュファクチャリングインドネシアの初期費用発生等により、前年同期を下回りました。

 

③ その他

売上高

16,367

百万円

(前年同期比

7.6%増

セグメント利益

3,113

百万円

(前年同期比

1.3%減

 

主に売電事業、機械事業、木材事業であり、セグメント利益はチップの販売は増加したものの、売電が減少し、前年同期を下回りました。

 

(2) キャッシュ・フロー

当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比較して10,564百万円増加し、82,733百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、62,932百万円の収入(前連結会計年度比15,921百万円の増加)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益18,118百万円及び減価償却費29,017百万円によるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、31,394百万円の支出(前連結会計年度比5,321百万円の増加)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出34,694百万円によるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、22,037百万円の支出(前連結会計年度比4,562百万円の増加)となりました。これは主に、長期借入れによる収入65,300百万円、長期借入金の返済による支出80,006百万円、短期借入金の純増減額(支出)7,200百万円、社債の発行による収入15,300百万円及び社債の償還による支出10,320百万円によるものです。